中越地方
中越地方のデータ | |
国 | 日本 |
地方 | 中部地方、北陸地方、 甲信越地方 |
面積 | 4,883.45 km2 |
国勢調査 | 756,519 人 (2015年10月1日) |
推計人口 | 677,459 人 (全県比:32.3%) (2024年12月1日) |
人口密度 | 138.7 人/km2 (2024年12月1日) |
中越地方(ちゅうえつちほう)は、新潟県の中央部を指す。最大の都市は長岡市。
新潟県は地理的に大きく四つの地域に分けられるが、その一つである。他の三つは下越地方・上越地方・佐渡地方。
かつての越後国(新潟県本州部分)のうち、京に近い地方は上越後(かみえちご)、遠い方は下越後(しもえちご)と呼ばれていた。後にその中間の地域が中越後(なかえちご)と呼ばれるようになり、中越後を略した「中越」が新潟県中央部の地域名として用いられるようになった。
上越地方、下越地方とまとめて、「上中下越」と呼ばれることもある。
概要
編集おおむね北を大河津分水に、南を三国山脈に、東を越後山脈に、西を米山に挟まれた、主に信濃川流域の沿岸地域である。代表的な市町村として、沿岸の旧陣屋町・柏崎市、内陸で信濃川流域の旧城下町・長岡市、山間の小都市や町村として十日町市や湯沢町などがある。
食文化では日本米として最も成功した品種として有名なコシヒカリの原産地であり、日本屈指の米所として有名な地方である。南部は古来より越後国魚沼郡に属しており、今日でも魚沼地方(うおぬまちほう)と呼ばれている。「米どころ・新潟」と呼ばれるほどに米の大産地である新潟県であるが、そのうち信濃川、魚野川流域など中越地方、特に魚沼コシヒカリは、当地の水や気候がコシヒカリの栽培に最も適していると言われ、日本穀物検定協会による米の食味ランキング[1]でも上位にランクインしている。
観光としては花火大会が最も有名で、柏崎市のぎおん柏崎まつり、長岡市の長岡まつり、小千谷市片貝町の片貝まつりは越後三大花火と呼ばれ、全国的にも有名な花火大会である。それらは「海の柏崎、川の長岡、山の片貝」と呼ばれており、なかでも長岡まつりの長岡大花火大会は、日本三大花火大会でもあり、毎年100万人を超える人々が訪れる。
中越地方の中心都市である長岡市は、2011年の日本映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」でも話題となった旧日本海軍元帥・山本五十六の故郷として知られている。政治面では、二田村(西山町を経て現・柏崎市)出身で長岡市を本拠地とした田中角栄(1972年~1974年に自由民主党総裁・内閣総理大臣)の地盤としても有名な地域である。
マスコミなどメディアが新潟県を話題にする際に、田中角栄、魚沼産コシヒカリ、3 mを越える積雪を記録する豪雪地帯などがイメージとして紹介されることが多いが、これらは県庁所在地の新潟市周辺ではなく、中越地方山間部のものである(ただし3 mを越える積雪は上越地方の山間部でも見られる[2])。
地理
編集市町村
編集気象庁の気象予報区分「中越地方」[3]、あるいは新潟県による「中越地域」[4]は、以下の市町村を含む。
三条市や加茂市、田上町は、企業や組織によっては下越地方として扱われることもある。なお、この3市町に燕市、弥彦村を加えた5市町村、またはこれに平成の大合併にて長岡市となった旧寺泊町などを加えた地域は県央地域と呼ばれており、この地域を下越・中越いずれにも分類せず県央地域としてまとめて扱う例もある(新潟日報の地域面など)。
地形
編集- 山:苗場山、八海山、魚沼駒ヶ岳、巻機山、米山、守門岳、弥彦山
- 川:信濃川、魚野川、渋海川
- 平野:越後平野
- 山脈 : 越後山脈
- 丘陵:魚沼丘陵、東頸城丘陵
- 温泉 : 湯田上温泉、蓬平温泉、湯之谷温泉郷、六日町温泉、越後湯沢温泉、松之山温泉
気象
編集川端康成の『雪国』で描かれているように豪雪地帯であり、中心都市である長岡では1 m前後の積雪深が見られるほか、津南(津南町)や守門(魚沼市)など魚沼地方の山間部では3 mを超えることもあり[2]、雪の多さは日本有数である。
歴史
編集信濃川流域に位置し、戦国時代には春日山を本拠地とする関東管領の上杉氏の地盤であった(栃尾城など)。江戸時代には小千谷縮等で江戸との衣類貿易で栄え、佐渡金山へのルートとして高崎宿(現在の群馬県高崎市)と寺泊を結ぶ三国街道などの道が整備された。その一方で、幕末には長岡藩などが奥羽越列藩同盟に加わりもした。また明治維新以降、自由港である新潟港の重要性の高まりと共に関東地方・東京との関係の重要性が一層増し、昭和初期には上越線、戦後の高度経済成長以降上越新幹線・関越自動車道といった交通網の整備が進んだ。このように、地理的・歴史的には、関東と東北と北陸の折衷地域という様相を呈している。
都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷
編集金本良嗣・徳岡一幸によって提案された都市圏。細かい定義等は都市雇用圏に則する。一般的な都市圏の定義については都市圏を参照のこと。
三条都市圏
編集その他の都市圏
編集長岡都市圏 | |
