2019年のワールドシリーズ

メジャーリーグベースボールの第115回優勝決定シリーズ

2019年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第115回ワールドシリーズ英語: 115th World Series)は、10月22日から30日にかけて計7試合が開催された。その結果、ワシントン・ナショナルズナショナルリーグ)がヒューストン・アストロズアメリカンリーグ)を4勝3敗で下し、球団創設51年目で初の優勝を果たした。

2019年ワールドシリーズ

第5戦が行われているナショナルズ・パークの様子。こちらに背を向けてフィールドを眺めている手前の4人のうち、左から2番目が当時のアメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ、その右隣がメラニア
チーム 勝数
ワシントン・ナショナルズNL 4
ヒューストン・アストロズAL 3
シリーズ情報
試合日程 10月22日–30日
観客動員 7試合合計:30万5072人
1試合平均:04万3582人
MVP スティーブン・ストラスバーグ(WAS)
責任審判 ゲイリー・シダーストロム[1]
ALCS HOU 4–2 NYY
NLCS WAS 4–0 STL
チーム情報
ワシントン・ナショナルズ(WAS)
シリーズ出場 球団創設51年目で初
GM マイク・リゾ
監督 デーブ・マルティネス
シーズン成績 093勝69敗・勝率.574
NL東地区2位=第1ワイルドカード
分配金 選手1人あたり38万2358.18ドル[2]

ヒューストン・アストロズ(HOU)
シリーズ出場 2年ぶり3回目
GM ジェフ・ルーノウ
監督 A.J.ヒンチ
シーズン成績 107勝55敗・勝率.660
AL西地区優勝
分配金 選手1人あたり25万6030.16ドル[2]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ジョン・スモルツ
平均視聴率 8.1%(前年比0.2ポイント下降)
ワールドシリーズ
 < 2018 2020 > 

7戦4勝制のシリーズにおいてビジター球団が全勝したのは、MLBのみならず北米4大プロスポーツリーグの他競技を含めても史上初めて[3]アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.でワールドシリーズが開催されたのは1933年以来で[4]、ナショナルズは86年ぶりの首都開催3試合では1勝もできなかった――それどころかいずれの試合も1得点しか奪えず、本拠地での3試合合計得失点差-16は歴代ワーストタイだった[注 1][5]――ものの、敵地テキサス州ヒューストンで4勝を挙げて初出場初優勝を成し遂げた。シリーズMVPには、第6戦に先発登板して相手打線を9回途中まで2失点に抑えるなど、2試合14.1イニングで2勝0敗・防御率2.51という成績を残したナショナルズのスティーブン・ストラスバーグが選出された。

冠スポンサーは2018年3月締結の契約に基づき、Google傘下動画投稿サイトのテレビ放送配信サービス "YouTube TV" が務める[6]。よって大会名はワールドシリーズ presented by YouTube TV英語: World Series presented by YouTube TV)となる。

ワールドシリーズまでの道のり

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両チームの2019年

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ナショナルズの内野手アンソニー・レンドン(左。写真は2018年6月20日撮影)と、アストロズの先発投手ゲリット・コール(写真は2019年9月13日撮影)

10月15日にまずナショナルリーグでナショナルズ(東地区)が、そして19日にはアメリカンリーグでアストロズ(西地区)が、それぞれリーグ優勝を決めてワールドシリーズへ駒を進めた。

ナショナルズは2018年、82勝80敗の地区2位でポストシーズン進出を逃した。オフには中心打者ブライス・ハーパーFAとなったが、ナショナルズは10年契約のオファーを断られると、代わりに先発投手のパトリック・コービンアニバル・サンチェス、捕手のヤン・ゴームズカート・スズキなどを加えた[7]。2019年は開幕から5月23日までの50試合で19勝31敗と大きく負け越し、7月31日のトレード期限までに主力選手を他球団へ放出するのではとも囁かれた[8]。しかしそこから巻き返して前半戦終了時には47勝42敗とし、地区2位・ワイルドカード争い首位につけた。トレード期限までには、防御率が6点近くでリーグ最低の救援投手陣ダニエル・ハドソンらを補強した[9]。後半戦は勝率をさらに上げたものの、地区首位アトランタ・ブレーブスに追いつくことはできず。ただワイルドカード争いの首位は守り、9月24日にポストシーズン進出を確定させた[10]。平均得点5.39はリーグ2位、防御率4.28はリーグ8位。打線はアンソニー・レンドンフアン・ソトを中心に得点を重ね、投手陣は救援の弱さをスティーブン・ストラスバーグやコービンら先発陣が補った[11]。5月24日からの112試合は74勝38敗で、この期間に限ればロサンゼルス・ドジャースと並ぶリーグ最高勝率だった[12]ワイルドカードゲームミルウォーキー・ブルワーズ相手に4-3の逆転勝利を収めると[13]地区シリーズではドジャースを3勝2敗で[14]リーグ優勝決定戦ではセントルイス・カージナルスを4勝0敗で[12]、それぞれ下した。

