コペンハーゲン

デンマークの首都
Copenhagenから転送)

コペンハーゲンドイツ語: Kopenhagen [kopənˈhaːgən])、クブンハウンケブンハウン)(デンマーク語: København 発音 [kʰøb̥m̩ˈhɑʊ̯ˀn] ( 音声ファイル))は、デンマーク首都。デンマーク最大の都市で、自治市の人口は81万人。市名はデンマーク語の"Kjøbmandehavn"(商人たちの)に由来する。「北欧パリ」と比喩される。

コペンハーゲン
København
上から: クリスチャンスボー城、フレデリク教会、チボリ公園、市庁舎前広場
上から: クリスチャンスボー城フレデリク教会チボリ公園市庁舎前広場
コペンハーゲンの市章
市章
位置
コペンハーゲンの位置の位置図
コペンハーゲンの位置
位置
コペンハーゲンの位置(デンマーク内)
コペンハーゲン
コペンハーゲン
コペンハーゲン (デンマーク)
コペンハーゲンの位置(スカンディナヴィア内)
コペンハーゲン
コペンハーゲン
コペンハーゲン (スカンディナヴィア)
コペンハーゲン都市圏の範囲の位置図
コペンハーゲン都市圏の範囲
地図
座標 : 北緯55度40分30秒 東経12度34分8秒 / 北緯55.67500度 東経12.56889度 / 55.67500; 12.56889
歴史
発見 1000年頃
行政
 デンマーク
 地域 デンマーク首都地域
 市 コペンハーゲン
市長 Sophie Hæstorp Andersen
デンマーク社会民主党
地理
面積  
  市域 183.20 km2
  市街地 525.50 km2
  都市圏 3371.90 km2
標高 91 m
人口
人口 (2022年現在)
  市域 809,314人
    人口密度   4417.65人/km2
  市街地 1,366,301人
    市街地人口密度   2560.54人/km2
  都市圏 2,135,634 [注釈 1]
    都市圏人口密度   633.38人/km2
その他
等時帯 中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)
夏時間 中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2)
公式ウェブサイト : https://www.kk.dk/

概説

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コペンハーゲンはデンマーク東部のシェラン島東端[注釈 2]に位置しコペンハーゲン湾に面する港湾都市である。湾はシェラン島とアマー島との間の水道の北端部でもありエーレスンド海峡に面している。

海峡対岸はスウェーデンスコーネ県マルメ市、ルンド市で、道路・鉄道橋/トンネルであるオーレスン・リンクによって繋がる。それらを含めた都市圏人口は190万人に達し、北ヨーロッパ最大級の都市圏である(エーレスンド地域)。

日本の民間研究所2016年に発表した「世界の都市総合力ランキング」では、世界19位と評価された[1]。一方、アメリカのシンクタンクが2016年に発表した世界都市ランキングでは世界42位と評価された[2]

歴史

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コペンハーゲンのあるシェラン島周辺は、古代ローマ時代にはハフニア (Hafnia) と呼ばれたが、辺境の地の島とみなされていた。

都市としてのコペンハーゲンの起源は、1000年ころスヴェン1世とその息子クヌート大王によって良港として発見されたのが最初である。

最初期の港の位置はコペンハーゲン湾奥部(シェラン島アマー島との間の水道[注釈 3])の現在のホイブロ広場にあり[3]、目の前には小島(スロッツホルメン島)があった。エーレスンド海峡に臨む港は漁港から次第に商業の要衝へ発展を始めた。

1167年にロスキレ司教アブサロンはスロッツホルメン島に城塞を築き、都市建設の始まりとされる。これはデンマーク王による国内統治強化とも連携していた。1254年にはヤーコプ・エルランドセン司教から都市の特許を受けた。しかしハンザ同盟と対立し市街地および城塞は度重なる攻撃を受けた。1417年に城塞はロスキレ司教からデンマーク王の所有へ移り、王国の主要都市となっていき、近世には首都となる。

