フランコフォニー国際機関

世界中の様々な文化圏に属する、民主主義や人権といった普遍的な価値観とフランス語とを共有する国・地域の総体であるフランコフォニーの名を冠した国際機関

フランコフォニー国際機関(フランコフォニーこくさいきかん、: Organisation Internationale de la Francophonie: International Organization of La Francophonie、OIF)は、世界中の様々な文化圏に属する、民主主義人権といった普遍的な価値観とフランス語とを共有する国・地域の総体であるフランコフォニーの名を冠した国際機関である[2][3]

Organisation internationale
de la Francophonie
Organisation internationale de la Francophonie の国旗
国旗
Logo of Organisation internationale de la Francophonie
Logo
Motto
"Égalité, complémentarité, solidarité"[1]
"Equality, complementarity, solidarity"
  加盟国   加盟地域   準加盟国   資格停止中   オブザーバー
  加盟国
  加盟地域
  準加盟国
  資格停止中
  オブザーバー
本部 フランスの旗 フランス
パリ
公用語 フランス語
指導者
• フランコフォニー事務総長
ルイーズ・ムシキワボ
• APF General Secretary
Jacques Krabal
• APF President
François Paradis
設立
• Conference of Niamey
20 March 1970
(as ACCT)
• Conference of Hanoi
14–16 November 1997
(as La Francophonie)
面積
• 合計
28,223,185 km2 (10,897,033 sq mi)
人口
• 2016年の推計
1 billion
• 人口密度
36/km2 (93.2/sq mi)
GDP (名目) 2023 推計
• 合計
増加$18.28 trillions
ウェブサイト
www.francophonie.org
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French Community
  1. Deliberately alluding to France's motto.

この記事はフランス語関係の記事の一部である。

概要

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拡大過程

フランコフォニー国際機関に加盟している国・地域はフランス語圏に限定されず、英語圏ポルトガル語圏(カーボヴェルデサントメ・プリンシペ)、アラビア語圏(チュニジアモロッコなど)の国もあるため「フランコフォニー国際機関の加盟国=フランス語圏」とは必ずしも言い切れない[4]

ケベック州(フランス語のみが公用語)とニューブランズウィック州(英仏両語を公用語とする)を除いて基本的には英語が優勢なカナダも、両州が州単位で参加しているのに加え、カナダとしても参加をしている。

ベトナム[5]ラオスなどのように旧フランス植民地といえどもフランス語を公的な場で使用することがほとんどない国や、南欧のギリシャやアフリカのエジプトなどのようにフランスの植民地や保護領にすらなったことのない国もある。そしてオブザーバーとして東欧ポーランドチェコスロヴァキアや、ドイツ語圏に属するオーストリアスペイン語圏に属するメキシコアルゼンチンウルグアイ東南アジアでは例外的に各勢力からの独立を維持してきたタイ王国東アジアからは韓国も加わっている。

しかし、旧フランス海外領地の一つであるアルジェリアは、フランス語が比較的通用するが政治的な理由などで加盟していない。

日本とは2008年5月29日に協力に関する共同文書へ署名している[6]

沿革

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1970年~1997年:文化技術協力機関フランス語版英語版(Agence de coopération culturelle et technique、ACCT)
1970年3月20日(後のフランコフォニー週間の起源)、旧フランス領だった各国の指導者である、セネガルレオポルド・セダール・サンゴールチュニジアハビーブ・ブルギーバニジェールアマニ・ディオリカンボジアノロドム・シハヌークにより、ニジェールの首都ニアメで設立された。
その後、カナダのフランス語圏であるケベック州が加わり、1970年代になると同じくカナダの首相であるピエール・トルドーがサミット構想を掲げた。
かつての「本国」フランスは、この動きを新たな植民地政策につながりかねないとして積極的に関わらなかったが、ケベック州の仲介などでフランソワ・ミッテラン大統領期の1986年に第1回サミット開催を引き受けてから積極的に参加するようになった。
1998年~2005年:フランコフォニー政府間機関(Agence intergouvernementale de la francophonie、AIF)
1997年の第7回フランコフォニー・サミットフランス語版ベトナムハノイ)で改組が決定され、新設のフランコフォニー事務総長フランス語版(初代)にブトロス・ブトロス=ガーリ国際連合事務総長が選任された(在任:~2002年)。
2002年の第9回フランコフォニー・サミット(レバノンベイルート)で、続く第2代フランコフォニー事務総長にアブドゥ・ディウフセネガル共和国大統領が選任された(在任:2003年~2014年)。
2006年~:フランコフォニー国際機関(Organisation internationale de la francophonie、OIF)
2005年のフランコフォニー閣僚会議で改組が決定された。
2015年から第3代の事務総長としてミカエル・ジャンカナダ総督が(在任:~2018年)、続く第4代にルイーズ・ムシキワボフランス語版英語版ルワンダ外相(在任:2019年~現在)が、それぞれ選任されている。ムキシワボは2022年11月19日、無投票で再選された[7]

