宇宙飛行の記録一覧
宇宙飛行の記録一覧(うちゅうひこうのきろくいちらん)は、有人宇宙飛行における最多・最長・最速などの記録の一覧である。当一覧において、無人機の記録および一覧は著名なものを除いて含まない。
単一ミッションでの最長宇宙滞在時間
編集- 1994年1月8日にソユーズTM-18で打ち上げ、ミールLD-4に437.7日間滞在[1]、彼は地球の周回軌道を7,075周し、総飛行距離は300,765,000 km (186,887,000 mi)である。1995年3月22日に帰還(ソユーズTM-20)。この記録の保持期間は 29年 + 239日である。
- 女性の単一ミッションでの最長宇宙滞在時間記録195日[2]。2007年の国際宇宙ステーション第15次長期滞在で達成。彼女は2007年6月22日のSTS-117で地球に帰還した。
宇宙に人間を滞在させ続けた最長期間
編集ソビエト連邦とロシアは、1989年9月5日のソユーズTM-8の打ち上げから、1999年8月28日のソユーズTM-29の着陸まで、3,644日に渡って宇宙に人間を滞在させ続けた最長期間記録を保持している。これは10年に8日ほど足りない。ソビエト連邦とロシアは有人のソユーズ22機を打ち上げ、全て軌道上のミール宇宙ステーションにドッキングした。さらに、アメリカ合衆国のスペースシャトル・アトランティス、エンデバーおよびディスカバリーは1995年から1998年にかけてミールと9回ドッキングし、8回の訪問者の送迎を行った。この記録の保持期間は 25年 + 81日である。
アメリカ合衆国とロシアは、2000年10月31日にソユーズTM-31を国際宇宙ステーション (ISS) へのドッキングのために打ち上げて以来、共同で宇宙空間における有人宇宙飛行を維持している。ISSは 24年 + 16日間連続して使用されている。ISS計画が計画通りに続けば、2010年10月23日でミールの記録を破ることになる。
最長単独飛行
編集犬の最長飛行時間
編集- 1966年2月22日に打ち上げられたコスモス110号の中で22日間を軌道上で過ごし、3月16日に帰還した。この記録の保持期間は 58年 + 245日である。
最長月面滞在時間
編集- アポロ17号のミッションにおいて、1972年12月11日の着陸から74時間59分40秒月面に滞在した。この記録の保持期間は 51年 + 341日である。
最遠有人対地距離
編集アポロ13号乗組員のジム・ラヴェル、フレッド・ヘイズ、ジャック・スワイガートが月の裏側を通過した時、月面からの距離は254 km (158 mi)、地球からの距離は400,171 km (248,655 mi)だった。この最遠対地距離記録は1970年4月15日0:21 (UTC) に達成され、未だに破られていない。この記録の現在までの保持期間は 54年 + 215日である。
月ミッション以外での有人ミッションにおける最高高度
編集1966年9月14日、ジェミニ11号はアジェナのロケットエンジンに点火し、打上げから40時間30分後、遠地点1,374.1 km (853.8 mi)に到達した。この記録の保持期間は 58年 + 63日である。
最高対地速度
編集アポロ10号乗組員のトーマス・スタッフォード、ジョン・W・ヤング、ユージン・サーナンは有史以来の最高対地速度記録である3万9,896 km/h(11.1 km/s、24,790 mph、光速の0.000037 %)を達成した。1969年5月26日以来の記録保持期間は 55年 + 174日である。
最年長
編集ウィリアム・シャトナー、90歳、2021年10月13日達成。この記録の保持期間は 3年 + 34日である。
最年長(軌道飛行)
編集ジョン・H・グレン、77歳、1998年10月29日達成。この記録の保持期間は 26年 + 18日である。
最年少
編集オリヴァー・デーメン、18歳、2021年7月20日達成。この記録の保持期間は 3年 + 119日である。
最年少(軌道飛行)
編集ゲルマン・チトフ、25歳、329日、1961年8月6日にボストーク2号で達成。この記録の保持時間は 63年 + 102日である。
最多飛行回数
編集- 7回
- フランクリン・チャン=ディアス - コスタリカ / アメリカ合衆国[3][4]。
- ジェリー・L・ロス - アメリカ合衆国
- 6回
- カーティス・ブラウン - アメリカ合衆国
- マイケル・フォール - イギリス / アメリカ合衆国[4]
- セルゲイ・クリカレフ - ロシア[5]
- ストーリー・マスグレーブ - アメリカ合衆国
- ゲンナジー・ストレカロフ - ロシア
- ジェームズ・ウェザービー - アメリカ合衆国
- ジョン・W・ヤング - アメリカ合衆国
通算での最長宇宙空間滞在日数
編集セルゲイ・クリカレフはソユーズ、スペースシャトル、ミール、国際宇宙ステーション (ISS) での6回の宇宙飛行において803日+9時間39分、または2.2年滞在した[5][6]。