1658年から1659年に、カール10世指揮下のスウェーデン軍に包囲され降伏した(北方戦争中の氷上侵攻)。

1801年に、デンマーク艦隊と英国艦隊(パーカー提督指揮)との海戦[注釈 4]がコペンハーゲン湾内で行われ、デンマーク艦隊は撃破された(コペンハーゲンの海戦)。また、1807年、英国遠征軍がコペンハーゲンを砲撃し、旧市街に甚大な被害が出た。

1850年代までに旧市街を囲んでいた城壁は取り壊された。これにより旧市街の衛生状態も改善した。

第二次世界大戦中の1940年4月9日早朝、ドイツ軍が国境を越えて侵攻すると、コペンハーゲンは当日の午前中のうちに占領された[4]。デンマークは占領軍と協力し「モデル被占領国」となった。1943年8月、協力は崩壊し「抵抗の時代」が始まった。デンマーク軍は何隻かの船をコペンハーゲン湾に沈め、ドイツ軍を妨害した。1945年5月4日にコペンハーゲンは解放された。

2000年オーレスン・リンクが開通し、エーレスンド海峡をまたいで、スウェーデンのマルメと鉄道及び道路で結ばれた[5]

気候

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コペンハーゲン(1991~2020)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 10.9
(51.6)
14.3
(57.7)
18.9
(66)
26.1
(79)
29.2
(84.6)
32.7
(90.9)
33.0
(91.4)
31.6
(88.9)
29.8
(85.6)
23.2
(73.8)
17.8
(64)
12.4
(54.3)
33
(91.4)
平均最高気温 °C°F 3.6
(38.5)
3.9
(39)
6.9
(44.4)
12.2
(54)
16.9
(62.4)
20.1
(68.2)
22.6
(72.7)
22.4
(72.3)
18.1
(64.6)
12.6
(54.7)
8.0
(46.4)
4.8
(40.6)
12.7
(54.9)
日平均気温 °C°F 1.7
(35.1)
1.7
(35.1)
3.7
(38.7)
7.9
(46.2)
12.4
(54.3)
15.8
(60.4)
18.2
(64.8)
18.2
(64.8)
14.6
(58.3)
10.0
(50)
6.0
(42.8)
3.0
(37.4)
9.4
(48.9)
平均最低気温 °C°F −0.5
(31.1)
−0.5
(31.1)
0.8
(33.4)
4.1
(39.4)
8.3
(46.9)
11.8
(53.2)
14.2
(57.6)
14.5
(58.1)
11.5
(52.7)
7
(45)
3.9
(39)
0.8
(33.4)
6.3
(43.3)
最低気温記録 °C°F −24.2
(−11.6)
−20.0
(−4)
−18.5
(−1.3)
−8.8
(16.2)
−3.4
(25.9)
1.0
(33.8)
4.0
(39.2)
0.6
(33.1)
−3.2
(26.2)
−7.0
(19.4)
−15.2
(4.6)
−16.0
(3.2)
−24.2
(−11.6)
降水量 mm (inch) 37.3
(1.469)
23.2
(0.913)
23.0
(0.906)
22.7
(0.894)
34.1
(1.343)
43.0
(1.693)
44.3
(1.744)
55.9
(2.201)
49.7
(1.957)
40.1
(1.579)
39.6
(1.559)
37.7
(1.484)
450.6
(17.742)
[要出典]

経済

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同国の経済の中心であり、世界的な海運会社A.P. モラー・マースク、ビール会社のカールスバーグ、製薬会社ノボノルディスクの本社などが置かれている。

文化

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ストロイエアマー広場英語版

ストロイエ(Strøget)は、コペンハーゲン中心の旧市街を東西に貫く約1kmの歩行者通りの繁華街で、1961年に歩行者専用となった。コペンハーゲン旧市街の広大な歩行者道路網はこの40年で建築家大学教授であるヤン・ゲールの手によって発達した。また、『コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバル』は有名な年中行事の一つである。

