奥多摩町

東京都西多摩郡の町

奥多摩町(おくたままち)は、東京都多摩地域北西部に位置し、西多摩郡に属する。多摩地域に3つある町のひとつ。面積は東京都の市区町村の中で最も広い。青梅市への通勤率は16.4%(平成22年国勢調査)。

おくたままち ウィキデータを編集
奥多摩町
奥多摩町旗
1975年4月1日制定
奥多摩町章
1960年4月1日制定
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 東京都
西多摩郡
市町村コード 13308-6
法人番号 8000020133086 ウィキデータを編集
面積 225.53km2
総人口 4,270[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 18.9人/km2
隣接自治体 青梅市あきる野市西多摩郡檜原村
埼玉県秩父市飯能市
山梨県上野原市北都留郡小菅村丹波山村
町の木 スギ
町の花 ミツバツツジ
町の鳥 ヤマドリ
奥多摩町役場
町長 師岡伸公
所在地 198-0212
東京都西多摩郡奥多摩町氷川215番地の6
北緯35度48分34秒 東経139度05分46秒 / 北緯35.80956度 東経139.09619度 / 35.80956; 139.09619座標: 北緯35度48分34秒 東経139度05分46秒 / 北緯35.80956度 東経139.09619度 / 35.80956; 139.09619
奥多摩町役場
外部リンク 公式ウェブサイト

奥多摩町位置図

― 区 / ― 市 / ― 町・村

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町域(ランドサット衛星写真)

地理

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多摩川を堰き止めた小河内ダムによって造られた人造湖・奥多摩湖(小河内貯水池)を擁し、その下流域に集落が広がる。東京都に属する自治体では最大の面積を有する市町村である。町の行政面積は225.53km2で、東京都全体のおよそ10分の1の面積に相当する[1]。また、町域の94%が山林で、町全体が秩父多摩甲斐国立公園内にある[1]。町は森林セラピー基地に認定されている。

年間平均気温は約12℃。内陸に位置しており標高も高く、中央高地式気候である。同じ東京都内でも都心とは大きく気候が異なる。特に冬の寒さは厳しく、1月の平均気温は1.5℃となっている。冬の最低気温は東京都心とは10℃以上の開きがあることもあり、時には-5℃以下まで冷え込むこともある。冬は多くの日で冬日となり、仙台市酒田市などの東北地方沿岸部よりも冷え込みは厳しい。都内では降雪量・積雪量が最も多い自治体で、町の平野部でも50cm程度の積雪がある。場所によっては1m以上の積雪もあり、大雪によって孤立集落がでることもある。平成26年豪雪では多くの孤立集落が発生し、警視庁自衛隊の協力で復旧した。また路面凍結が起こりやすく、真冬日も珍しくない。標高が高いため夏は都心と比べると涼しく、8月でも最高気温が30℃を下回る日が多い。


小河内(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 17.8
(64)
20.9
(69.6)
22.9
(73.2)
30.6
(87.1)
33.0
(91.4)
35.3
(95.5)
36.3
(97.3)
36.4
(97.5)
35.0
(95)
30.2
(86.4)
24.0
(75.2)
22.8
(73)
36.4
(97.5)
平均最高気温 °C°F 6.8
(44.2)
7.6
(45.7)
10.9
(51.6)
16.5
(61.7)
21.1
(70)
23.4
(74.1)
27.4
(81.3)
28.5
(83.3)
24.3
(75.7)
18.8
(65.8)
14.0
(57.2)
9.3
(48.7)
17.4
(63.3)
日平均気温 °C°F 1.5
(34.7)
2.2
(36)
5.5
(41.9)
10.8
(51.4)
15.6
(60.1)
18.9
(66)
22.6
(72.7)
23.5
(74.3)
19.8
(67.6)
14.3
(57.7)
8.8
(47.8)
3.9
(39)
12.3
(54.1)
平均最低気温 °C°F −2.4
(27.7)
−1.9
(28.6)
1.0
(33.8)
5.8
(42.4)
10.9
(51.6)
15.3
(59.5)
19.3
(66.7)
20.1
(68.2)
16.6
(61.9)
10.9
(51.6)
5.0
(41)
0.1
(32.2)
8.4
(47.1)
最低気温記録 °C°F −9.3
(15.3)
−11.6
(11.1)
−8.1
(17.4)
−3.8
(25.2)
0.7
(33.3)
7.5
(45.5)
12.4
(54.3)
13.2
(55.8)
6.2
(43.2)
1.0
(33.8)
−2.1
(28.2)
−6.9
(19.6)
−11.6
(11.1)
降水量 mm (inch) 49.5
(1.949)
45.9
(1.807)
88.5
(3.484)
106.3
(4.185)
118.7
(4.673)
163.2
(6.425)
205.6
(8.094)
217.4
(8.559)
270.2
(10.638)
215.4
(8.48)
68.9
(2.713)
43.7
(1.72)
1,608
(63.307)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 4.8 5.3 9.7 9.5 10.5 13.4 14.7 12.8 12.5 10.7 6.9 4.5 115.4
平均月間日照時間 206.5 187.7 173.0 178.4 172.2 104.2 124.8 144.6 104.5 128.7 164.5 186.5 1,874.6
出典1:気象庁
出典2:観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)

