福井銀行

福井県福井市にある地方銀行

株式会社福井銀行(ふくいぎんこう、: The Fukui Bank, Ltd.)は、福井県福井市に本店を置く地方銀行。福井県内では福銀通称として使用される。マスコットは、オーバーオールがポイントの「ふくちゃん」。キャッチコピーは「いつも、いつでも、いつまでも」。

株式会社福井銀行
The Fukui Bank, Ltd.
2020年に竣工した福井銀行本店
種類 株式会社
機関設計 指名委員会等設置会社[1]
市場情報
東証プライム 8362
1972年10月2日上場
略称 福銀
本社所在地 日本の旗 日本
910-8660
福井県福井市順化一丁目1番1号
北緯36度3分47.2秒 東経136度13分2.0秒 / 北緯36.063111度 東経136.217222度 / 36.063111; 136.217222座標: 北緯36度3分47.2秒 東経136度13分2.0秒 / 北緯36.063111度 東経136.217222度 / 36.063111; 136.217222
設立 1899年明治32年)12月19日[2]
業種 銀行業
法人番号 9210001003641 ウィキデータを編集
金融機関コード 0147
SWIFTコード FKUIJPJT
事業内容 預金業務、貸出業務、有価証券売買業務、投資業務、為替業務など
代表者 林正博
取締役代表執行役頭取
資本金 179億6500万円
(2020年3月31日時点)[3]
売上高 単体:325億2700万円
連結:407億2900万円
(経常収益、2020年3月期)[3]
経常利益 単体:25億4600万円
連結:34億1300万円
(2020年3月期)[3]
純利益 単体:18億5300万円
連結:21億4000万円
(2020年3月期)[3]
純資産 単体:1150億3400万円
連結:1237億5900万円
(2020年3月31日時点)[3]
総資産 単体:2兆9421億100万円
連結:2兆9510億1900万円
(2020年3月31日時点)[3]
従業員数 単体:1312人
連結:1806人
(2022年3月31日時点)
決算期 3月31日
主要株主 明治安田生命保険 5.75%
福井銀行職員持株会 3.68%
日本生命保険 3.27%
住友生命保険 3.17%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 2.24%
(2019年3月31日時点)[4]
主要子会社 #関連会社参照
外部リンク https://www.fukuibank.co.jp/
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株式会社福井銀行のデータ
法人番号 9210001003641 ウィキデータを編集
店舗数 96店
(国内本支店・出張所)
貸出金残高 1兆5,861億29百万円
預金残高 2兆803億32百万円
特記事項:
(2016年3月31日時点)
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福井銀行旧本店(現存せず)
本店建て替えのために仮入居していた福銀センタービル。

福井県や県内のほぼ全て市町村、国立大学法人福井大学などの指定金融機関である。福井県内でのシェアは約40%であり、福井県の第一地方銀行である。

概要

福井県内でのシェアとしては、預金が43.8%、貸出金が38.7%となっており、いずれも県内でトップシェアである(平成27年度)[要出典]。また、福井県内に本社を置く企業において、福井銀行をメインバンクとする企業のシェアが約45%となっている(2020年、帝国データバンク調べ)[5]

福井銀行は、1899年明治32年)に地元福井で繊維業を営む者たちが、福井県の繊維業のさらなる発展を目的として、各々資金を出し合って設立された銀行である(資本金30万円)。現存する地方銀行の設立過程としては、国立銀行を前身としたものが多い(七十七銀行八十二銀行など)が、福井銀行はこうした国立銀行を前身とした設立過程ではないため全国でも稀有な例として知られている[注釈 1]

2016年(平成28年)5月、福井市順化1丁目に所在する旧館と新館からなる本店の新築計画を明らかにした。発表によれば現本店を取り壊し、新本店を建設する間は、同市今市町にある福井銀事務センターを本店各部署の仮オフィスとして暫定的に使用。総事業費は90億~100億円程度を見込み、2018年度中に着工。当初は2020年春の完成を目指すとしていたが[6]、当初の予定より遅く同年12月7日に業務を開始した[7][8]。なお、本店の隣には、北國銀行石川県金沢市)の福井支店が2020年11月に移転している[5][9]

