室堂ターミナル

富山県中新川郡立山町にあるバスターミナル。かつてはトロリーバスの駅を兼ねていた。

室堂ターミナル(むろどうターミナル)は、富山県中新川郡立山町芦峅寺[3]室堂平にあるバスターミナル。本記事では、無軌条電車(トロリーバス)の鉄道駅として建物に併設されていた室堂駅(むろどうえき)についても説明する。

室堂ターミナル
室堂ターミナルと奥大日岳
情報
用途 バスターミナルなど
設計者 村田政真建築設計事務所[1]
施工 前田建設工業
事業主体 立山黒部貫光
構造形式 RC造
建築面積 2,118 m² [2]
延床面積 6,236 m² [2]
階数 地上3階・地下1階
高さ 25 m
着工 1969年5月8日
竣工 1971年
開館開所 1971年4月25日
所在地 930-1414
日本の旗 日本 富山県中新川郡立山町芦峅寺字ブナ坂外11 国有林137ト林小班(通称室堂)[2]
座標 北緯36度34分38.35秒 東経137度35分43.76秒 / 北緯36.5773194度 東経137.5954889度 / 36.5773194; 137.5954889 (室堂ターミナル)座標: 北緯36度34分38.35秒 東経137度35分43.76秒 / 北緯36.5773194度 東経137.5954889度 / 36.5773194; 137.5954889 (室堂ターミナル)
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利用可能な路線

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歴史

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屋外のバス停車スペース

構造

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建物は外壁打放し塗装仕上げの鉄筋コンクリート造りで高さ25m、積雪強度10m、鉄板葺、地下1階地上3階建てである[2]。立山トンネルの入口とほぼ一体化した構造になっている。建築面積は2,118 m2、延床面積は6,236 m2[2]

  • 1階 立山トンネル電気バス・立山高原バスのりば
  • 2階 レストラン
  • 3階 展望台・散策道出入口
  • 別館(3階建) 立山自然保護センター(2000年7月21日に開館[10]

隣の停留所

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無軌条電車室堂駅

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室堂駅
 
乗り場に停車するトロリーバス
むろどう
Murodo
(3.7 km) 大観峰
所在地 富山県中新川郡立山町芦峅寺字ブナ坂外11 国有林137ト林小班(通称室堂)[2]
所属事業者 立山黒部貫光
所属路線 無軌条電車線(立山トンネルトロリーバス)
キロ程 0.0 km(室堂起点)
駅構造 地下駅
開業年月日 1996年(平成8年)4月23日
廃止年月日 2024年令和6年)12月1日
乗換 立山高原バス美女平駅方面)
備考

標高:2,450 m

建物の階数としては1階だが、トンネル内に位置するため地下駅とした。
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前記の通り、1996年の立山トンネルバスのトロリーバス転換にともない、トンネルバス乗り場が鉄道駅の「室堂駅」となった。2024年のトロリーバスの廃止により、鉄道駅としては廃止された。

立山トンネルトロリーバス廃止前は日本最高地点(標高2,450m)の鉄道駅であった。トロリーバスの廃止にともない、日本最高地点の鉄道駅は同じ立山黒部アルペンルートにある立山黒部貫光黒部ケーブルカー黒部平駅(標高1,828m)となった。なお、ロープウェイも含めると、日本最高地点は当駅のあった時代も含めて中央アルプス観光駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅(標高2,611.5m)である。

鉄道駅であった時代には、第1回中部の駅百選に選定されている。

隣の駅

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立山黒部貫光
無軌条電車線(立山トンネルトロリーバス)
室堂駅 - 大観峰駅
大観峰駅との間には雷殿駅が存在したが、1998年8月10日から休止となり、2013年11月30日に廃止された[11]

周辺

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剱岳の早月尾根上部から望む室堂地獄谷、手前に雷鳥荘、その右奥にみくりが池温泉、最奥に左から室堂小屋ホテル立山に併設されている室堂ターミナル

その他

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  • 建設位置については、立山の自然美を損ねないよう、室堂平溶岩台地の先端(大谷斜面)で建造物が室堂平からあまり見えないようにした上で、雪崩や鉄砲水の危険性を減らし、暴風雪時にも遭難防止のための道標としての役割を持たせるため、現在の位置となった[2]
  • 室堂ターミナルで使われている水道水は立山トンネル建設時の破砕帯から噴出した湧水を利用している[12]

脚注

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  1. ^ 村田政真建築設計事務所「作品 ホテル立山・室堂ターミナル」『新建築』第48巻3号、新建築社、1973年3月、pp.197 - 206
  2. ^ a b c d e f g h i 『立山黒部貫光30年史』(1995年10月30日、立山黒部貫光発行)476頁。
  3. ^ 1965年(昭和40年)7月16日運輸省告示第242号「専用自動車道の工事施工を認可した件」
  4. ^ a b 立山黒部の開発と観光 - 立山黒部アルペンルート公式ウェブサイト
  5. ^ 『写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み』富山地方鉄道、1979年7月17日、p.134
  6. ^ 『立山黒部貫光30年史』(1995年10月30日、立山黒部貫光発行)500頁。
  7. ^ 自然保護・環境保全への試み 雄大豪壮なる立山の大自然を永遠に守り伝えるために(立山黒部貫光株式会社、2022年5月1日閲覧)
  8. ^ 立山トンネルにおける無軌条電車(トロリーバス)事業廃止の届出及び電気バスへの変更計画について 立山黒部貫光株式会社、2023年12月11日
  9. ^ 国内唯一のトロリーバス消滅へ 立山黒部貫光、EV転換」『日本経済新聞』2023年5月31日
  10. ^ 20180528(月)  祝立山自然保護センター入館者累計350万人達成(富山県 立山センター 立山自然保護センター、2018年5月28日更新、2022年5月1日閲覧)
  11. ^ “トロリーバスラストラン 写真で振り返る(4) 幻の駅「雷殿」名残今も”. 読売新聞. (2024年11月29日). https://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/feature/CO078320/20241129-OYTAT50000/ 2024年12月1日閲覧。 
  12. ^ 室堂の水の歴史 破砕帯から毎分42トン のわき水が!? - 立山に行こう!(2018年7月7日)

関連項目

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外部リンク

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