国道9号
国道9号(こくどう9ごう)は、京都府京都市下京区から山陰地方を経由し、山口県下関市に至る一般国道である。
一般国道 | |
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国道9号 | |
地図 | |
総延長 | 816.8 km |
実延長 | 769.6 km |
現道 | 614.6 km |
制定年 | 1952年(昭和27年)指定 (原型は1885年(明治18年)) |
起点 | 京都府京都市下京区 烏丸五条交差点(北緯34度59分46.32秒 東経135度45分35秒 / 北緯34.9962000度 東経135.75972度) |
主な 経由都市 |
京都府福知山市 兵庫県朝来市 鳥取県鳥取市、米子市 島根県松江市、浜田市 山口県山口市 |
終点 | 山口県下関市 下関駅西口交差点(北緯33度57分4.4秒 東経130度55分21.2秒 / 北緯33.951222度 東経130.922556度) |
接続する 主な道路 (記法) |
国道1号 国道24号 国道27号 国道29号 国道53号 国道54号 国道2号 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
概要
京都府から鳥取県にかけては谷沿いに、鳥取県から島根県にかけては日本海沿いの山陰地方を縦貫し、島根県西部から山口県にかけては再び谷沿いを走る。並行して瀬戸内海沿いの山陽地方を走るのが国道2号で、山口県山口市小郡で両国道は合流して下関市へと向かう。下関市長府の印内交差点までが国道2号との重複区間だが、そこから再び分岐する。国道2号が内陸部や関門トンネルを経由して福岡県北九州市にある国道3号や国道10号の起点へとつながるのに対し、国道9号は関門海峡に沿って下関市の中心部へと向かう。京都 - 下関間の現道区間の延長は、国道45号、国道4号、国道1号に続いて日本で4番目に長い一般国道でもあり[1]、西日本で1番長い一般国道でもある。
島根県益田市以東の大半の区間がJR西日本山陰本線に、益田市から山口市小郡までは山口線に、山口市小郡から下関市までは国道2号と重複して山陽本線や山陽新幹線に並行している。益田市と下関市の間の日本海沿いには国道191号が延びている。益田市 - 山口市では国道9号自体が陰陽連絡国道の役割を担っている。
現在、鳥取県から島根県にかけて、この道と並走する形で「E9」山陰自動車道が整備中で、一部区間は供用中である。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1] に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
- 起点:京都市(下京区、烏丸五条交差点 = 国道1号上、国道8号終点、国道24号・国道367号起点)
- 終点:下関市(下関駅西口交差点 = 国道191号起点、山口県道250号南風泊港線終点)
- 重要な経過地:亀岡市、京都府船井郡八木町[注釈 2]、同郡園部町[注釈 2]、同郡丹波町[注釈 3]、同郡瑞穂町[注釈 3]、福知山市、兵庫県朝来郡山東町[注釈 4]、同郡和田山町[注釈 4]、同県養父郡八鹿町[注釈 5] 同県美方郡村岡町[注釈 6]、鳥取県岩美郡岩美町、鳥取市、同県東伯郡羽合町[注釈 7] 同郡北条町[注釈 8]、米子市、安来市、松江市(西津田三丁目)、島根県八束郡宍道町[注釈 9]、出雲市、大田市、江津市、浜田市、益田市、同県鹿足郡日原町[注釈 10]、山口県阿武郡阿東町[注釈 11]、山口市、同県吉敷郡小郡町[注釈 12]、宇部市(吉見)、同県厚狭郡山陽町[注釈 13]
- 総延長 : 816.8 km(京都府 92.8 km、京都市 13.7 km、兵庫県 70.1 km、鳥取県 197.0 km、島根県 330.0 km、山口県 113.2 km)[3][注釈 14][注釈 15]
- 重用延長 : 47.2 km(京都府 - km、京都市 0.7 km、兵庫県 - km、鳥取県 - km、島根県 - km、山口県 46.5 km)[3][注釈 14]
- 実延長 : 769.6 km(京都府 92.8 km、京都市 13.1 km、兵庫県 70.1 km、鳥取県 197.0 km、島根県 330.0 km、山口県 66.7 km)[3][注釈 14]