2016年10月に福井銀行と福井新聞社が共同で企画・発行している電子マネーのカード「JURACA」が、福井県の県民カード第1号に認定された[注釈 2]

2024年(令和6年)11月、既に完全子会社化している福邦銀行2026年(令和8年)5月2日付で吸収合併することを発表した。合併後の銀行名は本行名を継続使用する[10]

沿革

店舗網

福井県内では、池田町以外の全市町に75店舗の支店を有する(池田町は役場にATMを設置)。

福井県以外にも、石川県に10店舗(前述の小松支店は福邦銀行小松支店も入居)、富山県に4店舗、京都府・滋賀県に2店舗(前述の舞鶴支店は高浜支店の店舗内店舗)、東京都愛知県大阪府にあわせて3店舗を有している。営業店とは別にタイ王国の首都バンコクに駐在所を構えている。現在の店舗については「福井銀行 店舗・ATM検索」を参照。

また、本店、支店などの営業店のほかに、本部機能を集約させた福銀センタービルがあり、その他にも事務処理センターなどを有している。さらに、営業店とは別に「ナチュラプラザ」(福井市開発)というローンや保険の相談ができる店舗もある。このほか2016年12月には、店舗再編の一環による営業体制の効率化などを目的に「ふくぎんKuruza(クルーザー)」と名付けた移動店舗を導入した[46]

さらに、エリア制を採用しており、エリア統括店を中心に営業を行っている。以下がエリアとエリア統括店である。

  • 本店エリア - 本店営業部
  • 福井東エリア - 福井中央支店
  • 福井北エリア - 松本支店
  • 福井南エリア - 木田支店
  • 福井西エリア - 花月支店
  • あわらエリア - 金津支店
  • 三国エリア - 三国支店
  • 春江エリア - 春江支店
  • 高志エリア - 松岡支店
  • 奥越エリア - 大野支店
  • 丹生エリア - 朝日町支店
  • 鯖江エリア - 鯖江支店
  • 武生エリア - 武生支店
  • 南条エリア - 南条支店
  • 敦賀エリア - 敦賀支店
  • 小浜エリア - 小浜支店
  • 高浜エリア - 高浜支店
  • 金沢エリア - 金沢支店
  • 富山エリア - 富山支店
  • 滋賀エリア - 大津支店

東京大阪市愛知県名古屋市京都市ではエリア制をとっていない。

店舗沿革

  • 2006年(平成18年)7月 - 草津支店を開設。
  • 2010年(平成22年)9月 - 高槻支店を大阪支店に統合。
  • 2018年(平成30年)10月22日 - 舞鶴支店を高浜支店に統合。

店舗ギャラリー

勘定系システム

2009年(平成21年)1月、NTTデータ地銀共同センターへ移行した[47][48]

他金融機関との提携

北陸地方金融機関との提携

同行のATMでは、「FITネットATM」により、北國銀行富山第一銀行キャッシュカードの入出金については自行扱いとなり、利用可能時間帯は入出金とも完全無料である。ただし、3行以外が幹事行の共同利用自動機店舗並びにコンビニATMについては対象外。2006年(平成18年)4月3日より提携3行間との相互入金の取り扱いを開始した。

なお、法人カードは当行と北國銀行の間の相互利用のみに限られる。

セブン銀行・イオン銀行との提携

同行は2006年(平成18年)11月22日より、セブン銀行と提携してATMサービスを開始した[49]。提携当初は平日日中の出金手数料を無料としていたが、現在は入金と残高照会のみ無料で、ジュラチック王国支店の口座とセブン銀行との共同設置ATMを除いて、終日110円から220円の出金手数料がかかる。また、イオン銀行開業と同時に提携を行い、福井・イオン両銀行相互にATMの利用が可能となっている。イオン銀行では法人カードは利用できない。

