関東学生陸上競技対校選手権大会

関東学生陸上競技対校選手権大会(かんとうがくせいりくじょうきょうぎたいこうせんしゅけんたいかい)は、関東学連に加盟している大学が参加して行う陸上競技大会。別名関東インカレ、略して関カレ(かんカレ)とも呼ばれる。後援読売新聞社。特別協賛はセコム。その他箱根駅伝協賛各社(サッポロホールディングスミズノ敷島製パントヨタ自動車)も支援している。

概要

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1919年から始まり、途中太平洋戦争による中断を経てここまで100年以上開催されている。箱根駅伝と並び、関東学連が開催するメインイベントの一つである。毎年5月中旬に開催される。基本的にはゴールデンウィーク明けの日曜日に初日を行い、残りをその週の金曜日から日曜日までの間に行うことが多くなっている。このうちハーフマラソン競歩の決勝、一部のフィールド種目の決勝、リレー競技の予選が初日に行われる。2006年国立霞ヶ丘競技場陸上競技場が改修工事で使えない為、2週に分けて開催した(第1週目は埼玉県上尾運動公園陸上競技場、第2週目は日産スタジアム)。2007年からは5月中旬に2週にわけて週末に開催されているが、2015年以降は4日間の連続開催になっている。

基本的には、1種目につき各校3人までエントリーできるが、オリンピック世界陸上と同様に標準記録が設けられており、有効期間の間にマークされたものでなければならない。概ね前年1月から当年5月上旬の締め切りまでとなっている。大学対校形式の為、1位は8点、2位は7点…で8位には1点が与えられる。この得点の最も多い大学が優勝となる(部門は男子1部、男子2部、女子の部の3部門)。従って決勝が8名で行われる種目(中長距離種目や競歩を除く)の場合には決勝で失格にならない限り点数が保証される。特に優勝争いや昇格、降格争い(後述)の渦中にある大学には大切な得点源となる。その為、短距離種目の決勝でレース中に故障しても最後まで走りきる選手も多い。

男子は2部制を敷いており、毎年入れ替えが行われている。2002年より1部校が1校増えて16校となり、1部の下位2校が、翌年は2部の上位2校と入れ替え(但しポイント無得点校が3校以上の場合は無得点校は全て入れ替え)となる。なお、1部と2部では参加標準記録も異なる。従って、この制度の場合、加盟団体が陸上競技部ではなく「駅伝部」や「駅伝競走部」などのように特定種目で活動している場合は、エントリー種目外のポイントは得られないことになる。男子1部の総合優勝校には内閣総理大臣杯が授与される。その他男女1部総合優勝校には読売新聞優勝旗が授与される。

なお、この大会では大学院は別枠で1チームを作ることができ、これまで1部では筑波大学で現役生と大学院生との対決が見られた。また日本体育大学、国士舘大学、順天堂大学などの大学院も2部で近年着々と力をつけてきていた。昨今の就職難から大学院に進んで、競技を続ける選手が増えた為の受け皿としての意味もある。しかし大学院チームが増加傾向の中、従来の1部、2部に含めた場合に対校得点を左右し、降格、昇格争いにも影響が出てくる恐れが出てきた為、2009年の大会から大学院は、男女とも別の部として切り離し、男子は3部制、女子は2部制を取ることになった。なお、3部の出場者が少ない競技は、2部と3部を一緒に行うこともある。

標準記録

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標準記録を上回る自己記録を保持しない選手は、当該競技に出場することができない。各種目ごとに各校最大3人が出場可能な定員であり、男子標準記録Aを持つ選手は各校最大3人まで、男子標準記録Bを持つ選手は各校最大1人まで出場ができる。女子は標準記録を持つ選手を各校最大3人まで出場ができる[1]

参加標準記録の有効期間は大会前年の1月1日以降のものである[2]。100m・200m・400m・100mH・110mH・400mH・4×100mリレーの自己記録は電動計時により計測されたもののみが有効として扱われる。2010年第89回大会の参加標準記録を一例として以下に示した。

参加標準記録(2010年第89回大会)
種目 男子1部標準記録A 男子1部標準記録B 女子1部標準記録
100m 10秒60 10秒80 12秒40
200m 21秒50 21秒80 25秒70
400m 47秒80 48秒90 58秒00
800m 1分53秒00 1分55秒50 2分16秒50
1500m 3分51秒50 3分55秒00 4分38秒00
5000m 14分12秒00 14分22秒00 3000m : 9分40秒00
5000m : 16分55秒00
10000m 29分30秒00 29分50秒00 3000m : 9分55秒00
5000m : 17分20秒00
10000m : 36分00秒00
ハーフマラソン 10000m : 30分15秒00
20 km : 1時間03分00秒
ハーフマラソン : 1時間06分00秒
-
10000m競歩 10000 mW : 47分00秒00
20kmW : 1時間37分00秒
50kmW : 4時間40分00秒
5000mW : 28分30秒00
10000 mW : 1時間00分00秒
20kmW : 2時間05分00秒
100mハードル - - 15秒20
110mハードル 14秒60 13秒90 -
400mハードル 52秒30 53秒50 1分04秒60
3000m障害 9分08秒00 9分18秒00 -
4×100mリレー 標準記録なし 50秒20
4×400mリレー 標準記録なし 4分20秒00
走高跳 2m08 2m05 1m60
棒高跳 5m00 4m60 2m50
走幅跳 7m45 7m25 5m55
三段跳 15m15 14m70 11m30
砲丸投 14m50 13m50 12m00
円盤投 44m00 41m00 40m00
ハンマー投 54m00 48m00 25m00
やり投 65m00 61m00 43m00
七種競技 - - 4100
十種競技 6500 6000 -
第93回大会の標準記録[2]

