アジア柔道選手権大会

アジア柔道連盟が主催する柔道のアジア選手権
アジア柔道選手権から転送)

アジア柔道選手権大会は、アジア柔道連盟が主催する柔道のアジア選手権である。

歴史

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男子の大会は1966年からほぼ4年に1度開催され、1991年からは毎年開催に移行している(アジア競技大会開催年は除く)。女子の大会は1981年より始まり、以降は1984・1985年を除き男女同時開催となっている[1]。 2000年より、一本勝を奨励する目的で最も一本勝ちが多かった選手に対して“一本トロフィー(The Ippon Trophy)”の贈呈を開始。 2011年からは男女とも国別団体戦が開催される事となった[2]大陸選手権では、各国とも男女最大9名の選手をエントリーすることが許容されているものの、この大会では各階級とも1名しかエントリーできない[3][4]。2016年からは男女とも最大9名までのエントリーが認められることになった[5]。2019年からはアジア選手権とオセアニア選手権が統合されて、新たに「アジアパシフィック柔道選手権大会」という名称で開催されることになった[6]。2020年4月にモンゴルウランバートルで開催予定だった今大会は、新型コロナウイルスの影響により、それ以降に延期されることになったが、結果として中止となった[7][8]。2021年からはアジア・オセアニア柔道選手権大会に名称変更となった[9]。2022年からオセアニアはパンアメリカン地域に加わった[10]。2022年9月に杭州で開催予定だったアジア大会新型コロナウイルスの影響で延期になったため、その代替大会として、8月にカザフスタンのヌルスルタンでアジア選手権が開催されることになった[11]

優勝者

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男子

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歴代優勝者
0000 軽量級 中量級 重量級 無差別
1 1966年  
山崎祐次郎
 
関根忍
 
前島延行
 
前島延行
軽量級 軽中量級 中量級 軽重量級 重量級 無差別
2 1970年  
川口孝夫
 
野村豊和
 
崔圭本
 
河原月夫
 
前島延行
 
西村昌樹
3 1974年  
南喜陽
 
蔵本孝二
 
藤猪省三
 
岩田勝彦
 
遠藤純男
 
藤猪省三
60kg以下級 65kg以下級 71kg以下級 78kg以下級 86kg以下級 95kg以下級 95kg超級 無差別
4 1981年  
濱田初幸
 
佐原恭輔
 
西田孝宏
 
日蔭暢年
 
恵谷正雄
 
河原月夫
 
斎藤仁
 
河亨柱
5 1984年  
原口謙一
 
山本洋祐
 
中右次泰
 
高野裕光
 
野瀬清喜
 
三原正人
 
伊藤久雄
 
正木嘉美
6 1988年  
越野忠則
 
パク・ハンチョル
 
キム
 
吉田秀彦
 
石田輝也
 
許衡
 
村上修司
 
小川直也
7 1991年  
尹鉉
 
丸山顕志
 
鄭勲
 
田萬培
 
中村佳央
 
賀持道明
 
金建秀
 
金野潤
8 1993年  
ハン・ハクグォン
 
イワン
・カラゼリディ
 
藤山茂
 
北田晃三
 
岡田弘隆
 
宗真一郎
 
三谷浩一郎
 
金野潤
9 1995年  
徳野和彦
 
金大益
 
中村兼三
 
瀧本誠
 
全己盈
 
セルゲイ
・シャキモフ
 
篠原信一
 
篠原信一
10 1996年  
ドルジパラム
・ナルマンダフ
 
ゼイノラベディン
・ハガニ
 
郭大成
 
ウラジーミル
・シュマコフ
 
アルメン
・バグダサロフ
 
セルゲイ
・シャキモフ
 
劉勝剛
 
マフムード
・ミラン
11 1997年  
関口幸三
 
金鐘元
 
郭大成
 
尹東植
 
チョ・ビュンオク
 
セルゲイ
・シャキモフ
 
金野潤
 
増地克之
60kg以下級 66kg以下級 73kg以下級 81kg以下級 90kg以下級 100kg以下級 100kg超級 無差別
12 1999年  
鄭富競
 
アラシュ・ミレスマイリ
 
ミン・スンホ
 
クァク・オクチョル
 
アルメン・バグダサロフ
 
蔣盛晧
 
高橋宏明
 
潘松
13 2000年  
江種辰明
 
中村行成
 
中村兼三
 
カゼム・サリハニ
 
尹東植
 
朴星根
 
棟田康幸
 
村元辰寛
14 2001年  
マスード・ハジ・アーホンドザーデ
 
アラシュ・ミレスマイリ
 
新田雅史
 
チェ・ソンフン(秋山成勲)
 
