川上村 (長野県)

長野県南佐久郡の村

川上村(かわかみむら)は、長野県南佐久郡

かわかみむら ウィキデータを編集
川上村
川上村旗 川上村章
川上村旗 川上村章
日本の旗 日本
地方 中部地方甲信越地方
都道府県 長野県
南佐久郡
市町村コード 20304-1
法人番号 4000020203041 ウィキデータを編集
面積 209.61km2
総人口 4,403[編集]
推計人口、2024年5月1日)
人口密度 21人/km2
隣接自治体 南佐久郡南牧村南相木村
山梨県北杜市甲府市山梨市
埼玉県秩父市
群馬県多野郡上野村
村の木 カラマツ
村の花 シャクナゲ
他のシンボル 村の鳥:ウグイス
村の動物:川上犬
川上村役場
村長 由井明彦
所在地 384-1405
長野県南佐久郡川上村大深山525
北緯35度58分32秒 東経138度34分42秒 / 北緯35.97542度 東経138.57833度 / 35.97542; 138.57833 (川上村)座標: 北緯35度58分32秒 東経138度34分42秒 / 北緯35.97542度 東経138.57833度 / 35.97542; 138.57833 (川上村)
川上村役場
外部リンク 公式ウェブサイト

川上村 (長野県)位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

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概要

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千曲川の最上流部に位置する。長野県内で唯一、埼玉県県境を接する自治体。村の一部は秩父多摩甲斐国立公園に指定されている。

日本有数のレタス産地であり、村内の就業者の6割が第一次産業にかかわっている。

地理

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梓湖
 
川上村中心部の梓山

位置

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村域の東部及び南部は奥秩父山塊の主脈に属し、西部は八ヶ岳の広大な裾野(野辺山高原)の一部、北部は奥秩父山塊の支脈が南牧村南相木村との村境となるなど、村域全体が1,000mを超える山岳部の高冷地に位置する。また、川上村役場は標高1,185mに位置し、これは役場や役所の所在地としては日本で最も標高の高い場所に位置するものである。

日本最長の河川である千曲川信濃川)は甲武信ヶ岳山頂直下2250m付近の森林地帯に、梓川としてその源流を発する。

地形

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山地

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主な山
主な峠

河川

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主な川
  • 千曲川
    • 千曲川支流:所並川、梓川、秋山沢、金峰山川、小川、前川、黒沢川、板橋川

湖沼

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主な湖
  • 梓湖(ダム湖)
  • あちばけ湖(人造湖)

気候

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標高が高いために極めて寒冷で、ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候に属する。冬季から春季にかけてしばしば氷点下15度を下回る。夏季も冷涼であり、8月の日平均気温は19.5℃と、札幌市の20.5℃よりも低い。 降水は夏季の前後、梅雨と秋雨の時期にまとまってあるほかは全般に少なく、日照時間も長い。

秋山
東経138度39.0分、北緯35度57.8分、標高1285メートル
川上村(秋山)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 14.1
(57.4)
16.5
(61.7)
23.0
(73.4)
28.2
(82.8)
29.6
(85.3)
29.1
(84.4)
31.4
(88.5)
33.0
(91.4)
31.7
(89.1)
26.8
(80.2)
22.8
(73)
17.0
(62.6)
33.0
(91.4)
平均最高気温 °C°F 2.0
(35.6)
4.4
(39.9)
7.9
(46.2)
15.0
(59)
18.8
(65.8)
22.1
(71.8)
25.2
(77.4)
26.2
(79.2)
22.4
(72.3)
16.5
(61.7)
12.3
(54.1)
5.2
(41.4)
14.8
(58.6)
日平均気温 °C°F −4.8
(23.4)
−2.8
(27)
0.3
(32.5)
6.6
(43.9)
11.6
(52.9)
15.5
(59.9)
19.1
(66.4)
19.5
(67.1)
15.9
(60.6)
9.3
(48.7)
4.1
(39.4)
−1.6
(29.1)
7.7
(45.9)
平均最低気温 °C°F −10.9
(12.4)
−9.2
(15.4)
−6.1
(21)
−0.4
(31.3)
5.5
(41.9)
9.9
(49.8)
14.3
(57.7)
14.4
(57.9)
11.0
(51.8)
3.9
(39)
−1.6
(29.1)
−7.1
(19.2)
2.0
(35.6)
最低気温記録 °C°F −18.1
(−0.6)
−17.7
(0.1)
−16.1
(3)
−9.3
(15.3)
−3.7
(25.3)
1.8
(35.2)
6.6
(43.9)
6.2
(43.2)
0.2
(32.4)
−4.8
(23.4)
−9.4
(15.1)
−18.7
(−1.7)
−18.7
(−1.7)
降水量 mm (inch) 21.2
(0.835)
29.9
(1.177)
52.6
(2.071)
50.7
(1.996)
72.4
(2.85)
91.4
(3.598)
147.3
(5.799)
104.6
(4.118)
147.0
(5.787)
130.3
(5.13)
46.7
(1.839)
35.9
(1.413)
929.8
(36.606)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 2.5 4.9 6.2 6.8 7.8 8.1 11.7 7.9 7.2 7.5 5.1 4.0 79.7
平均月間日照時間 163.9 158.9 180.2 182.8 186.8 144.1 147.4 185.6 141.2 141.6 150.6 147.2 1,930.3
平均日照時間 5.3 5.6 5.8 6.1 6.0 4.8 4.8 6.0 4.7 4.6 5.0 4.7 5.3
出典:[1]

