京王自動車
京王自動車株式会社(けいおうじどうしゃ)は、京王グループに属するタクシー・ハイヤー事業を運営する企業である。本社は東京都多摩市関戸2-37-3に所在し[1]、京王自動車営業所の跡地に京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター別館として建設された「せいせきさくらゲート」に入居する。
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒206-0011 東京都多摩市関戸2-37-3[1] せいせきさくらゲート4・5階 |
設立 | 1949年2月21日[1] |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 1013401005755 |
事業内容 |
タクシー・ハイヤー事業 貸切バス・特定バス事業ほか[1] |
代表者 | 代表取締役 鳥居寛昭 |
資本金 | 1億円[1] |
純利益 |
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純資産 |
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総資産 |
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従業員数 | 1,730人(2021年3月現在)[1] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | 京王電鉄 100% |
外部リンク | https://www.keiotaxi.co.jp/ |
京王自動車バスサービス株式会社が貸切バス・特定バス事業も行っており、日本バス協会傘下の東京バス協会会員となっている[3]。バス営業所は京王バス南・南大沢営業所の敷地に隣接する[1]。
タクシー事業では、東京23区から西多摩まで東京西部の広範囲にわたり営業区域を持つ[1]。かつては神奈川県内にも広く展開していたが、川崎市・横浜市・横須賀市からは撤退し、現在は京王電鉄(京王相模原線)の運行エリアでもある相模原市に営業区域を有している[1]。
概要
編集大手私鉄系のタクシー協同組合「東京私鉄自動車協同組合(私鉄協、現・私鉄協同無線センター)」に加盟し、長らく私鉄協の無線配車を使用してきたが、2020年2月より東京23区・武蔵野市・三鷹市内(都内特別区武三地区)のタクシー営業所では、東京四社営業委員会に加盟している京成グループの帝都自動車交通と業務提携を開始し、帝都自動車交通による無線配車に切り替えた[4][5][6]。
旧・日産サニー京王販売株式会社の運営母体でもあった。
事業内容
編集- タクシー事業 - タクシー・ハイヤー
- バス事業 - 貸切バス・特定バス
- 特定バス事業 - 企業従業員送迎、病院送迎、スクールバス、商業施設シャトルバス、京王グループの施設送迎(桜ヶ丘カントリークラブなど)ほか
- 自動車関連事業
- 不動産事業 - 商業ビル賃貸
ポイントサービス
編集「京王自動車個人会員」制度を設け、独自のポイントサービスを行っている[7]。
京王パスポートクラブの発行するクレジットカードの利用、記名PASMOと京王パスポートカード(現金専用カード含む)を紐付ける「京王PAS×PASポイントサービス」の利用により、個人会員ポイントと「京王パスポートポイント」の双方でポイントサービスを受けることも可能である[4]。
沿革
編集京王自動車成立まで
編集- 1941年(昭和16年)2月10日、東京郊外自動車株式会社として、現在の東京都府中市で車両32台で創業[9]。
- 1949年(昭和24年)
- 1955年(昭和30年)5月1日 - 京王帝都電鉄が『京王帝都 沿線たより』(現:京王ニュース)創刊号を発行[11]。
- 1958年(昭和33年)4月10日 - 京王自動車株式会社へ商号変更[9]。
- 1963年(昭和38年) - 東京都渋谷区恵比寿に整備工場を新設し自動車整備業を開始[9]。
事業拡大と統合
編集- 1956年(昭和31年)~1977年(昭和52年)- この間に複数のタクシー会社を買収して事業規模を拡大[9]。
- 1994年(平成6年)- 熱海京王自動車株式会社を売却[9]。第一交通産業グループの「熱海第一交通」となる。
- 1997年(平成9年)4月1日 - 京王自動車が、多摩京王自動車・神奈川京王自動車・京王ビル管理株式会社を吸収合併[10]。
- 2006年(平成18年)4月26日 - 警視庁と東京都の協力による防犯サービス「タクシーこども110番」に参加[10][12]。
- 2012年(平成24年)3月31日 - 氷川営業所(西多摩郡奥多摩町)を閉鎖。
- 2013年(平成25年)9月26日 - 妊産婦を対象としたサービス「はぴママサポートタクシー」[13]を運行開始[10]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年) - 京王自動車を母体とする「京王自動車グループ」として9社へ会社分割、車両運行業務を地域子会社へ分社化[9]。
- 2017年(平成29年)8月31日 - 「はぴママサポートタクシー」の累計登録件数が3万件を突破[17]。
- 2019年(令和元年)3月29日 - 京王自動車京浜(横浜・川崎営業所)を日本交通横浜へ譲渡。横浜市・川崎市から撤退。
- 2020年(令和2年)
- 2022年(令和4年)
- 8月1日 - タクシー・ハイヤーの地域子会社6社を京王自動車へ吸収合併する公告を発表[18]。
- 10月3日 - 京王自動車が、タクシー・ハイヤーの地域子会社6社を吸収合併。京王自動車グループの子会社はバス事業の子会社(京王自動車バスサービス)のみとなる。
