第44回ジャパンカップ
第44回ジャパンカップは、2024年11月24日に東京競馬場で行われた競馬の競走である。ドウデュースが本競走を制覇し、GI5勝目を挙げた。
ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第44回ジャパンカップ (国際招待) | |
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優勝馬:ドウデュース | |
開催国 | 日本 |
主催者 | 日本中央競馬会(JRA) |
競馬場 | 東京競馬場 |
施行年 | 2024年 |
施行日 | 11月24日 |
距離 | 芝2400m |
格付け | GI |
賞金 |
1着賞金5億円 |
出走条件 | サラ系3歳以上(国際・指定) |
負担重量 | 定量 |
天候 | 晴 |
馬場状態 | 良 |
優勝馬 | ドウデュース |
優勝騎手 | 武豊(栗東) |
優勝調教師 | 友道康夫(栗東) |
優勝馬主 | (株)キーファーズ |
優勝生産者 | ノーザンファーム |
優勝騎手の武豊は、第19回のスペシャルウィーク、第26回のディープインパクト、第30回のローズキングダム、第36回のキタサンブラックで制して以来、本競走史上最多記録となる5回目の制覇となった。
出走馬の状況
編集出走馬14頭中10頭がGI馬、全頭が重賞馬という豪華なメンバーとなった。
前走の天皇賞(秋)にて4年連続のGI制覇を達成したドウデュースは、秋古馬三冠制覇に向け、本競走に参戦する[1]。
本年の宝塚記念を制したものの、前走の京都大賞典では最下位の11着となったブローザホーンは、GI2勝目を目指し、本競走に参戦[2]。
2022年に二冠牝馬となったスターズオンアースは、前走のドバイシーマクラシック8着後、両前脚に浮腫を発症し、約8ヶ月の休養明けとなる本競走で復帰となる[3]。
他のGI馬からは、本年の優駿牝馬と秋華賞を制し二冠牝馬となったチェルヴィニアと[4]、前年の天皇賞(春)を制したジャスティンパレス[5]、前年の皐月賞を制したソールオリエンス[6]、前年の菊花賞を制したドゥレッツァの出走表明があった[7]。
重賞馬からは、本年の日経賞と目黒記念を制したシュトルーヴェ、前年の京都2歳ステークスを勝ったシンエンペラー、前年の新潟大賞典を制したカラテ、2022年の共同通信杯を勝ったダノンベルーガが出走する。
海外からは、本年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制したゴリアット[8]、本年のプリンスオブウェールズステークス制覇などGIを6勝しているオーギュストロダン[9]、本年のバーデン大賞及び前年のドイチェスダービーを制したファンタスティックムーンの3頭が参戦する[10]。
また、本競走に参戦する予定だったリバティアイランドは香港カップに参戦するため[11]、テーオーロイヤルは左前脚の中筋に痛みを抱えたためそれぞれ回避した[12]。特別登録が行われていたプラダリアは、香港ヴァーズに参戦するため回避した[13]。
出走馬・枠順
編集※全頭とも性齢は「3歳以上」、斤量は3歳56kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減
枠番 | 馬番 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | 馬体重 [kg] |
調教師 | 馬主 | 単勝人気 | 馬体重 [kg] | |
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人気 | オッズ | |||||||||
1 | 1 | ゴリアット | 騸4 | クリストフ・スミヨン | 58.0 | フランシス・グラファード | レゾリュート・ブラッドストック, フィリップ・ウルマン | 6 | 15.8 | 496 |
2 | 2 | ブローザホーン | 牡5 | 菅原明良 | 58.0 | 吉岡辰弥 | 岡田牧雄 | 10 | 61.4 | 430 |
3 | 3 | ドウデュース | 牡5 | 武豊 | 58.0 | 友道康夫 | (株)キーファーズ | 1 | 2.3 | 510 |
4 | ジャスティンパレス | 牡5 | クリスチャン・デムーロ | 58.0 | 杉山晴紀 | 三木正浩 | 3 | 6.2 | 468 | |
4 | 5 | シュトルーヴェ | 騸5 | 鮫島克駿 | 58.0 | 堀宣行 | 村木克子 | 11 | 83.9 | 478 |
6 | ダノンベルーガ | 牡5 | 松山弘平 | 58.0 | 堀宣行 | (株)ダノックス | 13 | 106.4 | 492 | |
5 | 7 | シンエンペラー | 牡3 | 坂井瑠星 | 56.0 | 矢作芳人 | 藤田晋 | 8 | 26.8 | 488 |
