大和郡山市

奈良県の市
郡山町 (奈良県)から転送)

大和郡山市(やまとこおりやまし)は、奈良県北部にある

やまとこおりやまし ウィキデータを編集
大和郡山市
郡山城跡
地図
市庁舎位置
大和郡山市旗 大和郡山市章
大和郡山市旗
1974年1月17日制定
大和郡山市章
1974年1月17日制定
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 奈良県
市町村コード 29203-6
法人番号 3000020292036 ウィキデータを編集
面積 42.69km2
総人口 80,561[編集]
推計人口、2024年12月1日)
人口密度 1,887人/km2
隣接自治体 奈良市天理市生駒市生駒郡安堵町斑鳩町磯城郡川西町
市の木 クロマツシダレヤナギ
市の花 キクヤマザクラ
他のシンボル -
大和郡山市役所
市長 上田清
所在地 639-1198
奈良県大和郡山市北郡山町248-4[1]
北緯34度38分58秒 東経135度46分58秒 / 北緯34.64931度 東経135.78269度 / 34.64931; 135.78269座標: 北緯34度38分58秒 東経135度46分58秒 / 北緯34.64931度 東経135.78269度 / 34.64931; 135.78269
外部リンク 公式ウェブサイト

大和郡山市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

金魚の名産地として全国に知られ、「全国金魚すくい選手権大会」が毎年開催され[2]、漫画『すくってごらん』の舞台にもなっている[3]

地理

編集
 
大和郡山市中心部周辺の空中写真。
2008年5月15日撮影の16枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
 
空から見た稗田町の環濠集落。国土交通省『国土画像情報(カラー空中写真)』より作成。

大和郡山市は奈良盆地北部に位置し、佐保川富雄川が南流している。市域は概ね平坦だが、富雄川以西では矢田丘陵が広がるため起伏が大きくなっている。また市内には池が数多く見られるが、これはため池金魚の養殖池として用いられていたものである。

古くからの市街地近鉄郡山駅やJR郡山駅周辺に広がり、現在でも細かな路地が入り組んでいる。佐保川の東側の稗田集落は、中世的な環濠集落の姿を留めていることで知られている。

隣接している自治体

編集

河川

編集
  • 準用河川[4]
    • 平和川
    • 芳野川
    • 紺屋川
    • 天井川

歴史

編集
 
郡山城天守台からの眺望

古代の大和国添下郡村国郷、矢田郷、添上郡大宅郷、平群郡額田郷の地である。延喜式内の矢田坐久志玉比古神社(矢田町)や菅田神社(八条町)、菅田比売神社 (筒井町)、賣太神社(稗田)が鎮座する。

都市の形が形成されたのは、戦国時代末期に筒井順慶郡山城に拠り、その城下町が発達してからである。順慶亡き後1585年豊臣秀長(当時羽柴秀長)が郡山城に入り、郡山はこの時期大和国の中心都市として栄えた。

江戸時代に入ってからは一時奈良奉行所の管轄となったが荒廃する。大坂夏の陣後に同戦役で活躍した水野勝成が入り、以後松平忠明に始まる松平家、本多政勝に始まる本多家と続き、享保9年(1724年)には、享保の改革における幕府直轄領拡大政策に際して甲斐国が幕領化され甲府藩藩主であった柳沢吉里が転封され、明治維新まで柳沢氏郡山藩藩主家として一帯を統治した。また、片桐且元または片桐貞隆に始まる片桐氏が市内、小泉町の小泉陣屋に入り、小泉藩(片桐藩)藩主となった。

版籍奉還廃藩置県に始まる紆余曲折を経て、1887年奈良県が再設置された。1889年の町村制実施で8つの町村(郡山町、筒井村、矢田村、本多村、平端村、治道村、平和村、片桐村)が誕生。1896年に添下郡と平群郡が合併、生駒郡が成立、現在の大和郡山市役所に生駒郡役場が置かれた。

沿革

編集
  • 1889年明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、添下郡郡山町(今井町・堺町・塩町・魚町・中鍛冶町・北鍛冶町・観音寺町・野垣内町・南鍛冶町・本町・新中町・藺町・奈良町・雑穀町・茶町・綿町・柳町一丁目・柳町二丁目・柳町三丁目・柳町四丁目・柳町五丁目・柳町六丁目・柳裏町・北大工町・南大工町・洞泉寺町・矢田町・新紺屋町・高田町・材木町・豆腐町・紺屋町・車町・東岡町・西岡町・西奈良口町・東奈良口町)・観音寺村・野垣内村・柳町村・高田村・南郡山村・新木村・北郡山村・九条村の区域をもって郡山町が発足。
  • 1897年(明治30年)4月1日 - 添下郡郡山町の所属郡が生駒郡に変更。
  • 1941年昭和16年)3月10日 - 生駒郡郡山町が筒井村を編入。
  • 1953年(昭和28年)12月10日 - 生駒郡郡山町が生駒郡矢田村昭和村添上郡治道村平和村を編入。
  • 1954年(昭和29年)1月1日 - 生駒郡郡山町が生駒郡大和郡山町に改称[5]。同日、市制施行[6]して大和郡山市となる[7]
  • 1957年(昭和32年)3月31日 - 生駒郡片桐町を編入。