歴代総合優勝校

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男女とも1部のみ掲載

年度 開催日程 開催地 男子優勝 女子優勝
1 1919年 早大 開催無し
2 1920年 東京高師 開催無し
3 1921年 早大 開催無し
4 1922年 東京高師 開催無し
5 1923年 東京高師 開催無し
6 1924年 関東大震災のため大会中止
7 1925年 早大 開催無し
8 1926年 早大 開催無し
9 1927年 早大 開催無し
10 1928年 早大 開催無し
11 1929年 早大 開催無し
12 1930年 早大 開催無し
13 1931年 早大 開催無し
14 1932年 早大 開催無し
15 1933年 早大 開催無し
16 1934年 早大 開催無し
17 1935年 早大 開催無し
18 1936年 早大 開催無し
19 1937年 早大 開催無し
20 1938年 文理大 開催無し
21 1939年 早大 開催無し
22 1940年 文理大 開催無し
23 1941年 早大 開催無し
24 1942年 文理大 開催無し
25 1946年 文理大 開催無し
26 1947年 中大 日女体専
27 1948年 中大 日女体専
28 1949年 中大 日女体専
29 1950年 中大 日女体短大
30 1951年 日大 日女体短大
31 1952年 中大
32 1953年 中大
33 1954年 中大
34 1955年 中大
35 1956年 中大
36 1957年 中大
37 1958年 中大
38 1959年 中大
39 1960年 中大
40 1961年 中大 日大
41 1962年 日大 中大
42 1963年 日大 中大
43 1964年 日大 中大
44 1965年 日大
45 1966年 日大
46 1967年 日大
47 1968年 日大
48 1969年 順大 日大
49 1970年 順大 日体大
50 1971年 順大 日体大
51 1972年 順大 日体大
52 1973年 順大 日体大
53 1974年 順大 日体大
54 1975年 日体大
55 1976年 順大 日体大
56 1977年 日体大 東女体大
57 1978年 順大 東女体大
58 1979年 日体大 東女体大
59 1980年 順大 日女体大
60 1981年 順大 日女体大
61 1982年 筑波大 東女体大
62 1983年 筑波大 東女体大
63 1984年 筑波大 東女体大
64 1985年 順大 東女体大
65 1986年 順大 東女体大
66 1987年 筑波大 東女体大
67 1988年 順大 東女体大
68 1989年 順大 日体大
69 1990年 日大 筑波大
70 1991年 日大 筑波大
71 1992年 日大 東女体大
72 1993年 日大 筑波大
73 1994年 日大 筑波大
74 1995年 日大 筑波大
75 1996年 日大 筑波大
76 1997年 日大 筑波大
77 1998年 日大 筑波大
78 1999年 日大 筑波大
79 2000年 日大 筑波大
80 2001年 東海大 筑波大
81 2002年 東海大 筑波大
82 2003年 東海大 筑波大
83 2004年 東海大 筑波大
84 2005年 順大 筑波大
85 2006年 東海大 筑波大
86 2007年 東海大 筑波大
87 2008年 日大 筑波大
88 2009年 筑波大
89 2010年 東海大 筑波大
90 2011年 早大 筑波大
91 2012年 日大 筑波大
92 2013年 国立競技場他 日大 筑波大
93 2014年 日大 筑波大
94 2015年 日産スタジアム 日大 筑波大
95 2016年 5月19日-22日 日産スタジアム 日大 筑波大
96 2017年 5月25日-28日 日産スタジアム 日大 日体大
97 2018年 5月24日-27日 相模原ギオンスタジアム 日大 筑波大
98 2019年 5月23日-26日 相模原ギオンスタジアム 日大 筑波大
99 2020年 10月9日-11日、24日-25日、11月22日 相模原・江戸川(混成のみ) 新型コロナ大流行で対校戦実施なし
100 2021年 5月20日-23日 相模原・稲城(ハーフマラソンのみ) 順大 日体大
101 2022年 5月19日-22日 国立競技場 日大 日体大
102 2023年 5月11日-14日 相模原ギオンスタジアム 順大 日体大
103 2024年 5月9日-12日 国立競技場 順大 日体大

報道

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大会の模様は、日本テレビ放送網が製作しCS衛星放送日テレG+でハイライトの形式で中継録画放映されているが、2016年の第95回大会に関しては最終日をG+で生中継した。

関連項目

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出典

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  1. ^ 第89回関東学生陸上競技対校選手権大会 要項 関東学生陸上競技連盟. 2011年1月9日閲覧。
  2. ^ a b 第89回関東学生陸上競技対校選手権大会標準記録 関東学生陸上競技連盟. 2011年1月9日閲覧。