上原ひろみ

日本の女性ジャズピアニスト、作曲家 (1979-)

上原 ひろみ(うえはら ひろみ、Hiromi Uehara、1979年3月26日 - )は、日本の静岡県生まれでアメリカ合衆国在住のジャズピアニスト。日本以外ではHiromiという名前で通している。2007年平成19年)9月1日デザイナー三原康裕と結婚後の本名は、三原ひろみ。

上原うえはら ひろみ
2013年
基本情報
出生名 上原ひろみ
別名 Hiromi
生誕 (1979-03-26) 1979年3月26日(45歳)
日本の旗 日本 静岡県
学歴 浜松市立追分小学校卒業
浜松市立蜆塚中学校卒業
静岡県立浜松北高等学校卒業
法政大学法学部中退
バークリー音楽大学卒業
ジャンル ジャズフュージョン
職業 ピアニストキーボーディスト
担当楽器 ピアノキーボード
活動期間 1986年 -
レーベル テラークユニバーサル
事務所 Ellora Management
共同作業者 HIROMI'S SONICBLOOM
公式サイト HiromiUehara.com
HiromiMusic.com
ユニバーサル ミュージック
フランク・ザッパ
バッハ
オスカー・ピーターソン
アーマッド・ジャマル
スライ&ザ・ファミリー・ストーン
ドリーム・シアター
キング・クリムゾン
カール・ルイス
マイケル・ジョーダン

人物

編集

来歴

編集

生い立ち

編集

デビュー

編集
  • 2003年4月22日、上原はバークリー卒業を目前にしてアメリカのジャズの名門、テラーク・レコードと契約。デビュー・アルバム『Another Mind』(日本盤『アナザー・マインド』)をリリースし、世界デビュー。アーマッド・ジャマルと、その友人バークリー音楽院の指導者でジャズ・ベーシストのリチャード・エヴァンスによる共同製作作品として結実することになる。上原はデビューアルバムで、たった3人編成のピアノ・トリオで、どこまで音楽を拡張できるかを課題として追究した。その後、全米各地のジャズフェスティバルに出演した。
  • 5月3日、「第8回 ケネディ・センターメアリー・ルー・ウィリアム・ウィミン・イン・ジャズ・フェスティヴァル(Kennedy Center Presents Eighth Annual Mary Lou Williams Women in Jazz Festival)」にトリオで出演、そこでの演奏は「ロック、ファンク、ジャズ、パンクと音の力を究めた」と評価された。
  • 5月11日、バークリー音楽大学を最優等[4]で卒業(小曽根真に次ぐ快挙だった。)。卒業式にてバークリーで最も名誉ある賞の一つであるビルボード寄贈奨学金を授与される。[5]
  • 6月25日、ユニバーサルより日本盤『アナザー・マインド』リリースし、国内で正式デビュー。
  • 10月19日 『情熱大陸』(毎日放送)に出演し、ボストン在住の上原を密着取材した場面やニューヨークヨーロッパツアーに同行取材して撮影したライヴ映像などが全国配信された。
  • 12月13日 - キリンのテレビCMに登場。

2004年

編集
  • 3月10日、「第18回 日本ゴールドディスク大賞」(主催日本レコード協会)で『アナザー・マインド』がジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞する。
  • 4月21日、2枚目のアルバム『Brain』をリリース。同アルバムはアメリカで「サラウンド・ミュージック・アワード<ニュースター賞>」を受賞。

2005年

編集
  • 活動の拠点をボストンからニューヨークに移す。
  • 10月19日、サード・アルバム『スパイラル』をリリース。同アルバムは「ジャズディスク大賞 日本ジャズ賞」を受賞。

2006年

編集

2007年

編集

2008年

編集

2009年

編集

2010年

編集
  • 1月26日、アメリカでソロ・ピアノ作品『Place to Be』をリリース(日本国内は2009年発売)し、アメリカのアマゾンのジャズチャートで1位を記録。
  • スタンリー・クラーク・トリオとして北米、日本をツアー。
  • 6月2日に発売されたスタンリー・クラーク・バンドのアルバム『スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ』において、一部の曲でピアノ・ソロを演奏。