市域の変遷

編集
明治22年 明治29年 昭和10年 昭和16年 昭和25年 昭和28年 昭和29年 昭和32年 現在
奈良県
添下郡 生駒郡 大和郡山市 大和郡山市
郡山町 郡山町 郡山町
筒井村
矢田村
平群郡 平端村 昭和村
平端村
本多村
添上郡
治道村
平和村
添下郡 生駒郡
片桐村 片桐町

行政

編集

なお、衆議院議員選挙の選挙区は「奈良県第2区」、奈良県議会議員選挙の選挙区は「大和郡山市選挙区」(定数:3)となっている[10]

経済

編集

金魚

編集

市では、江戸時代より武士の副業として始められた金魚の養殖が大変に盛んであり、輸出もされている。山形県庄内金魚と市場を大きく二分するほどのシェアを誇る。しかし、最近では後継者不足や市場の低迷から廃業して養殖池を宅地などに転用する業者が相次いでおり、かつては市内のあちこちに見られた養殖池は年々減少。この事から近年では市の後援や地元の業界団体などにより「全国金魚すくい選手権大会」などが開催されるなど、市場の活性化に向けた様々な試みが行われている。

昭和工業団地

編集

市南部の昭和地区には、昭和40年代頃から多くのメーカーの工場が誘致され、現地では昭和工業団地として知られる。この工業団地の周辺には西名阪自動車道が存在する。

市内にある主なメーカー・企業

編集

商業施設

編集

金融機関

編集
  • 南都銀行 郡山支店(南郡山町)、矢田南出張所(小泉町)、筒井支店(筒井町)、中央市場支店(筒井町)
  • 京都銀行 大和郡山支店(南郡山町)
  • りそな銀行 やまと郡山支店(高田町)、小泉支店(小泉町)
  • 奈良信用金庫 本店(南郡山町)、小泉支店(小泉町)、筒井支店(筒井町)

農業協同組合(JAならけん)

編集
  • 郡山支店(北郡山町)
  • 平和支店(美濃庄町)
  • 治道支店(発志院町)
  • 矢田支店・郡山経済センター(外川町)
  • 昭和支店(昭和町)
  • 片桐支店(池之内町)

日本郵政グループ

編集

(2013年7月現在)

  • 日本郵便株式会社
    • 大和郡山郵便局(杉町) - 集配局
    • 大和郡山九条郵便局(九条町)
    • 大和郡山本町郵便局(本町)
    • 近鉄郡山駅前郵便局(朝日町)
    • 大和郡山高田郵便局(高田口町)
    • 平和郵便局(美濃庄町=みのしょうちょう)
    • 大和郡山矢田郵便局(矢田町)
    • 大和郡山西田中郵便局(新町)
    • 大和郡山小泉郵便局(小泉町)
    • 大和郡山筒井郵便局(筒井町)
    • 奈良県中央卸売市場内郵便局(筒井町)
    • 昭和郵便局(額田部北町=ぬかたべきたまち)
    • 外川(とがわ)簡易郵便局(外川町)
    • 大和郡山小林簡易郵便局(小林町)
    • 治道(はるみち)簡易郵便局(横田町)
    • 大和郡山発志院(はっしいん)簡易郵便局(白土町=しらつちちょう)
  • ゆうちょ銀行
    • 大阪支店 アピタ大和郡山内出張所(田中町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
    • 大阪支店 イオンモール大和郡山内出張所(下三橋町)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
その他簡易郵便局を除く各郵便局にATMが設置されており、大和郡山郵便局ではホリデーサービスを実施。

※大和郡山市全域の郵便番号は「639-10xx」「639-11xx」(生駒郡安堵町の全域も同じ/いずれも大和郡山郵便局の集配担当)となっている。

本市のGDPは4,452万円(2019年度)であり、奈良市に次いで県内2位である[19]

姉妹都市・提携都市

編集

地域

編集

人口

編集
 
大和郡山市と全国の年齢別人口分布(2005年) 大和郡山市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 大和郡山市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
大和郡山市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 57,456人
1975年(昭和50年) 71,001人
1980年(昭和55年) 81,266人
1985年(昭和60年) 89,624人
1990年(平成2年) 92,949人
1995年(平成7年) 95,165人
2000年(平成12年) 94,188人
2005年(平成17年) 91,672人
2010年(平成22年) 89,023人
2015年(平成27年) 87,050人
2020年(令和2年) 83,285人
総務省統計局 国勢調査より

