湘南

神奈川県の相模湾沿岸地域
湘南地域から転送)

湘南(しょうなん)は、神奈川県相模湾沿岸の地域を指す名称[1]海水浴サーフィンなどのマリンスポーツ聖地とされる。

湘南の範囲(背景色が橙色の自治体)

一般的には、相模川の河口を中心とする5市3町(平塚市藤沢市茅ヶ崎市秦野市伊勢原市寒川町大磯町二宮町)を指す[* 1]。広義には、相模湾沿岸の全域(三浦市から湯河原町まで)を含むことがある[2]

概要

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湘南の範囲

湘南の地域的範囲について定義は明確でなく地域的な線引きには大きな差がみられる[1]

神奈川県の行政区域である「湘南地区」に含まれるのは、先述の平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町の5市3町である[1]。一方、湯河原町から三浦市までの相模湾沿岸を「湘南地域」と呼ぶことがある[2]

1994年に導入された自動車の湘南ナンバーの該当地域に指定されているのは、上記8市町に加えて、小田原市南足柄市中井町大井町松田町山北町開成町箱根町真鶴町湯河原町であり、地形的には海に面さない丹沢の山間部まで含まれている[1][3]

また、気象庁平塚市藤沢市茅ヶ崎市大和市海老名市座間市綾瀬市寒川町大磯町二宮町湘南としている。

2022年8月に株式会社ジーンが実施したアンケートでは、湘南エリアの範囲について「大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町」が最も多く25.69%だった(データを神奈川県民の回答に絞ると「大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、鎌倉市、逗子市、葉山町」で30.83%でだった)[4]。いずれも相模湾に面する市町であり、湘南=海のイメージが非常に強い。

湘南の範囲
県の行政区域
[* 2]
気象区分
[* 3]
ナンバープレート
[* 4]
推計人口合計
(2024年10月1日)
1,043,150人 1,653,651人 1,644,254人
平塚市
藤沢市
茅ヶ崎市
秦野市 ×
伊勢原市 ×
大和市 × ×
海老名市 × ×
座間市 × ×
綾瀬市 × ×
小田原市 × ×
南足柄市 × ×
寒川町
大磯町
二宮町
中井町 × ×
大井町 × ×
松田町 × ×
山北町 × ×
開成町 × ×
箱根町 × ×
湯河原町 × ×
真鶴町 × ×

◎印は湘南地域県政総合センター(県の行政区域)、湘南自動車検査登録事務所(ナンバープレート)の所在地を示す。

行政

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湘南都市圏域

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平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町の5市3町で「湘南都市圏域」を構成する[5]

「湘南市」構想

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2002年に提案された後、2年後に白紙化された「湘南市」構想では、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町、寒川町の6市町が対象となっていた[1]

なお、鎌倉市、藤沢市、平塚市、茅ヶ崎市、およびその周辺地域の合併が、神奈川県推進の「期待されている合併の一つ」に湘南東圏域として[6][* 5][7]紹介されている。

その他の区分

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平成の大合併期の合併推進圏域[* 6][7]
湘南西圏域…平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町、中井町およびその周辺地域[* 7]
湘南東圏域…鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町およびその周辺地域[* 8]
鎌倉湘南学区[* 9]
藤沢市、茅ヶ崎市、鎌倉市、寒川町。学区名称からも分かるように、鎌倉市は湘南地域には含まれない。
湘南村
現在の相模原市緑区のうち小倉[* 10]、葉山島[* 11]の両地区。「相模川」の「南」にあることから名付けられたもので、現在の湘南地域とは離れている[8]

地域

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神奈川県の地域区分設定では、湘南地区(平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町)のほか、近隣の地区として西湘地区(小田原市など)、横須賀三浦地区(横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町)、足柄上地区(南足柄市、中井町など)、県央地区(相模原市、厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市など)がある[9]

湘南地区

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先述のように平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町の5市3町で「湘南都市圏域」を構成する[5]。いずれもサッカーJリーグ湘南ベルマーレ」のホームタウン9市11町の一つである[10]