人口

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年齢別人口構成
 
川上村と全国の年齢別人口分布(2005年) 川上村の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 川上村
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
川上村(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 4,739人
1975年(昭和50年) 4,686人
1980年(昭和55年) 4,632人
1985年(昭和60年) 4,711人
1990年(平成2年) 4,722人
1995年(平成7年) 4,957人
2000年(平成12年) 4,908人
2005年(平成17年) 4,759人
2010年(平成22年) 4,972人
2015年(平成27年) 4,607人
2020年(令和2年) 4,344人
総務省統計局 国勢調査より

隣接自治体

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長野県
山梨県
埼玉県
群馬県

歴史

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先史

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八ヶ岳山麓や中央高地は縄文時代の遺跡が数多く分布する地域で、村域にも後期旧石器時代から縄文時代にかけての遺跡が分布する。 村域には馬場平遺跡大深山遺跡があり、大深山遺跡は日本で一番標高の高い場所に立地する集落遺跡として知られる。弥生時代の遺跡は少ない。

古代

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古墳時代から奈良時代のものとされる遺跡は現在認められていないが、平安時代の遺跡は確認されている。

中世

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平安後期の保元の乱に縁のある伝説が伝えられている。

戦国時代に信濃は甲斐国武田氏の領国となり、武田領国においては甲斐本国の黒川金山山梨県甲州市)をはじめ金鉱山の開発が行われているが、川上村でも梓久保金山遺跡において金鉱山の採掘精錬用具や金粒付着土器が出土しており、金の採掘や精錬作業が行われていたと考えられている。

近世

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近世に信濃国では小藩が分立するが、当村域は幕府直轄領御影陣屋支配)として八か村が成立する。

沿革

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明治
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、居倉村、原村、御所平村、大深山村、秋山村、梓山村、川端下村の区域及び大明村の区域の内、樋沢の区域をもって、川上村が発足する。現在に至る。
昭和

行政

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村長

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外国人技能実習生への人権蹂躙

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2012年平成24年)に中国人研修生からとされる投書を基に、日本弁護士連合会が調査を行った結果、長時間労働、過少な残業代、罰金制度、不衛生で過密な寄宿舎、外部との連絡の遮断、実習生識別用の紅白帽の着用強制等々による人権蹂躙があったとして改善を勧告[3]2014年(平成26年)6月には、アメリカ合衆国連邦政府日本国政府に対して名指しで改善を求めた[4]。 さらに、2014年9月には東京入国管理局から5年間の研修生の受け入れ停止処分を受け、技能実習生の受け入れを行っていた川上村農林業振興事業協同組合(理事長:由井久)は11月に解散を決定[5][6]

議会

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村議会

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  • 議長:渡邉 光
  • 議員定数:10人
  • 議員任期:2019年5月1日 - 2023年4月30日

長野県議会(南佐久郡選挙区)

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  • 定数:1人
  • 任期:2019年(平成31年)4月30日 - 2023年(令和5年)4月29日
  • 依田明善(無所属)

衆議院

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当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
井出庸生 43 自由民主党 120,023票
比当 神津健 44 立憲民主党 109,179票
池高生 53 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 3,722票

施設

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警察

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本部
駐在所
  • 川上村警察官駐在所 (川上村)