組織

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フランコフォニー・サミットフランス語版
2年に一度サミット加盟国のいずれかで開催される首脳会談。フランコフォニー国際機関の基本方針が決定される。参加国は2010年時点でオブザーバーを含め75カ国。過去に行われたサミット開催地と開催年は次の通り。
回次 開催時期 開催場所 備考、出典
第1回 1986年   フランスパリ
第2回 1987年   カナダケベックシティー
第3回 1989年   セネガルダカール
第4回 1991年   フランス、パリ
第5回 1993年   モーリシャスポートルイス
第6回 1995年   ベナンコトヌー
第7回 1997年   ベトナムハノイ
第8回 1999年   カナダモンクトン
第9回 2002年   レバノンベイルート
第10回 2004年   ブルキナファソワガドゥグー
第11回 2006年   ルーマニアブカレスト
第12回 2008年   カナダ、ケベックシティー
第13回 2010年   スイスモントルー [8][9]
第14回 2012年   コンゴ民主共和国キンシャサ [10]
第15回 2014年11月   セネガル、ダカール [11]
第16回 2016年11月   マダガスカルアンタナナリボ
第17回 2018年10月   アルメニアエレバン
第18回 2022年   チュニジアジェルバ島 当初2020年開催予定だったが延期。
第19回 2024年10月   フランスヴィレ=コトレ英語版とパリ
第20回 2026年予定   カンボジア
2010年スイスのサミットでは、首脳らは、開幕式の挨拶の後は、観光に専念した。サミットの形骸化が批判されている[9]
フランコフォニー閣僚会議(Conférence ministérielle de la francophonie、CMF)
加盟国外相が参加する総合的な会議とそれ以外の閣僚が参加する専門会議がある。総合会議はサミット首脳会談で取りあげる議題やOIFの組織の在り方についてやサミットの加盟申請国の承認などを討議する。専門会議は文化や子ども、女性や環境問題、情報化、スポーツ、持続的発展など個別の問題について討議する。
フランコフォニー常任理事会(Conseil permanent de la francophonie、CPF)
事務総長の発議により、加盟国政府の代表者が参加し、事務総長の主宰で行われる会議。その役割はサミットの準備および決定事項が執行されているかの確認が主である。
フランコフォニー事務総長フランス語版
1997年より常設されているOIFの最高執行機関。初代事務総長はエジプトB.ブトロス・ガリ国連事務総長1997年-2002年)。現在は4代目のルイーズ・ムシキワボ英語版(元ルワンダ外相)。
フランコフォニー・オペレーター
フランコフォニー大学機関フランス語版英語版(AIF)、TV5MONDE(フランス語による国際放送テレビ局)、アレキサンドリア・サンゴール大学フランス語版英語版フランコフォニー市長国際協会フランス語版英語版(AIMF)などがある。
その他の機関
フランコフォニー議会大会フランス語版英語版フランス語圏競技大会国際委員会などがある。

参加国・地域

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2018年時点での加盟国
  加盟国
  準加盟国
  オブザーバー
  資格停止中

2016年現在、加盟国54、準加盟国4、オブザーバー26(資格停止中1)の計84の国・地域が参加している。[12]

ヨーロッパ
西欧
中東欧(旧ソビエト連邦構成共和国であった東ヨーロッパエリア2ヶ国を含む)
アフリカ
アジアオセアニア(コーカサスの2ヶ国を含む)
アメリカ州カリブ

記念日

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出典

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  1. ^ Brochure: L'Institut de l’énergie et de l'environnement de la Francophonie. Archived 6 August 2020 at the Wayback Machine.. (IEPF Archived 3 August 2020 at the Wayback Machine.). Accessed 22 January 2009.
  2. ^ フランコフォニー”. 在日フランス大使館. 2010年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月28日閲覧。
  3. ^ L’Organisation internationale de la Francophonie” (フランス語). フランコフォニー国際機関. 2010年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月28日閲覧。
  4. ^ SJDF » Blog Archive » 「フランコフォニーの現在:多様性への挑戦」« La Francophonie aujourd’hui : les enjeux de la diversité »”. 2023年10月31日閲覧。
  5. ^ ベトナム フランコフォニー国際機関の役割の向上に努力” (ベトナム語). ベトナムの声放送局 (2021年7月7日). 2023年10月31日閲覧。
  6. ^ 日本国政府と仏語圏国際機関(OIF)の協力に関する共同文書への署名について”. 日本国外務省 (2008年5月29日). 2024年8月21日閲覧。
  7. ^ “Francophonie : Louise Mushikiwabo confirmée pour un nouveau mandat”. Jeune Afrique. (2022年11月20日). https://www.jeuneafrique.com/1394771/politique/francophonie-louise-mushikiwabo-confirmee-pour-un-nouveau-mandat/ 2022年11月21日閲覧。 
  8. ^ フランコフォニー・サミット、スイスで初めて開催 swissinfo.ch 2010-10-21 15:27
  9. ^ a b 仏語圏サミットで高級時計や美容ケア… 観光気分に批判”. asahi.com (2010年10月24日). 2010年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月3日閲覧。
  10. ^ Clôture du XIIIe Sommet de la Francophonie à Montreux”. フランコフォニー国際機関. 2011年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月2日閲覧。
  11. ^ FRANCOPHONIE Remise des pré-requis techniques et matériels pour le XVème sommet Abdoul Aziz Mbaye «vend» Dakar” (フランス語). Le quotidien. 2013年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月7日閲覧。
  12. ^ 84 États et gouvernements - Organisation internationale de la Francophonie” (フランス語). フランコフォニー国際機関. 2016年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月8日閲覧。
  13. ^ swissinfo.ch, ピエール・フランソワ・ブッソン, ( 仏語からの意訳、里信邦子 ) (2010年10月21日). “フランコフォニー・サミット、スイスで初めて開催”. SWI swissinfo.ch. 2023年10月31日閲覧。
  14. ^ アイルランドが仏語圏機関に参加 ブレグジット見据え関係開拓”. www.afpbb.com. 2023年10月31日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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