南九州ファミリーマート
株式会社南九州ファミリーマート(みなみきゅうしゅうファミリーマート)は、日本のコンビニエンスストア業界2位の全国チェーンである株式会社ファミリーマートと、株式会社本坊商店の合弁で1993年4月に設立されたエリアフランチャイズ会社である。
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 南九州ファミマ |
本社所在地 |
日本 〒890-0067 鹿児島県鹿児島市真砂本町3番67号 |
設立 | 1993年4月12日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 1340001004122 |
事業内容 | コンビニエンスストア事業 |
代表者 |
飯塚隆 (代表取締役社長) |
資本金 |
8,000万円 (2021年2月28日現在) |
売上高 | 705億円(2021年2月期) |
決算期 | 2月末日 |
主要株主 |
株式会社本坊商店 51% 株式会社ファミリーマート 49%[1] |
外部リンク | http://www.mfamily.co.jp/ |
特記事項:ファミリーマートの持分法適用会社 |
概要
編集1993年4月、本坊商店が得意先である酒販店などの店舗活性化を支援する目的にファミリーマートとの合弁で南九州ファミリーマートを設立[2]。
鹿児島エリアで店舗展開数が第一位である。エリア内でも近接で自社の競合店が数多く存在する為、鹿児島市圏や一部のテスト販売エリアを中心に実験店舗を手掛け、差別化戦略を実践している。このうちいずみ大野原店はテスト販売品を中心に通常の倍のアイテムを取り扱う。一部ではセルフ給油のガソリンスタンドとの組み合わせ店舗も実験中である。
ドルフィンポート店は、鹿児島の観光土産や地域限定商品を充実させていたが2020年3月下旬で閉店。
2011年9月までに鹿児島県内のファミリーマートの内、よかど鹿児島/S店(2020年5月開業)および店舗スペースの関係上ATMを設置できない店舗を除く全店舗に鹿児島銀行ATM(通年7:00~23:00稼働)の設置が完了している[3]。
ただし、JR九州の鉄道駅構内に所在する店舗(キオスクが前身の鹿児島中央駅改札口店やJR川内駅店を除き元生活列車)やドラッグイレブンとの合同運営店舗はJR九州リテールが当社と契約することで運営する形を採っているため、店名文字の前に付くJR九州リテールのシンボルマークは原則として付けていない。
沿革
編集- 1993年4月 - 本坊商店とファミリーマートの合弁により設立。
- 1993年6月 - 鹿児島県に出店。
- 1994年9月 - 宮崎県に出店。
- 1995年10月30日 - 橘ストアーからコンビニエンスストア9店舗の営業権を取得[4][5]。
- 1996年5月 - チェーン店舗数100店舗達成。
- 1997年10月 - チェーン店舗数150店舗達成。
- 1999年8月 - チェーン店舗数200店舗達成。
- 2003年4月 - 創立10周年。
- 2006年3月 - 宮崎県内の各店舗にEdyを導入。
- 2006年4月 - 鹿児島県内の各店舗にEdyを導入。
- 2007年7月 - 全店舗にiDを導入。
- 2008年4月 - 創立15周年・ベルマーク活動に参加。
- 2009年10月 - 全店舗にWAONを導入。
- 2009年12月 - 宮崎銀行との提携により、コンビニATM・イーネットを宮崎県内の店舗に設置開始。
- 2011年9月 - 鹿児島銀行ATMの鹿児島県内の全店舗設置完了。
- 2013年2月 - チェーン店舗数300店舗達成。
- 2013年4月 - 創立20周年。
- 2015年12月 - 親会社ファミリーマートとココストアの合併。
- 鹿児島県・宮崎県でココストア及びエブリワンの名称にて展開していた店舗は順次ファミリーマートにブランド変更し南九州ファミリーマートに運営を移管。移管第一号店舗は12月10日同時開店した旧エブリワン店舗の紫原中学校前店と山田店。
- 2016年6月15日 - 鹿児島県の離島地域(種子島・奄美大島・徳之島)にてエブリワンとして展開していた店舗をファミリーマートにブランド変更し、同日開店。1号店は名瀬港町店(奄美市)と亀津南店(徳之島町)。同年8月3日までに残り10店舗をオープンさせる予定[6][7][8]。
- 2020年5月13日 - 完全キャッシュレス店舗であるよかど鹿児島/S店をオープン。
出店している市町村
編集鹿児島、宮崎県に合計408店舗展開する。(2017年12月末現在)[9]。2016年6月にはエブリワンからの転換店舗として鹿児島県離島地域にも出店を果たした。
