川端康成文学賞

日本語の短編小説に毎年授与する文学賞

川端康成文学賞(かわばたやすなりぶんがくしょう)は、作家川端康成を記念して作られた文学賞。川端康成のノーベル文学賞賞金を基金とする公益財団法人川端康成記念会が主催している。本賞は、前年度の最も完成度の高い短篇小説に贈られる。

2019年3月25日、審査委員長である川端香男里理事長の体調不良と財政の問題から、賞の選考を休止することが発表された[1]2021年3月1日、選考を再開することが発表された[2]

受賞作一覧

編集

第1期

編集
  • 第1回(1974年上林暁「ブロンズの首」(『群像』1973年4月号)
  • 第2回(1975年永井龍男「秋」(『新潮』1974年1月号)
  • 第3回(1976年) 佐多稲子「時に佇つ(十一)」(『文藝』1975年11月号)
  • 第4回(1977年水上勉「寺泊」(『展望』1976年5月号)、富岡多恵子「立切れ」(『群像』1976年11月号)
  • 第5回(1978年和田芳恵「雪女」(『文學界』1977年2月号)
  • 第6回(1979年開高健「玉、砕ける」(『文藝春秋』1978年3月号)
  • 第7回(1980年野口冨士男「なぎの葉考」(『文學界』1979年9月号)
    • 最終候補作
      • 宇野千代「それは木枯らしか」
      • 高橋たか子「招き」
      • 田久保英夫「風琴」
      • 深沢七郎「みちのくの人形たち」(受賞辞退)
      • 安岡章太郎「夜半の波音」
  • 第8回(1981年) 竹西寛子「兵隊宿」(『』1980年3月号)
    • 最終候補作
      • 三浦哲郎「乱舞」
      • 古井由吉「あなおもしろ」
      • 中村光夫「形見」
      • 岩橋邦枝「伴侶」
      • 高橋揆一郎「骨を噛む」
      • 島村利正「くちなわ幻想」
      • 吉村昭「黄水仙」
  • 第9回(1982年色川武大「百」(『新潮』1981年4月号)
  • 第10回(1983年島尾敏雄「湾内の入江で」(『新潮』1982年3月号)、津島佑子「黙市」(『海』1982年8月号)
  • 第11回(1984年) 大江健三郎「河馬に嚙まれる」(『文學界』1983年11月号)、林京子「三界の家」(『新潮』1983年10月号)
    • 最終候補作
      • 三浦哲郎「蟹屋の土産」
      • 八木義徳「熱い季節」
      • 八木義徳「遠い地平」
      • 大庭みな子「道」
      • 上田三四二「著莪の人」
      • 澁澤龍彦「ねむり姫」
  • 第12回(1985年) 高橋たか子「恋う」(『新潮』1984年1月号)、田久保英夫「辻火」(『群像』1984年10月号)
    • 最終候補作
      • 坂上弘「音の無い光景」
      • 筒井康隆「串刺し教授」
      • 阿部昭「みぞれふる空」
      • 佐江衆一「島酔い」
      • 沢木耕太郎「闇の中の白い糸」
      • 古井由吉「午の日」
      • 岡松和夫「面影」
      • 日野啓三「孤独なネコは黒い雪の夢をみる」
  • 第13回(1986年小川国夫「逸民」(『新潮』1985年9月号)
    • 最終候補作
      • 加賀乙彦「LATE AFTERNOON」
      • 高井有一「半日の放浪」
      • 三浦哲郎「愁月記」
      • 吉村昭「鋏」
      • 吉行理恵「赤い庭」
      • 大庭みな子「白い鳥」
  • 第14回(1987年) 古井由吉「中山坂」(『海燕』1986年1月号)、阪田寛夫「海道東征」(『文學界』1986年7月号)
  • 第15回(1988年) 上田三四二「祝婚」(『新潮』1987年8月号)、丸谷才一樹影譚」(『群像』1987年4月号)
    • 最終候補作
      • 黒井千次「指」
      • 庄野潤三「足柄山の春」
      • 八木義徳「夕虹」
  • 第16回(1989年) 大庭みな子「海にゆらぐ糸」(『群像』1988年10月号)、筒井康隆「ヨッパ谷への降下」(『新潮』1988年1月号)
    • 最終候補作
      • 安岡章太郎「犬」
      • 飯島耕一「サマー・タイム」
      • 金井美恵子「飛ぶ星」
      • 三浦哲郎「とんかつ」
      • 森内俊雄「口紅」
  • 第17回(1990年) 三浦哲郎「じねんじょ」(『海燕』1989年5月号)
  • 第18回(1991年) 安岡章太郎「伯父の墓地」(『文藝春秋』1990年2月号)
    • 最終候補作
      • 八木義徳「浮巣」
      • 三浦朱門「子々孫々」
      • 坂上弘「向かいて聞く」
      • 三木卓「路」
      • 黒井千次「雨男」
  • 第19回(1992年吉田知子「お供え」(『海燕』1991年7月号)
    • 最終候補作
  • 第20回(1993年司修「犬(影について・その一)」(『新潮』1992年2月号)
  • 第21回(1994年古山高麗雄「セミの追憶」(『新潮』1993年5月号)
    • 最終候補作
      • 笙野頼子「増殖商店街」
      • 三浦哲郎「こえ」
      • 増田みず子「風草」
      • 森内俊雄「桜桃」
  • 第22回(1995年) 三浦哲郎「みのむし」(『新潮』1994年1月号)
    • 最終候補作
      • 竹西寛子「草原の歌」
      • 富岡多恵子「触れる袖」
      • 小川国夫「黙っているお袋」
      • 村田喜代子「強盗山」
      • 萩原葉子「スネーク」
  • 第23回(1996年) 大庭みな子「赤い満月」(『文學界』1995年1月号)
    • 最終候補作
  • 第24回(1997年) 坂上弘「台所」(『新潮』1996年9月号)、小田実「『アボジ』を踏む」(『群像』1996年10月号)
  • 第25回(1998年) 村田喜代子「望潮」(『文學界』1997年1月号)