隣接している自治体

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  • あきる野市とは約300メートル接しているが、山岳地帯にあるため、道路では接していない。なお、この境目は御岳山大岳山を結ぶ尾根道で、境界線上にある峠は芥場峠と呼ばれ、御岳山と大岳山のハイキングコースの要所である。
  • 秩父市、飯能市と直接結ぶ車道は無い。登山道のみ通じている。

歴史

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行政区域変遷

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  • 変遷表
奥多摩町町域の変遷表
1868年
以前
明治元年 - 明治22年 明治22年
4月1日
明治22年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
氷川村 氷川村 昭和15年2月1日
町制
昭和30年4月1日
奥多摩町
奥多摩町 奥多摩町
海沢村
境村
日原村
大丹波村 古里村 古里村
川井村
竜寿寺村 明治8年
梅沢村
丹三郎村
小丹波村
棚沢村
白丸村
留浦村 小河内村 小河内村
川野村
河内村
原村

大字

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旧氷川町
  • 海沢うなざわ
  • さかい
  • 日原にっぱら
  • 氷川ひかわ
旧古里村
  • 梅沢うめざわ
  • 大丹波おおたば
  • 川井かわい
  • 小丹波こたば
  • 白丸しろまる
  • 棚沢たなさわ
  • 丹三郎たんざぶろう
旧小河内村
  • 川野かわの
  • 河内こうち
  • 留浦とずら
  • はら

人口

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人口は島嶼部を除いた東京都の自治体の中で、隣接する檜原村に次いで2番目に少ない。なお、島嶼部を含めた場合でも大島町八丈町よりも少ない。65歳以上が人口比の50%以上を占める限界自治体の一つ。

 
奥多摩町と全国の年齢別人口分布(2005年) 奥多摩町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 奥多摩町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
奥多摩町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 11,733人
1975年(昭和50年) 10,559人
1980年(昭和55年) 9,808人
1985年(昭和60年) 9,273人
1990年(平成2年) 8,752人
1995年(平成7年) 8,257人
2000年(平成12年) 7,575人
2005年(平成17年) 6,741人
2010年(平成22年) 6,045人
2015年(平成27年) 5,234人
2020年(令和2年) 4,750人
総務省統計局 国勢調査より


行政

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歴代氷川町村長 

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歴代町長

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  • 木村源兵衛 1955年4月1日~1957年4月5日
  • 原島謙益 1957年5月1日~1964年2月3日
  • 川辺七郎 1964年3月15日~1972年3月14日
  • 佐久間藤一 1972年3月15日~1980年3月14日
  • 川辺文夫 1980年3月15日~1984年3月14日
  • 佐久間藤一 1984年3月15日~1991年3月14日
  • 古屋泰司 1992年3月15日~1992年4月7日
  • 大舘誉 1992年5月24日~2004年5月23日
  • 河村文夫 2004年5月24日~2020年5月23日

町長

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  • 師岡伸公(もろおかのぶまさ、2020年5月24日就任、2期目)

町役場

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  • 市町村職員数:129人(2008年4月1日)
  • 当初予算規模:59.40億円(一般会計)(2013年度)

離島を除く東京都では、檜原村と共に過疎地域に指定されている。若年者向けの定住住宅の建設による人口減の防止、高齢者への医療福祉対策が行政の課題となっている。

議会

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奥多摩町議会

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  • 定数:12人
  • 任期:2021年12月1日 - 2023年11月30日[4]
  • 議 長:高橋邦男(2021年11月29日就任)
  • 副議長:小峰陽一(2021年11月29日就任)
会派名 議席数 議員名
清新会 原島幸次(3期)、小峰陽一(2期)、澤本幹男(2期)、木村 圭(2期)
山なみ会  2 高橋邦男(3期)、小山辰美(1期)
公明党 1 宮野 亨(3期)
都民ファーストの会 1 石田芳英(3期)
日本共産党 1 大澤由香里(2期)
ガジュマルの会 1 相田恵美子(1期)
宇宙会  1 森田紀子(1期)
どんぐり  1 伊藤英人(1期)