平塚市

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湘南平平塚市大磯町

相模湾を一望する湘南平は湘南海岸を俯瞰できる場所として知られる。サッカーJリーグ湘南ベルマーレ」の本拠地は平塚競技場である。市西部に東海大学湘南キャンパスが存在する。

藤沢市

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鵠沼海岸から見た江の島藤沢市

「湘南」を冠する神奈川県立湘南高等学校、私立湘南学園(幼稚園 - 高等学校)(いずれも藤沢市に所在)は、湘南地域外からの通学者が多くなっている[11][12]

茅ヶ崎市

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昭和の「湘南」のイメージが一般にも定着している加山雄三は横浜生まれだが茅ヶ崎育ち、またサザンオールスターズ桑田佳祐は茅ヶ崎市の出身であり、現在は茅ヶ崎海水浴場も「サザンビーチちがさき」と呼ばれている。

大磯町、二宮町

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大磯ロングビーチ(大磯町)

県の行政区域「湘南地域」の西部に位置する。江戸時代、崇雪が大磯の東海道筋にある標石に「著盡湘南清絶地」と景勝を讃えた言葉を刻んだことから、湘南発祥の地とされており、その碑が城山公園内の大磯町郷土資料館に保存されている。

明治期の「湘南」は「山と川が織りなす景観を持つ相模川以西地域」であり、大磯、二宮近辺には湘南馬車鉄道や、大磯町の湘南大磯病院、二宮町の湘南牛乳株式会社、など「湘南」を冠する企業[13]が存在した。

伊勢原市

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県の行政区域「湘南地域」の北部に位置する。伊勢原市などを山麓とする大山は江戸時代に「湘山」「湘岳」と呼称される。

秦野市

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丹沢山地・櫟山より見た秦野盆地相模湾

県の行政区域「湘南地域」の北西部に位置する。隣接する平塚市とは、強い経済的つながりを持ち、平塚市に所在する東海大学湘南キャンパスの最寄駅は、秦野市の小田急線東海大学前駅である。

周辺の平塚市・大磯町とは主に神奈川県道62号平塚秦野線で結ばれ、二宮町とは湘南馬車鉄道が結ばれていたが、廃線後は、同路線を平行する形で構築された神奈川県道71号秦野二宮線でのアクセスが主たるルートである。平塚市・二宮町とは神奈川中央交通バスでも密接に結ばれている。

伊勢原市同様、小田急小田原線国道246号で結ばれる厚木市など県央地域との関係も深い。

西湘地区

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曽我丘陵小田原市

神奈川県の地域区分設定では、小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町は湘南地区ではなく西湘地区に区分される[9]。ただし、いずれもサッカーJリーグ「湘南ベルマーレ」のホームタウン9市11町に含まれている[10]。大磯 - 小田原間を結ぶ西湘バイパスがある。

国鉄時代は国府津機関区電車基地湘南電車が配属されていた。 この電車に用いられた緑色に窓まわりのオレンジを配した塗装とは「湘南色」も呼ばれた。

小田原には「湘南」を冠したものが多く存在[* 12]した。

横須賀三浦地区

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神奈川県の地域区分設定では、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町は湘南地区ではなく横須賀三浦地区に区分される[9]

逗子市

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披露山公園逗子市

現在の逗子市域は昭和初期に湘南電気鉄道沿線となる。石原裕次郎は「湘南」育ちの印象が強いが、8歳より逗子市で過ごしている。

横須賀市

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湘南国際村葉山町横須賀市

湘南鷹取湘南国際村湘南信用金庫、横須賀市中心部に所在する湘南学院高等学校など地名や企業名などに湘南を採用する例も多く、古くは昭和初期の湘南電気鉄道がある。

プロ野球球団横浜ベイスターズ(2010年当時)二軍チームは、2000年から2010年シーズン終了まで湘南シーレックスとして横須賀を本拠地に活動した。

足柄上地区

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神奈川県の地域区分設定では、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町は足柄上地区に区分される[9]。ただし、いずれの市町村も湘南ナンバーの該当地域に指定されている[1]。また、いずれもサッカーJリーグ「湘南ベルマーレ」のホームタウン9市11町に含まれている[10]