タクシー営業区域
編集会社組織
編集タクシー・ハイヤー
編集本社はいずれも、東京都多摩市関戸2丁目37番地3に所在(京王自動車株式会社と同一)
- 京王自動車城南(法人番号:3012401031256)
- 京王自動車城西(法人番号:4012401031255)
- 京王自動車調布(法人番号:2012401031257)
- 京王自動車多摩北(法人番号:1012401031258)
- 府中営業所
- 昭島営業所
- 京王自動車多摩南(法人番号:9012401031259)
- 多摩中央営業所 - 多摩市南野
- 町田営業所
- 京王自動車多摩西(法人番号:7012401031260)
京王自動車バスサービス
編集京王自動車バスサービス株式会社として、貸切バス・特定バスを運行する。
- 京王バス南大沢営業所に隣接する。八王子ナンバーの地域である。
- 南多摩尾根幹線道路沿いの「多摩境通り北」バス停留所[21]付近に位置する。神奈川中央交通多摩営業所が近くにあり、同営業所が運行する橋76系統(橋本駅北口 - 神奈中多摩車庫)が当該バス停に停車する。多摩ナンバーの地域である。このため、同社のバスには多摩ナンバーで登録されている車両も存在する。
車両整備業務
編集車両
編集タクシー
編集タクシーは、日産自動車、トヨタ自動車の車両を導入している。旧・日産サニー京王販売株式会社の運営母体であった関係で、日産自動車製の日産・セドリックを主に導入してきたが、トヨタ・クラウンコンフォート、トヨタ・クラウンセダンも多数導入されている。かつては営業所により導入される車両のメーカーが異なっていた。
そのほか、ハイブリッドタクシーとしてトヨタ・プリウス、JPN TAXI、ワゴンタクシーとしてミニバンタイプのトヨタ・エスクァイア、ユニバーサルデザインタクシーとして車椅子対応の日産・NV200バネットのタクシー仕様を導入している。以前存在した氷川営業所には日産・セレナハイルーフも在籍した。
トヨタ・エスクァイアは京王プラザホテル(西新宿)の常駐車両のため一般乗車不可、ホテル利用者のみ乗車可能。
タクシー車両のボディカラーは黒色と、京王電鉄のCIカラーに合わせたアイボリー地に京王レッド・京王ブルーの2色ストライプの「京王電鉄カラー」の車両が存在する。ユニバーサルデザインタクシーの車両は、白色ベースに黄色の水玉模様の専用塗装となっている。
行灯は一部車種と都内武三地区のものを除き私鉄協仕様のものを使用する。2020年2月の帝都自動車交通との業務提携に伴い、都内武三地区の営業所の車両は、行灯が私鉄協から帝都自動車交通のものへ交換され、京王電鉄カラーの車両も黒へ塗色変更される。
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タクシー車両(セドリック)
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教育訓練車(クラウンコンフォート)。経年車を自家用ナンバーで再登録して転用。
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かつて存在したC24型セレナハイルーフ
バス
編集バスは、日野自動車の車両を導入している[22]。過去にはいすゞ自動車のガーラミオ(初代LR)など、他メーカーの車両を導入していた時期もあった。バスには2桁数字の社番が付与され、車両を代替した場合は社番も置き換えられる。
大型バスは日野・セレガ(2代目)、セレガRで、セレガはハイデッカーサロンバス、ハイデッカーショート、セレガRは車椅子用リフト付きバスが在籍する[22]。2018年には日野・セレガ(ハイデッカー)の車椅子用リフト付きバスが導入された。
中型バスは日野・メルファ、日野・レインボーII、小型バスは日野・リエッセ、マイクロバスは日野・リエッセIIが在籍する[22]。
2017年のモデルチェンジに対応し、中型車はレインボー(2代目KR)、マイクロバスはリエッセII(2代目B60・B70系)も導入された。いずれも京王グループでは初の導入となり、京王電鉄バスグループより先に納入された。2019年からはポンチョ(2DG-HX9JLCE)が導入され、リエッセの経年車を置き換えている。
ボディカラーは、京王電鉄バスグループの高速バス車両に合わせているが、「KEIO」ロゴの直後の文字が「Highway Express」ではなく「Shuttle Express」となっている[22]。冠婚葬祭にも対応できるよう帯色を青とグレーに変えた車両も在籍する[22]。
このほか、メルファやリエッセIIには、京王バスの昔のワンロマカラーを模した柄のセピア色基調の車両もある。また送迎バス専用車両には、委託元の企業や施設などに合わせた各種専用カラーの車両も存在する[23]。
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貸切バス 大型車(セレガ)
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車椅子用リフト付きバス(セレガ)
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特定バス 中型車(メルファ)
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貸切バス 小型車(リエッセ)
青とグレーの帯色の車両
ボートレース多摩川シャトルバス専用車
編集多磨霊園駅・府中本町駅を発着する多摩川競艇場(ボートレース多摩川)の無料シャトルバス[24]には専用の中型車が使用され、マスコットキャラクターのカワセミ「ウェイキー」、萌えキャラの「静波まつり」[25]のイラストがラッピングされている。