東京都議会

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2021年東京都議会議員選挙
候補者名 当落 年齢 党派名 新旧別 得票数
清水康子 54 都民ファーストの会 27,748票
田村利光 54 自由民主党 26,507票
宮崎太朗 41 立憲民主党 15,077票
高沢一成 47 無所属 2,126票
角田統領 72 諸派 555票
2017年東京都議会議員選挙
  • 選挙区:西多摩選挙区
  • 定数:2人
  • 投票日:2017年7月2日
  • 当日有権者数:209,019人
  • 投票率:47.21%
候補者名 当落 年齢 党派名 新旧別 得票数
清水康子 50 都民ファーストの会 33,526票
田村利光 50 自由民主党 27,771票
島田幸成 49 無所属 23,468票
西村雅人 50 日本共産党 12,469票

衆議院

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当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
井上信治 52 自由民主党 131,430票
島田幸成 53 立憲民主党 89,991票

警察・消防

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警察

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  • 警視庁青梅警察署(本署は青梅市)
    • 奥多摩交番(氷川)
    • 栃久保駐在所(氷川)
    • 海沢駐在所(海沢)
    • 日原駐在所(日原)
    • 川野駐在所(留浦)
    • 境駐在所(境)
    • 川井駐在所(川井)
    • 古里駐在所(小丹波)
    • 鳩の巣駐在所(棚澤)
    • 原駐在所(原)
    • 小河内駐在所(原)

消防

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経済

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産業

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姉妹都市・提携都市

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海外

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地域

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人口は4,567人、世帯数は2,497世帯(2024年7月1日、推計)[5]

健康

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教育

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保育所(保育園)

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  • 私立保育所(保育園)
    • 氷川保育園(氷川1416)
    • 古里保育園(小丹波528)

交通

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鉄道路線

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東日本旅客鉄道(JR東日本)

  青梅線
  • 中心となる駅 奥多摩駅

バス

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西東京バスが、奥多摩駅から奥多摩湖丹波山村小菅村鍾乳洞・清東橋方面へ運行している。路線の詳細は西東京バス氷川支所を参照。

タクシー

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奥多摩駅前にタクシー乗り場がある。

長らく京王自動車が大型車2台を配備していたが、採算性悪化により2012年3月31日に町内の氷川営業所を廃止し、同社は町内より撤退した。その後、リーガルマインドが昼間のみ駅前に1台配車しているが、夜間は台数に余裕がないため、町内のタクシーがゼロとなる。このため同社は関東運輸局に増車を申請したが需要が見込めないとして却下され、国に対して本処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが一審で棄却されている。

2016年の時点では、30分前に配車の手配を行えば、タクシーが来る状況となっている[6][7]

道路

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現在、国道411号のバイパスの役割を持たせた多摩川南岸道路構想が推進され、一部で供用されている。この道路が完成すると、狭くカーブも多い国道411号現道を通らず、吉野街道から奥多摩町市街地を経由せず奥多摩湖や小菅村丹波山村方面に向かうことができるようになる。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

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  • 町域すべてが秩父多摩甲斐国立公園の指定地域に含まれている。
  • 小河内ダム畔の笠松展望園から見るダム湖は、台湾の有名な景勝地である日月潭に似ている。そのため、日本人有志により1970年代半ばに台湾人戦没者の慰霊碑・慰霊塔が建てられた[8]。東京から時間がかかるため、なかなか来る人も少なかったが、2010年以降日本人有志によって慰霊祭が再開されている(2023年確認)。
  • 毎年6月第1日曜日には、氷川渓谷で奥多摩カップカヌー大会が開かれる(2007年から 奥多摩ふれあいカヌーフェスティバル に名称変更)。

出身人物

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ゆかりのある人物

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脚注

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  1. ^ a b 2015 奥多摩町勢要覧”. 奥多摩町. 2024年11月20日閲覧。
  2. ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 13 東京都』、角川書店、1978年、ISBN 4040011309より
  3. ^ 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
  4. ^ 任期満了日(定数)一覧”. 東京都. 2019年5月2日閲覧。
  5. ^ 人口・世帯数/奥多摩町”. https://www.town.okutama.tokyo.jp/index.html.+2024年7月9日閲覧。
  6. ^ 平成26年9月12日判決言渡”. 東京地裁. 2021年2月25日閲覧。
  7. ^ 平成28年第1回奥多摩町議会定例会会議録”. 奥多摩町. 2021年2月25日閲覧。
  8. ^ 日月潭に類似する奥多摩の地にて台湾出身戦没者慰霊祭開催”. 台湾新聞. 2023年8月20日閲覧。
  9. ^ 石川博司「東京・境の獅子舞」『まつり通信』第596号、まつり同好会、2018年、2-3頁。 NCID AN00068420全国書誌番号:00022578
  10. ^ 石川博司「東京・日原の獅子舞」『まつり通信』第609号、まつり同好会、2-3頁。 

関連項目

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外部リンク

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