2011年

編集

2012年

編集
  • 4月1日、ニューヨークの国連総会議場で行われたユネスコ主催の「第一回インターナショナル・ジャズ・デー」に参加。
  • 7月27日、「フジロックフェスティバル」のOrange CourtにHIROMI THE TRIO PROJECT featuring Anthony Jackson&Simon Phillipsとして出場。
  • 9月、上原ひろみ Feat. Anthony Jackson&Simon PhillipsのTHE TRIO PROJECTとして2作目となるアルバム『MOVE』をリリース。

2013年

編集
  • 3月『MOVE』の全米発売に合わせ、アメリカで最も権威のあるジャズ専門誌『ダウン・ビート』4月号の表紙に登場。(日本人アーティストとしては、秋吉敏子以来33年ぶり2人目)[8]
  • 4月、日本人アーティストでは唯一となるニューヨーク・ブルーノートでの9年連続6日間公演を成功させた。
  • 8月、国立新美術館で開催された「アメリカン・ポップ・アート展」の公式テーマ曲を手掛ける。

2014年

編集

2016年

編集
  • アルバムの『SPARK』が全米ビルボードのTraditional Jazz Albums部門で1位、またジャズ総合でも1位になった[10]。ジャズ部門の総合1位は松居慶子以来2人目となった。

2017年

編集

2019年

編集
  • 9月、ソロ・ピアノアルバム『Spectrum』発売。
  • 11月から日本にて22公演の「Spectrum」ツアーを開始[11]

2021年

編集

2023年

編集

2024年

編集

コンサート(パフォーマンス)

編集
日付 場所 タイトル・内容
2000年8月25日 東京神田・東京TUC 上原ひろみ ピアノライブ THIS IS ME
2003年5月3日 ケネディ・センター 第8回ケネディ・センター・メアリー・ルー・ウィリアム・ウィミン・イン・ジャズ・フェスティヴァル(Eighth Annual Kennedy Center Mary Lou Williams Women in Jazz Festival)にトリオで出演
2003年6月11日 静岡・浜松アクトシティ21 全米デビュー後の日本初ライブ
2003年6月12日 東京渋谷・JZ Brat Sound of Tokyo
2003年9月30日 ニューヨークジャズ・スタンダード
2003年10月10日 ドイツ、バードランド
2003年11月23日 名古屋・ブルーノート 国内デビュー後の日本四大都市凱旋公演
2003年11月25日 - 26日 福岡・ブルーノート 国内デビュー後の日本四大都市凱旋公演
2003年11月27日 - 28日 東京渋谷・JZ Brat Sound of Tokyo 国内デビュー後の日本四大都市凱旋公演
2003年12月1日 - 2日 大阪・ブルーノート(ジャズ・クラブ)(各日2ステージ) 国内デビュー後の日本四大都市凱旋公演
2004年9月18日 東京JAZZ
2004年10月11月 日本公演(東京札幌大阪名古屋福岡横浜
2005年1月 ブルーノートニューヨーク
2005年7月31日 フジロックフェスティバル
2005年11月 - 12月 日本公演。8都市14公演。(福岡大阪仙台横浜静岡名古屋新潟東京
2006年1月 ブルーノート(ニューヨーク
2006年9月 東京JAZZチック・コリアと共演。
2006年12月8日 昭和女子大学人見記念講堂 矢野顕子とのジョイントライブ
2006年12月11日 - 12月29日 日本(東京名古屋浜松西宮)、タイシンガポールインドネシア アジアツアー
2007年4月 ブルーノート(ニューヨーク 3年連続公演
2007年7月29日 フジロックフェスティバル'07
2007年7月31日 高知市文化プラザかるぽーと SUMMER LIVE IN KOUCHI(単独公演)
2007年8月4日 情熱大陸スペシャルライブ大阪公演
2007年8月5日 SAPPORO CITY JAZZ
2007年9月 ブルーノート東京 チック・コリアとのピアノ・デュオでのライブ
2008年4月30日 日本武道館 チック・コリアとのピアノ・デュオ

