伊佐市
伊佐市(いさし)は、鹿児島県の北部に位置する市である。北に熊本県、東に宮崎県と県境を接し、九州本土では鹿児島県の最北に位置する[1]。
いさし 伊佐市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 鹿児島県 | ||||
市町村コード | 46224-1 | ||||
法人番号 | 3000020462241 | ||||
面積 |
392.56km2 | ||||
総人口 |
22,122人 [編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||
人口密度 | 56.4人/km2 | ||||
隣接自治体 |
出水市、姶良郡湧水町、薩摩郡さつま町 宮崎県えびの市 熊本県:水俣市、人吉市、球磨郡球磨村 | ||||
市の木 | ひのき | ||||
市の花 | さくら | ||||
伊佐市役所 | |||||
市長 | 橋本欣也 | ||||
所在地 |
〒895-2511 鹿児島県伊佐市大口里1888番地 北緯32度03分25秒 東経130度36分47秒 / 北緯32.05703度 東経130.61292度座標: 北緯32度03分25秒 東経130度36分47秒 / 北緯32.05703度 東経130.61292度 伊佐市役所 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
地理
編集伊佐市は鹿児島県の北端の内陸部、県庁所在地の鹿児島市から北へ約75キロメートルの場所に位置し、川内川が市を縦断する。周囲を九州山地に囲まれ[1]、中心市街地は大口盆地の一部を成しており、標高は180メートル前後である。
気候
編集九州型の太平洋側気候であり、夏季の降水量が非常に多い。南九州であるものの、周りを険しい山に囲まれた内陸盆地となっているために1 - 2月は冬日になることが普通である。1月の平均気温は4.6℃で、同じく盆地に位置する京都市(4.8℃)よりも寒い。そのため、「鹿児島の北海道」と言われることがある[2]。2016年(平成28年)1月25日には大口アメダス(標高175メートル)において低地での九州の最低気温(気象官署・アメダス)となる-15.2℃を記録した。
大口(旧・大口町)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 22.1 (71.8) |
24.4 (75.9) |
26.3 (79.3) |
30.1 (86.2) |
34.0 (93.2) |
35.4 (95.7) |
37.2 (99) |
37.6 (99.7) |
36.4 (97.5) |
32.8 (91) |
28.2 (82.8) |
24.0 (75.2) |
37.6 (99.7) |
平均最高気温 °C (°F) | 10.6 (51.1) |
12.3 (54.1) |
15.9 (60.6) |
20.9 (69.6) |
25.3 (77.5) |
27.2 (81) |
31.1 (88) |
32.0 (89.6) |
29.4 (84.9) |
24.7 (76.5) |
18.9 (66) |
13.0 (55.4) |
21.8 (71.2) |
日平均気温 °C (°F) | 4.6 (40.3) |
6.0 (42.8) |
9.5 (49.1) |
14.2 (57.6) |
18.7 (65.7) |
22.2 (72) |
26.0 (78.8) |
26.3 (79.3) |
23.4 (74.1) |
17.8 (64) |
11.9 (53.4) |
6.4 (43.5) |
15.6 (60.1) |
平均最低気温 °C (°F) | −1.0 (30.2) |
0.1 (32.2) |
3.3 (37.9) |
7.7 (45.9) |
12.7 (54.9) |
18.2 (64.8) |
22.2 (72) |
22.4 (72.3) |
18.9 (66) |
12.1 (53.8) |
5.9 (42.6) |
0.7 (33.3) |
10.3 (50.5) |
最低気温記録 °C (°F) | −15.2 (4.6) |
−10.2 (13.6) |
−7.7 (18.1) |
−4.2 (24.4) |
2.0 (35.6) |
6.8 (44.2) |
14.4 (57.9) |
15.2 (59.4) |
6.2 (43.2) |
−1.0 (30.2) |
−4.5 (23.9) |
−8.7 (16.3) |
−15.2 (4.6) |
降水量 mm (inch) | 77.4 (3.047) |
123.0 (4.843) |
169.9 (6.689) |
200.7 (7.902) |
236.6 (9.315) |
625.8 (24.638) |
538.4 (21.197) |
275.0 (10.827) |
257.7 (10.146) |
101.0 (3.976) |
101.9 (4.012) |
92.4 (3.638) |
2,799.8 (110.228) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 8.6 | 9.6 | 12.2 | 10.9 | 10.4 | 16.7 | 14.7 | 13.3 | 11.4 | 7.4 | 8.7 | 8.7 | 132.7 |
平均月間日照時間 | 135.5 | 139.8 | 165.6 | 176.3 | 178.3 | 105.2 | 158.5 | 182.8 | 161.2 | 178.1 | 151.9 | 138.2 | 1,872.7 |
出典:気象庁 |
隣接している自治体
編集人口
編集伊佐市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 伊佐市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 伊佐市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
伊佐市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
