大塚ローテック
大塚ローテック(ŌTSUKA LŌTEC)は日本の腕時計ブランド。創業者兼ブランド代表は片山次朗(現代の名工)。2012年創業[1]。
概要
編集トヨタ車のデザインなどを手がけたプロダクトデザイナー[2]の片山次朗により創業した腕時計ブランド[3]。時計の外装から内部のモジュールに至るまで全て片山が設計を行い、自社で組立を行っている[4]。時計の心臓部にあたるムーブメントはMIYOTA社の国産ムーブメントに自社製モジュールを付加している[1]。製造本数が少なく入手は困難を極める[5]。2022年の年間製造本数は70~80本[6]。
代表モデル
編集- 7.5号
ジャンピングアワーと分ディスク、秒ディスクによる時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA82S5に自社製ジャンピングアワーモジュールを搭載している[1]。2023年6月より仕様変更。新仕様の7.5号のシリアル番号0番はラ・ショー=ド=フォン(スイス)にある国際時計博物館の収蔵品である[7][8]。2023年10月には国立科学博物館の理工学研究部 科学・技術史資料として保存されることが発表された[9]。2024年、iFデザイン賞を受賞した[10]。
- 7号
ジャンピングアワーと分ディスク、秒ディスクによる時刻表示を特徴とする腕時計。分ディスクと秒ディスクが同軸上に配置されている[11]。ムーブメントはMIYOTA82S5に自社製ジャンピングアワーモジュールを搭載している[1]。
- 6号
レトログラード機構の時分針による時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA9015に自社製レトログラードモジュールを搭載している[1]。2024年にはジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリ(GPHG)のチャレンジ部門にノミネートされた[12]。
- 5号
レギュレーターによる時刻表示を特徴とする腕時計。ムーブメントはMIYOTA8215をレギュレーター化している[1][13]。
創業者・片山次朗
編集創業者の片山次朗はプロダクトデザイナーとして活動中に独学で時計製造を学び、2012年より「大塚ローテック」のブランド名で腕時計の販売を開始した[4]。
1993年、東京コミュニケーションアート専門学校卒業[14]。
1993年よりトヨタ車のデザイン開発を担当(カローラ、アルテッツァ、ファンカーゴなど)[14]。
1998年、プロダクトデザイナーとして独立[14]。
2008年、デザインを手がけたカメラレンズ(タムロン)がグッドデザイン賞受賞[15]。同年、独学で時計製作について学んだ後、時計製作開始[1]。
2024年、厚生労働省が定める令和6年度「卓越した技能者(現代の名工)」に選出[16]。
脚注
編集- ^ a b c d e f g “大塚ローテックホームページ”. otsuka-lotec TOKYO JAPAN. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “プロダクトデザイナーWebサイト一覧”. Product Design Web. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “octane”. SHIRO (2023年5月27日). 2023年6月5日閲覧。
- ^ a b c 『モノマガジン9/16』ワールドフォトプレス、20120901、88頁。
- ^ “ひとりメーカー続々”. 東京新聞: p. 28. (2013年2月17日)
- ^ 『クロノス日本版』シムサムメディア、20230602、111頁。
- ^ “大塚ローテック「7.5号」 抽選販売の応募開始 シリアル0番は国際時計博物館(MIH)の収蔵品へ”. WatchMediaOnline (2023年5月27日). 2023年5月29日閲覧。
- ^ 『クロノス日本版』シムサムメディア、20230602、111頁。
- ^ “大塚ローテックの腕時計「7.5号」、国立科学博物館で保存へ”. 東京時計精密株式会社 (2023年10月2日). 2023年10月2日閲覧。
- ^ “iF Design”. iF Design (2024年2月28日). 2024年2月29日閲覧。
- ^ “Jiro-Katayama (ŌTSUKA LŌTEC) Twitter” (2023年5月25日). 2023年6月5日閲覧。
- ^ “GPHG”. Fondation du Grand Prix d'Horlogerie de Genève (2024年8月28日). 2024年8月28日閲覧。
- ^ “大塚ローテック5号”. Youtube (2012年6月6日). 2023年3月9日閲覧。
- ^ a b c “片山 次朗 – ktymd –”. AppliCraft. 2023年3月9日閲覧。
- ^ “35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラ用交換レンズ”. GOOD DESIGN AWARD. 2023年6月27日閲覧。
- ^ “卓越した技能者(現代の名工)”. 厚生労働省 (2024年11月8日). 2024年11月8日閲覧。