足柄上郡の中でも中井町は特に湘南との結びつきが強く、二宮町および秦野市と「湘南馬車鉄道」が結ばれていた。

県央地区

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神奈川県の地域区分設定では、相模原市などは県央地区に区分される[9]

相模原市

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市内城山町小倉、城山町葉山島の両地区は、かつて湘南村という行政区が存在した。これは1889年に旧小倉村と旧葉山島村の合併で生じ、1955年に旧川尻村、旧三沢村と合併し旧城山町が成立して消滅する。2007年、旧城山町は旧藤野町とともに相模原市に編入され、現在に至る。旧村名の由来は「相模川を文人が湘江と呼んでいることにちなみ、湘江の南側の村」[14]である。現在、1906年に創立された城山町小倉の小学校名[15]にその名を留める。

由来と歴史

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由来

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「湘南」の由来については諸説ある[16]。「湘南」の由来に関しては、本来は相模国南部の意である「相南」であり、禅僧によって中国の湖南省の洞庭湖に注ぐ湘江南方の景勝地「湘南」にこの字を当てたとする説が一般的である[1][3](単に相模国の南の地域を意味する「相南」の「相」に「さんずい」を加えたものとする説と二つの説に分けられることもある)[17]

「湘南」の名を記した最古のものは小田原の薬商人・崇雪が大磯に構えた鴫立庵の石碑「著盛湘南消絶 地」 (1664年頃)であるとされる[1]。また、土地名称として最初に「湘南」が現れるのは、相模川北部地域の合併により1889年に誕生した津久井郡湘南村とされる (1955年に城山町となった)[1]


明治前期の湘南

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明治10年代、日本では内務省衛生局の長与専斎後藤新平らによって、潮湯治や垢離場として愛知県大野海水浴場三重県二見海水浴場などが開設された[16]。一方、神奈川県では横浜居留地の外国人によって医療ではなく保養の目的で海水浴が行われていた[16]

横浜の居留外国人はまず富岡(現在の横浜市金沢区)を保養地として利用するようになり、やがて井上馨伊藤博文三条実美松方正義大鳥圭介などが富岡に別荘を置いた[16]。この富岡の海水浴の賑わいは近隣の海浜地域に波及し、1884年(明治17年)以降、由比ガ浜海水浴場、大磯海水浴場、藤沢・鵠沼海水浴場など、神奈川県の各地に海水浴場が開設された[16]

このような動きの中で、横浜の居留外国人たちは気候が温暖で風光明媚な湘南を好んで訪れ、海水浴と別荘建設の最適地として注目するようになった[1]。特に「近代日本医学の父」と呼ばれるドイツ人医師のエルヴィン・ベルツ (Erwinvon Baiz) が「海湯治」を推奨したことも湘南海岸の発展に貢献した[1]。また、大磯に海水浴場を開いた松本順など日本人医師も海水浴を積極的に取り入れたことで湘南海岸での海水浴は盛んになった[1]

さらに1887年(明治20年)の東海道線の開通で交通の利便性が高まった[2]。従来海水浴で賑わっていた富岡では人力車による山越えや天候に左右される船便を利用しなければならなかったのに対し、大磯や藤沢は鉄道の利用によって相対的に近距離になったため新たな海水浴地として賑わうようになった[16]

エルヴィン・ベルツなど海水浴を奨励した医師は進んで湘南に別荘を持ち、名士たちに別荘の保有を勧めた[1]。これにより政治家、軍人、実業家、文豪などが湘南に別荘や保養施設を建てるようになり、上級階級の交流が行われた[2]。湘南での別荘の保有はステイタス・ シンボルとなり、大磯、鎌倉、葉山、逗子、茅ヶ崎に屋敷を構える医師、薩長土肥出身者、岩倉使節団関係者などは「別荘族」と呼ばれた[1]。ただし、明治20年代前半には未だ「湘南」の地域名称が広く社会的に浸透しているわけではなかった[16]