アストロズでは前年のリーグ優勝決定戦敗退後、先発ローテーションからダラス・カイケルチャーリー・モートンがFA移籍で、ランス・マッカラーズ・ジュニアトミー・ジョン手術で抜け、2枚看板のジャスティン・バーランダーゲリット・コールを残して500イニング分の穴が生まれた[15]。その穴はウェイド・マイリーの獲得と内部配置転換で埋めることとなり、他方で打線にはマイケル・ブラントリーロビンソン・チリノスが加わった。2019年は、4月28日にチリノスの決勝3点本塁打で試合に勝利して地区首位へ浮上すると[16]、その座を守りながらシーズンを進め、前半戦終了時点では57勝33敗で2位オークランド・アスレチックスに7.0ゲーム差をつける。その後、トレードではザック・グレインキーを獲得して先発ローテーションを強化した。後半戦もアスレチックスを寄せ付けず、結局は前述の4月28日以降一度も首位を譲らないまま、9月22日に地区3連覇を決めた[17]。3年連続のレギュラーシーズン100勝超えは、MLB史上15年ぶり6球団目である[18]。平均得点5.68はリーグ3位、防御率3.66はリーグ最高。打線では主力選手8人がOPS.790以上を記録し[19]、なかでもヨルダン・アルバレスは新人ながら82試合で27本塁打・77打点と強打を発揮した[17]。投手陣では、バーランダーとコールが勝利・防御率・奪三振被打率でリーグのトップ2を占めた[20]地区シリーズではタンパベイ・レイズを3勝2敗で[21]リーグ優勝決定戦ではニューヨーク・ヤンキースを4勝2敗で[22]、それぞれ下した。

この両チームは、スプリングトレーニングの施設をフロリダ州ウェストパームビーチで共用している。両チームにとってこの年のオープン戦初戦は拠点球場FITTEAMボールパーク・オブ・パームビーチーズ(球場名は当時)での直接対決で、アストロズのジェイク・マリスニックがナショナルズのマックス・シャーザーから先頭打者本塁打を放って始まった[23]

ホームフィールド・アドバンテージ

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ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、レギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に与えられる。ポストシーズン進出10球団のアドバンテージ優先順位は以下の通り[24]

優先順位 球団 レギュラーシーズン成績 ポストシーズン結果
WCG DS LCS
01 ヒューストン・アストロズ 107勝55敗・勝率.660 AL西地区優勝 ワールドシリーズ進出 免除 3勝2敗 4勝2敗
02 ロサンゼルス・ドジャース 106勝56敗・勝率.654 NL西地区優勝 地区シリーズ(DS)敗退 免除 2勝3敗
03 ニューヨーク・ヤンキース 103勝59敗・勝率.636 AL東地区優勝 リーグ優勝決定戦(LCS)敗退 免除 3勝0敗 2勝4敗
04 ミネソタ・ツインズ 101勝61敗・勝率.623 AL中地区優勝 地区シリーズ(DS)敗退 免除 0勝3敗
05[※1] アトランタ・ブレーブス 097勝65敗・勝率.599 NL東地区優勝 地区シリーズ(DS)敗退 免除 2勝3敗
06[※1][※2] オークランド・アスレチックス 097勝65敗・勝率.599 AL西地区2位=第1ワイルドカード ワイルドカードゲーム(WCG)敗退 0勝1敗
07[※2] タンパベイ・レイズ 096勝66敗・勝率.593 AL東地区2位=第2ワイルドカード 地区シリーズ(DS)敗退 1勝0敗 2勝3敗
08[※2] ワシントン・ナショナルズ 093勝69敗・勝率.574 NL東地区2位=第1ワイルドカード ワールドシリーズ進出 1勝0敗 3勝2敗 4勝0敗
09[※2] セントルイス・カージナルス 091勝71敗・勝率.562 NL中地区優勝 リーグ優勝決定戦(LCS)敗退 免除 3勝2敗 0勝4敗
10 ミルウォーキー・ブルワーズ 089勝73敗・勝率.549 NL中地区2位=第2ワイルドカード ワイルドカードゲーム(WCG)敗退 0勝1敗
※1  シーズン162試合の勝敗が同じ、かつこの年の直接対決がない場合は、それぞれの球団が同地区他球団相手に残した成績が決め手となる。ブレーブスがナショナルリーグ東地区4球団相手に46勝30敗・勝率.605だったのに対し、アスレチックスはアメリカンリーグ西地区4球団相手に44勝32敗・勝率.579だったので、ブレーブスが上位となる。
※2  同一リーグ内の地区シリーズリーグ優勝決定戦では、勝率に関係なく地区優勝球団はワイルドカード球団より上位に位置づけられるが、ワールドシリーズだけはこれに当てはまらない。

10月9日、ナショナルリーグ地区シリーズでブレーブスとドジャースの敗退が決まった。この時点で、ナショナルリーグで勝ち残っていたのはナショナルズとカージナルスである。この2球団はいずれも、アメリカンリーグで勝ち残りのヤンキースとアストロズ、レイズのどれよりも勝率が低い。したがってブレーブスとドジャースの敗退により、アドバンテージがアメリカンリーグ優勝球団へ与えられることが確定した。