鹿児島県
編集281店舗
宮崎県
編集127店舗
特徴のある店舗
編集- 鹿児島県離島地域(種子島・奄美大島・徳之島)の店舗 - エブリワン時代と同様に店内調理を実施。店内で調理されたパンや弁当、ばくだんおにぎりなどを販売している[7][8]。
- 桜島店(鹿児島県鹿児島市) - 店舗の看板などを桜島の景観を損なわないために、通常のファミマカラー(緑と青)ではなく、白色と茶色。2007年7月19日開店。
- サンレックス流通団地店(鹿児島県鹿児島市) - 鹿児島トラックステーションに併設。
- PLACE城西店(鹿児島県鹿児島市) - TSUTAYAPLACE城西店との複合店舗。以前は隣接していたが、新装開店に伴い1階がBooksTSUTAYAと併設となった(南港店と違い仕切がない)。2011年12月2日リニューアルオープン。
- よかど鹿児島/S店 - 2020年5月に全面開業した鹿児島銀行新本店ビル内の商業施設よかど鹿児島にテナントとして5月13日[注 1]にオープンした[10]。4年越しではあるが、後述の金生町店の後継で現金の取り扱いを廃した完全キャッシュレス店舗、セルフレジも設置[11]。この形態のため、Famiポートやマルチコピー機は設置されておらず、現金決済専用の各種料金やPOSAカードの販売は行われていない。鹿児島銀行が運営する商業施設のテナントのため、開業当初から鹿児島銀行が管理するスマホ決済サービスの『Payどん』が既に導入されている[注 2]。
- 宮崎橘通店(宮崎県宮崎市)- 宮崎銀行橘通支店の一角に出店[12]。
過去
編集- 金生町店(鹿児島県鹿児島市)- 鹿児島銀行本店の一角に出店[13]していた、当店舗と銀行との行き来が可能だった。敷地の再開発に伴い2016年8月31日朝7時に閉店。
- ドルフィンポート店 - 鹿児島港北埠頭の本港新町にある観光客向けの複合商業施設内にあるため、他店には見られない独自の観光みやげコーナーが併設されていた[注 3]。入居施設の営業終了に伴い2020年3月下旬に閉店。
- 南港店(鹿児島県鹿児島市) - TSUTAYA南港店との複合店舗。2007年12月5日開店、2018年8月31日をもってTSUTAYA部分と共に閉店。建物を取り壊し後、2019年2月28日に単独店舗として再出店している[注 4]。
南九州ファミリーマートにおける独自の展開・問題点
編集以下に挙げるものは、JR九州リテール運営の鹿児島中央駅東口店および鹿児島中央駅店、JR宮崎駅店(いずれも元・生活列車)、JR川内駅店も同様である。
県外のファミリーマートよりも先行したもの
編集- ファミリーマートに先行して楽天Edy(当時Edy)決済を2006年4月24日に一斉導入した[14](ファミリーマート内での導入は沖縄ファミリーマート(2005年8月)に次いで2番目、2007年7月に全国展開[15])。
地域限定商品・企画商品
編集- ローカル性が非常に強い土地柄を加味して、シーズン中のみ山形屋のお中元とお歳暮のギフト商品のカタログ販売を鹿児島県と宮崎県の各店舗で受け付けている(全国一斉キャンペーンの三越のお中元・お歳暮も並行して行う)。
- 鹿児島・宮崎地域限定の弁当・おにぎり・お惣菜・スナック菓子・アイスデザート等を両県を中心とした地元マスコミ[注 5]とタイアップして数多くキャンペーン販売を行い成果を上げている。
- ファミマカフェのコーヒーにはドリップ方式とエスプレッソ方式と2つのタイプを備え付けている(ただ、2020年現在、エスプレッソ方式に一本化した店舗も一部存在する)。現在ではカフェラテやフラッペなどを含め10~13種類のレパートリーがある。以前はレパートリーが非常に少なく、他地域に追い付くまで2年近くを要した。
問題点(未展開商品・他地域との格差)
編集前述のとおり、オリジナル商品を展開する一方で鹿児島・宮崎地域でのみ未展開、あるいは結果的に展開されたものの他地域より大幅に遅れたケースも多々存在(下節も参照)する。とくにチルド系の中華麺やスイーツにおいてはこの傾向が顕著に表れている。
- am/pmが展開していたとれたてキッチン(フローズン弁当)を引き継ぎ、2012年から展開していた冷凍中食「フレッシュフローズン」[注 6]は鹿児島・宮崎に加えて北海道ファミリーマート(解散)と沖縄ファミリーマートの運営する店舗でも展開されなかった[16]。
- ファミマカフェのうちカフェフラッペは10か月遅れの2015年4月から販売を開始したものの、抹茶とマンゴーオレンジを展開していなかった。その後、他地域より約1年遅れの2016年5月頃から一部店舗で販売を開始し、当該店舗ではストロベリーフラッペ等も他地域と同時に展開を開始している(マンゴーオレンジ、ストロベリーフラッペ等については後に全国的に展開を終了)[17][18]。