湘南の大衆化

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横須賀線は1888年(明治21年)の開業時には1日4往復だったが、1889年(明治22年)7月の東海道線全通に伴うダイヤ改正で1日6往復となった[16]。また、鉄道作業局は 1899年夏に避暑旅行用の往復割引切符(藤沢・鎌倉・平塚・大磯・国府津行往復割引切符)を発売し、その後も海浜回遊乗車券の発売(1903年)や臨時列車の増発(1905年)などを行った[1][16]

湘南に憧れのイメージを付与するきっかけになった一つに、徳富蘆花の『自然と人生』に収められた「湘南雑筆」が挙げられる[16]1897年、東京の赤坂から逗子に転居した徳冨蘆花は、逗子の自然を『國民新聞』に『湘南歳余』として紹介した。また、翌1898年元日から大晦日までの日記を『湘南雑筆』として編纂して、随筆集『自然と人生』(1900年)を出版[* 13]した。

さらに1910年代以降の行楽ブームの下で発行された旅行案内記は大衆と湘南の距離を縮めたとされる[1]。加えて1920年代以降には海水浴場が製作したポスター類が東京近郊の国鉄駅や百貨店で掲示されるようになった[1]

1930年代には森永製菓明治製菓など大手企業がキャンプストアを湘南海岸に開設し、これらは1950年代以降の湘南や江ノ島をめぐる観光や行楽でのイメージ戦略や消費喚起の前提になったとされる[1]

太平洋戦争前の1930年(昭和5年)、神奈川県は観光開発振興と大衆文化などをめざして、江の島対岸から大磯まで海岸沿い16.7キロメートルの道路設計に着手。1936年(昭和11年)に完成し、「湘南遊歩道路」などと呼ばれた(「神奈川県道片瀬大磯線」参照)。この名称が湘南という広域地名を普及させるのに大きく寄与した。戦後は三浦半島東部(東京湾側)の横須賀市三浦市から延びる国道134号の逗子ー鎌倉、鎌倉ー江ノ島間がそれぞれ、湘南道路の2区間として、有料道路となっていた。その後無料化された。国道134号は「湘南のメインストリート」と看做されるようになった[18]

湘南はまず鉄道の敷設により海水浴の先駆的地域となった[16]。その後、出版文化という媒体によって広く世に認識されるようになり、鉄道会社が高級イメージを最大限に利用した営業戦略を採ったことなどから湘南地域の大衆化が促された[16]

第二次大戦後の湘南

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湘南は進駐軍の保養地となり、そのアメリカ文化にあこがれた湘南第一世代、さらに石原裕次郎らが活躍し太陽族が出現した第二世代、サーフィン文化の時代に当たるサザンオールスターズらの第三世代に分けられる[19]

湘南海岸には江戸時代中期から砲術調練場があり、明治時代には払い下げが進んで横須賀海軍砲術学校辻堂演習場となっていたが、第二次大戦後に連合国に接収されて茅ヶ崎演習場(日本側の呼称は辻堂演習場)となっていた(1959年に日本に返還)[20]

第二次大戦後、1950年代には小田急、江ノ電、東急など電鉄会社主導で、レストハウス、ビーチハウス、オートパーク、マリンランドなどが盛んに建設された[1]

サーフィンの聖地というイメージが形成されたのは太平洋戦争後の1961年昭和36年)7月、鵠沼海岸でサーフィンを楽しんでいた厚木基地所属の在日米軍パイロットが地元の青年らに教えたことで全国的な普及のきっかけとなり、「日本のサーフィン発祥の地」と呼ばれるようになったことが大きい。1978年にはサザンオールスターズが、江の島茅ヶ崎といった湘南の地名を謳い込んだ『勝手にシンドバッド』でデビューし、現在に続く湘南のイメージを広げた[18]