 

  • データ出典 奈良県統計課の調査による各年10月1日の人口。
  • 2007年10月1日現在:93,452人
  • 人口増加率(2002年→2007年):−3.3%

かつては橿原市に次ぎ、県内3位の人口であった。2008年には9万人を割り込んでいる。

県の施設

編集

教育

編集

高等専門学校

編集

高等学校

編集
過去にあった高校

中学校

編集

小学校

編集

その他の学校

編集

交通

編集

町の中心部の道路は城下町の町割が残り細い路地が多く迷路のようになっている。 市内を東西に貫く国道25号は昼夜を問わず交通量が多い。

鉄道

編集
 
近鉄郡山駅停車中の大和西大寺行き普通

JRは大阪駅天王寺駅JR難波駅へ直通する。1時間に4本程度の頻度で大和路快速区間快速が運転されている。朝は本数が多くなる。JR京都駅新大阪駅へも朝の通勤時間帯に直通が存在する。

バス

編集

夜行高速バス

編集

京成バス共同運行

道路

編集

高速道路・自動車専用道路

編集

国道

編集

主要地方道

編集

一般県道

編集

市の交通機関

編集

観光

編集
 
奈良県立大和民俗公園
 
慈光院庭園
 
柳沢文庫
 
松尾寺三重塔
 
矢田寺の紫陽花
 
全国金魚すくい選手権大会

名所・旧跡

編集

博物館施設

編集

寺社

編集

※説明文中の「重文」は国の重要文化財を示す。

祭事

編集
  • 記憶力大会(記憶力日本選手権大会)(2月)古事記編纂に携わった稗田阿礼に因んでいる。
  • お城まつり(4月)城址の桜が有名
  • 大和の夏まつり(8月)
  • 全国金魚すくい選手権大会(8月第3日曜日「金魚すくいの日」)
  • バサラ祭り(8月)
  • 矢田ふる里まつり(10月)
  • 親子まつり(11月)

関連人物

編集

出身者

編集

ゆかりのある人物

編集

脚注

編集
  1. ^ 大和郡山市役所の位置を定める条例
  2. ^ 金魚好き必見!奈良の大和郡山は金魚だらけの街だった!│観光・旅行ガイド”. ぐるたび. 2021年3月25日閲覧。
  3. ^ すくってごらん
  4. ^ a b c 大和郡山市河川図(PDFファイル: 3.6MB)
  5. ^ 『大和郡山市史』柳沢文庫専門委員会編 1966年 p.655
  6. ^ 町を市とする処分(昭和28年12月26日 総理府告示第267号) 2022年5月22日閲覧。
  7. ^ 大和郡山市のあゆみ 昭和28年~50年
  8. ^ 大和郡山市議会議員選挙 開票結果(平成31年4月21日執行)”. 大和郡山市. 2019年5月6日閲覧。
  9. ^ 平成30年第3回市議会定例会の結果について”. 2018年12月16日閲覧。
  10. ^ 選挙区と定数 奈良県選挙管理委員会
  11. ^ “イオンモール、「イオンモール大和郡山」オープン 奈良県で3店目”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2010年4月2日)
  12. ^ “中部流通特集:アピタ研究=話題のアピタを紹介・アピタ大和郡山店”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2004年6月29日)
  13. ^ “オークワ大和郡山柳町店 11月3日(金)オープン 奈良県大和郡山市”. タイハン特報 (大量販売新聞社). (2006年12月11日)
  14. ^ “オークワ、一気に3店オープン 先週末に和歌山1店・奈良2店”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年8月15日)
  15. ^ a b “オークワ大和郡山筒井西店 奈良県大和市 SSM業態 コーナン大和郡山筒井店とコラボ出店 ”. タイハン特報 (大量販売新聞社). (2009年10月26日)
  16. ^ “オークワ「大和小泉店」開店”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2000年7月7日)
  17. ^ a b “近商ストア、ハーベス店舗の5店目を大和郡山に6月出店”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2003年7月4日)
  18. ^ a b “イオンモール大和郡山 奈良県大和郡山市三橋町 ジャスコ、ジョーシン、ミツハシなど170の専門店 駐車台数4,200台”. タイハン特報 (大量販売新聞社). (2010年4月1日)
  19. ^ 令和元年度奈良県市町村民経済計算”. 奈良県. 2024年5月1日閲覧。
  20. ^ 『全国遊廓案内』353 - 354頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2020年5月30日閲覧。

参考文献

編集
  • 『全国遊廓案内』日本遊覧社、1930年。

関連項目

編集

外部リンク

編集