- サークルKサンクス(南九州サンクス含む)で展開していた「窯出しとろけるプリン」[19]を「窯焼きとろけるプリン」と改めた上で2016年12月からファミリーマートの店舗でも展開を開始したが、2017年1月時点で北海道のファミリーマートの店舗・南九州ファミリーマート・沖縄ファミリーマートの店舗での展開を行っていなかった[20]。その後同年5月中旬の当商品の「窯出しとろけるプリン」への再リニューアルを機に約半年遅れで展開した[注 7]。
- 2017年6月27日から、ファミリーマートではサークルKサンクス(南九州サンクス含む)で販売されていた焼き鳥の販売を開始[21]したが、それ以前から当社では独自に焼き鳥を販売していた[22]都合上、独自仕様の焼き鳥の販売が2018年5月頃まで継続されていた。(ファミリーマート (企業)も参照)
- 上記の常設の商品とは別にキャンペーン[23][24]や限定商品の一部[25]でも同様の事案が発生している。
ATM
編集鹿児島県のATM設置店舗
編集- 令和2年11月時点のATM総設置店舗数
鹿児島県内の店舗に設置している銀行ATMが鹿児島銀行(機器管理元は設置店舗近隣の本支店)のものであるため、他地域で設置されているイーネット・ゆうちょ銀行のATMとはサービス状況が異なる(JR九州リテール運営の鹿児島中央駅東口店・鹿児島中央駅店(どちらも元生活列車)・川内駅店・元ココストア・エブリワンの店舗も同様)が、同行はMICSに加盟しているためみずほ銀行などの都市銀行や信用金庫・信用組合およびろうきんなども一定の条件にて利用できる。
平日8:45〜18:00は現金引出しの手数料は取らず、一般の同行のATMより稼働時間が延長されている(全日7:00〜23:00)。
ATM | 総設置店数 | 相互開放金融機関 | 備考 |
---|---|---|---|
鹿児島銀行 | ほとんどの店舗 | 九州ATMネットワーク内の金融機関・ JAバンク鹿児島 |
鹿児島銀行の通帳利用およびキャッシュカードによる肥後銀行・宮崎銀行の入金が可能。 非接触IC媒体・生体認証(指静脈)対応ATM |
※はとや牧園店のみJAバンクATMが屋外敷地内に設置され、JAバンク鹿児島の通帳利用・三菱UFJ銀行が可能となっていたが後に撤去され、並行されて店内に設置されていた鹿児島銀行ATMに一本化された。
宮崎県のATM設置店舗
編集かつては宮崎銀行店舗外ATMが設置されていたが、すべてイーネットのものに転換。
関連項目
編集- JR九州リテール - 九州地方のファミリーマートエリアフランチャイザー。鹿児島・宮崎両県ではJR九州の駅構内店舗のみ同社が担当している。[26][27]
- 鹿児島綜合警備保障(ALSOK) - 綜合警備保障の鹿児島県の連盟会社、鹿児島県内の店舗(一部店舗を除く)の機械警備を担当している。
- DJ POCKY(DJ(ラジオパーソナリティ)、元JOYFMアナウンサー、本名:坂元誠一) - 九州地方を中心に活動しているディスクジョッキー。
- ファミラジ (μFM・JOYFM) - DJ POCKYがパーソナリティーを担当している単独提供のラジオ番組。
- 野口たくお(MBCタレント) - 鹿児島・宮崎限定の『いちきポンカレー』(既に販売終了)のCMに出演していた。
- 薩摩剣士隼人 - 2013年春より南九州サンクス(※2013年8月のエリアフランチャイズの契約満了に伴い会社清算。)に代わってスポンサーをつとめている。
- コンビニATM
- 鶴田玲美 - 所属の陸上競技選手(短距離走)
脚注
編集注釈
編集- ^ 当初は同日にオープンする予定だったが2019新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言の関係で商業エリアのみ開業を延期していた。
- ^ 2021年7月15日からはジェーシービーが提供する『Smart Code』の形式でファミリーマートの全国全店舗で導入された。当店のみに導入されていた時期(2021年7月14日まで)は、有人レジのみかつQRコードの客側からの読み込みによるものだった。
- ^ 当店に留まらず、この形態は鹿児島空港内や、JR九州リテール系列の店舗で診られる。
- ^ 店舗名は鹿児島南港店へ変更
- ^ 特にTBS系列のmrt宮崎放送およびMBC南日本放送が力を入れている。
- ^ 展開終了時期不明
- ^ 2020年8月18日以降「コク旨とろけるプリン」へリニューアル
出典
編集- ^ 「関係会社の状況」『株式会社ファミリーマート 有価証券報告書 ‐ 第33期』