平成期に神奈川県は、海をレジャーやスポーツの場として活用する「かながわシープロジェクト」[21]を展開した。

年表

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1664年に宗雪という人が大磯町鴫立庵を再建し、東海道を行き来する人々に「著盡湘南清絶地」と紹介しており、江戸時代で既に「湘南」という言葉が使われていたことが指摘されている。
 
「ここは湘南」と主張する碑(藤沢市片瀬海岸)

江戸時代以前

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明治時代

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大正時代

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昭和時代

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平成時代

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かながわシープロジェクトFeel SHONANが発足し、相模湾沿岸13市町が湘南と定められた。

「湘南」を冠する主なもの

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教育

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湘南国際村[* 14]
横須賀市葉山町[* 15]
湘南工科大学
藤沢市
日本大学 湘南キャンパス
藤沢市
慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス
藤沢市
多摩大学 湘南キャンパス
藤沢市
文教大学 湘南キャンパス
茅ヶ崎市
東海大学 湘南キャンパス
平塚市
松蔭大学 湘南キャンパス
平塚市
産業能率大学 湘南キャンパス
伊勢原市
神奈川県立湘南高等学校
藤沢市
学校法人湘南学園(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)
藤沢市
学校法人湘南白百合学園(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)
藤沢市
湘南学院高等学校
横須賀市
相模原市立湘南小学校
相模原市(旧城山町立)湘南村由来による

スポーツ

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交通・経済

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湘南モノレールおよび湘南モノレール江の島線 - 湘南町屋駅湘南深沢駅湘南江の島駅
鎌倉市、藤沢市
湘南海岸公園駅
藤沢市
湘南電気鉄道京浜急行電鉄の母体会社の一つ)
横須賀市、逗子市[* 16]
湘南京急バス京浜急行バスの子会社
鎌倉市、逗子市鎌倉営業所、横須賀市堀内営業所 (一部は横浜市)
湘南馬車鉄道(後に湘南軽便鉄道を経て湘南軌道となる)
秦野市、中井町、二宮町
湘南電車(正式名ではないが、昭和初期には湘南電気鉄道の電車の愛称、戦後は東海道本線中距離電車の愛称。東海道線 (JR東日本)参照)
鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町、小田原市、真鶴町、湯河原町。列車は静岡県まで直通する。
湘南色
国鉄東海道本線に投入された初代湘南電車(80系)で初めて採用された窓周りが橙色、上下を深緑色で塗り分けた塗色の通称名[24]。この塗色は国鉄時代、直流電化区間を走行する急行形・近郊形電車の標準色となり主に本州の関東甲信越地方以西地域で広く見る事が出来た。2018年時点もJR東日本群馬栃木新潟エリアとJR西日本山陽エリアで僅かに見られ、第三セクター鉄道しなの鉄道ではリバイバルカラーとして採用されている。発祥の地である湘南電車エリアの現在活躍中のステンレス製車両の帯色はやや鮮やかな色調に変更されてはいるが、「オレンジと緑」の組み合わせは健在である。
湘南顔
地域ではなく、国鉄の初代湘南電車(80系)第二次製造車のデザインに由来する。流線形の前面2枚窓のデザインで、1950年代から1960年代頃まで日本の鉄道車両デザインのトレンドとなり、空前絶後とも言える影響を与えた[25]JR東日本藤沢駅ホーム上のキヨスクが、80系のほぼ原寸大のレプリカとなっている他、2017年時点でも全国の私鉄でこのデザインの車両が活躍している。「湘南スタイル」と呼ばれることもあるが、1998年創刊の同名の雑誌は全く無関係[* 17][* 18]
湘南[* 19](湘南電車の特急[* 20]
鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、二宮町、小田原市。
湘南新宿ライン
鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町、小田原市、逗子市。鎌倉市は東海道本線・横須賀線双方、逗子市は横須賀線系統のみ、他は東海道本線系統のみ。
湘南急行小田急江ノ島線にかつて存在した列車種別)
大和市、藤沢市(小田原線沿線の自治体を除く)
湘南ナンバー
横浜湘南道路
藤沢市(起点の横浜市を除く)
新湘南バイパス
藤沢市、茅ヶ崎市
湘南新道
藤沢市、茅ヶ崎市(神奈川県道30号戸塚茅ヶ崎線
平塚市、寒川町(神奈川県道44号伊勢原藤沢線別線)
湘南遊歩道路
藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町
湘南道路
逗子市、鎌倉市、藤沢市
湘南大橋
平塚市
湘南港
藤沢市
湘南信用金庫本店
横須賀市。この名称は旧横須賀信用金庫が鎌倉信用金庫を併合したことによる。
湘南漁業協同組合
藤沢市。藤沢市漁業協同組合、鎌倉漁業協同組合、葉山町漁業協同組合、横須賀市大楠漁業協同組合が合併。