8 | オーギュストロダン | 牡4 | ライアン・ムーア | 58.0 | エイダン・オブライエン | マイケル・テイバー, デリック・スミス, ジョン・マグナー, ヴェスターバーグ | 4 | 9.8 | 454 | |
6 | 9 | チェルヴィニア | 牝3 | クリストフ・ルメール | 54.0 | 木村哲也 | (有)サンデーレーシング | 2 | 4.0 | 494 |
10 | ドゥレッツァ | 牡4 | ウィリアム・ビュイック | 58.0 | 尾関知人 | (有)キャロットファーム | 7 | 16.2 | 470 | |
7 | 11 | カラテ | 牡8 | 杉原誠人 | 58.0 | 音無秀孝 | 小田切光 | 14 | 277.9 | 530 |
12 | ソールオリエンス | 牡4 | 横山武史 | 58.0 | 手塚貴久 | (有)社台レースホース | 9 | 35.7 | 476 | |
8 | 13 | ファンタスティックムーン | 牡4 | レネ・ピーヒュレク | 58.0 | サラ・シュタインベルク | リバティ・レーシング2021 | 12 | 89.5 | 440 |
14 | スターズオンアース | 牝5 | 川田将雅 | 56.0 | 高柳瑞樹 | (有)社台レースホース | 5 | 12.7 | 500 |
- 坂井瑠星、杉原誠人は本競走初騎乗[14]。
- フランスから短期免許で参戦中のクリスチャン・デムーロは2年ぶりの本競走騎乗。また、イギリスから短期免許で参戦中のライアン・ムーアは2年ぶりの本競走騎乗、ウィリアム・ビュイックは2年連続の本競走騎乗となる。
- 来日しているクリストフ・スミヨンは5年ぶりの本競走騎乗、レネ・ピーヒュレクは本競走がJRA・GI初騎乗となる。
結果
編集展開
編集順位表
編集着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | タイム | 上3F | 着差 (馬身) |
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1 | 3 | 3 | ドウデュース | 2:25.5 | 32.7 | ― |
2 | 5 | 7 | シンエンペラー | 2:25.5 | 33.1 | クビ |
2 | 6 | 10 | ドゥレッツァ | 2:25.5 | 33.4 | 同着 |
4 | 6 | 9 | チェルヴィニア | 2:25.9 | 33.4 | 2 1/2 |
5 | 3 | 4 | ジャスティンパレス | 2:26.0 | 33.3 | アタマ |
6 | 1 | 1 | ゴリアット | 2:26.0 | 33.5 | アタマ |
7 | 8 | 14 | スターズオンアース | 2:26.1 | 33.8 | 1/2 |
8 | 5 | 8 | オーギュストロダン | 2:26.2 | 33.5 | 1/2 |
9 | 4 | 6 | ダノンベルーガ | 2:26.2 | 33.4 | ハナ |
10 | 4 | 5 | シュトルーヴェ | 2:26.3 | 33.4 | 1/2 |
11 | 8 | 13 | ファンタスティックムーン | 2:26.5 | 33.5 | 1 1/2 |
12 | 2 | 2 | ブローザホーン | 2:26.6 | 33.8 | 1/2 |
13 | 7 | 11 | カラテ | 2:26.7 | 33.8 | 1/2 |
14 | 7 | 12 | ソールオリエンス | 2:27.7 | 35.2 | 6 |
払戻金
編集馬番/枠番 | 人気 | 金額(円) | |
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単勝 | 3 | 1 | 230 |
複勝 | 3 | 1 | 150 |
7 | 8 | 470 | |
10 | 5 | 340 | |
枠連 | 3 - 5 | 2 | 320 |
3 - 6 | 1 | 190 | |
馬連 | 3 - 7 | 12 | 1,510 |
3 - 10 | 8 | 1,150 | |
馬単 | 3 → 7 | 13 | 1,890 |
3 → 10 | 9 | 1,540 | |
ワイド | 3 - 7 | 10 | 980 |
3 - 10 | 8 | 800 | |
7 - 10 | 33 | 2,990 | |
3連複 | 3 - 7 - 10 | 38 | 12,230 |
3連単 | 3 → 7 → 10 | 133 | 22,390 |
3 → 10 → 7 | 110 | 18,940 |
データ
編集1000m通過タイム | 62.2秒(ドゥレッツァ) |
上がり4ハロン | 45.9秒 |
上がり3ハロン | 33.4秒 |
優勝馬上がり3ハロン | 32.7秒 |
最速上がり3ハロン | 32.7秒(ドウデュース) |