1996年の欧州文化都市(現:欧州文化首都)に選出された。将来的なカーボン・ニュートラル計画、自転車レーンの構築などの環境政策などが評価され、2012年6月には2014年欧州環境首都にも選出された[6][7]。さらに男女同権性差における対等性(Sexual Equality)はデンマークでは高い優先順位が与えられている。

近年ではeスポーツが盛んであり、2022年7月14日にはFIFAeワールドカップがコペンハーゲンで初めて開催されている[8]。なお、デンマークは過去に2度優勝を果たしている強豪国でもある。

文化施設

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王立劇場

美術館

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博物館

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学術・教育

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スポーツ

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サッカー

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コペンハーゲンではサッカーが最も人気のスポーツとなっており、プロリーグのデンマーク・スーペルリーガに所属するFCコペンハーゲンは、デンマーク国内において非常に知られている。リーグ最多優勝を誇っており、UEFAチャンピオンズリーグではグループリーグに何度も出場経験をもつ。さらにUEFAヨーロッパリーグでは、2019-20シーズンにベスト8の成績を収めた。パルケン・スタディオンをホームスタジアムとしており、ブレンビーIFとのダービーマッチは『ニューファーム』と呼ばれている。

また、デンマーク・ファーストディビジョン(2部リーグ)に所属するABコペンハーゲンも存在している。クラブの創設は1889年と非常に古く、1999年にはデンマーク・カップを制した。

その他の競技

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コペンハーゲンには3つのアイスホッケーチームが存在しており、レドフレ・ミヒティ・ブルズ、ヘルレフ・ホルネッツ、ノルトスイェラント・コブラズがある。さらに男女両方のハンドボールチームがあり、両チームともトップリーグに所属している。また、「デンマーク・オーストラリアン・フットボール・リーグ」がコペンハーゲンを本拠地としており、英語圏以外では最大のオージーフットボール・リーグである。デンマーク式の「40オーバー・ルール」のクリケット・クラブの複数が、コペンハーゲンをホームタウンとしている。

交通

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コペンハーゲンの交通網

空港

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コペンハーゲン空港(カストロップ空港、København Lufthavn Kastrup)が市中心から南東約10kmに位置する(アマー島内)。日本との直行便が就航する。

空港内に2つの鉄道駅がある:

鉄道

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デンマーク国鉄(DSB)が市内の主要DSB駅に乗り入れている。

地下鉄

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コペンハーゲン地下鉄 (Metro Copenhagen) があり2002年にM1路線が開業した。北欧で4番目の地下鉄。2007年にはコペンハーゲン空港駅まで分岐するM2路線が開業した。2019年にM3・M4路線(コペンハーゲン中央駅へも連絡)が開業した。

バス

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コペンハーゲン市交通局が市バスを運行している。

S-Tog、Regionaltog、地下鉄とも共通のゾーン運賃体系となっており、初乗り運賃は隣接ゾーンまで移動可能で24kr、また乗り継ぎ(1時間以内)には追加運賃は発生しない。デンマーク国内公共交通にはRejsekort(プリペイド式非接触カード)が導入されている。また、コペンハーゲン近郊域用の運賃支払いを可能とするスマートフォンアプリが提供されており、回数券[注釈 7]はこのアプリでのみ提供されている。

自転車

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コペンハーゲンは「世界一の自転車都市」と称されるほど自動車の利用が進んでいる[10]。1907年頃にはヨーロッパでもトップクラスの自転車都市になっていたが、1960年代後半にマイカーブームが到来して政策も自動車を重視するようになった[10]。しかし、1970年代のオイルショックで自転車が再び注目されるようになり、交通事故の増加で自転車専用道路の整備を求めるデモが行われるようになった[10]