- 指定区間:京都市下京区烏丸通五條下る大阪町371番2 - 下関市竹崎町4丁目1番3(全線)[4]
歴史
国道9号は、山陰道を継承するものである。
年表
- 1885年(明治18年) - 内務省告示第6号「國道表」では、国道23号「東京より鳥取県に達する路線」(東京 - 京都は上位の道路と重複。京都 - 鳥取)、国道25号「東京より島根県に達する別路線」(国道23号経由で島根まで)、国道28号「東京より山口県に達する別路線」(国道23、国道25号経由で山口まで)として指定された。
- 1920年(大正9年) - 同年施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道18号「東京都より山口県庁所在地に達する路線(乙)」となった。
- 1952年(昭和27年)12月4日 - 新道路法に基づく路線指定で、一級国道9号(京都市 - 下関市)として指定施行[5]。1965年(昭和40年)までは大田市 - 江津市浅利町の他、現在とは大きく異なる内陸側のコースをとる区間があった。
路線状況
バイパス
国道2号との重複区間も含む。 太字は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路。斜字は地域高規格道路に属する自動車専用道路。
- 桂バイパス(京都府)
- 福知山道路(京都府)
- 和田山バイパス(兵庫県)
- 八鹿バイパス(兵庫県)
- 春来バイパス(兵庫県)
- 蒲生バイパス(兵庫県 - 鳥取県)
- 駟馳山バイパス連絡道路(しちやま)(岩美消防署前交差点 - 岩美IC)(鳥取県)
- E9 駟馳山バイパス(しちやま)(岩美IC - 福部IC)(鳥取県)
- 鳥取バイパス(鳥取県)
- E9 鳥取西道路(鳥取IC - 青谷IC)(鳥取県)
- 青谷羽合道路アクセス道路(八束水交差点 - 青谷IC)(鳥取県)
- E9 青谷羽合道路(青谷IC - はわいIC)(鳥取県)
- E9 北条道路(はわいIC - 大栄東伯IC ※事業中区間)(鳥取県) ※全線で下記の北条バイパスが並行
- 北条バイパス(鳥取県)
- E9 東伯中山道路 (大栄東伯IC - 赤碕中山IC) (鳥取県)
- E9 中山名和道路(赤碕中山IC - 西伯郡大山町下市)(鳥取県)
- E9 名和淀江道路(西伯郡大山町下市 - 淀江IC)(鳥取県)
- E9 米子道路(淀江IC - 米子西IC)(鳥取県)
- E9 松江道路(東出雲IC - 松江玉造IC)(島根県)
- 玉湯バイパス(島根県)
- 出雲バイパス(島根県)
- E9 多伎・朝山道路(出雲多伎IC - 大田朝山IC)(島根県)
- E9 朝山・大田道路(大田朝山IC - 大田中央・三瓶山IC)(島根県)
- E9 大田・静間道路(大田中央・三瓶山IC - 大田静間IC)(島根県)
- E9 静間・仁摩道路(大田静間IC - 仁摩・石見銀山IC)(島根県)
- E9 仁摩温泉津道路(仁摩・石見銀山IC - 石見福光IC)(島根県)
- E9 江津道路(江津バイパス東口 - 江津IC)(島根県)
- E9 浜田道路(浜田IC - 原井IC)(島根県)
- E9 浜田三隅道路(原井IC - 石見三隅IC)(島根県)
- E9 益田道路(遠田IC - 須子IC)(島根県)
- 直地バイパス(島根県)
- 津和野バイパス(島根県 - 山口県)
- 木戸山バイパス(山口県)
- 山口バイパス(山口県)
- 小郡改良(山手バイパス)(山口県)
- E2 小郡道路(小郡IC - 山口市今坂)(山口県)
- 厚狭・埴生バイパス(山口県)
- 小月バイパス(下関市)
有料道路
通称
- 山陰道(背面道)・山陰街道 : 歴史的な呼称。
- 五条通 : 京都市内の区間における呼称。
- ジオパークロード : 駟馳山バイパスの道路愛称名。ジオパークロードは、山陰海岸ジオパークにほぼ並走する鳥取豊岡宮津自動車道(山陰近畿自動車道)に対して、沿線の三府県議会議員の会によって名付けられた愛称で、国道178号の区間でも同様によばれる。
重複区間
- 国道1号(京都府京都市下京区松屋町・烏丸五条交差点(起点) - 京都市下京区泉水町・堀川五条交差点)
- 国道162号(京都府京都市右京区西院南高田町・西大路五条交差点 - 京都市右京区西京極葛野町・五条天神川交差点)
- 国道477号(京都府南丹市八木町八木・八木交差点 - 南丹市園部町河原町・園部河原町交差点)