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北緯37度27分 東経138度51分 / 北緯37.450度 東経138.850度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 新潟県 |
中心都市 | 長岡市 |
面積 (2011)[5] | |
• 合計 | 1,168.37 km2 |
人口 (2010)[6] | |
• 合計 | 368,043人 |
• 密度 | 320人/km2 |
域内総生産 | (2010)[5] |
- 名目 | 1兆3755億円 |
- 10% 通勤圏に入っていない自治体は、各統計年の欄で灰色かつ「-」で示す。
自治体 ('80) |
1980年 | 1990年 | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 自治体 (現在) |
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寺泊町 | - | 燕 都市圏 | 燕 都市圏 | 燕 都市圏 | - | 長岡 都市圏 36万8043人 |
長岡市 |
和島村 | - | - | - | - | 長岡 都市圏 35万9445人 | ||
栃尾市 | - | 長岡 都市圏 30万9091人 |
長岡 都市圏 36万1503人 |
長岡 都市圏 36万5654人 | |||
長岡市 | 長岡 都市圏 27万4394人 | ||||||
中之島村 | |||||||
越路町 | |||||||
三島町 | |||||||
山古志村 | |||||||
小国町 | |||||||
与板町 | |||||||
見附市 | 見附市 | ||||||
小千谷市 | 小千谷 都市圏 5万1702人 |
小千谷 都市圏 4万9780人 |
小千谷市 | ||||
川口町 | 長岡市 | ||||||
出雲崎町 | - | 柏崎 都市圏 11万1208人 |
柏崎 都市圏 11万3339人 |
柏崎 都市圏 10万8671人 |
柏崎 都市圏 10万4792人 |
出雲崎町 | |
柏崎市 | 柏崎 都市圏 10万1238人 |
柏崎 都市圏 9万6251人 |
柏崎市 | ||||
西山町 | |||||||
高柳町 | |||||||
刈羽村 | 刈羽村 | ||||||
十日町市 | 十日町 都市圏 6万6495人 |
十日町 都市圏 6万1953人 |
十日町 都市圏 5万9854人 |
十日町 都市圏 5万7604人 |
十日町 都市圏 7万3777人 |
十日町 都市圏 6万9792人 |
十日町市 |
川西町 | |||||||
中里村 | |||||||
松代町 | - | - | - | - | |||
松之山町 | - | - | - | - | |||
津南町 | - | - | - | - | 津南町 | ||
堀之内町 | - | - | - | - | - | - | 魚沼市 |
小出町 | - | - | - | - | |||
湯之谷村 | - | - | - | - | |||
広神村 | - | - | - | - | |||
守門村 | - | - | - | - | |||
入広瀬村 | - | - | - | - | |||
六日町 | - | - | - | - | - | - | 南魚沼市 |
大和町 | - | - | - | - | |||
塩沢町 | - | - | - | - | |||
湯沢町 | - | - | - | - | - | - | 湯沢町 |
交通
編集鉄道
編集信越本線と弥彦線と越後線は新潟近郊区間に指定されている。
廃線
編集道路
編集高速道路
編集一般国道
編集道の駅
編集登録番号順
高速バス・急行バス
編集県外線
編集県内線
編集- 長岡 - 新潟線 (越後交通、新潟交通)
- 十日町 - 新潟線 (アイ・ケーアライアンス)
- 柏崎 - 新潟線 (越後交通)
- 直江津・高田 - 新潟線 (越後交通、新潟交通、頸城自動車)
- 東三条 - 新潟線 (新潟交通観光バス、アイ・ケーアライアンス)
水上交通
編集脚注
編集- ^ 一般財団法人 日本穀物検定協会 米の食味ランキング
- ^ a b “新潟県の雪情報:観測所一覧/降積雪資料”. 新潟県. 2022年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月27日閲覧。
- ^ “気象警報・注意報や天気予報の発表区域:新潟県”. 気象庁. 2020年2月24日閲覧。
- ^ “リンク集:県内市町村”. 新潟県総務管理部 情報政策課. 2020年2月24日閲覧。
- ^ a b 金本良嗣. “2010年 大都市雇用圏統計データ”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2017年3月25日閲覧。
- ^ “平成26年度総合調査研究(地域経済の将来動向分析に関する調査研究)”. 経済産業省. 2017年3月25日閲覧。