その他多数

テレビ出演

編集

CM出演

編集

ディスコグラフィ

編集

リーダー・アルバム

編集
  • 2003年4月22日 Another Mind, Telarc CD-83558(米国)
    • 2002年9月録音 パーソネル Hiromi Uehara (p)・Mitch Cohn (b)・Dave DiCenso (ds)・ゲストAnthony Jackson (b)・Jim Odgren (as)・Dave Fiuczynski (g)
  • 2003年6月25日アナザー・マインド』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック(Telarcレーベル、以下同じ)UCCT-1077
  • 2004年4月21日ブレイン』ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1090
    • 2003年12月録音 パーソネル Hiromi Uehara (p)・Anthony Jackson (b)・Tony Grey (b)・Martin Valihora (ds)
    • 米国版は2004年5月25日に発売。
  • 2005年10月19日スパイラル』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1145
    • 2005年5月録音 パーソネル Hiromi Uehara (p)・Tony Grey (b)・Martin Valihora (ds)
    • 初回版はライブ映像のDVD付として発売。2006年11月22日にはツアー・エディション (UCCT-2004) として別内容のライブ映像のDVD付として発売。いずれも限定版。
    • 米国版は2006年1月17日に発売。
  • 2007年2月21日タイム・コントロール』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1181
    • 2006年10月録音 パーソネル Hiromi Uehara (p)・Tony Grey (b)・Martin Valihora (ds)・David Fiuczynski (g)
    • 前作のトリオにDavid Fiuczynski (g)を迎え、Hiromi's Sonicbloom というユニットで録音。
    • 米国版は2007年3月27日に発売。
  • 2008年5月28日ビヨンド・スタンダード』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1197
    • 2008年1月録音 パーソネル Hiromi Uehara (p)・Tony Grey (b)・Martin Valihora (ds)・David Fiuczynski (g)
    • 初回限定版DVD付き
    • 2008年11月5日 『ビヨンド・スタンダード ツア^・エディション』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-9009
  • 2009年9月5日プレイス・トゥ・ビー』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1218[19]
    • 初のソロアルバム。日本盤にはボーナス・トラックとして矢野顕子参加の「グリーン・ティー・ファーム」が収録されている。
    • 2010年11月17日 『プレイス・トゥー・ビー ツアー エディション』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-8014
  • 2011年3月16日ヴォイス』 ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-9015(CD + DVD 初回生産限定盤)、UCCT-1227(通常盤)[20]
    • 上原ひろみ THE TRIO PROJECT featuring Anthony Jackson & Simon Phillips名義
    • パーソネル Hiromi (p)・Simon Phillps (ds)・Anthony Jackson (b)
  • 2012年9月5日MOVE』(SHM-CD仕様)ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1240
  • 2014年5月21日ALIVE』(SHM-CD仕様)ユニバーサル・ミュージック・クラシック UCCT-1244
    • 同日、「初回限定SHM-CD+DVD盤 (UCCT-9029)」、「プラチナSHM (UCCT-40001)」発売
    • パーソネル:上原ひろみ:piano, keyboards / アンソニー・ジャクソン:contrabass guitar / サイモン・フィリップス:drums
  • 2016年2月3日SPARK
    • パーソネル:上原ひろみ:piano, keyboards / アンソニー・ジャクソン:contrabass guitar / サイモン・フィリップス:drums
  • 2019年9月18日Spectrum
    • パーソネル 上原ひろみ : piano
  • 2021年9月8日Silver Lining Suite