朴星根
 
井上智和
 
猿渡琢海
 
上口孝太
15 2003年  
ハシュバータル・ツァガンバータル
 
鄭富競
 
李元熹
 
ダムディンスレン・ニャムフー
 
矢嵜雄大
 
アスハト
・ジトケエフ
 
アブドゥロ・タングリエフ
 
森大助
16 2004年  
バザルベク・ドンバイ
 
ムラトベク・キプシャクバエフ
 
キム・ジェフン
 
ラムジディン・サイドフ
 
朴仙雨
 
アスハト
・ジトケエフ
 
金聖氾
 
ホン・スンヒョン
17 2005年  
趙南錫
 
ハシュバータル・ツァガンバータル
 
金宰範
 
小野卓志
 
斎藤制剛
 
蔣盛晧
 
ムハンマド・レザ・ロダキ
 
アブドゥロ
・タングリエフ
18 2007年  
マスード・ハジ・アーホンドザーデ
 
方貴満
 
アリ・マルーマト
 
クウォン・ヨンウ
 
チェ・スンホ
 
穴井隆将
 
アブドゥロ・タングリエフ
 
片渕慎弥
19 2008年  
平岡拓晃
 
アラシュ・ミレスマイリ
 
アリ・マルーマト
 
金宰範
 
泉浩
 
アスハト・ジトケエフ
 
アブドゥロ・タングリエフ
 
金成民
20 2009年  
ガンバット・ボルドバータル
 
江種辰明
 
方貴満
 
金宰範
 
西山将士
 
マクシム・ラコフ
 
金洙完
 
金洙完
60kg以下級 66kg以下級 73kg以下級 81kg以下級 90kg以下級 100kg以下級 100kg超級
21 2011年  
崔光賢
 
森下純平
 
王己春
 
金宰範
 
李奎遠
 
ラムジディン・サイドフ
 
アブドゥロ・タングリエフ
22 2012年  
崔光賢
 
セルゲイ・リム
 
王己春
 
金宰範
 
ディルショド・チョリエフ
 
ラムジディン・サイドフ
 
ムハンマド・レザ・ロダキ
23 2013年  
山本浩史
 
ダワードルジ・トゥムルフレグ
 
ホン・ククヒョン
 
ホン・スクウォン
 
下和田翔平
 
ジャバド・マフジョーブ
 
藤井岳
24 2015年  
金源鎮
 
高上智史
 
安昌林
 
長島啓太
 
郭同韓
 
高木海帆
 
アブドゥロ・タングリエフ
25 2016年  
エルドス・スメトフ
 
ドフドン・アルタンスフ
 
橋本壮市
 
ニャムスレン・ダグワスレン
 
コムロンショフ・ウストピリヨン
 
ナイダン・ツブシンバヤル
 
影浦心
26 2017年  
髙藤直寿
 
アン・バウル
 
安昌林
 
藤原崇太郎
 
コムロンショフ・ウストピリヨン
 
マクシム・ラコフ
 
金成民
27 2019年  
古賀玄暉
 
エルラン・セリクジャノフ
 
ツェンドオチル・ツォグトバータル
 
オトゴンバータル・ウーガンバータル
 
増山香補
 
ルハグバスレン・オトゴンバータル
 
金成民
28 2021年  
高藤直寿
 
サルドル・ヌリラエフ
 
安昌林
 ウラジーミル・ゾロエフ  
ダブラト・ボボノフ
 
ウルフ・アロン
 
原沢久喜
29 2022年  
永山竜樹
 
ヨンドンペレンレイ・バスフー
 
ダニヤル・シャムシャエフ
 
佐々木健志
 
村尾三四郎
  ジャファル・コストエフ  
影浦心
30 2024年  
中村太樹
 
バトグトフ・エルヘムバヤル
 
石原樹
 
李俊奐
 
村尾三四郎
  ムザファルベク・トゥロボエフ  
太田彪雅

女子

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歴代優勝者
0000 48kg以下級 52kg以下級 56kg以下級 61kg以下級 66kg以下級 72kg以下級 72kg超級 無差別
1 1981年  
林浪子
 