両チームの過去の対戦

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2011年9月9日の対戦の様子。手前の一塁手がアストロズのカルロス・リー、奥の走者がナショナルズのダニー・エスピノーサ

ナショナルズとアストロズはいずれも、1961年以降のエクスパンションによってナショナルリーグに創設された球団である。ナショナルズは1969年カナダケベック州モントリオールを本拠地とする "モントリオール・エクスポズ" として創設され、2004年シーズン終了後にアメリカ合衆国ワシントンD.C.へ移転してナショナルズとなった。アストロズはエクスポズより7年早く1962年に "ヒューストン・コルトフォーティファイブス" として創設され、3年後にアストロズに改称、2012年シーズン終了後にナショナルリーグ中地区からアメリカンリーグ西地区へ転籍した。したがって、1969年から2012年までの44年間、エクスポズ/ナショナルズとアストロズは同じリーグで毎年対戦していた。その間の対戦成績はアストロズの243勝201敗・勝率.547である[25]。ただ、エクスポズがナショナルズになった2005年から2012年までの8年間に限ると、逆にナショナルズが30勝26敗・勝率.536で勝ち越している[26]。両球団がポストシーズンで対戦したことは、44年間で一度もない。

2013年にアストロズがアメリカンリーグへ転籍したあとは、両球団の対戦はインターリーグとして数年に一度しか行われなくなった。同年から2019年までの7年間で、両球団の対戦は7試合が組まれており、その結果はナショナルズの6勝1敗・勝率.857である[27]。直近の対戦は2017年8月、アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークでの3連戦で、ナショナルズの2勝1敗だった。この3連戦のうち3試合目ではナショナルズの先発投手スティーブン・ストラスバーグが務め、勝ち負けこそつかなかったものの6イニングで7奪三振・無失点と好投している[28]

ロースター

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両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。

ワシントン・ナショナルズ ヒューストン・アストロズ
守備位置 背番号 出身 選手 年齢 ワールドシリーズ経験 守備位置 背番号 出身 選手 年齢 ワールドシリーズ経験
出場 優勝 出場 優勝
投手 46   パトリック・コービン 30 なし 投手 45   ゲリット・コール 29 なし
63   ショーン・ドゥーリトル 33 なし 47   クリス・デベンスキー 28 02年ぶり2回目 1回
48   ハビー・ゲラ 33 なし 21   ザック・グレインキー★# 36 なし
44   ダニエル・ハドソン 32 なし 36   ウィル・ハリス 35 02年ぶり2回目 1回
21   タナー・レイニー 26 なし 39   ジョシュ・ジェームズ 26 なし
56   フェルナンド・ロドニー 42 13年ぶり2回目 なし 54   ロベルト・オスナ 24 なし
41   ジョー・ロス 26 なし 41   ブラッド・ピーコック 31 02年ぶり2回目 1回
19   アニバル・サンチェス 35 07年ぶり2回目 なし 55   ライアン・プレスリー 30 なし
31   マックス・シャーザー 35 07年ぶり2回目 なし 30   ヘクター・ロンドン 31 03年ぶり2回目 1回
37   スティーブン・ストラスバーグ 31 なし 38   ジョー・スミス 35 なし
51   ワンダー・スエロ 28 なし 65   ホセ・ウルキディ 24 なし
捕手 10   ヤン・ゴームズ 32 03年ぶり2回目 なし 35   ジャスティン・バーランダー 36 02年ぶり4回目 1回
28   カート・スズキ 36 なし 捕手 28   ロビンソン・チリノス 35 なし
内野手 15   マット・アダムス 31 06年ぶり2回目 なし 12   マーティン・マルドナード 33 なし
13   アズドルバル・カブレラ 33 なし 内野手 27   ホセ・アルトゥーベ 29 02年ぶり2回目 1回
9   ブライアン・ドージャー 32 02年連続2回目 なし 2   アレックス・ブレグマン 25 02年ぶり2回目 1回
47   ハウィー・ケンドリック 36 なし 1   カルロス・コレア 25 02年ぶり2回目 1回
6   アンソニー・レンドン 29 なし 16   アレドミス・ディアス 29 なし
7   トレイ・ターナー 26 なし 10   ユリ・グリエル 35 02年ぶり2回目 1回
11   ライアン・ジマーマン 35 なし 外野手 44   ヨルダン・アルバレス 22 なし
外野手 2   アダム・イートン 30 なし 23   マイケル・ブラントリー 32 なし
88   ジェラルド・パーラ 32 なし 6   ジェイク・マリスニック 28 なし
16   ビクター・ロブレス 22 なし 22   ジョシュ・レディック 32 02年ぶり2回目 1回
22   フアン・ソト 20 なし 4   ジョージ・スプリンガー 30 02年ぶり2回目 1回
3   マイケル・テイラー 28 なし 3   カイル・タッカー 22 なし