ペギー・ウィットソンはISSでの2回の宇宙飛行において滞在時間376日+17時間22分を記録した[7]。
最多宇宙遊泳回数
編集- アナトリー・ソロフィエフ、16回の宇宙遊泳で総計77時間41分(回数および総遊泳時間記録)。
- ペギー・ウィットソン、6回の宇宙遊泳で総計39時間46分(女性の宇宙遊泳・遊泳時間記録)[7]。
単一ミッション中の最多宇宙遊泳回数
編集- マイケル・ロペス=アレグリア、国際宇宙ステーションの第14次長期滞在中に5回の宇宙遊泳[8]。
最初の有人宇宙飛行記録
編集宇宙空間滞在時間
編集宇宙飛行士トップ50:
ランク | 名前 | 日数 | 国籍 |
---|---|---|---|
1 | セルゲイ・クリカレフ | 804.371 | ロシア / ソビエト連邦 |
2 | セルゲイ・アヴデエフ | 747.593 | |
3 | ワレリー・ポリャコフ | 678.690 | / |
4 | アナトリー・ソロフィエフ | 651.117 | / |
5 | アレクサンドル・カレリ | 609.911 | |
6 | ゲンナジー・パダルカ | 585.369 | |
7 | ヴィクトル・アファナシェフ | 555.772 | / |
8 | ユーリー・ウサチェフ | 553.016 | |
9 | ムサ・マナロフ | 541.021 | / |
10 | ユーリ・マレンチェンコ | 514.539 | |
11 | アレクサンドル・ヴィクトレンコ | 489.066 | / |
12 | ニコライ・ブダーリン | 444.060 | |
13 | ユーリー・ロマネンコ | 430.765 | |
14 | アレクサンドル・ボルコフ | 391.495 | / |
15 | ユーリー・オヌフリエンコ | 389.282 | |
16 | ウラジーミル・チトフ | 387.036 | / |
17 | ワシリー・ツィブリエフ | 381.662 | |
18 | ワレリー・コルズン | 381.653 | |
19 | パーヴェル・ヴィノグラードフ | 380.678 | |
20 | ペギー・ウィットソン | 376.738 | アメリカ合衆国 |
21 | レオニード・キジム | 374.749 | |
22 | マイケル・フォール | 373.763 | / イギリス[10] |
23 | アレクサンドル・セレブロフ | 372.954 | / |
24 | ワレリー・リューミン | 371.725 | / |
25 | マイケル・フィンク | 365.897 | |
26 | ウラジーミル・ソロフィエフ | 361.952 | |
27 | トーマス・ライター | 350.239 | ドイツ |
28 | ミハイル・チューリン | 344.213 | |
29 | タルガット・ムサバイエフ | 339.409 | / |
30 | ウラジーミル・リャホフ | 333.324 | |
31 | ユーリー・ギジェンコ | 329.950 | |
32 | ゲンナジー・マナコフ | 309.889 | / |
33 | アレクサンドル・アレクサンドロフ | 309.758 | |
34 | ジェフリー・ウィリアムズ | 290.13 | |
35 | ゲンナジー・ストレカロフ | 268.938 | / |
36 | マイケル・ロペス=アレグリア | 257.944 | |
37 | ヴィクトル・サヴィヌイフ | 252.849 | |
38 | ウラジーミル・デジュロフ | 244.229 | |
39 | オレグ・アトコフ | 236.950 | |
40 | カール・E・ワルツ | 230.212 | |
41 | リロイ・チャオ | 229.362 | |
42 | ダニエル・バーシュ | 226.594 | |
43 | ウィリアム・マッカーサー | 224.930 | |
44 | シャノン・ルシッド | 223.161 | |
45 | ヴァレンチン・レベデフ | 219.250 | |
46 | ウラジーミル・コワリョノク | 216.382 | |
47 | オレッグ・コトフ | 212.49 | |
48 | ケネス・バウワーソックス | 211.594 | |
49 | アナトリー・ベレゾボイ | 211.378 | |
50 | スーザン・J・ヘルムズ | 211.048 |
国籍別の宇宙飛行時間合計と日数
編集ランク | 国籍 | 合計人日 |
---|---|---|
1 | ソビエト連邦 / ロシア | 22713.68[11][12] |
2 | アメリカ合衆国 | 16188.20[11][12] |
3 | 欧州連合 | 1733.57 |
4 | 日本 | 741.87[12] |
5 | カナダ | 506.15 |
6 | ドイツ | 493.64 |
7 | フランス | 432.19 |
8 | イタリア | 285.57 |
9 | オランダ | 210.69 |
10 | ベルギー | 207.66 |
11 | 中国 | 57.00 |