山口香
 ルン  
笹原美智子
 
竪石洋美
 ジエン  
川村順子
 
川村順子
2 1985年  
李忠雲
 
山口香
 
李春栄
 
八戸かおり
 
佐々木光
 
黒川琴美
 
高鳳蓮
 
高鳳蓮
3 1988年  
李愛月
 
オク・キョンスク
 
泉香澄
 
キム・キョンファ
 
チン・ユイン
 
ユン
 
高鳳蓮
 
高鳳蓮
4 1991年  
湯礼紅
 
蘇雪海
 
鄭成淑
 
王燕北
 
藤本涼子
 
田辺陽子
 
喬艶敏
 
喬艶敏
5 1993年  
湯礼紅
 
玄淑姫
 
鄭善溶
 
鄭成淑
 
曹敏仙
 
趙莉敏
 
孫艶艶
 
カオ
6 1995年  
長井淳子
 
朴美子
 
鄭善溶
 
鄭成淑
 呉玫玲  
福場由里子
 
李賢暻
 
孫賢美
7 1996年  
ペ・ドンスク
 
ヘ・ジ
 
ワン・シュヤン
 
鄭成淑
 
王顕波
 
吉田早希
 
袁華
 
袁華
8 1997年  
ヨ・ヒジョン
 
ケー・スンヒ
 
リ・ミョンファ
 
鄭成淑
 
宗建鳳
 
リ・ヤンフ
 
二宮美穂
 
二宮美穂
48kg以下級 52kg以下級 57kg以下級 63kg以下級 70kg以下級 78kg以下級 78kg超級 無差別
9 1999年  
チャ・ヒョニャン
 