ナショナルズはリーグ優勝決定戦のロースターから投手をふたり入れ替え、ロエニス・エリアスオースティン・ボスに代えてジョー・ロスワンダー・スエロを登録した。この4投手のうち、今ポストシーズンで登板機会があったのはスエロのみだった。ただそれも地区シリーズ第3戦の0.1イニングのみで、アウトを取る前に本塁打二塁打を打たれていた。ロスとスエロの選出は連投やイニングまたぎを念頭に置いた措置だったが、よほどのことがない限り出番はそう多くならないと予想される[29]。というのもナショナルズは今ポストシーズンで、特定の投手に登板機会を集中させているためである。先発ローテーション投手のうちスティーブン・ストラスバーグマックス・シャーザーパトリック・コービンの3人は、先発登板間にリリーフでも起用されている。これに先発4人目のアニバル・サンチェス、リリーフのショーン・ドゥーリトルダニエル・ハドソンを加えた6人のイニング消化数は、今ポストシーズン全10試合90イニング中では90%の81イニング、リーグ優勝決定戦4試合36イニング中では91.7%の33イニングにのぼる[30]

アストロズはリーグ優勝決定戦のロースターから救援右腕を入れ替え、ブライアン・アブレイユを外してクリス・デベンスキーを加えた。デベンスキーは2年前のシリーズ登板経験を買われ、今ポストシーズンで初めてロースター入りした[31]。アブレイユは今ポストシーズンの登板がリーグ優勝決定戦・初戦の1試合のみで、5点ビハインドの9回表からマウンドに上がったが、最後まで投げ切れずに2失点を喫していた。また、アストロズにはウェイド・マイリーフランバー・バルデスなどの左投手もいたが、彼らはひとりもロースター入りしていない。特にマイリーはレギュラーシーズンで先発ローテーションの一角を占め、33試合167.1イニングで14勝6敗・防御率3.98を記録した。しかし9月に防御率16.68と打ち込まれ、地区シリーズでも2.2イニングで3点を失っていた。その結果、今シリーズのアストロズ投手陣は全員が右投手となった。左投手不在のロースターでワールドシリーズに臨むのは、1903年の第1回シリーズに出場したボストン・アメリカンズピッツバーグ・パイレーツの両球団以来、アストロズが116年ぶり3球団目である[32]

 
デトロイト・タイガース時代の2013年1月、揃ってイベントに参加したマックス・シャーザー(左)とジャスティン・バーランダー(右)。ふたりの間で微笑んでいる女性は、タイガースの地元ミシガン州から選出された連邦議会上院議員デビー・スタブナウである

ナショナルズのシャーザーとサンチェス、アストロズのジャスティン・バーランダーの3投手は、2012年シーズン途中から2014年シーズン終了まで、デトロイト・タイガースでチームメイトだった。2012年には3人が揃って先発ローテーションに名を連ね、ワールドシリーズにも出場している[注 2]。もし今シリーズにおいて、シャーザーあるいはサンチェスとバーランダーが同じ試合で両軍の先発投手として対戦すると、ある球団でチームメイトとしてワールドシリーズに出場したふたりがそれぞれ別球団に移籍し、のちにワールドシリーズで投げ合うという史上2度目の出来事となる[注 3][33]。当時タイガース投手コーチだったジェフ・ジョーンズは、今シリーズについて「『こっちのチームに勝ってほしい』とは言いにくいし、試合を観るときにはちょっとそわそわするだろうね。彼らがみんないいピッチングしてくれればと思うよ」と話している[34]

開幕前の予想

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ESPNが自社の記者29人にどちらがシリーズを制するか予想させたところ、アストロズ勝利予想が22人に対しナショナルズ勝利予想が7人という結果となった[35]CBSスポーツも同様の企画を記者5人で実施し、アストロズ勝利予想が3人でナショナルズ勝利予想のふたりを上回った[36]。『スポーツ・イラストレイテッド』の企画では記者6人が[37]、『USAトゥデイ』の企画では記者5人が[38]、いずれも全員アストロズを支持した。

試合結果

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2019年のワールドシリーズは10月22日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月22日(火) 第1戦 ワシントン・ナショナルズ 5-4 ヒューストン・アストロズ ミニッツメイド・パーク
10月23日(水) 第2戦 ワシントン・ナショナルズ 12-3 ヒューストン・アストロズ
10月24日(木) 移動日
10月25日(金) 第3戦 ヒューストン・アストロズ 4-1 ワシントン・ナショナルズ ナショナルズ・パーク
10月26日(土) 第4戦 ヒューストン・アストロズ 8-1 ワシントン・ナショナルズ
10月27日(日) 第5戦 ヒューストン・アストロズ 7-1 ワシントン・ナショナルズ
10月28日(月) 移動日
10月29日(火) 第6戦 ワシントン・ナショナルズ 7-2 ヒューストン・アストロズ ミニッツメイド・パーク
10月30日(水) 第7戦 ワシントン・ナショナルズ 6-2 ヒューストン・アストロズ
優勝:ワシントン・ナショナルズ(4勝3敗 / 球団創設51年目で初)

