ジョー・スミス (投手)

アメリカの野球選手 (1984 - )

ジョゼフ・マイケル・スミスJoseph Michael Smith, 1984年3月22日 - )は、アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。

ジョー・スミス
Joe Smith
ヒューストン・アストロズ時代
(2018年5月9日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 オハイオ州シンシナティ
生年月日 (1984-03-22) 1984年3月22日(40歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2006年 MLBドラフト3巡目
初出場 2007年4月1日
最終出場 2022年8月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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もともとオーバースローだったが、高校時代に受けた右肩の手術の影響で肩を完全にトップの位置に戻すことができなくなった。ライト州立大学ではグレッグ・ラレディコーチがサイドスロー投手を探していたため、前述の影響もあってスミスが名乗り出てサイドスローに転向。卒業までの2年間、抑えとして活躍した[1]

プロ入りとメッツ時代

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2006年MLBドラフト3巡目(全体94位)でニューヨーク・メッツから指名され、プロ入り。

2007年はメジャーのスプリングトレーニングに招待選手として参加すると、見事開幕メジャー入りを果たし、2006年のドラフトでメッツに入団した選手の中では最も早いメジャー昇格となった。4月1日のセントルイス・カージナルスとの開幕戦に2番手としてメジャー初登板を果たすと、17試合連続無失点という好スタートを切り[2]、4月24日に初勝利を挙げた。夏場には多投からの制球難に陥ってマイナー落ちしたが、シーズン終盤に再び戻った。最終的に54試合にリリーフ登板して3勝2敗、防御率3.45という成績を記録した。また、投球イニング数以上の奪三振を記録し、奪三振率は9.1という数値だった。

 
ニューヨーク・メッツ時代
(2008年6月25日)

2008年ナショナルリーグ3位となる82試合に登板して6勝3敗、防御率3.55という成績を記録した。リリーフとはいえ、2年連続で.600以上の勝率を記録した。

インディアンス時代

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2008年12月10日にメッツ、シアトル・マリナーズクリーブランド・インディアンスの間で計12選手が移籍する三角トレードが成立し、インディアンスへ移籍した[3]

2009年はメジャーデビュー以来、最少となる37試合の登板に留まったが、防御率3.44は自己ベスト (当時) だった。この年は、左打者に.355と打ち込まれた[4]

2010年は登板試合数が2年ぶりに50試合を超えたが、防御率3.83は自己ワーストの数値であり、やや調子を落としたシーズンとなった。

2011年は前半戦は防御率0.71という好成績を残した[5]。後半戦はやや成績を落としたが[5]、シーズン全体でチーム最多タイの71試合に登板し、防御率2.01という好成績を残した。また、打たれた本塁打は僅かに1本だけであり、2009年には苦手としていた左打者も克服し、むしろ右打者相手よりも低い被打率だった[5]

 
クリーブランド・インディアンス時代
(2012年9月1日)

2012年も2年連続チームトップとなる72試合に登板し、自己最多の7勝、防御率2.96という成績を挙げチームに貢献した。

2013年1月18日にインディアンスと315万ドルで1年契約した[6]。シーズンでは、3年連続70試合以上となる70試合に登板し、6勝2敗、防御率2.29を記録した。オフにFAとなった。

エンゼルス時代

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2013年11月24日に3年総額1500万ドルでロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと契約した[7]

2014年は4月下旬からクローザーとして起用される機会が出始め、その後ヒューストン・ストリートが移籍してくるまで前半戦の間は、抑えとして15セーブをマークした[8]。この年はア・リーグ2位、4年連続70試合以上となる76試合に登板し、防御率は自身初の1.00台となる1.81を記録。また7勝を挙げ、リリーフ投手ながら2012年以降の3年間で20勝を挙げた。

 
ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム時代
(2015年5月16日)

2015年は5年連続70試合以上となる70試合に登板したが、防御率はその5年間でワーストの3.58だった。

2016年は移籍までに38試合に投げたが、1勝4敗、防御率3.82と前年から更に調子を落としていた。

カブス時代

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2016年8月1日にヘスス・カスティーヨ英語版とのトレードで、シカゴ・カブスへ移籍した[9]。移籍後は16試合で1勝1敗、防御率2.51であった。シーズン合計では54試合登板に終わり、連続70試合登板は5年で途切れた。オフの11月3日にFAとなった[10]

ブルージェイズ時代

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トロント・ブルージェイズ時代
(2017年5月19日)

2017年2月9日にトロント・ブルージェイズと1年300万ドルで契約した[11]。ブルージェイズでは38試合に投げ、3勝0敗、防御率3.28であった。

インディアンス復帰

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2017年7月31日にトーマス・パノーンサマド・テイラーとのトレードで、インディアンスへ移籍した[12]。移籍後は21試合登板で防御率3.44であった。オフの11月2日にFAとなった[13]