- ^ 「本坊商店、店舗活性化で子会社 ファミリーマートと組む。」『日本経済新聞』1993年04月01日
- ^ 「鹿児島銀のATM、県内のファミマ、ほぼ全店に設置。」『日本経済新聞』2011年04月07日
- ^ “南九州ファミリーマート、橘ストアーのコンビニ営業権、9店すべて取得。”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社. (1995年10月31日)
- ^ “地元コンビニ買収 南九州ファミリーマートが全9店舗 順次切り替え”. 日経流通新聞. 日本経済新聞社. (1995年11月2日)
- ^ “南九州ファミリーマートが鹿児島県離島(奄美大島・徳之島・種子島)に初出店!”. 南九州ファミリーマート. 2016年6月15日閲覧。
- ^ a b 「鹿県離島初のファミマ開店 奄美市・徳之島町」『南日本新聞』2016年6月16日8面。
- ^ a b 「商品種類 従来の1.5倍に ファミマ、県内離島初出店 名瀬港町店・亀津南店 多くの人でにぎわう」『奄美新聞』2016年6月16日9面。
- ^ 『2014年度決算報告及び、常勤役員人事変更のお知らせ』(プレスリリース)南九州ファミリーマート、2015年5月12日 。2015年5月16日閲覧。
- ^ “「共同利用型KeyMan」の全面稼動について” (PDF). 株式会社鹿児島銀行 (2020年3月24日). 2020年4月10日閲覧。
- ^ “「よかど鹿児島」に初の完全キャッシュレス店舗 南九州ファミリーマート”. 南日本新聞. (2020年5月15日). オリジナルの2020年6月21日時点におけるアーカイブ。 2020年6月21日閲覧。
- ^ “宮崎県で初となる宮崎銀行内出店!ファミリーマート「宮崎橘通店」開店のご案内”. 南九州ファミリーマート. (2015年11月13日) 2015年12月19日閲覧。
- ^ “銀行の中にコンビニ-鹿児島銀行本店に「ファミマ」出店”. 鹿児島経済新聞. (2013年1月15日) 2015年12月19日閲覧。
- ^ “南九州ファミリーマート店舗で電子マネー“Edy”を導入”. 南九州ファミリーマート. 2018年2月6日閲覧。
- ^ “ファミリーマート全店で電子マネー“Edy”を導入〜 全都道府県のファミリーマートで“Edy”をご利用いただけるようになります 〜|ニュースリリース|ファミリーマート”. ファミリーマート. 2018年2月6日閲覧。
- ^ “2012年06月25日冷凍中食「フレッシュフローズン」全国に展開を拡大|ニュースリリース|企業情報|FamilyMart”. ファミリーマート. 2015年11月28日閲覧。
- ^ “カフェフラッペ”. ファミリーマート. 2015年11月28日閲覧。
- ^ “コーヒー・フラッペ(ファミマカフェ)|商品情報|FamilyMart”. ファミリーマート. 2015年11月28日閲覧。
- ^ 窯出しとろけるプリン|シェリエドルチェ|WAKUWAKUタウン|サークルKサンクス(ウェブ魚拓、2017年1月8日閲覧)
- ^ 窯焼きとろけるプリン|洋菓子|商品情報|FamilyMart(ウェブ魚拓、2017年1月8日閲覧)
- ^ “ファミマが年2億本「焼き鳥」販売を狙うワケ 看板商品を"承継"、販促手法も大幅見直し”. 東洋経済オンライン. (2017年6月6日) 2018年8月9日閲覧。
- ^ 焼鳥 全品 10円引き(FT会員の方は20円引き)(南九州ファミリーマートFaceBook 2018年8月9日)
- ^ “パンメーカー対抗!第2回うまいパン決定戦|キャンペーン|ファミリーマート”. ファミリーマート. 2020年1月18日閲覧。
- ^ “ファミリーマート/加盟店利益1位は「パン」メーカー9社とうまいパン決定戦”. 流通ニュース. (2020年1月17日) 2020年1月18日閲覧。
- ^ 『[https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000601.000006792.html eStream、人気VTuber全35組のオリジナルカード付きチップス「VTuberチップス2」の発売を決定! ~カードコンプリートセットがもらえるTwitterキャンペーンを本日5月28日(木)から開始~]』(プレスリリース)PR TIMES、2020年5月28日 。2020年6月21日閲覧。
- ^ JR九州リテール公式HP。新店舗一覧にて宮崎駅店を紹介2016年11月20日閲覧。
- ^ JR九州リテール公式HP。会社案内にて『鹿児島支店』を掲載2016年11月20日閲覧。