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ボートレース多摩川シャトルバス専用車
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ボートレース多摩川シャトルバス
(ウェイキー) -
ボートレース多摩川シャトルバス
(静波まつり)
多摩テック無料送迎バス専用車
編集かつては多摩テックの無料送迎バスを運行しており、京王自動車が閉園まで担当した。無料送迎バスは、1997年に多摩テック内に天然温泉「クア・ガーデン」がオープンしたことから運行開始され、多摩動物公園駅と「クア・ガーデン」を結んでいた。
運行開始時は京王帝都電鉄(現:京王バス多摩営業所)が担当し、専用カラーの日野・リエッセ(K69703号車、KC-RX4JFAA、1997年式)が用意された[26]。のち京王自動車へ移管され、専用カラーのリエッセ(京王自動車58号車)が使用された。京王バスのリエッセと車両・カラーリングは異なる。
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多摩テック無料送迎バス専用車(58号車)
その他
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k “会社情報”. 京王自動車株式会社. 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b c 京王自動車株式会社 第105期決算公告
- ^ 事業者一覧 一般社団法人東京バス協会 東京の貸切バス
- ^ a b c d “京王タクシーが変わります! | 加盟店ニュース | 京王パスポートクラブ”. www.keio-passport.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b c 東京私鉄自動車協同組合の共同配車事業の終了に関するおしらせ 京王自動車 - 2019年9月17日
- ^ a b タクシー業務提携に係る協定書の締結について 京王自動車 - 2019年9月17日
- ^ “個人会員のご案内|タクシー|京王自動車株式会社”. www.keiotaxi.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
- ^ “株主優待制度|京王グループ”. www.keio.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g “2019年京王ハンドブック データ集:年表”. 京王グループ (2019年8月). 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b 『京王帝都 沿線たより』第1号1面、京王帝都電鉄、昭和30年(1955年)5月1日発行。
- ^ “CSR活動(タクシーこども110番)”. 一般社団法人 東京ハイヤー・タクシー協会. 2020年5月30日閲覧。
- ^ “はぴママサポートタクシー”. 京王自動車株式会社. 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b 横須賀地区タクシー事業の譲渡に関するお知らせ 京王自動車 - 2015年6月9日 (PDF)
- ^ “小学生向けのタクシーサービス「はぴチルサポートタクシー」の受け付けを開始しました。”. 京王自動車株式会社 (2015年7月16日). 2020年5月30日閲覧。
- ^ “PASMO Suica など交通系ICカードでのお支払が可能になりました!”. 京王自動車株式会社 (2015年12月10日). 2020年5月30日閲覧。
- ^ “はぴママサポートタクシーの累計登録件数が30,000件を突破しました!”. 京王自動車株式会社 (2017年8月31日). 2020年5月30日閲覧。
- ^ 会社合併のお知らせ(合併公告) 京王自動車株式会社、2022年8月1日
- ^ a b 京王自動車バスサービス株式会社の情報 法人番号公表サイト、国税庁
- ^ “京王自動車バスサービス株式会社多摩境営業所”. goo地図. 2022年5月5日閲覧。
- ^ “「多摩境通り北」の時刻表/バス乗換案内/路線図/地図”. NAVITIME. 2020年5月30日閲覧。
- ^ a b c d e 貸切バス 京王自動車公式サイト
- ^ 特定バス 京王自動車公式サイト
- ^ “交通ガイド”. ボートレース多摩川オフィシャル. 2020年5月30日閲覧。
- ^ “静波まつりプロフィール”. ボートレース多摩川オフィシャル. 2020年5月30日閲覧。
- ^ 『バスジャパン ニューハンドブックシリーズ 27 京王電鉄 京王バス 西東京バス』pp.44-45、BJエディターズ/星雲社、1999年4月1日。ISBN 4-7952-7783-4
- ^ 京王自動車工業株式会社
参考文献
編集- 『バスジャパン ニューハンドブックシリーズ 27 京王電鉄 京王バス 西東京バス』BJエディターズ/星雲社、1999年4月1日。ISBN 4-7952-7783-4
関連項目
編集- 京王グループ
- 京王電鉄
- 京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター - 別館「せいせきさくらゲート」に本社が入居
- 京王電鉄バス
- 京王バス南・南大沢営業所 - バス営業所が隣接
- 私鉄協同無線センター(私鉄協、旧・東京私鉄自動車協同組合)
- タクシー・ハイヤー
- 貸切バス・特定バス