消防

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本部
消防署
  • 南部消防署
    • 川上分遣署(川上村原306-1)

図書館

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主な図書館

経済

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第一次産業

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農業

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現在は、日本有数のレタス産地として知られ、一戸あたりの平均年収(正確には年商)は2,500万円を越える[7][8]

が短い高冷地での野菜栽培は、夏季集中型を取らざるを得ないため、未明から深夜までの長時間農作業が必要となる。

以前から日本各地の学生アルバイトを季節労働で募集して労働力を補っていたが、近年は外国人研修制度を利用して中国人やフィリピン人などの外国人が農作業を支えているが、農家側が外国人研修生に国籍毎に違う色の帽子を着用させるなど、人権侵害も指摘されている[9]。川上村で起きた人権侵害については、日弁連や人権団体からの勧告を川上村の農業協同組合は受けている。詳しくは 技能実習制度の問題点を参照せよ

農業協同組合

林業

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第二次世界大戦後は、カラマツの苗木の栽培が盛んに行われたことがあり、全国各地に植林用として出荷された。

本社機能を置く企業

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情報・通信

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マスメディア

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中継局

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教育

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中学校

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村立
  • 川上村立川上中学校

小学校

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村立
  • 川上村立川上第一小学校
  • 川上村立川上第二小学校

交通

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鉄道

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信濃川上駅
東日本旅客鉄道(JR東日本)

バス

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道路

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国道

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国道は通過していない。最寄の国道は国道141号南牧村ほかを通過)。

県道

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文化・名物

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祭事・催事

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  • お方ぶち(原地区)
  • どんどん焼き(かんがり、かんがりや)
  • 道祖神(秋山地区)
  • どんどん火(梓山地区)
  • とおかんや(川端下地区)

観光

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大深山遺跡
 
シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳

天然記念物

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長野県天然記念物 川上犬

名所・旧跡

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史跡(国指定)
重要遺跡
  • 馬場平遺跡
村指定史跡
  • 柏垂遺跡
  • 金峰山修験道

観光スポット

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日本百名山
スキー場
自然
  • 千曲川源流
  • 金峰ふれあいの森・廻り目平キャンプ場
  • 小川山

その他

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外部自治体の保養所など

著名な出身者

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川上村を舞台とした作品

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^
    川上村民憲章
    私たちの郷土川上は、清らか千曲川源流の大自然にめぐまれ優れた先人たちの英知とたゆまぬ努力によって育まれた村です。
    私たちはこの素晴らしい郷土に無限の愛着と高き誇りを持ち更に住みよい希望にみちた新しいふるさとづくりとその発展をめざして、この憲章を定めます。
    一、 自然を愛し、美しく住みよい村をつくります。
    一、 勤労を尊び、健康で希望にみちた明るい村をつくります。
    一、 産業をおこし、活力ある村をつくります。
    一、 先人の労をしのび、創造性と文化に富んだ村をつくります。
    一、 人とのふれあいを大切にし、心豊かで平和な村をつくります。
    出典:[2]

出典

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  1. ^ 川上村 気象情報(2002~2011)”. 2016年5月3日閲覧。
  2. ^ a b 村民憲章 川上村 2021年10月10日閲覧。
  3. ^ 日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:中国人農業技能実習生に関する人権救済申立事件(勧告)
  4. ^ 主要報告書 | 米国大使館 東京・日本 - 2014年人身売買報告書(日本に関する部分)
  5. ^ 川上の外国人実習生 入管、受け入れ停止処分 組合解散決定”. 信濃毎日新聞 (2014年12月2日). 2014年12月2日閲覧。
  6. ^ 「年収2500万円の村」長野・川上村襲った風聞 日弁連が勧告、村側は反発”. 産経新聞 (2014年12月19日). 2014年12月19日閲覧。
  7. ^ 藤原忠彦『平均年収2500万円の農村 : いかに寒村が豊かに生まれ変わったか ソリックブックス001』(ソリック2009年1月14日ISBN 978-4-904528-00-6
  8. ^ 【ソリックブックス】長野県川上村の農業による村おこし 「年収2500万円の農村づくり」 藤原忠彦 著
  9. ^ “農作業に汗する中国人研修生 長野・川上村”. 産経新聞. (2009年8月15日). オリジナルの2012年9月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120920031912/http://www.bochao.jp/article/13512017.html 2014年8月25日閲覧。 

外部リンク

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