農産物

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湘南ポモロン
神奈川県が開発したトマトで、生食でも加熱でもおいしく食べられる。色は、レッドとゴールドの2色がある。
テレビ朝日ごはんジャパン[26]でも取り上げられた。
湘南ゴールド
神奈川県が開発した柑橘類品種
湘南レッド
神奈川県が開発した赤たまねぎ
湘南の輝き
湘南で栽培されるハウスみかん

加工品

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湘南みかんジュース
神奈川県で作られているみかんのジュース。
湘南みかんシャーベット
神奈川県で作られているみかんシャーベット。

病院・歯科医

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鎌倉市
湘南鎌倉総合病院
湘南記念病院
湘南クリニック(透析専門)
湘南おおふなクリニック
湘南かまくらクリニック
湘南鎌倉歯科・矯正歯科
湘南深沢歯科クリニック
湘南鎌倉バースクリニック
横須賀市
湘南病院
湘南内科医院
湘南山手つちだクリニック
湘南山手歯科医院
湘南グリーンクリニック・歯科
藤沢市
旧湘南美容外科クリニック藤沢院 - 藤沢市、横浜市、東京都新宿区など
湘南中央病院
湘南藤沢徳洲会病院
藤沢湘南台病院
湘南敬愛病院
湘南大庭病院
湘南第一病院
湘南太平台病院
湘南よこた医院
湘南眼科医院
湘南鵠沼産婦人科
湘南ゆずクリニック
湘南C-Xデンタルクリニック
湘南藤沢クリニック
湘南藤沢形成外科クリニック R
湘南柄沢クリニック
坂本眼科湘南クリニック
湘南斉藤クリニック
湘南鵠沼内科・リウマチ科安達正則クリニック
湘南藤沢おぬき消化器クリニック
湘南中村クリニック
湘南ふかさわ鼠径ヘルニア大腸肛門外科クリニック
湘南レディースクリニック辻堂C-X
湘南キャットクリニック
湘南藤沢心臓血管クリニック
湘南レディースクリニック
湘南眼科クリニック
湘南海岸眼科クリニック
湘南あおぞらクリニック
湘南真心クリニック
湘南鵠沼脳神経クリニック
メディカルパーク湘南こどもクリニック
湘南歯科口腔外科クリニック
湘南歯科口腔外科クリニック
湘南星和クリニック
山下湘南夢クリニック
湘南メンタルクリニック
湘南吉田クリニック
湘南江の島クリニック
湘南内科
湘南歯科クリニック
厚木市
湘南厚木病院
湘南美容クリニック本厚木院
湘南あつぎクリニック
茅ヶ崎市
湘南東部総合病院
湘南みわクリニック
湘南東部クリニック
湘南いしぐろクリニック
湘南中央クリニック
緑の湘南皮フ科クリニック
湘南すずきクリニック
湘南あかしあクリニック
海老名市
オアシス湘南病院
平塚市
湘南平塚病院
湘南福祉センター診療所
湘南平塚クリニック
湘南デンタルクリニック
湘南GPクリニック
シーサイドクリニック湘南
芳賀デンタルクリニック湘南
湘南こころのクリニック
湘南真田クリニック
メモリーケアクリニック湘南
湘南いなほクリニック
湘南いいだハートクリニック
大磯町
湘南大磯病院
横浜市
湘南健診クリニック 湘南健康管理センター
湘南美容外科 横浜院
三浦市
みなみ湘南医院
逗子市
湘南クリニック
湘南内科ペインクリニック
湘南記念小坪クリニック
葉山町
湘南葉山デイケアクリニック
二宮町
湘南デンタルケアークリニック
伊勢原市
湘南伊勢原クリニック
小田原市
湘南こつこつクリニック

