Wikipedia:論争のある記事
この文書は私論です。一部のウィキペディアンが助言や意見を記したものです。広く共有されている考え方もあれば、少数意見の見解もあります。内容の是非については慎重に検討してください。 |
論争のある記事はその性質上、中立的な観点を維持するためによりいっそうの注意が必要とされます。
論争を記述する
編集論争のある人物ないし団体に関する記事は、その人物ないし団体の見解がいかに誤解を含みまた反発を感じさせるものであったとしても、それを正確に記述するものであるべきです。「この論争の最良の記述とはどのようなものであるか」ということを常に念頭においてください。われわれの仕事は、ウィキペディアの編集によって、自身の特異な見解を反映させたり、なおかつ他のすべての利用者を退けるような編集をする者を擁護したりすることではなく、論争のすべての側にとって公平な立場に立つことです。
ただし、ウィキペディアの中立性の方針は、論争における少数意見にも"平等な重み付け"をしなければならないと述べているのでも、それを暗黙裡に意味するものでも決してないということを明確に理解しておいて下さい。
Wikipedia:中立的な観点も参照。
出典を明記することについての注意
編集記事を書くとき、ウィキペディアの大部分のトピックについては、事実の単なる発表や通説となっている見解に情報源を示す必要はありません。実際問題として、すべての主張について、いちいち信頼のおける情報源の提示を執筆者に求めることは無理があるでしょう。
しかし、宗教の分野における問題や現在進行中の出来事など、論争となる可能性のあるトピックを扱うときは、よりいっそうの配慮がなされなければなりません。一般に通説とされている見解との相違が大きいほど、その主張には資料による裏付けが厳格におこなわれるべきです。以下のことを銘記してください。
言葉を濁す手法に気を付ける
編集言葉を濁す手法は、確認できない主張に事実の装いを与える方法です。「ヒューストンは世界で最も親しみやすい都市だと考えられている」。ちょっと待って。そう言っているのは誰でしょうか。「……と主張されている」、「……と考えられている」、「……と言われている」といった表現を、具体的に主張し、考え、言っているのは誰なのか、言及しないまま使わないようにして下さい。
また、出典を示すのに情報源を貶めるような言葉の使い方をしないように注意してください。これは多くの場合文脈に依存する問題です。たとえば、
- Standing before the ruins of an exploded apartment building, the military spokesman claimed, "Only military targets were hit."
- 爆破され廃墟となったアパートを前に軍報道官は「軍事目標のみが攻撃された」と明言した。
この文脈では、「claimed 明言した」という言葉は、執筆者が安易に信じてしまっていることを示唆しています。「said 述べた」がより中立的な選択肢となるでしょう。「alleged 言い張った」は多くの文脈において発言内容の正確さが疑わしいことを示唆します。
事実に出典を明記する
編集事件や活動を裏付ける出典は、信頼できる情報源によるべきです。理想的には、これは独立した学術的作業となるところでしょうが、われわれの多くはそうした資料にアクセスできません。1995年以降(一部についてはそれ以前から)大部分の事件について、基本的な事実の裏付けとしてウェブ上のニュース報道が引用されています。メディアには相応の偏向がみられることも考慮して、引用は(CNN、BBCといった)主要メディアか、国連のような独立機関からとするべきです。
主張に出典を明記する
編集人、事件、活動を詳しく説明する場合の、主張内容の出典も同様に定評ある情報源によるべきです。主要報道機関による通常のニュース報道が最適ですが、情報源の偏向を正確に伝える場合には、報道に頼らないようにしてください。そのかわり、保守的ないし進歩的な代替メディアや特定の活動目的のための団体による文章を「その情報源についての中立的な言葉による正確な属性が付されているという条件のもとに」引用することができます。たとえば、
- 「保守的なアメリカの教会団体によると…」
- 「進歩的な反戦団体によると…」
- 「右派の親イスラエル団体によると…」
- 「急進的なイスラム団体によると…」
- 「地方反乱組織によると…」
その情報源にどのような偏向の可能性があるか(当該トピック関係者との組織的、資金的、人脈的なつながりなど)を確認してください。もし情報源自体の立脚点が問題とされているのなら、その情報源の説明を一切避けるのが最善です。かわりに、その情報源について対立する複数の観点を論じている記事へのリンクを(可能であれば)貼るべきです。(その一例として、テロリスト terrorist と自由の戦士 freedom fighter の区別に関する議論が挙げられますが、ほかの問題ももちろんありえます)。中道的でない観点が示されている事件では、複数の視野からの主張を含めることが望まれます。
編集の手順
編集論争のある記事を編集するときは、論争のある部分とない部分とを分けるのが好都合でしょう。 まず論争がない部分を編集し、次に論争がある(と思われる)部分を編集します。論争のある部分がリバートされたとしても、少なくとも論争のない部分の編集箇所は残ります。