12 | スイス | 42.50 |
13 | スウェーデン | 26.73 |
14 | スペイン | 18.78 |
15 | イスラエル | 15.93 |
16 | ウクライナ | 15.69[11] |
17 | ブルガリア | 11.80 |
18 | マレーシア | 10.885 |
19 | 韓国 | 10.875 |
20 | 南アフリカ共和国 | 9.893 |
ブラジル | 9.888 | |
シリア | 8.9 | |
アフガニスタン | 8.85 | |
チェコスロバキア | 7.93 | |
オーストリア | 7.928 | |
ポーランド | 7.919 | |
スロバキア | 7.914 | |
インド | 7.903 | |
イギリス | 7.88 | |
キューバ | 7.863 | |
モンゴル | 7.863 | |
ハンガリー | 7.86 | |
ベトナム | 7.862 | |
ルーマニア | 7.862 | |
サウジアラビア | 7.069 | |
メキシコ | 6.878 |
- 2013年6月22日現在
有名な無人宇宙飛行の記録
編集有名な無人宇宙飛行の記録。
目標 | 船名 | 内容 | 国 | 日時 |
---|---|---|---|---|
地球 | A-4 (V-2) | 初の宇宙空間へ到達したロケット[13] | ドイツ国防軍 | 1942年10月3日 |
地球 | スプートニク1号 | 初の軌道周回に成功した人工衛星 | ソビエト連邦 | 1957年10月4日 |
地球 | バンガード1号 | 最も長期間宇宙空間に滞在していると考えられる人工衛星。240年間宇宙に在ると予想される。通信衛星業務は1964年5月に終了。 | アメリカ合衆国 | 1958年3月17日 |
月 | ルナ1号 | 初の近傍通過、距離 5,995 km | ソビエト連邦 | 1959年1月4日 |
月 | ルナ2号 | 初の衝突 | ソビエト連邦 | 1959年9月14日 |
月 | ルナ3号 | 初の月の裏側撮影 | ソビエト連邦 | 1959年10月7日 |
地球 | ディスカバラー13号 | 初の周回軌道軌道から帰還・回収された人工衛星 | アメリカ合衆国 | 1960年8月11日 |
金星 | ベネラ1号 | 初の近傍通過、距離 10万 km (通過前に通信途絶) |
ソビエト連邦 | 1961年5月19日 |
金星 | マリナー2号 | 初の(通信を維持した状態での) 惑星近傍通過、距離 34,762 km |
アメリカ合衆国 | 1962年12月14日 |
火星 | マリナー4号 | 初の火星近傍通過、初の惑星画像撮影、距離 9,846 km | アメリカ合衆国 | 1965年7月14日 |
月 | ルナ9号 | 初の軟着陸、初の月面地表画像 | ソビエト連邦 | 1966年1月31日 |
金星 | ベネラ3号 | 初の衝突 | ソビエト連邦 | 1966年3月1日 |
月 | ルナ10号 | 初の周回軌道 | ソビエト連邦 | 1966年4月3日 |
金星 | ベネラ7号 | 初の軟着陸 | ソビエト連邦 | 1970年8月1日 |
月 | ルナ16号 | 初の自動操縦によるサンプルリターン | ソビエト連邦 | 1970年9月24日 |
月 | ルナ17号 | 初の無人月面車 - ルノホート1号 | ソビエト連邦 | 1970年11月17日 |
火星 | マリナー9号 | 初の周回軌道 | アメリカ合衆国 | 1971年11月14日 |
火星 | マルス2号 | 初の衝突 | ソビエト連邦 | 1971年11月27日 |
火星 | マルス3号 | 初の軟着陸、20秒後に通信途絶 | ソビエト連邦 | 1971年12月2日 |
木星 | パイオニア10号 | 初の近傍通過、距離 13万 km | アメリカ合衆国 | 1973年12月3日 |
水星 | マリナー10号 | 初の近傍通過、距離 703 km | アメリカ合衆国 | 1974年3月29日 |
金星 | ベネラ9号 | 初の周回軌道 初の他惑星の地表面撮影 |
ソビエト連邦 | 1975年10月22日 |
太陽 | ヘリオス2号 | 太陽を基準にして最も高速を達成した宇宙機。近日点 (0.29 AU) で 24万7,510 km/h | 西ドイツ | 1976年4月17日 |
火星 | バイキング1号 | 初の火星地表撮影 | アメリカ合衆国 | 1976年7月20日 |
土星 | パイオニア11号 | 初の近傍通過、距離 21,000 km | アメリカ合衆国 | 1979年9月1日 |
金星 | ベネラ13号 | 初の他惑星の音声を録音 | ソビエト連邦 | 1982年3月1日 |
パイオニア10号 | 初の太陽系外に出た宇宙機(初かどうかについては議論の余地がある) | アメリカ合衆国 | 1983年6月13日 | |
金星 | ベガ1号 | 初のヘリウム気球による大気圏調査 | ソビエト連邦 | 1985年6月11日 |
