現代の名工
日本の厚生労働省による表彰
現代の名工(げんだいのめいこう)とは、卓越した技能者表彰制度に基づき、厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者(卓越技能者)の通称である[1]。
概要
編集卓越した技能者表彰制度は、技能者の地位と技能水準の向上を図るために、昭和42年(1967年)度に設けられたもので、毎年約150名(平成7年(1995年)度までは毎年約100名)が表彰されており、表彰者の総数は4,000名を上回る。
表彰の対象となるのは、金属加工、機械器具組立・修理、衣服の仕立、大工などの職業を分類した全20部門の技能者である。表彰を受ける者は、都道府県知事や事業者団体などの推薦を受けた候補者の中から、技能者表彰審査委員の意見を聴いた上で、厚生労働大臣によって決定される。二親等以内の親族関係にないなどの条件を満たせば、一般の者も候補者を推薦することができる。平成16年(2004年)度までは、満35歳以上でなければ推薦を受けることができなかったが、平成17年(2005年)度からは年齢制限が撤廃されている。
著名な受賞者
編集- 金城次郎(昭和52年(1977年)) - 壺屋焼き陶芸家(1985年人間国宝に認定される。)
- 細野博吉(昭和52年(1977年)) - 帆布製品職人
- 陳建民(昭和62年(1987年)) - 中華料理
- 伊藤久徳(平成元年(1989年)) - 将棋駒師
- 鈴木良二(平成2年(1990年))- 金属加工
- 小林英夫(平成3年(1991年))- 江戸切り子
- 福永守(平成4年(1992年)) - 装蹄師
- 稲嶺盛吉(平成6年(1994年)) - ガラス吹工(琉球ガラス)
- 秋山眞和(平成7年(1995年)) - 染織家
- 山本清一(平成10年(1998年)) - 瓦職人
- 辻宏(平成10年(1998年)) - パイプオルガン製作者
- 坪田信義(平成10年(1998年)) - グラブ (野球)
- 平岡宏歸(平成11年(1999年)) - 作庭家
- 安田貞男(平成11年(1999年)) - 蕎麦職人
- 市田ひろみ(平成13年(2001年)) - 着付け
- 野村清宝(平成13年(2001年)) - 彫刻家
- 安藤桂甫(平成13年(2001年)) - 雛人形作家
- 中居清(平成13年(2001年)) - 南部杜氏
- 吉田宏(平成13年(2001年)) - 人形師
- 善本秀作(平成15年(2003年)) - 彫刻家
- 竹中清八(平成15年(2003年)) - 木版画職人
- 河野道一(平成15年 (2003年) ) - 甲州水晶貴石細工 伝統工芸士
- 四家井弘行(平成16年(2004年)) - 彫刻家
- 三村仁司(平成16年(2004年)) - 靴職人
- 吉田菊次郎(平成16年(2004年)) - パティシエ
- 道場六三郎(平成17年(2005年)) - 日本料理
- 小野二郎(平成17年(2005年)) - 寿司職人
- 矢入一男(平成17年(2005年)) - アコースティックギター製造
- 海老名和明(平成17年(2005年)) - 美術品梱包輸送
- 農口尚彦(平成18年(2006年)) - 杜氏
- 田中トシオ(平成18年(2006年)) - 理容師
- 三國清三(平成19年(2007年)) - フランス料理
- 間宮壽石(平成19年(2007年)) - 篆刻家
- 小飼一至(平成19年(2007年)) - ソムリエ
- 田崎真也(平成20年(2008年)) - ソムリエ
- 岸久(平成20年(2008年)) - バーテンダー[2]
- 陳建一(平成20年(2008年)) - 中華料理
- 坂井宏行(平成21年(2009年)) - フランス料理
- 山下征夫(平成21年(2009年)) - 中華料理
- 河内國平(平成22年(2010年)) - 刀匠
- 渡辺一也(平成23年(2011年)) - バーテンダー[3]
- 村田吉弘(平成24年(2012年)) - 日本料理
- 河田勝彦(平成24年(2012年)) - パティシエ
- 玉屋庄兵衛 (平成26年 (2014年) ) - からくり人形師
- 山口浩(平成29年(2017年)) - フランス料理[4]
- 髙木二郎(令和元年(2019年) )- 日本料理
- 森田一夫(令和元年(2019年))- 寿司職人
- 井山計一(令和2年(2020年)) - バーテンダー(国内最高齢現役バーテンダー)[5]
- 浅岡肇(令和4年(2022年))- 独立時計師[6]
- 小玉紫泉(令和4年(2022年))- 西陣織伝統工芸士[6]
- 片山次朗(令和6年(2024年)- ウォッチビルダー
脚注
編集- ^ “現代の名工”. 技のとびら - 技能検定制度のポータルサイト - 厚生労働省. 2021年4月19日閲覧。
- ^ “日経アカデミア・ガストロノミー|カクテル入門講座 カリスマ・バーテンダーに学ぶお酒とカクテルの世界”. 日経アカデミア. 2019年2月22日閲覧。
- ^ 加藤弓子 (2013年4月12日). “【渡辺一也】バーテンダーで史上初の黄綬褒章を受章! 磨き続ける“気持ち””. ZAKZAK. 2022年8月11日閲覧。
- ^ “神戸北野ホテル 山口浩プロフィール”. 2018年9月25日閲覧。
- ^ “現代の名工に94歳バーテンダー 最高齢のレジェンド:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年3月31日閲覧。
- ^ a b “令和4年度 卓越した技能者(現代の名工)を決定しました”. 厚生労働省 (2022年11月11日). 2022年11月11日閲覧。