当日のWIN5(5重勝単勝式)
編集- 発売票数:6,975,454票
- 発売総額:697,545,400円
- 的中票数:255票
- 払戻金:2,188,370円
対象順[15] | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
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競走順 | 東京第10競走 | 京都第10競走 | 東京第11競走 | 京都第11競走 | 東京第12競走 |
競走名 | アプローズ賞 | 清水S | アーモンドアイC | カノープスS | 第44回ジャパンC |
条件 | ダート1400m 3歳以上2勝クラス |
芝1600m 3歳以上3勝クラス |
芝2000m 3歳以上3勝クラス |
ダート1900m 3歳以上オープン |
芝2400m 3歳以上オープン |
単勝人気 | 4番人気 | 2番人気 | 7番人気 | 4番人気 | 1番人気 |
勝利馬 (鞍上) |
シゲルソロソロ (鮫島克駿) |
ビヨンドザヴァレー (菱田裕二) |
タッチウッド (C.デムーロ) |
ホウオウルーレット (岩田康誠) |
ドウデュース (武豊) |
馬番 | 5 | 6 | 1 | 2 | 3 |
残票数 | 1,047,089票 | 214,725票 | 8,003票 | 817票 | 255票 |
エピソード
編集- 発走ファンファーレは陸上自衛隊の中央音楽隊が務め、昼休憩の時間帯の生演奏も担当した[16]。
- 前述にもある通り、武豊は第36回のキタサンブラック以来8年ぶり5度目のジャパンカップ制覇を果たし、本競走史上最多勝利騎手となった[注 1][注 2]。また同時に、第36回で自身が記録した本競走最年長勝利を55歳8ヶ月10日に更新した。
- 友道康夫調教師は、第37回のシュヴァルグラン以来2度目の制覇となり、本競走史上最多タイ勝利調教師となった[注 3][注 4]。
- ドウデュースが本競走で記録した上り3F32秒7は、第32回にて3着となったルーラーシップと並ぶ同競走最速タイ記録となった。
- シンエンペラーとドゥレッツァが本競走で史上初となる2着同着となった[17]。JRA・GIとしては、2022年の第47回エリザベス女王杯で2着同着となったウインマリリンとライラック以来の例となった[18]。
- 海外から参戦したオーギュストロダン、ファンタスティックムーンはそれぞれ本競走が引退レースとなった。
- レース終了後、本競走が引退レースとなったオーギュストロダンの引退お披露目式が執り行われた。外国調教馬が日本にて引退セレモニーを行うのは史上初となる[19][20]。またJRAのレースを勝利していない馬の引退セレモニーの実施も史上初[21]。
- レース終了後には元プロ野球選手であるイチローが来場し表彰式のプレゼンターを務めた他、スペシャルトークショーを実施した[23]。
- 同レースの売り上げは243億6712万7000円で対前年比93.5%と低下。また、当日の入場者数は7万9720人で同92.8%とどちらも低下した[24]。
- ドウデュースはこの後の有馬記念出走を表明していたが、右前肢跛行となり出走出来ず引退となった。前年の優勝馬であるイクイノックスに続いて2年連続で、ラストランと宣言せずに本競走を制した馬が引退するという事になった。
テレビ・ラジオ中継
編集本レースのテレビ・ラジオ放送実況担当者並びに放送体制。民放各社社員の役職、その他出演者の肩書はレース当時のもの。
- 日本放送協会(NHK)[注 5]:黒住駿(名古屋放送局、初実況)
- ラジオNIKKEI(含・グリーンチャンネル・BS11[注 6]):山本直(東京本社、2年連続2回目)[25]
- フジテレビ(みんなのKEIBA):倉田大誠(編成制作局アナウンス室副部長、4年連続4回目)
他局・系列局利用社局
脚注
編集注釈
編集- ^ それまでの史上最多勝利騎手記録はクリストフ・ルメールが保持している4勝であった(第29回のウオッカ、第38回・第40回のアーモンドアイ、第43回のイクイノックス)。
- ^ 8年ぶりのブランク制覇はクリストフ・ルメール・ライアン・ムーア(9年間)に次ぐ同レース3番目の長さとなっている
- ^ 他の史上最多勝利調教師記録はマイケル・スタウト (第16回のシングスピール、第17回のピルサドスキー)、松田博資(第27回のアドマイヤムーン、第31回のブエナビスタ)、角居勝彦(第29回のウオッカ、第34回のエピファネイア)、石坂正(第32回・第33回のジェンティルドンナ)、国枝栄(第38回・第40回のアーモンドアイ)が保持している2勝である。
- ^ 7年のブランク制覇は同レース史上最長記録
- ^ NHK BSにて放送。
- ^ JRA公式映像使用
出典