第1戦 10月22日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、8分3秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ワシントン・ナショナルズ 0 1 0 1 3 0 0 0 0 5 9 0
ヒューストン・アストロズ 2 0 0 0 0 0 1 1 0 4 10 0
  1. 勝利マックス・シャーザー(1勝)  
  2. セーブショーン・ドゥーリトル(1S)  
  3. 敗戦ゲリット・コール(1敗)  
  4. 本塁打
    WAS:ライアン・ジマーマン1号ソロ、フアン・ソト1号ソロ
    HOU:ジョージ・スプリンガー1号ソロ
  5. 審判
    [球審]アラン・ポーター
    [塁審]一塁: ダグ・エディングス、二塁: ゲイリー・シダーストロム、三塁: ジェームズ・ホイ
    [外審]左翼: ランス・バークスデイル、右翼: サム・ホルブルック
  6. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時10分 試合時間: 3時間43分 観客: 4万3339人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ワシントン・ナショナルズ ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ターナー 1 G・スプリンガー
2 A・イートン 2 J・アルトゥーベ
3 A・レンドン 3 M・ブラントリー
4 J・ソト 4 A・ブレグマン
5 DH H・ケンドリック 5 Y・グリエル
6 A・カブレラ 6 C・コレア
7 R・ジマーマン 7 DH Y・アルバレス
8 K・スズキ 8 M・マルドナード
9 V・ロブレス 9 J・レディック
先発投手 投球 先発投手 投球
M・シャーザー G・コール

第2戦 10月23日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、7分18秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ワシントン・ナショナルズ 2 0 0 0 0 0 6 3 1 12 14 2
ヒューストン・アストロズ 2 0 0 0 0 0 0 0 1 3 9 1
  1. 勝利スティーブン・ストラスバーグ(1勝)  
  2. 敗戦ジャスティン・バーランダー(1敗)  
  3. 本塁打
    WAS:カート・スズキ1号ソロ、アダム・イートン1号2ラン、マイケル・テイラー1号ソロ
    HOU:アレックス・ブレグマン1号2ラン、マーティン・マルドナード1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ダグ・エディングス
    [塁審]一塁: ゲイリー・シダーストロム、二塁: ジェームズ・ホイ、三塁: ランス・バークスデイル
    [外審]左翼: サム・ホルブルック、右翼: アラン・ポーター
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時8分 試合時間: 4時間1分 観客: 4万3357人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ワシントン・ナショナルズ ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ターナー 1 G・スプリンガー
2 A・イートン 2 J・アルトゥーベ
3 A・レンドン 3 M・ブラントリー
4 J・ソト 4 A・ブレグマン
5 DH H・ケンドリック 5 Y・グリエル
6 A・カブレラ 6 DH Y・アルバレス
7 R・ジマーマン 7 C・コレア
8 K・スズキ 8 R・チリノス
9 V・ロブレス 9 J・レディック
先発投手 投球 先発投手 投球
S・ストラスバーグ J・バーランダー

第3戦 10月25日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、7分48秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ヒューストン・アストロズ 0 1 1 0 1 1 0 0 0 4 11 0
ワシントン・ナショナルズ 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 9 2
  1. 勝利ジョシュ・ジェームズ(1勝)  
  2. セーブロベルト・オスナ(1S)  
  3. 敗戦アニバル・サンチェス(1敗)  
  4. 本塁打
    HOU:ロビンソン・チリノス1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ゲイリー・シダーストロム
    [塁審]一塁: ジェームズ・ホイ、二塁: ランス・バークスデイル、三塁: サム・ホルブルック
    [外審]左翼: ジム・ウルフ、右翼: ダグ・エディングス
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時7分 試合時間: 4時間3分 観客: 4万3867人 気温: 64°F(17.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ヒューストン・アストロズ ワシントン・ナショナルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 G・スプリンガー 1 T・ターナー
2 J・アルトゥーベ 2 A・イートン
3 M・ブラントリー 3 A・レンドン
4 A・ブレグマン 4 J・ソト
5 Y・グリエル 5 A・カブレラ
6 C・コレア 6 R・ジマーマン
7 J・レディック 7 K・スズキ
8 R・チリノス 8 V・ロブレス
9 Z・グレインキー 9 A・サンチェス
先発投手 投球 先発投手 投球
Z・グレインキー A・サンチェス

第4戦 10月26日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、4分59秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ヒューストン・アストロズ 2 0 0 2 0 0 4 0 0 8 13 1
ワシントン・ナショナルズ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 4 0
  1. 勝利ホセ・ウルキディ(1勝)  
  2. 敗戦パトリック・コービン(1敗)  
  3. 本塁打
    HOU:ロビンソン・チリノス2号2ラン、アレックス・ブレグマン2号満塁
  4. 審判
    [球審]ジェームズ・ホイ
    [塁審]一塁: ランス・バークスデイル、二塁: サム・ホルブルック、三塁: ジム・ウルフ
    [外審]左翼: ダグ・エディングス、右翼: ゲイリー・シダーストロム
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時8分 試合時間: 3時間48分 観客: 4万3889人 気温: 63°F(17.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ヒューストン・アストロズ ワシントン・ナショナルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 G・スプリンガー 1 T・ターナー
2 J・アルトゥーベ 2 A・イートン
3 M・ブラントリー 3 A・レンドン
4 A・ブレグマン 4 J・ソト
5 Y・グリエル 5 H・ケンドリック
6 C・コレア 6 R・ジマーマン
7 R・チリノス 7 V・ロブレス
8 J・マリスニック 8 Y・ゴームズ
9 J・ウルキディ 9 P・コービン
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ウルキディ P・コービン

