雨部うぶは、漢字部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では173番目に置かれる(8画の7番目、戌集の7番目)。

康熙字典 214 部首
隹部 雨部 青部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

概要

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「雨」字は空から地上へと降ってくる水滴であるを意味する。天にある雲の間から水が落ちてくる様子に象る。

また動詞として雨などが降ることを意味する(字音は声調が去声となる)。

偏旁の意符としては気象天候に関わることを示す。多くは冠の位置に置かれ、上下構造を作る。また「雨」を意符とする漢字以外に、靉・靆など、「雲」を意符とする漢字なども収められている。

雨部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収める。

字体のデザイン差

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「雨」のなかの水滴を表す4つの筆画には差異が見られる。

印刷書体(明朝体)において『康熙字典』は、単体の「雨」は4つの点、冠の「雨」は篆書の字形に基づき「雪」のように4つの短い横画を採用している。日本および中国ではこれに従っている[1]

一方、台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表は楷書の字形に基づき、短い点・撥ね・左払い・右払いの形(「摂」「渋」や「」などの4点に似る)を採用している(ただし、コンピュータ上でWindowsが装備するフォント細明體・新細明體 (PMingLiU・MingLiU) は5.03版(Windows Vista 標準装備)以降でないとこれに対応しておらず、それ以前の版では康熙字典体で表される)。

部首の通称

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  • 日本:あめかんむり・あまかんむり
  • 中国:雨字頭
  • 韓国:비우부(bi u bu、あめの雨部)
  • 英米:Radical rain

部首字

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例字

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最大画数

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44:

脚注

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  1. ^ 明朝体によっては冠の下2つの横画が上2つの横画に比べて僅かに長くなる。また、ゴシック体のように三角形のうろこが全く無いデザインもある。