大法院 (大韓民国)

大韓民国の最高裁判所
大韓民国大法院から転送)

大法院(だいほういん、대한민국 대법원英語: Supreme Court of Korea)は、大韓民国最高裁判所であり、三権の一つである司法権の最高機関。

大法院
대법원

大法院
組織の概要
設立年月日1948年5月4日
継承前組織
本部所在地大韓民国の旗 韓国ソウル特別市瑞草区瑞草大路219
北緯37度29分32.7秒 東経127度00分19.1秒 / 北緯37.492417度 東経127.005306度 / 37.492417; 127.005306
行政官
下位組織
  • 高等法院
  • 地方法院
  • 特許法院
ウェブサイトhttps://www.scourt.go.kr/scourt/
大法院の役割

概要

編集

韓国では、司法権を有する裁判所(司法府)を法院법원)と呼ぶ。最高裁判所大法院대법원)と呼ばれ、首都であるソウル特別市瑞草区に所在している(2024年時点)。大法院の下には高等法院고등법원高等裁判所)があり、5つの主要都市に置かれている。高等法院の下には地方法院지방법원地方裁判所)があり、全国に配置されている。他に、家庭法院가정법원家庭裁判所)も存在する。刑事事件は最初に地方法院で扱われ、三審制が採られている。なお、各裁判所の設置場所は以下の通り。

司法分野では、特別裁判所である憲法裁判所による憲法裁判の制度も定められており、以下のような機能を果たしている。

  1. 他の裁判所から求められた場合に、法律の合憲性を判断する(違憲立法審査権)。
  2. 国会で弾劾訴追された場合に、大統領国務総理国務委員、行政各部の長、憲法裁判所裁判官、法官、中央選挙管理委員会委員、監査院長、監査委員その他法律が定めた公務員の弾劾裁判を実施する(大統領の弾劾裁判の詳細は大統領 (大韓民国)#弾劾参照)。
  3. 政党への解散命令を出す。
  4. 国家権力が、憲法で国民に保障した基本権を侵害する場合に、その行為の合憲性を判断する(憲法訴願審判)。
大法院

大法院は、「法院組織法」第4条2項に基づき、大法院長(日本の最高裁長官に相当)を含む14人の大法官(裁判官)で構成されている。大法院には、司法行政事務を管掌する法院行政処が設置されており、全裁判官の人事と、司法府の行政を管轄している。現在は、第16代大法院長の金命洙(キム・ミョンス)が司法府を率いている。

大法院長は国会の同意を得て大統領が任命し、任期は6年で重任できない。国会議長、大統領(または首相)、大法院長を「三府要人」(日本の三権の長に相当)という。

大法院長

編集
# 氏名 任期 憲政期 備考
1 金炳魯 1948年8月 - 1957年12月 第一共和国  
2 趙容淳朝鮮語版 1958年6月 - 1960年5月 同上  
3 趙鎮満朝鮮語版 1961年6月 - 1964年1月 第二共和国軍政期第三共和国  
4 1964年1月 - 1968年10月 同上  
5 閔復基朝鮮語版 1968年10月 - 1973年3月 同上→第四共和国  
6 1973年3月 - 1978年12月 同上  
7 李英燮朝鮮語版 1979年3月 - 1981年4月 同上→第五共和国  
8 兪泰興 1981年4月 - 1986年4月 同上  
9 金容喆朝鮮語版 1986年4月 - 1988年6月 同上→第六共和国  
10 李一珪 1988年7月 - 1990年12月 同上  
11 金徳柱朝鮮語版 1990年12月 - 1993年9月 同上  
12 尹錧朝鮮語版 1993年9月 - 1999年9月 同上  
13 崔鍾泳朝鮮語版 1999年9月 - 2005年9月 同上  
14 李容勲朝鮮語版 2005年9月 - 2011年9月
15 梁承泰朝鮮語版 2011年9月 - 2017年9月  
16 金命洙 2017年9月 - 2023年9月  
17 曺喜大英語版 2023年12月 -  

最近の動き

編集
  • 2019年1月、徴用工訴訟介入疑惑で梁承泰を逮捕[1]。同年2月、起訴される[2]。韓国大法院長経験者の逮捕と起訴は、初の事例。

その他

編集
 
旧最高裁判所。1995年に現在地に移転するまで使われた。元は日本統治時代の京城司法庁舎で、現在はソウル市立美術館(大韓民国登録文化財237号)

脚注

編集

出典

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集

座標: 北緯37度29分32.7秒 東経127度0分19.7秒 / 北緯37.492417度 東経127.005472度 / 37.492417; 127.005472