- 国道175号・国道176号(京都府福知山市東堀・東堀交差点 - 福知山市牧・牧交差点)
- 国道312号(兵庫県朝来市・一本柳交差点 - 養父市・上野南交差点)
- 国道482号(兵庫県美方郡香美町村岡区村岡 - 美方郡香美町村岡区長板・長板交差点)
- 国道29号・国道53号別線・国道373号別線(鳥取県鳥取市秋里・秋里交差点 - 鳥取市南隈・南隈交差点)
- 国道180号(鳥取県米子市・陰田町交差点 - 松江市・相生町交差点)
- 国道54号(島根県松江市雑賀町・相生町交差点 - 松江市宍道町佐々布・宍道交差点)
- 国道186号(島根県江津市 - 浜田市・殿町交差点)
- 国道187号(島根県益田市・中吉田町交差点 - 鹿足郡津和野町・枕瀬交差点)
- 国道262号(山口県山口市宮野上・木戸山トンネル西口 - 山口市宮野下・平野交差点)
- 国道2号(山口県山口市・交通センター前交差点・小郡道路小郡IC - 下関市・印内交差点)
道路施設
橋梁
- 京都府
- 鳥取県
- 島根県
トンネル
- 京都府
- 千代原口トンネル(軽車両・大型含むすべての二輪車通行不可。詳細は当該記事参照)
- 老ノ坂トンネル
- 夜久野トンネル
- 兵庫県
- 鳥取県
- 湯山トンネル・覚寺トンネル(鳥取県鳥取市)
道の駅
沿線に22駅が設置されており、これは日本の国道の中で最多である[7]。
- 京都府
- 兵庫県
- 但馬楽座(養父市)
- ようか但馬蔵(養父市八鹿町)
- ハチ北(美方郡村岡町)(現美方郡香美町村岡区)
- 村岡ファームガーデン(美方郡香美町村岡区)
- 鳥取県
- 島根県
- 山口県
事前通行規制区間
区間 | 規制内容 |
---|---|
京都府京都市西京区大枝沓掛町 - 京都府亀岡市篠町王子 | 連続雨量230 mmを超える場合通行止 |
京都府南丹市園部町上木崎 - 京都府船井郡京丹波町新水戸 | 連続雨量230 mmを超える場合通行止 |
京都府福知山市夜久野町額田 - 京都府福知山市夜久野町日置 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
兵庫県養父市関宮 - 兵庫県美方郡香美町村岡区福岡 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止[8] |
島根県益田市三星 - 島根県鹿足郡津和野町青原 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
島根県鹿足郡津和野町青原 - 島根県鹿足郡津和野町青原 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
島根県鹿足郡津和野町青原 - 島根県鹿足郡津和野町池村 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
島根県鹿足郡津和野町池村 - 島根県鹿足郡津和野町野口 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
島根県鹿足郡津和野町野口 - 島根県鹿足郡津和野町日原 | 連続雨量200 mmを超える場合通行止 |
山口県山口市木戸山 - 山口県山口市宮野 | 連続雨量250 mmを超える場合通行止 |
山口県下関市長府外浦 - 山口県下関市壇ノ浦 | 連続雨量150 mmを超える場合通行止[9] |
地理
通過する自治体
交差する道路
※バイパスのうち鳥取県 - 島根県のE9 山陰自動車道に並行する区間を除く。それぞれの接続路線については各記事を参照。
近畿地方整備局管内
- 京都府
- 国道1号・国道8号・国道24号・国道367号(京都市下京区・烏丸五条交差点起点)
- 国道1号(京都市下京区・堀川五条交差点)
- 国道162号(京都市右京区・五条天神川交差点)
- E9 京都縦貫自動車道(国道478号) 沓掛IC(京都市西京区)
- 国道372号・国道423号(亀岡市・加塚交差点)
- 国道477号(南丹市・八木交差点 -(重複)- 園部河原町交差点)
- E9 京都縦貫自動車道(国道478号) 八木中IC(南丹市)
- E9 京都縦貫自動車道(国道478号) 丹波IC(船井郡京丹波町)
- 国道27号(船井郡京丹波町・蒲生交差点)
- 国道173号(船井郡京丹波町・和田交差点)
- E27 舞鶴若狭自動車道 福知山IC(福知山市)
- 国道175号・国道176号(福知山市・東堀交差点 -(重複)- 牧交差点)