県内金融機関との提携(福井ふるさとネットサービス)

2007年(平成19年)10月より福井ふるさとネットサービスとして、同行、福邦銀行と県内5信用金庫(福井越前武生敦賀小浜)の7金融機関の個人カードを持つ顧客は、各金融機関が設置しているCD・ATMでの残高照会と現金引出において手数料完全無料(時間外手数料・提携手数料を無料)になっている。また、これに福井県JAバンクも遅れて参加している。

また、2021年(令和3年)1月には、福井県内の第二地銀である福邦銀行の子会社化を目指していることが報道された[50]

イーネット・ローソンATMとの提携

個人・法人カードによる入金・出金・カード振込の取扱で、カード入金に限り終日無料となる。

CM起用者

関連会社

連結子会社

脚注

注釈

  1. ^ 福井県内においても、第二十五国立銀行(小浜市)、第五十七国立銀行(越前市)、第九十一国立銀行(福井市)、第九十二国立銀行(福井市)と、4行の国立銀行が設立されていたが、第二十五国立銀行はいくつかの合従連衡を繰り返し、三和銀行に吸収合併され、福井県内の多くの店舗は福井銀行に継承された。第五十七国立銀行と第九十一国立銀行は、脆弱な財務体質から、昭和金融恐慌で業績が悪化し、それぞれ、北陸銀行の前身行に吸収された。また、第九十二国立銀行は明治期に業績が悪化したことから実質破綻の状況に陥り、銀行名を変えて東京に進出するも、昭和金融恐慌により完全消滅した。
  2. ^ 「JURACA」とは、QUICPayとnanacoカードの機能を1枚のカードに集約した電子マネーカード。