第5戦 10月27日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、6分13秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ヒューストン・アストロズ 0 2 0 2 0 0 0 1 2 7 10 0
ワシントン・ナショナルズ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 4 0
  1. 勝利ゲリット・コール(1勝1敗)  
  2. 敗戦ジョー・ロス(1敗)  
  3. 本塁打
    HOU:ヨルダン・アルバレス1号2ラン、カルロス・コレア1号2ラン、ジョージ・スプリンガー2号2ラン
    WAS:フアン・ソト2号ソロ
  4. 審判
    [球審]ランス・バークスデイル
    [塁審]一塁: サム・ホルブルック、二塁: ジム・ウルフ、三塁: ダグ・エディングス
    [外審]左翼: ゲイリー・シダーストロム、右翼: ジェームズ・ホイ
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時8分 試合時間: 3時間19分 観客: 4万3910人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ヒューストン・アストロズ ワシントン・ナショナルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 G・スプリンガー 1 T・ターナー
2 J・アルトゥーベ 2 A・イートン
3 M・ブラントリー 3 A・レンドン
4 A・ブレグマン 4 J・ソト
5 Y・グリエル 5 H・ケンドリック
6 Y・アルバレス 6 R・ジマーマン
7 C・コレア 7 V・ロブレス
8 M・マルドナード 8 Y・ゴームズ
9 G・コール 9 J・ロス
先発投手 投球 先発投手 投球
G・コール J・ロス

第6戦 10月29日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、7分44秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ワシントン・ナショナルズ 1 0 0 0 2 0 2 0 2 7 9 0
ヒューストン・アストロズ 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 6 0
  1. 勝利スティーブン・ストラスバーグ(2勝)  
  2. 敗戦ジャスティン・バーランダー(2敗)  
  3. 本塁打
    WAS:アダム・イートン2号ソロ、フアン・ソト3号ソロ、アンソニー・レンドン1号2ラン
    HOU:アレックス・ブレグマン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]サム・ホルブルック
    [塁審]一塁: ジム・ウルフ、二塁: ダグ・エディングス、三塁: ゲイリー・シダーストロム
    [外審]左翼: ジェームズ・ホイ、右翼: ランス・バークスデイル
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時8分 試合時間: 3時間37分 観客: 4万3384人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ワシントン・ナショナルズ ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ターナー 1 G・スプリンガー
2 A・イートン 2 J・アルトゥーベ
3 A・レンドン 3 M・ブラントリー
4 J・ソト 4 A・ブレグマン
5 DH H・ケンドリック 5 Y・グリエル
6 A・カブレラ 6 DH Y・アルバレス
7 R・ジマーマン 7 C・コレア
8 V・ロブレス 8 R・チリノス
9 Y・ゴームズ 9 J・レディック
先発投手 投球 先発投手 投球
S・ストラスバーグ J・バーランダー

第7戦 10月30日

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映像外部リンク
  MLB.comによるハイライト動画(英語、11分23秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ワシントン・ナショナルズ 0 0 0 0 0 0 3 1 2 6 9 0
ヒューストン・アストロズ 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 9 1
  1. 勝利パトリック・コービン(1勝1敗)  
  2. 敗戦ウィル・ハリス(1敗)  
  3. 本塁打
    WAS:アンソニー・レンドン2号ソロ、ハウィー・ケンドリック1号2ラン
    HOU:ユリ・グリエル1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジム・ウルフ
    [塁審]一塁: ダグ・エディングス、二塁: ゲイリー・シダーストロム、三塁: ジェームズ・ホイ
    [外審]左翼: ランス・バークスデイル、右翼: サム・ホルブルック
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時8分 試合時間: 3時間42分 観客: 4万3326人 気温: 65°F(18.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
ワシントン・ナショナルズ ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・ターナー 1 G・スプリンガー
2 A・イートン 2 J・アルトゥーベ
3 A・レンドン 3 M・ブラントリー
4 J・ソト 4 A・ブレグマン
5 DH H・ケンドリック 5 Y・グリエル
6 A・カブレラ 6 DH Y・アルバレス
7 R・ジマーマン 7 C・コレア
8 Y・ゴームズ 8 R・チリノス
9 V・ロブレス 9 J・レディック
先発投手 投球 先発投手 投球
M・シャーザー Z・グレインキー

セレモニー

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試合前のアメリカ合衆国国歌星条旗』独唱・演奏と始球式、およびセブンス・イニング・ストレッチにおける『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱・合唱を行った人物は、それぞれ以下の通り。