第2期

編集

第3期

編集

選考委員

編集

第1期

編集
  • 第1回から第2回 - 永井龍男中村光夫舟橋聖一山本健吉吉行淳之介
  • 第3回から第11回 - 井上靖、永井龍男、中村光夫、山本健吉、吉行淳之介
  • 第12回 - 井上靖、中村光夫、山本健吉、吉行淳之介
  • 第13回 - 井上靖、島尾敏雄、山本健吉、吉行淳之介
  • 第14回 - 井上靖、大江健三郎、山本健吉、吉行淳之介
  • 第15回 - 井上靖、大江健三郎、水上勉、山本健吉、吉行淳之介
  • 第16回 - 井上靖、大江健三郎、竹西寛子、水上勉、吉行淳之介
  • 第17回 - 井上靖、大江健三郎、竹西寛子、吉行淳之介
  • 第18回 - 大江健三郎、竹西寛子、水上勉、吉行淳之介
  • 第19回から第20回 - 大江健三郎、竹西寛子、三浦哲郎、水上勉、吉行淳之介
  • 第21回から第22回 - 大江健三郎、竹西寛子、三浦哲郎、水上勉
  • 第23回 - 秋山駿、大江健三郎、竹西寛子、三浦哲郎、水上勉
  • 第24回から第25回 - 秋山駿、田久保英夫、竹西寛子、三浦哲郎、水上勉

第2期

編集
  • 第26回から第27回 - 秋山駿、井上ひさし小川国夫、田久保英夫、津島佑子
  • 第28回から第33回 - 秋山駿、井上ひさし、小川国夫、津島佑子、村田喜代子
  • 第34回から第35回 - 秋山駿、井上ひさし、辻原登、津島佑子、村田喜代子
  • 第36回 - 秋山駿、辻原登、津島佑子、村田喜代子
  • 第37回から第39回 - 秋山駿、辻原登、津島佑子、堀江敏幸、村田喜代子
  • 第40回から第41回 - 角田光代、辻原登、津島佑子、堀江敏幸、村田喜代子
  • 第42回 - 角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子
  • 第43回から第44回 - 荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子

第3期

編集
  • 第45回から - 荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子

脚注

編集
  1. ^ “川端康成文学賞休止へ 理事長の体調不良など”. 産経ニュース (産経デジタル). (2019年3月25日). https://www.sankei.com/article/20190325-WQKLDSD4WVPBDFNCORWOSHKEBI/ 2022年10月2日閲覧。 
  2. ^ “川端文学賞を今年から再開”. 産経ニュース (産経デジタル). (2021年3月1日). https://www.sankei.com/article/20210301-WDXPFD2W7RIIRFRDUL7YDJFLMI/ 2022年10月2日閲覧。 

外部リンク

編集