- 国道429号(福知山市・新庄交差点)
- 国道426号(福知山市・野花交差点)
- 兵庫県
中国地方整備局管内
- 鳥取県
- 島根県
- 山口県
- 国道315号(山口市・長沢交差点)
- 国道489号(山口市・市井原交差点)
- 国道262号(山口市・木戸山トンネル西口 -(重複)- 平野交差点)
- 国道376号(山口市・仁保入口交差点)
- 国道435号(山口市・吉敷西交差点)
- 山口宇部道路 朝田IC(山口市)
- E2A 中国自動車道 小郡IC(山口市)
- 国道2号(山口市・交通センター前交差点 -(重複)- 下関市・印内交差点)
- 国道190号(山口市・岡屋IC)
- E2 山口宇部道路 嘉川IC(山口市)
- 国道490号(宇部市・車地交差点 -(重複)- 瓜生野交差点)
- 国道316号(山陽小野田市・杣尻交差点)
- E2 山陽自動車道 埴生IC(山陽小野田市)
- 国道190号(山陽小野田市・上市交差点)
- 国道491号(下関市・才川交差点)
- 国道191号(下関市・下関駅西口交差点終点)
通過する路線バス
以下は、通過する路線バスを運行している社局の一覧である。
- 出雲一畑交通
- 一畑バス
- 石見交通
- 宇部市交通局
- 京阪京都交通
- 京阪バス
- 京都交通
- 京都市交通局
- 京都バス
- サンデン交通
- 全但バス
- 丹後海陸交通
- JRバス中国
- 西日本ジェイアールバス
- 日ノ丸自動車
- 日ノ丸ハイヤー
- 日本交通
- 防長交通
- 松江一畑交通
- 松江市交通局
- ヤサカバス
主な峠
ギャラリー
脚注
注釈
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ a b 2006年1月1日に4町が合併して南丹市発足。
- ^ a b 2005年10月11日に3町が合併して船井郡京丹波町発足。
- ^ a b 2005年4月1日に4町が合併して朝来市発足。
- ^ 2004年4月1日に4町が合併して養父市発足。
- ^ 2005年4月1日に3町が合併して香美町発足。
- ^ 2004年10月1日に2町1村が合併して湯梨浜町発足。
- ^ 2005年10月1日に2町が合併して北栄町発足。
- ^ 2005年3月31日に松江市ほか6町1村が合併して松江市発足。
- ^ 2005年9月25日に2町が合併して鹿足郡津和野町発足。
- ^ 2010年1月16日に山口市へ編入。
- ^ 2005年10月1日に山口市ほか4町が合併して山口市発足。
- ^ 2005年3月22日に1市1町が合併して山陽小野田市発足。
- ^ a b c d e f 2022年3月31日現在
- ^ a b 山陰自動車道のうち高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(A'路線)を含む。
出典
- ^ 佐藤健太郎 2014, p. 134、「最長国道・最短国道」より。
- ^ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月2日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月27日閲覧。
- ^ ウィキソースには、一級国道の路線を指定する政令(昭和27年12月4日政令第477号)の原文があります。
- ^ 『一般国道9号、蒲生トンネルで防災訓練を実施!!』(PDF)(プレスリリース)国土交通省中国地方整備局豊岡河川国道事務所、2008年10月28日 。2011年4月5日閲覧。
- ^ 佐藤健太郎 2014, p. 155、「最も道の駅が多い国道」より。
- ^ “近畿の異常気象時通行規制区間”. 国土交通省近畿地方整備局. 2013年9月24日閲覧。
- ^ “中国全域の事前通行規制区間情報”. 国土交通省中国地方整備局. 2013年9月23日閲覧。
参考文献
- 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8。
関連項目
外部リンク
- 国土交通省近畿地方整備局
- 京都国道事務所:京都市起点 - 京都府船井郡京丹波町蒲生交差点の区間を管理
- 福知山河川国道事務所:京都府船井郡京丹波町蒲生交差点 - 福知山市の区間を管理
- 豊岡河川国道事務所:兵庫県の区間を管理
- 国土交通省中国地方整備局