試合 国歌独唱・演奏 始球式 『ゴッド・ブレス・アメリカ』
独唱・合唱
投手役 捕手役
第1戦 ニコール・シャージンガー[39] ブライアン・マッキャン[40] エバン・ガティス[40] ダグ・レイダー
アメリカ海兵隊幕僚軍曹)[41]
第2戦 リア・フォックス
アメリカ空軍一等空兵)[42]
シモーネ・バイルズ[43] ジェイク・マリスニック[43]
第3戦 D.C.ワシントン[44] バズ・オルドリン[45] アンドリュー・スティーブンソン[45] アメリカ海軍軍楽隊
シー・チャンターズ[46]
チャド・コルデロ[47] ブライアン・シュナイダー[47]
第4戦 アメリカ陸軍
金管五重奏[48]
ジャナイア・フリーマン(ナショナルズ・
ユースベースボールアカデミー会員)[49]
エイドリアン・サンチェス[49] ペイジ・ローブル
アメリカ空軍一等軍曹)[50]
第5戦 ボブ・マクドナルド
アメリカ陸軍上級曹長)[51]
ホセ・アンドレス[52] ライアン・ジマーマン[52]
第6戦 クレイ・ウォーカー[53] アキーム・オラジュワン[54] クライド・ドレクスラー[54]
第7戦 コディ・ジョンソン[55] クレイグ・ビジオ
ジェフ・バグウェル[56]
コリン・マクヒュー
ランス・マッカラーズJr.[56]

第3戦の試合前、バズ・オルドリンによる始球式とチャド・コルデロによる始球式が、それぞれ別個に行われた。オルドリンは宇宙飛行士として1969年7月のアポロ11号に搭乗し、クルーの船長ニール・アームストロングに次いで史上2人目の月面着陸者となった。今シリーズに際しては、大会冠スポンサーであるYouTube TVCM『月面のボール』編に出演している[46]。そのCMは、以下のような筋書きである。

映像外部リンク
  YouTube TVのCM『月面のボール』編(英語、1分14秒)
オルドリンはテレビの野球中継を観ながら、孫に「おじいちゃん、今までに観た最高の試合は何?」と訊かれ「1941年のワールドシリーズだね。ちょうどおまえと同じくらいの歳だった」と答える。そのシリーズ第4戦でブルックリン・ドジャースピート・ライザーが「まで飛んだ」と言われる大きな本塁打を放ち[57]、それがオルドリンの目に焼き付いていた。大人になったオルドリンは、宇宙飛行士としてアポロ11号に搭乗し月へ向かう。月面に降り立ったオルドリンは、足元に野球のボールが落ちているのを見つけ、それを拾い上げた。
場面は現代に戻る。テレビ中継されていた試合で、ナショナルズのフアン・ソトが大きな打球を飛ばした。孫が「どこまで飛んだかな?」と訊くと、オルドリンは「たぶん火星じゃないかな」と答えた。

こうした経緯から、オルドリンによる始球式が "YouTube TV Pitch" として行われることとなった[46]。ただし、公式の始球式はコルデロによるものという扱いである[58]

テレビ中継

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アメリカ合衆国

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アメリカ合衆国におけるテレビ中継はFOXが放送した。実況はジョー・バックが、解説はジョン・スモルツが、フィールドリポートはケン・ローゼンタールトム・バードゥッチ英語版が、それぞれ務めた。また試合前にはケビン・バークハート英語版進行のコーナーがあり、デビッド・オルティーズアレックス・ロドリゲスフランク・トーマスが出演して試合の見所などを語った。FOXがスポンサー企業に販売したCM放送枠の価格は30秒あたり45万ドルと推定される[57]。第7戦ではアメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの陣営が、1年後の大統領選挙での再選に向け1期目の実績をアピールするCMを流すために、具体的な金額は不明ながら7桁(100万ドル以上)の金額を費やしたとされる[59]。今シリーズ7試合でFOXが得た広告収入は総額4億ドルを超えたとみられる[60]

全7試合の平均視聴率は8.1%で、前年から0.2ポイント下降した。平均視聴者数は1391万人で、これは2012年2008年に次いで、史上3番目に少ない数字である[61]。シリーズを通しての、全米および出場両チームの本拠地都市圏における視聴率等は以下の通り。