コラボレーション

編集

その他の参加作品

編集
  • 2009年2月25日 関西テレビ開局50周年記念ドラマ『トライアングル』 サウンドトラック BMG JAPAN
    • テーマイメージ曲「フラッシュバック」を提供[22]
    • 國田大輔 (g)、田中 晋吾 (b)、坂東慧 (ds)

参考文献

編集

脚注

編集

注釈

編集

出典

編集
  1. ^ 内田光子 (2011年2月14日). “グラミー賞のスポットを浴びたクラシックス&ジャズの日本女性アーティスト”. BARKS. 2016年1月6日閲覧。
  2. ^ a b MySpace.com - Hiromi: アーティスト詳細: 「影響を受けた音楽」(2007年12月4日現在)より
  3. ^ 上原ひろみ(インタビュー)「上原 ひろみ へ“5”つの質問|ピアニスト・ラウンジPianist Lounge」『ヤマハ株式会社http://jp.yamaha.com/sp/products/musical-instruments/keyboards/pianist-lounge/now/006/question.html2013年1月26日閲覧 
  4. ^ summa cum laudeの日本語訳
  5. ^ Berklee College of Music's 2002 Commencement https://college.berklee.edu/commencement/2002
  6. ^ 『第50回日本レコード大賞』大賞はEXILE「Ti Amo」 最優秀新人賞はジェロ”. Oricon Style. オリコン (2008年12月30日). 2015年2月14日閲覧。
  7. ^ グラミー賞受賞ピアニスト上原ひろみ、「シルクヱビス」CM曲を演奏! - CDJournalニュース”. 音楽出版社 (2011年2月21日). 2014年12月31日閲覧。
  8. ^ 上原ひろみ、日本人では秋吉敏子以来33年ぶり2人目の米ジャズ雑誌「ダウンビート」表紙に”. エキサイトニュース. Excite Japan (2013年3月5日). 2016年1月6日閲覧。
  9. ^ 上原ひろみ『ALIVE』、甲本ヒロト、メタリカが絶賛”. BARKS (2014年4月19日). 2016年1月6日閲覧。
  10. ^ ジャズピアニスト・上原ひろみが全米ジャズ総合チャート1位に 日本人では15年ぶり2人目の快挙
  11. ^ [1]
  12. ^ 【五輪開会式】市川海老蔵&上原ひろみが異色の共演”. ORICON NEWS (2021年7月23日). 2021年7月24日閲覧。
  13. ^ 令和五年度文化庁長官表彰名簿
  14. ^ おおさかシネマフェスティバル2024 今年度の受賞者決定” (2024年2月3日). 2024年3月4日閲覧。
  15. ^ 『第47回 日本アカデミー賞』受賞者・作品発表 授賞式司会は羽鳥慎一、岸井ゆきの【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年1月25日). 2024年1月25日閲覧。
  16. ^ 【日本アカデミー賞】最優秀音楽賞は「BLUE GIANT」の上原ひろみ”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年3月8日). 2024年3月8日閲覧。
  17. ^ “世界的ピアニストが独創的な「きらきら星」で魅了”. Smartザテレビジョン. (2016年10月12日). https://thetv.jp/news/detail/89444/ 2016年10月17日閲覧。 
  18. ^ “新「スーパードライ」CMに上原ひろみ 充実のライブ描く”. 食品新聞. (2022年5月20日). https://shokuhin.net/56419/2022/05/20/inryou/sake/ 2023年12月20日閲覧。 
  19. ^ 「上原ひろみ:プレイス・トゥ・ビー - HIROMI:PLACE TO BE」(ユニバーサル・ミュージック)
  20. ^ 「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス - HIROMI:VOICE」(ユニバーサル・ミュージック)
  21. ^ 第53回グラミー賞を受賞している。
  22. ^ 小田和正&上原ひろみ「トライアングル」に新曲提供”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2009年1月6日). 2016年1月6日閲覧。

外部リンク

編集

公式サイト

その他