出典

  1. ^ ガバナンス - 株式会社福井銀行
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『福井銀行八十年史』福井銀行、1981年3月
  3. ^ a b c d e f 2020年3月期 決算短信” (PDF). 福井銀行 (2020年5月8日). 2020年5月23日閲覧。
  4. ^ 第199期 有価証券報告書” (PDF). 福井銀行 (2019年6月24日). 2020年5月23日閲覧。
  5. ^ a b c “ビジネス特集 動き始めた地銀再編~福井銀 福邦銀を子会社化へ~”. NHK NEWS WEB. (2021年2月8日). https://web.archive.org/web/20210210090510/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210208/k10012851141000.html 2021年4月5日閲覧。 
  6. ^ 福井銀本店、老朽化で建て替えへ 20年春完成目指す、耐震に対応”. 福井新聞ONLINE (2016年5月14日). 2017年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  7. ^ a b c “福井銀行、新本店7日オープン 役員室はガラス張り”. 日本経済新聞. (2020年12月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66973530T01C20A2LB0000/ 2021年1月19日閲覧。 
  8. ^ a b “福井銀行の新本店ビル正式オープン 窓口や一般向けカフェに来店客続々”. 福井新聞ONLINE. (2020年12月8日). オリジナルの2020年12月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201214132934/https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1220700 2021年1月19日閲覧。 
  9. ^ a b “福井銀行、福邦銀行への出資発表「子会社化を念頭」”. 日本経済新聞. (2021年1月14日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB142120U1A110C2000000/ 2021年4月5日閲覧。 
  10. ^ a b 新行名「福井銀行」に 福井・福邦銀”. 時事通信 (2024年11月8日). 2024年11月9日閲覧。
  11. ^ 企業・IR情報 コーポレートアイデンティティ
  12. ^ “福井銀、178億円回収不能も 小野グループ3社に更生法適用申請”. 日本経済新聞. (2012年10月27日). https://www.nikkei.com/article/DGXNZO47721550W2A021C1LB0000/ 2014年5月11日閲覧。 
  13. ^ 小野グループに関する調査委員会による調査結果の概要と今後の対応方針について” (PDF). 福井銀行 (2013年5月10日). 2016年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  14. ^ 債権の取立不能のおそれ及び業績予想の修正に関するお知らせ”. 福井銀行 (2015年4月30日). 2016年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  15. ^ 福井銀行、106億円を損失処理 江守GHD民事再生法申請で”. 福井新聞ONLINE (2015年5月1日). 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  16. ^ “福井銀行頭取に林氏が昇格”. 日本経済新聞. (2015年5月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASFB08H38_Y5A500C1EAF000/ 2015年5月9日閲覧。 
  17. ^ 江守GHD問題で頭取謝罪 福井銀株主総会”. 中日新聞 (2015年6月21日). 2015年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  18. ^ 福井銀行が県都再開発計画を支援 ユアーズホテル建て替え軸に”. 福井新聞ONLINE (2016年1月1日). 2016年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  19. ^ 福井銀行と森ビル都市企画が提携 JR福井駅西口の再開発計画向け”. 福井新聞ONLINE (2016年3月2日). 2016年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  20. ^ “福井銀、森ビル系と連携 福井駅前再開発で”. 日本経済新聞. (2016年3月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXLZO97903020R00C16A3LB0000/ 2016年11月21日閲覧。 
  21. ^ 福井銀行がハピリンに女性の拠点 書籍を多数用意、セミナーも”. 福井新聞ONLINE (2016年3月26日). 2016年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  22. ^ 地域密着型カードサービスを提供 「JURACA」、4月から福井銀行と福井新聞社”. 福井新聞ONLINE (2016年2月24日). 2016年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  23. ^ “福井銀、フィンテック拡充 マネーフォワードに出資”. 日本経済新聞. (2016年10月6日). https://www.nikkei.com/article/DGXLZO08045170V01C16A0LB0000/ 2016年11月11日閲覧。 
  24. ^ 「インターネット支店の開設」および「スマホアプリの提供開始」について” (PDF). 福井銀行 (2017年2月10日). 2017年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
  25. ^ “福井銀行、ネット専用「恐竜支店」 3月 スマホで口座手続き”. 日本経済新聞. (2017年2月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXLZO13352320U7A220C1LB0000/ 2019年2月26日閲覧。 
  26. ^ 舞鶴支店の福井県内への移転について” (PDF). 福井銀行 (2018年6月12日). 2019年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月5日閲覧。
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  35. ^ a b “福井銀小松支店に福邦銀 全国初、路面店に2行入居”. 北國新聞. (2020年5月12日). https://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20200512304.htm 2021年1月19日閲覧。 
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  38. ^ 「野村HD 福井銀と提携 地銀と4例目 投信・債券販売引き継ぐ」『読売新聞』朝刊2022年7月9日(経済面)
  39. ^ 店舗外 ATM のセブン銀行との共同運営について”. 福井銀行. 2023年10月11日閲覧。
  40. ^ 福井銀行と共同でATM設置を拡大”. セブン銀行. 2023年12月12日閲覧。
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  46. ^ “福井銀が移動店舗 南越前町で12月から 再編の一環”. 日本経済新聞. (2016年9月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASJB29H45_Z20C16A9LB0000/ 2016年11月11日閲覧。 
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  48. ^ “NTTデータの地銀共同センター、福井銀行が利用開始”. 日経コンピュータ. (2009年1月4日). https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20090104/322135/ 2014年5月11日閲覧。 
  49. ^ 福井銀行とセブン銀行がATM利用提携開始 - セブン銀行(2006年11月1日付)
  50. ^ 日本放送協会. “福井銀行が福邦銀行を子会社化へ 収益力高め生き残り図る狙い”. NHKニュース. 2021年1月13日閲覧。
  51. ^ 【テレビCMの裏エピソード公開!③】”. 福井銀行公式Facebook (2016年7月22日). 2019年6月1日閲覧。

関連項目

外部リンク