編集- ^ 「【ジャパンC】今年の秋の盾を制したドウデュースは最強牝馬アーモンドアイ以上のレース内容 G1連勝の期待高まる」『スポーツ報知』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「京都大賞典11着ブローザホーンはジャパンCへ「レース後も問題はなかった」と吉岡師」『日刊スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「スターズオンアース ジャパンCで復帰決定! 22年オークス以来のG1制覇目指す」『スポーツニッポン』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「【秋華賞】チェルヴィニアは次走ジャパンCで古馬に挑戦へ 吉田俊介代表「ここからまだ良くなる馬」」『東京スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「天皇賞秋4着のジャスティンパレスはジャパンCに参戦【次走報】」『東京スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「天皇賞・秋7着のソールオリエンスは11・24ジャパンCへ【次走報】」『東京スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「英インターナショナルS5着ドゥレッツァはジャパンCが目標」『日刊スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「今年の“キングジョージ”を制したゴリアットがジャパンカップ参戦へ」『スポーツ報知』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「オーギュストロダンはジャパンCで引退、愛クールモアスタッドで種牡馬入り」『world.jra-van』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「ファンタスティックムーンがジャパンカップ参戦表明、独G1を2勝の強豪」『world.jra-van』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「リバティアイランドが香港C&香港ヴァーズに登録」『サンスポZBAT!』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「春盾VテーオーロイヤルがジャパンC回避「間に合えば有馬記念」と岡田師」『日刊スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「プラダリアはジャパンC回避 選出された香港ヴァーズへ」『サンスポZBAT!』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「ジャパンCと杉原誠人をつないだ不思議な縁 カラテのオーナーを紹介したのは〝まさかの人物〟一発狙いに気合十分」『東京スポーツ』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 2024年11月24日のWIN5 - netkeiba.com
- ^ 第5回東京競馬 開催日イベント - jra-fun.jp 2024年11月24日
- ^ 「【ジャパンC】史上初!シンエンペラーとドゥレッツァが2着同着!」『日刊スポーツ』。2024年11月27日閲覧。
- ^ 「【エリザベス女王杯】2着同着ライラック&ウインマリリン 外国人騎手2人が珍事演出」『スポーツニッポン』。2024年11月27日閲覧。
- ^ 「ジャパンC当日にオーギュストロダンの引退お披露目式を実施、JRA発表」『スポーツニッポン』。2024年11月22日閲覧。
- ^ 「オーギュストロダンの引退お披露目式がジャパンC終了後に実施 外国調教馬は初めて」『スポーツ報知』。2024年11月22日閲覧。
- ^ 木南友輔. “【ジャパンC】オーギュストロダン“引退お披露目式”実施をJRAが正式発表!外国馬に異例対応 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年11月24日閲覧。
- ^ 「オーギュストロダンがジャパンC後に異例の引退セレモニー実施!外国調教馬では史上初」『サンスポZBAT!』。2024年11月22日閲覧。
- ^ 「イチロー×JRAスペシャルサイト「ICHIRO MEETS KEIBA」公開!」『JRA』。2024年11月24日閲覧。
- ^ 「【ジャパンC】売り上げ243億6712万7000円 対前年比93・5%とダウン」『スポーツニッポン』。2024年11月24日閲覧。
- ^ “【2024年11月の実況担当】秋深まる府中が迎えるクライマックス...今年は世界最強決定戦?ジャパンC実況は山本直アナ!”. ラジオNIKKEI (2024年11月1日). 2024年11月24日閲覧。