全米および出場両チームの本拠地都市圏における視聴率等
試合 日付 放送時間 全米 コロンビア特別区など
ワシントン
テキサス州ヒューストン
視聴率 占拠率 視聴者数 視聴率 占拠率 視聴率 占拠率
第1戦[62][63] 10月22日(火) 午後08時04分〜11時53分 7.3% 15% 1219万人 23.1% 42% 34.1% 56%
第2戦[64][65] 10月23日(水) 午後08時03分〜00時01分 7.1% 15% 1193万人 23.5% 42% 31.7% 53%
第3戦[66][67] 10月25日(金) 午後08時01分〜00時10分 7.1% 15% 1222万人 24.0% 46% 30.5% 53%
第4戦[68][69] 10月26日(土) 午後08時04分〜11時50分 5.9% 13% 1022万人 17.3% 36% 30.4% 54%
第5戦[70] 10月27日(日) 午後08時02分〜11時22分 6.5% 12% 1139万人 不明 不明 不明 不明
第6戦[71][72] 10月29日(火) 午後08時03分〜11時46分 9.6% 19% 1643万人 23.4% 43% 41.2% 62%
第7戦[73][74] 10月30日(水) 午後08時04分〜00時00分 13.1% 25% 2301万人 31.8% 53% 42.7% 63%
平均[61][74] 8.1% 16% 1391万人 23.3% 43% 35.1% 57%
参考:前年裏番組との比較
今シリーズ 前年からの変動 裏番組の最高視聴率
試合 視聴率 視聴者数 前年視聴率 前年視聴者数 番組 放送局 放送時間 視聴率
変動 変動
第1戦[62] 7.3% 1219万人 8.2% 0.9ポイント下降 1376万人 157万人減少 NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班 CBS 午後08時00分〜09時00分 7.0%
第2戦[64] 7.1% 1193万人 8.1% 1.0ポイント下降 1346万人 153万人減少 シカゴ・メッド NBC 午後08時00分〜09時00分 5.1%
第3戦[66] 7.1% 1222万人 7.9% 0.8ポイント下降 1325万人 103万人減少 ブルーブラッド 〜NYPD家族の絆〜 CBS 午後10時00分〜11時00分 4.5%
第4戦[68] 5.9% 1022万人 7.9% 2.0ポイント下降 1356万人 334万人減少 Saturday Night Football[注 4] ABC 午後07時37分〜11時20分 3.8%
第5戦[70] 6.5% 1139万人 10.5% 4.0ポイント下降 1763万人 624万人減少 サンデーナイトフットボール NBC 午後08時23分〜11時29分 10.4%
第6戦[71] 9.6% 1643万人 (なし) NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班再放送 CBS 午後08時00分〜09時00分 5.1%
第7戦[73] 13.1% 2301万人 (なし) シカゴ・メッド NBC 午後08時00分〜09時00分 5.2%
平均 8.1% 1391万人 8.3% 0.2ポイント下降 1413万人 022万人減少 [註]放送時間は東部夏時間中部夏時間は-1時間

日本

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日本での生中継の放送は、日本放送協会(NHK)衛星放送チャンネル "BS1" で行われた。実況は鏡和臣が、解説は今中慎二岩村明憲が務め、さらに最初の2試合のみゲストとして上原浩治も出演した[75]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1903年シリーズ第5〜7戦のピッツバーグ・パイレーツ(8-24)と、1961年シリーズ第3〜5戦のシンシナティ・レッズ(7-23)に並ぶ。
  2. ^ タイガースはサンフランシスコ・ジャイアンツに1勝もできず、初戦からの4連敗で敗退した。初戦ではバーランダーが4回5失点で、第3戦ではサンチェスが7回2失点で、いずれも敗戦投手になった。第4戦ではシャーザーが6.1回3失点で降板し、シャーザーには勝敗がつかなかったが、タイガースは延長10回表に勝ち越しを許し優勝を決められた。
  3. ^ これが初めて起きたのは2005年のワールドシリーズ第1戦である。シカゴ・ホワイトソックスホセ・コントレラスが、アストロズはロジャー・クレメンスが、それぞれ先発した。ふたりは2年前の2003年シリーズでは、ニューヨーク・ヤンキースでチームメイトだった。
  4. ^ カレッジフットボール中継番組。この日はノートルダム・ファイティングアイリッシュノートルダム大学)対ミシガン・ウルヴァリンズミシガン大学)戦を放送した。AP通信記者投票ランキングでは、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョンIフットボール・ボウル・サブディビジョン全130校中ノートルダムが8位、ミシガンが19位だった。

出典

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  3. ^ Matt Kelly, "Home field's never been this big a disadvantage / Road teams go 7-0 in historic World Series as Nats win title," MLB.com, October 31, 2019. 2019年10月31日閲覧。
  4. ^ Ronald G. Shafer, "The last time a World Series was played in D.C., tickets cost less than $7. Yes, you read that right.," The Washington Post, October 25, 2019. 2019年10月31日閲覧。
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  9. ^ Mike Axisa, "MLB trade deadline: Nationals add Daniel Hudson, Roenis Elias, Hunter Strickland to bullpen in separate trades," CBSSports.com, July 31, 2019. 2022年10月12日閲覧。
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  11. ^ 出野哲也 「30球団通信簿 全選手最終成績+編成トップの通信簿 ワシントン・ナショナルズ ハーパーが去った年に悲願のリーグ制覇」 『隔月刊スラッガー』2019年12月号増刊、日本スポーツ企画出版社、2019年、雑誌15510-12、77頁。
  12. ^ a b David Schoenfield, "Nationals sweep Cardinals to reach first World Series," ESPN.com, October 16, 2019. 2022年10月12日閲覧。
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  19. ^ 新井裕貴(SLUGGER編集部) 「30球団通信簿 全選手最終成績+編成トップの通信簿 ヒューストン・アストロズ 勝率と得失点で両リーグ1位の圧倒的強さ」 『隔月刊スラッガー』2019年12月号増刊、日本スポーツ企画出版社、2019年、雑誌15510-12、68頁。
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外部リンク

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