その他

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神奈川県立 湘南海岸公園
藤沢市
神奈川県赤十字血液センター 湘南事業所
厚木市
湘南公園墓地 茅ヶ崎霊園
茅ヶ崎市
湘南玉手箱(駅弁)
鎌倉市大船駅など
湘南水道株式会社
鎌倉市、藤沢市
1933年(昭和8年)に神奈川県に買収されるまで存在した民営水道。

湘南ハイツ

 横浜市栄区公田町にある大規模開発住宅地域。

栄湘南桂台地区

 昭和40年代から50年代にかけて開発 された大規模な戸建て住宅地で、湘南桂台自治会区 域とそれに隣接するネオポリス自治会区域からなり、 区画数は約1,700区画である。

 横浜市栄区犬山町、桂台北、桂台中、桂台 西一丁目、桂台西二丁目、桂台東、桂台南 一丁目、桂台南二丁目他。[27]

国道134号

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海沿いに延びる国道134号は様々な映画、ドラマ、楽曲で取り上げられ、葉山御用邸、鎌倉高校前駅、江の島、烏帽子岩など「湘南」をイメージとさせる地点も多く、有数のドライブコースとして知られる。

湘南を舞台とした作品

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小説

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漫画

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アニメ

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ゲーム

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音楽

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映画

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  「Category:湘南を舞台とした映画作品」を参照

脚注

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注釈

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  1. ^ 神奈川県公式ホームページ「湘南エリアについて」の掲載地域。
  2. ^ 神奈川県の出先機関である「湘南地域県政総合センター」の所管区域。
  3. ^ 横浜地方気象台の二次細分区域。横浜地方気象台市町村別区域一覧
  4. ^ 関東運輸局神奈川運輸支局の出先機関である「湘南自動車検査登録事務所」の管轄区域。
  5. ^ 鎌倉市は他にも三浦半島圏域案にも上っている。
  6. ^ 神奈川県の市町村合併推進時における「圏域」。
  7. ^ ただし、中井町は県西圏域と重複。
  8. ^ ただし、鎌倉市は三浦半島圏域と重複。
  9. ^ 県立高校の学区神奈川県立湘南高等学校も1980年まで属していた。この学区は1981年の学区細分化によって「鎌倉藤沢学区」と「茅ヶ崎学区」に分割され、2005年には県立高校学区自体が撤廃された。ただし、地区校長会や部活動の地区としては残っている。
  10. ^ 「おぐら」。郵便番号は220-0115。
  11. ^ 「はやまじま」。郵便番号は220-0114。
  12. ^ 湘南煙草合名会社(小田原市)、湘南度量衡器製作株式会社(小田原市)、湘南介立社(小田原市)など(出典「『湘南』はどこか」)。
  13. ^ 蘆花がこの随筆の中で描写した自然の一例として、「逗子から相模湾越しに望んだ富士山の山並み」が挙げられる。
  14. ^ 総合研究大学院大学や民間企業の研修所を含む国際研究拠点。
  15. ^ 横須賀市と葉山町にまたがっているが、郵便番号は240-0107で横須賀市の一部として扱われている。
  16. ^ 起点の横浜市を除く。
  17. ^ 内容が鉄道車両とは一切関係無い。
  18. ^ その後、2011年に同一出版社から『鉄道湘南スタイル』というタイトルの書籍が刊行されたが、誤記が目立つ不完全な内容である。
  19. ^ 2021年3月のダイヤ改正以前は湘南ライナー
  20. ^ 2021年3月のダイヤ改正以前はホームライナー