アストロズ時代

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2017年12月14日にヒューストン・アストロズと2年1500万ドルで契約した[14]

2019年オフの10月31日にFAとなった[15]が、12月16日に2年総額800万ドルで再契約を結んだ[16]

2020年の短縮シーズンは、ハンチントン病末期患者である実母を看病するためにプレーせず、年俸400万ドルが没収された[17]

2021年は2年ぶりにMLBに復帰したが、後述の移籍まで27試合に登板して防御率7.48と不調であった。

マリナーズ時代

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2021年7月27日にケンドール・グレーブマンラファエル・モンテロとのトレードで、エイブラハム・トロと共にマリナーズへ移籍した[18]。マリナーズでは23試合に登板して防御率2.00と復調したが、オフの11月3日にFAとなった[19]

ツインズ時代

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2022年3月20日にミネソタ・ツインズと単年契約を結んだ[20]。8月3日にDFAとなり、8月5日に自由契約となった。

2023年はいずれの球団にも所属しなかった。

2024年1月31日に現役引退を発表した[21]

投球スタイル

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一般的なアンダーハンドよりは高く、サイドハンドよりは低いリリースポイント[22]から、平均球速88.2mph(約141.8km/h)のシンカーと平均79.8mph(約128.4km/h)のスライダーの2球種を投げる。例年、7:3程度の割合で投げていたが、2014年から平均88.7mph(約142.7km/h)のフォーシームを投げるようになり、その分シンカーを約70%から50%弱にまで減らした。さらに2016年からは平均78.7mph(約126.7km/h)のチェンジアップも持ち球に加えたが、あまり多投せず約4%程度にとどめている[23]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2007 NYM 54 0 0 0 0 3 2 0 10 .600 205 44.1 48 3 21 4 7 45 2 0 18 17 3.45 1.56
2008 82 0 0 0 0 6 3 0 18 .667 271 63.1 51 4 31 4 4 52 1 0 28 25 3.55 1.29
2009 CLE 37 0 0 0 0 0 0 0 10 ---- 142 34.0 30 4 13 0 0 30 2 0 16 13 3.44 1.26
2010 53 0 0 0 0 2 2 0 16 .500 170 40.0 30 4 24 2 1 32 0 1 18 17 3.83 1.35
2011 71 0 0 0 0 3 3 0 16 .500 267 67.0 52 1 21 1 2 45 2 0 16 15 2.01 1.09
2012 72 0 0 0 0 7 4 0 21 .636 278 67.0 53 4 25 4 2 53 1 1 27 22 2.96 1.16
2013 70 0 0 0 0 6 2 3 25 .750 259 63.0 54 5 23 2 3 54 3 0 17 16 2.29 1.22
2014 LAA 76 0 0 0 0 7 2 15 18 .778 285 74.2 45 4 15 3 6 68 4 0 16 15 1.81 0.80
2015 70 0 0 0 0 5 5 5 32 .500 271 65.1 64 4 19 4 2 57 1 0 26 26 3.58 1.27
2016 38 0 0 0 0 1 4 6 6 .200 160 37.2 36 4 13 3 5 25 0 1 16 16 3.82 1.30
CHC 16 0 0 0 0 1 1 0 1 .500 57 14.1 11 4 5 0 1 15 0 0 4 4 2.51 1.11
'16計 54 0 0 0 0 2 5 6 7 .286 217 52.0 47 8 18 3 6 40 0 1 20 20 3.46 1.25
2017 TOR 38 0 0 0 0 3 0 0 13 1.000 144 35.2 30 3 10 1 1 51 0 0 13 13 3.28 1.12
CLE 21 0 0 0 0 0 0 0 9 ---- 70 18.1 16 1 0 0 0 20 0 0 7 7 3.44 0.87
'17計 59 0 0 0 0 3 0 0 22 1.000 214 54.0 46 4 10 1 1 71 0 0 20 20 3.33 1.04
2018 HOU 56 0 0 0 0 5 1 0 11 .833 180 45.2 34 7 12 0 2 46 1 0 20 19 3.74 1.01
2019 28 0 0 0 0 1 0 0 4 1.000 96 25.0 19 2 5 0 0 22 0 0 6 5 1.80 0.96
2021 27 0 0 0 0 1 1 0 1 .500 103 21.2 35 4 4 0 3 17 2 0 18 18 7.48 1.80
SEA 23 0 0 0 0 3 3 0 3 .500 70 18.0 12 1 4 2 0 17 0 0 5 4 2.00 0.89
'21計 50 0 0 0 0 4 4 0 4 .500 173 39.2 47 5 8 2 3 34 2 0 23 22 4.99 1.39
2022 MIN 34 0 0 0 0 1 1 0 14 .500 122 27.1 33 7 9 1 1 17 0 1 18 14 4.61 1.54
MLB:15年 866 0 0 0 0 55 34 30 228 .618 3150 762.1 653 66 254 31 40 666 19 4 289 266 3.14 1.19
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手(P)