大きな通りには歩道と車道の間に自転車専用レーンがある。自動車と同じく右側通行であり逆走はできない。また、青信号の際に、20km/hで走行すると、決して赤信号にかからないよう、信号機も工夫されている。これにより、自転車通勤・通学の利便性も向上した。2014年にはサイクル・スネーク (Cykelslangen) という自転車専用道路が開通している[11][12]

  • Bycyklen:レンタル自転車システム(電動自転車)。1時間30kr。

船舶

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コペンハーゲン港と北欧各首都、主要都市を結ぶラインが毎日運行されている。またバルト海クルーズなどのクルーズ船も出航している。2012年には372隻の大型客船が寄港し約84万人の乗客が訪れた。

名所、旧跡

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ニューハウン
 
アマリエンボー宮殿及びフレデリク教会
 
市庁舎

広場・歩行者通り

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近郊

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姉妹都市

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著名な出身者

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脚注

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注釈

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  1. ^ エーレスンド地域
  2. ^ 大陸に国土を有しながら、島に首都があるのは、デンマークのコペンハーゲンと赤道ギニアマラボのみである。
  3. ^ この水道は3km以上の幅があったが、近世に埋め立てが進み、現在では運河のようになっている。
  4. ^ ナポレオンのフランスに協力するデンマークとその海軍はイギリスの脅威となり対立が続いた。
  5. ^ DSBのRegionaltogがコペンハーゲン中央駅方向へは日中10分間隔で運行され、コペンハーゲン中央駅までの乗車時間は約15分。アマー島内の2駅に途中停車する。
  6. ^ エーレスンド線を通る列車はデンマーク各都市・スウェーデン南部(スコーネ地方)の都市を結んでいる。
  7. ^ 12kr券20枚が150krで購入できる。
  8. ^ 300年で0.4秒の誤差しか生じないという精密な天文時計がある。
  9. ^ a b 地下鉄駅がある。

出典

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  1. ^ 世界の都市総合力ランキング(GPCI) 2016 森記念財団都市戦略研究所 2016年11月2日閲覧。
  2. ^ Global Cities 2016 AT Kearney 2016年11月2日閲覧。
  3. ^ Skaarup, Bi (1999). "Strandenge og kystlinien i den ældste tid". In Gautier, E.; Skaarup. B.; Gabrielsen, K.; Kristiansen, M.; Ejlersen T. (eds.). Historiske Meddelelser om København 1999 (in Danish).
  4. ^ ドイツ軍、突如デンマークに侵入(『東京朝日新聞』昭和15年4月10日夕刊)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p366 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  5. ^ 鹿島建設株式会社 (2001年). “橋の歴史物語”. 2017年5月29日閲覧。
  6. ^ 欧州グリーン首都賞駐日EU代表部
  7. ^ 欧州委員会、2014年「欧州グリーン首都」賞はコペンハーゲンに決定国立環境研究所環境展望台 2012年6月29日
  8. ^ FIFA.com
  9. ^ コペンハーゲン解釈を参照
  10. ^ a b c 世界一の自転車都市コペンハーゲンの街づくり 環境保護、健康増進、経済効果にもつながる」『日経BP』。2023年6月14日閲覧。
  11. ^ 通勤を快適にする、港の上の自転車専用道路:コペンハーゲン”. WIRED.jp (2014年8月17日). 2018年9月8日閲覧。
  12. ^ アル・ゴア『不都合な真実 2』実業之日本社、2017年、248頁。ISBN 978-4-408-42079-0 
  13. ^ 外務省 海外安全ホームページ|現地大使館・総領事館からの安全情報 詳細”. www.anzen.mofa.go.jp. 2024年4月21日閲覧。
  14. ^ 17世紀建築の尖塔が倒壊 デンマークの歴史的建造物で火災”. BBCニュース (2024年4月17日). 2024年4月21日閲覧。
  15. ^ Copenhagen and Beijing Become Sister Cities”. Københavns Kommune (26 June 2012). 23 January 2014閲覧。

関連項目

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外部リンク

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公式
観光