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 関口英里「変容する文化的トポス:「湘南」」『大阪大学言語文化学』第16巻、大阪大学、2007年、111-125頁。 
  2. ^ a b c d 志村真紀「湘南地域における別荘地から住宅地への変遷− 神奈川県逗子市を事例とした東京郊外における建物世代のタイポロジー −」『日本建築学会計画系論文集』第87巻第797号、日本建築学会、2022年7月、1383-1394頁。 
  3. ^ a b 天野みどり「「湘南」イメージを利用した郊外住宅地の創出」『理論地理学ノート』第12巻、東京都立大学、2001年12月25日、19-37頁。 
  4. ^ 【湘南人】”湘南エリアってどこからどこまで 論争“ ついに終止符? プレゼントが当たる「湘南エリアアンケート」結果発表キャンペーン開催!”. prtimes. 2024年5月24日閲覧。
  5. ^ a b I-3 湘南都市圏域”. 神奈川県. 2024年5月24日閲覧。
  6. ^ 「湘南東圏域」
  7. ^ a b 「神奈川県における自主的な市町村の合併の推進に関する構想」
  8. ^ 「湘南小学校」が海岸ではなく相模原の山奥にある意外な理由 幻の「湘南村」とは...(リンク切れ)
  9. ^ a b c d e 第1章 神奈川の地域のすがた”. 神奈川県. 2024年5月24日閲覧。
  10. ^ a b c 湘南ベルマーレ ホームタウン追加のお知らせ”. 湘南ベルマーレ (2017年10月24日). 2024年5月24日閲覧。
  11. ^ 「湘南高校/生徒状況」
  12. ^ 「湘南学園/生徒の居住地域」
  13. ^ (出典「『湘南』はどこか」)
  14. ^ 角川日本地名大辞典』」
  15. ^ 湘南小学校「『湘南』とは?」
  16. ^ a b c d e f g h i j k l 大矢悠三子「[https://hdl.handle.net/11094/77873 研究報告書 海外大学院とのジョイント教育 日本学共同ゼミ 研究報告 「日本の文化と社会」 鉄道の開通と「湘南」イメージの形成]」『大阪大学言語文化学』第16巻、お茶の水女子大学「魅力ある大学院教育」イニシアティブ人社系事務局、2006年9月1日、111-125頁。 
  17. ^ 湘南の発祥
  18. ^ a b 【みちものがたり】国道134号(神奈川県)サザンと「胸さわぎの道」/日本のサーフィンの聖地に『朝日新聞』土曜朝刊別刷り「be」2020年7月25日(6-7面)2020年11月8日閲覧
  19. ^ 新日本風土記 湘南”. NHK. 2024年5月24日閲覧。
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  21. ^ かながわシープロジェクト 神奈川県(2020年11月8日閲覧)
  22. ^ a b c d e f g h i 水沼淑子, 他 (2000年). “近代における皇族別荘の立地・ 沿革及び建築・ 使い方に関する研究 -海浜別荘を中心とする検討-” (PDF). 住総研 研究年報No.27 2000年版. 一般財団法人住総研. 2018年3月8日閲覧。
  23. ^ keibaDATABASE
  24. ^ 「湘南らしくはないけれど…」最も有名な地域色の由来とは?【コラム「湘南色」第2部】 鉄道ホビダス、2023年2月6日
  25. ^ 2枚の大窓「湘南顔」、昭和の鉄道車両に大旋風 東洋経済オンライン、2020年9月13日
  26. ^ ごはんジャパン
  27. ^ 栄湘南桂台地区”. 2020年12月5日閲覧。

関連項目

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