ケー・スンヒ
 
ワン・シュヤン
 
スン・シャオファン
 
崔英熙
 
尹玉峰
 
張慶黎
 
張慶黎
10 2000年  
長井淳子
 
磯崎祐子
 
日下部基栄
 
鄭成淑
 
上野雅恵
 
尹玉峰
 
佟文
 
孫福明
11 2001年  
リ・キョンオク
 
横澤由貴
 
ヒシグバット・エルデネットオド
 
谷本歩実
 
風戸晴子
 
趙壽姫
 
薪谷翠
 
薪谷翠
12 2003年  
金英蘭
 
金京玉
 
日下部基栄
 
上野順恵
 
貝山仁美
 
松崎みずほ
 
劉歓縁
 
賈雪英
13 2004年  
北田佳世
 
李銀姫
 
劉玉香
 
谷本歩実
 
上野雅恵
 
中澤さえ
 
シェ・フヤン
 
シュ・リフイ
14 2005年  
福見友子
 
安琴愛
 
ヒシグバット・エルデネットオド
 
上野順恵
 
渡邉美奈
 
中澤さえ
 
杉本美香
 
杉本美香
15 2007年  
山岸絵美
 
石俊杰
 
佐藤愛子
 
上野順恵
 
岡明日香
 
劉霞
 
薪谷翠
 
袁華
16 2008年  
山岸絵美
 
パク・ミョンヒ
 
松本薫
 
小澤理奈
 
上野雅恵
 
劉霞
 
立山真衣
 
杉本美香
17 2009年  
鄭貞娟
 
何紅梅
 
リム・ユンヒ
 
林美玲
 
上野巴恵
 
鄭敬美
 
グルジャン・イサノワ
 
李一清
48kg以下級 52kg以下級 57kg以下級 63kg以下級 70kg以下級 78kg以下級 78kg超級
18 2011年  
遠藤宏美
 
西田優香
 
佐藤愛子
 
徐麗麗
 
黄藝瑟
 
プレブジャルガル・ルハムデグド
 
田知本愛
19 2012年  
ムンフバット・ウランツェツェグ
 
西田優香
 
山本杏
 
上野順恵
 
黄藝瑟
 
プレブジャルガル・ルハムデグド
 
秦茜
20 2013年  
遠藤宏美
 
宮川拓美
 
石川慈
 
徐麗麗
 
黄藝瑟
 
鄭敬美
 
イ・ジョンウン
21 2015年  
浅見八瑠奈
 
馬英楠
 
玉置桃
 
ツェデブスレン・ムンフザヤ
 
ツェンドアユシュ・ナランジャルガル
 
梅木真美
 
于頌
22 2016年  
オトゴンツェツェグ・ガルバドラフ
 
志々目愛
 
ドルジスレン・スミヤ
 
マリアン・ウルダバエワ
 
大野陽子
 
張浙慧
 
金珉程
23 2017年  
ムンフバット・ウランツェツェグ
 
志々目愛
 
芳田司
 
鍋倉那美
 
大野陽子
 
濵田尚里
 
稲森奈見
24 2019年  
李亜男
 
ディヨラ・ケルディヨロワ
 
キム・ジナ
 
楊俊霞
 
田中志歩
 
泉真生
 
金珉程
25 2021年  
李亜男
 
パク・ダソル
 
盧童娟
 
韓喜主
 
グルノザ・マトニヤゾワ
 
ユン・ヒョンジ
 
徐仕妍
26 2022年  
古賀若菜
 
ディヨラ・ケルディヨロワ
 
玉置桃
 
ボルド・ガンハイチ
 
大野陽子
 
梅木真美
 
素根輝
27 2024年  
バブードルジ・バーサンフー
 
ビシュレルト・ホルロードイ
 
ルハグバトゴー・エンフリーレン
 
山口葵良梨
 
新添左季
 
高山莉加
 
イ・ヒョンジ

団体戦優勝国

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男子 女子
2011   韓国
曺準好
王己春
金宰範
郭同韓
金成民
  日本
西田優香
山本杏
上野順恵
田知本遥
田知本愛
2012   韓国
崔光賢
崔敏浩
王己春
金宰範
金成民
  日本
橋本優貴
山本杏
阿部香菜
上野巴恵
橋口ななみ
2013   韓国
ファン・ボベ
王己春
ホン・スクウォン
李奎遠
金成民
  日本
橋本優貴
宇高菜絵
阿部香菜
田知本遥
立山真衣
2015   日本
高上智史
橋本壮市
長島啓太
西山大希
西潟健太
  日本
浅見八瑠奈
西田優香
玉置桃
西川真帆
ヌンイラ華蓮
稲森奈見
2016   ウズベキスタン
アブドゥジャリル・ユスポフ
ミラリ・シャリポフ
ヤヒョー・イマモフ
シェラリ・ユラエフ
アブドゥロ・タングリエフ
  日本
志々目愛
山本杏
津金恵
大野陽子
井上愛美
2017   韓国
キム・チャンヨン
安昌林
イ・ムンジン
イ・スンス
金成民
  日本
志々目愛
芳田司
鍋倉那美
大野陽子
濵田尚里
稲森奈見
男女混合
2019   日本
富沢佳奈
野上廉太郎
田中志歩
増山香補
井上あかり
2021   韓国
金知秀
金琳煥
金省然
郭同韓
ハン・ミジン
キム・ミンジョン
2022   日本
玉置桃
永山竜樹
大野陽子
村尾三四郎
佐々木健志
2024   日本
大森朱莉
石原樹
本田万結
川端倖明
新井万央
太田彪雅

開催地

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開催地 記録
男子 女子
1966   マニラ - 結果
1970   高雄 - 結果
1974   ソウル - 結果
1981   ジャカルタ 結果
1984   クウェート - 結果
1985 -   東京 結果
1988   ダマスカス 結果
1991   大阪 結果
1993   マカオ 結果
1995   ニューデリー 結果
1996   ホーチミン 結果
1997   マニラ 結果
1999   温州 結果
2000   大阪 結果
2001   ウランバートル 結果
2003   済州 結果
2004   アルマトイ 結果
2005   タシュケント 結果
2007   クウェート 結果
2008   済州 結果
2009   台北 結果
2011   アブダビ 結果
2012   タシュケント 結果
2013   バンコク 結果
2015   クウェート 結果
2016   タシュケント 結果
2017   香港 結果
2019   フジャイラ 結果
2020   ウランバートル 中止
2021   ビシケク 結果
2022   ヌルスルタン 結果
2024   香港 結果

メダル獲得数の国・地域別一覧

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国・地域
1   日本 187 84 114 385
2   韓国 96 111 141 350
3   中国 51 34 82 167
4   モンゴル 26 50 99 175
5   ウズベキスタン 20 24 66 110
6   カザフスタン 18 31 87 136
7   北朝鮮 13 22 39 74
8   イラン 12 17 29 58
9   チャイニーズタイペイ 2 34 95 131
10   タジキスタン 2 10 14 26
13   アラブ首長国連邦 2 2 4 8
11   キルギス 1 4 16 21
12   香港 1 2 7 10
14   インドネシア 0 4 16 20
15   インド 0 4 11 15
16   トルクメニスタン 0 3 10 13
17   オーストラリア 0 1 4 5
18   クウェート 0 0 10 10
  フィリピン 0 0 10 10
20   シリア 0 0 4 4
21   レバノン 0 0 2 2
  パキスタン 0 1 1 2
  タイ 0 0 2 2
24   バングラデシュ 0 0 1 1
  ヨルダン 0 0 1 1
  マレーシア 0 0 1 1
  ミャンマー 0 0 1 1
  シンガポール 0 0 1 1
  ベトナム 0 0 1 1

備考

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2009年に台湾で開催されたアジア選手権では、イスラム教徒の女性が人前で髪を隠すのに用いるスカーフとして知られるヒジャブの着用が認められた[12]

脚注

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外部リンク

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