2007 NYM 54 2 9 0 0 1.000
2008 82 3 18 0 0 1.000
2009 CLE 37 3 9 0 0 1.000
2010 53 1 8 0 2 1.000
2011 71 1 24 1 1 .962
2012 72 1 15 1 1 .941
2013 70 2 14 1 1 .941
2014 LAA 76 3 12 0 1 1.000
2015 70 3 14 2 3 .895
2016 38 1 7 0 0 1.000
CHC 16 0 3 0 0 1.000
'16計 54 1 10 0 0 1.000
2017 TOR 38 1 7 0 1 1.000
CLE 21 2 5 0 1 1.000
'17計 59 3 12 0 2 1.000
2018 HOU 56 2 6 1 1 .889
2019 28 1 1 0 0 1.000
2021 27 1 5 0 0 1.000
SEA 23 1 1 0 0 1.000
'21計 50 2 6 0 0 1.000
2022 MIN 34 1 4 0 0 1.000
MLB 866 29 162 6 12 .970

背番号

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  • 35(2007年 - 2008年)
  • 38(2009年 - 2016年途中、2017年 - 2019年、2021年 - 同年途中、2022年)
  • 30(2016年途中 - 同年終了)
  • 43(2021年途中 - 同年終了)

脚注

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  1. ^ Michael Distefano (2017年4月26日). “Smith learned right delivery at Wright State” (英語). Canadian Baseball Network. 2023年8月19日閲覧。
  2. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、270頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  3. ^ Anthony Castrovince (2008年12月11日). “Three-team blockbuster nets Mets Putz Mariners and Indians involved in 12-player Meetings deal” (英語). MLB.com. 2017年8月3日閲覧。
  4. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2010』廣済堂出版、2010年、164頁。ISBN 978-4-331-51439-9 
  5. ^ a b c 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2012』廣済堂出版、2012年、133頁。ISBN 978-4-331-51612-6 
  6. ^ Zack Meisel (2013年1月18日). “Indians sign Perez, Smith to one-year deals” (英語). MLB.com. 2017年8月3日閲覧。
  7. ^ Alden Gonzalez (2013年11月24日). “Angels to sign former Indians reliever Smith” (英語). MLB.com. 2017年8月3日閲覧。
  8. ^ Joe Smith 2014 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年1月17日閲覧。
  9. ^ Right-handed reliever Joe Smith acquired by Cubs” (英語). ESPN (2016年8月1日). 2016年8月8日閲覧。
  10. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年8月3日閲覧。
  11. ^ Gregor Chisholm (2017年2月9日). “Blue Jays make deals with Howell, Smith official” (英語). MLB.com. 2017年2月11日閲覧。
  12. ^ Jordan Bastian (2017年7月31日). “Reliever Smith 'back home' in trade to Tribe” (英語). MLB.com. 2017年8月3日閲覧。
  13. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  14. ^ Smith officially joins Astros' bullpen” (英語). MLB.com (2017年12月14日). 2017年12月20日閲覧。
  15. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  16. ^ Alyson Footer (2019年12月16日). “Astros re-sign Joe Smith on 2-year deal” (英語). MLB.com. 2019年12月17日閲覧。
  17. ^ https://www.mlb.com/news/joe-smith-returns-to-astros-after-sitting-out-2020
  18. ^ Mariners, Astros To Swap Kendall Graveman, Abraham Toro In Four-Player Trade” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月27日閲覧。
  19. ^ 160 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). MLB Players.com (November 3, 2021). November 5, 2021閲覧。
  20. ^ Do-Hyoung Park (2022年3月20日). “Joe Smith joins Twins with 1,000 games in sight” (英語). MLB.com. 2022年5月26日閲覧。
  21. ^ 通算866試合登板の39歳ベテラン右腕ジョー・スミスが現役引退 08年は82試合登板の鉄腕”. 日刊スポーツ (2024年2月1日). 2024年2月3日閲覧。
  22. ^ Marty Noble (2007年2月19日). “Mets like what they see in Smith Sidewinding right-hander could make way to Shea in '07” (英語). MiLB.com. 2019年7月21日閲覧。
  23. ^ Joe Smith Pitch Data” (英語). The Baseball Cube. 2017年2月20日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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