天王星 | ボイジャー2号 | 初の近傍通過、距離 81,500 km | アメリカ合衆国 | 1986年1月24日 |
ハレー彗星 | ベガ1号 | 初の彗星近傍通過、距離 8,890 km | ソビエト連邦 | 1986年3月6日 |
海王星 | ボイジャー2号 | 初の近傍通過、距離 4万 km | アメリカ合衆国 | 1989年8月25日 |
ガスプラ | ガリレオ | 初の小惑星近傍通過、距離 1,600 km | アメリカ合衆国 | 1991年10月29日 |
木星 | ガリレオ・プローブ | 初の衝突 | アメリカ合衆国 | 1995年12月7日 |
木星 | ガリレオ・オービター | 初の周回軌道 | アメリカ合衆国 | 1995年12月7日 |
火星 | マーズ・パスファインダー | 初の火星探査車 | アメリカ合衆国 | 1997年7月4日 |
エロス | NEARシューメーカー | 初の小惑星周回軌道 | アメリカ合衆国 | 2000年2月14日 |
エロス | NEARシューメーカー | 初の小惑星への軟着陸 | アメリカ合衆国 | 2001年2月12日 |
土星 | カッシーニ | 初の周回軌道 | ESA アメリカ合衆国 |
2004年7月1日 |
タイタン | ホイヘンス・プローブ | 初の軟着陸 | ESA アメリカ合衆国 |
2005年1月14日 |
テンペル第1彗星 | ディープ・インパクト | 初の彗星衝突 | アメリカ合衆国 | 2005年7月4日 |
イトカワ | はやぶさ | 初の小惑星からの離陸 | 日本 | 2005年11月20日 |
ボイジャー1号 | 最も地球から離れている人工物、距離 150億 km | アメリカ合衆国 | 2006年現在 | |
パイオニア6号 | 最も長期間操作可能な状態で宇宙空間にある人工物 2000年12月8日に35年ぶりに操作可能な状態に戻った。 |
アメリカ合衆国 | 2005年現在 | |
冥王星 | ニュー・ホライズンズ | 冥王星、カロン、ニクス、ヒドラ、ケルベロス、スティクスの初飛行。 冥王星系と冥王星、カロンの表面を初めてクローズアップ撮影。 カイパーベルトを初めて探査 2006年以前のIAUによる太陽系再定義版で9つの惑星を探査した最初の国。 |
アメリカ合衆国 | 2015年 7月14日 |
関連項目
編集脚注
編集- ^ Encyclopedia Astronautica “アーカイブされたコピー”. 2009年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月27日閲覧。
- ^ Tariq Malik (2007年). “Orbital Champ: 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士 Sets New U.S。Spacewalk Record”. Space.com. 23 March 2008閲覧。
- ^ コスタリカで生まれ、コスタリカ名誉市民の称号を持っている
- ^ a b 両国の国籍を持つ人物。
- ^ a b NASA (2005年). “Sergei Konstantinovich Krikalev Biography”. NASA. October 4 2007閲覧。
- ^ NASA (2005年). “Krikalev Sets Time-in-Space Record”. NASA. October 4, 2007閲覧。
- ^ a b NASA. “Peggy A. Whitson (Ph.D.)”. Biographical Data. National Aeronautics and Space Administration. 2008年5月13日閲覧。
- ^ SPACE.com - Orbital Finale: ISS Spacewalkers Free Stuck Cargo Ship Antenna
- ^ “FAI Sporting Code Section 8 – Astronautics, 2009 Edition (Class K, Class P)”. Fédération Aéronautique Internationale. 12 November 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。20 September 2022閲覧。
- ^ マイケル・フォール はアメリカとイギリスの2つの市民権を保持している。
- ^ a b c 2つ以上の国籍を持つ人物は双方の国で勘定に入れた。
- ^ a b c 計算にも入れた。
- ^ e-Pulsar - Oct-Nov 98 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
外部リンク
編集日本語
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