地名
編集旧・自治体に合わせ旧自治体の大字に「大口」・「菱刈」を冠称するが、大字は付かない。
- 大口(旧・大口市)
- 青木
- 牛尾
- 大田
- 木ノ氏
- 里
- 篠原
- 原田
- 目丸
- 大島(旧・羽月村)
- 金波田(旧・羽月村)
- 川岩瀬(旧・羽月村)
- 下殿(旧・羽月村)
- 白木(旧・羽月村)
- 田代(旧・羽月村)
- 鳥巣(旧・羽月村)
- 堂崎(旧・羽月村)
- 宮人(旧・羽月村)
- 小川内(旧・山野町)
- 小木原(旧・山野町)
- 平出水(旧・山野町)
- 渕辺(旧・山野町)
- 山野(旧・山野町)
- 曽木(旧・西太良村、合併時に里から改称)
- 針持(旧・西太良村)
- 上町(住居表示実施により里から分立して発足。年不詳)
- 元町(住居表示実施により里から分立して発足。年不詳)
- 菱刈(旧・菱刈町)
- 市山
- 川北
- 重留
- 下手
- 田中
- 徳辺
- 花北
- 前目
- 荒田(旧・本城村)
- 川南(旧・本城村)
- 南浦(旧・本城村)
歴史
編集伊佐市発足以前
編集大口地方は、古くから牛屎院、牛山院と呼ばれていた。永禄12年(1569年)に新納忠元が大口地頭となった前後の頃から大口と呼ばれるようになる。その後島津氏の直轄地となり明治維新を迎え、明治20年には郡役所が大口に設置され、明治22年には市町村制実施により大口村・山野村・羽月村となる。さらに大正7年には大口村が、昭和15年には山野村が町制を施行する。その後、昭和29年には伊佐郡の内、大口町・山野町・羽月村そして西太良村が合併して大口市として発足。
菱刈地方は、続日本紀の天平勝宝7歳(755年)五月の項に「大隅国菱苅村」に郡家を建てることを許可した旨の記録がある[3]。本城・馬越・湯之尾・曽木をもって太良院と言われていた。その後廃藩置県により鹿児島県に所属し、明治22年の市町村制実施により菱刈村と太良村ができる。明治24年太良村は東太良村と西太良村に分割され、さらに大正14年に東太良村を本城村と改名。昭和15年には菱刈村が町制を実施し、昭和29年には菱刈町と本城村が合併し、菱刈町となる[4]。
伊佐市発足の経緯
編集「平成の大合併」の動きにあわせ、2000年代初頭に大口市と菱刈町で合併協議会を立ち上げ、新市名を「伊佐市」と決定したが、菱刈町で実施された住民投票において反対が賛成を上回ったために合併は実現せず、2005年(平成17年)5月に合併協議会も解散した。その後、両自治体では2006年(平成18年)8月28日に改めて伊佐地区合併協議会を立ち上げ、新市名を前代の協議会と同じく「伊佐市」とする新設合併で合意に至った。2007年(平成19年)12月26日には鹿児島県知事より廃置分合(合併)決定書の交付、2008年(平成20年)1月30日に総務大臣による告示を経て同年11月1日に合併した。
姉妹都市
編集海外
編集国内
編集行政
編集市役所
編集- 大口庁舎(旧・大口市役所、本庁) - 鹿児島県伊佐市大口里1888番地
- 菱刈庁舎(旧・菱刈町役場) - 鹿児島県伊佐市菱刈前目2106番地
県の行政機関
編集国の行政機関
編集経済
編集産業
編集- 農業
- 工業
- 電子工業
- 鉱業
伊佐市に本社を置く企業
編集- 甲斐商店
- 大口酒造
- 大山酒造
- 大口電子
地域
編集学校教育
編集公立高等学校
編集私立高等学校・中学校
編集公立中学校
編集公立小学校
編集交通
編集空港
編集- 最寄りの空港は鹿児島空港。
鉄道
編集市内に鉄道駅はない。最寄り駅は栗野駅(旧・菱刈町域)または新水俣駅(旧・大口市域)。
鉄道(廃止路線)
編集かつては山野線および宮之城線が、旧・大口市の代表駅である薩摩大口駅から鹿児島本線(現・肥薩おれんじ鉄道)の水俣駅・川内駅、肥薩線の栗野駅の各駅へ通じていたが、いずれも特定地方交通線に指定され、1987年(昭和62年)から1988年(昭和63年)にかけて相次いで廃止・バス転換された。
道路
編集高速道路
編集市域内には高速道路は通っていない。市域外の東側を九州自動車道が、西側を南九州自動車道が通っているので、いずれかを利用することになる。
- 北側から中心市街地およびその周辺部に入る場合は九州道人吉球磨SIC(スマートインターチェンジ通行不可の車は人吉IC)
- 市域内の中心市街地より北側の旧・大口市域は南九州道水俣IC
- 旧・菱刈町域は九州道栗野IC
一般国道
編集県道
編集- 主要地方道
- 一般県道
- 鹿児島県道118号湯出大口線
- 鹿児島県道404号鶴田大口線
- 鹿児島県道407号針持永野線
- 鹿児島県道421号布計山野線
- 鹿児島県道424号針持菱刈線
- 鹿児島県道425号南浦築地線
- 鹿児島県道448号川西菱刈線
路線バスなど
編集名所・祭事
編集著名な出身者
編集伊佐市を舞台とした作品
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 所属町村がなくなった伊佐郡は消滅
出典
編集- ^ a b 伊佐市概要 - 伊佐市公式サイト(2021年(令和3年)5月4日閲覧)。島では獅子島(出水郡長島町)が鹿児島県では最北端となる。
- ^ 隈元新(2010年(平成22年)2月1日)鹿児島の北海道"伊佐らしい寒さになりました! - ウェイバックマシン(2017年2月15日アーカイブ分)市長の部屋. 伊佐市
- ^ 経済雑誌社 編 (明治30年). 『国史大系』 第2巻 続日本紀. 経済雑誌社
- ^ “伊佐市概要”. 2023年3月29日閲覧。
- ^ a b 『読売新聞』よみほっと(日曜別刷り)2020年(令和2年)9月20日1 - 2面【ニッポン探景】曽木発電所遺構(鹿児島県伊佐市)湖底から現れる「古城」
- ^ “黄金の国「ジパング」健在なり…国内唯一の「菱刈鉱山」の総採掘量は佐渡金山の3倍超!”. 読売新聞オンライン ニッポン再発見 (2024年1月31日). 2024年5月19日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- 伊佐市に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- ウィキトラベルには、伊佐市に関する旅行ガイドがあります。