ニンテンドーコア
ニンテンドーコア(英: Nintendocore)[1]とは、チップチューンとゲームミュージックをハードコア・パンク、ヘヴィメタルなどと融合させた音楽、と広義に定義されるもの。Horse the Band、An Albatross、The NESkimos、Minibossesといったバンドによって始められた。Nintendo rock[2]、ナードコア(nerdcore)[3]、video game rockとも呼ばれる。
特徴
編集ニンテンドーコアはシンセサイザー、チップチューン、8bitサウンド、エレクトリック・ビートのインストゥルメンタルにエレクトリック・ギターとドラムをかぶせるのが特徴。ハードコア・パンクやヘヴィメタルといった様々な音楽スタイルを起源に持つが[4][5]、それに加えて、代表的なニンテンドーコア・バンドはポスト・ハードコア[6]、メタルコア[6]、エレクトロ、ノイズロック、ポストロック[6]、スクリーモなどの影響を受けていた。したがって、スタイル的には一様でなく、たとえばHorse the Bandはメタルコア、ヘヴィメタル、スラッシュメタル、ポスト・ハードコア、ポストロックのパッセージを結合させている[6]。彼らの3枚目のアルバム『The Mechanical Hand』に収録されている『The Black Hole』という曲は、絶叫ボーカル、ニンテンドーゲーム(ゲーム機「Nintendo Entertainment System」用ゲーム)の音楽のヘヴィなリフ、多数のゲームの効果音をフィーチャーしていて、ニンテンドーコアの手本ともいえる。一方で、Math the Bandはエレクトロやダンス・パンクのスタイルを、Minibossesはカイアスからインスパイアされたヘヴィメタルのリフを、アドバンテージはノイズロックとポストロックを[7]、The Depreciation Guildは8bitサウンド、ゲームミュージックとシューゲイザーの要素を合体させている。
The Depreciation GuildやThe Megasのように歌をフィーチャーするバンドもある。前者は美声でうたい、後者は歌詞にゲームのストーリーを反映させている。他方、絶叫ヴォーカルを加えたHorse the BandやMath the Band[3][6][8]、インストゥルメンタルを貫くMinibossesやアドバンテージもいる。すべてのニンテンドーコア・バンドに共通しているのは「ニンテンドーゲームのサウンドを模倣するために楽器を使用する」ことである。
歴史
編集ロックバンドがゲームミュージックをカバーとした初期の例としては、1991年にアメリカのインディーズ・バンドAutoclaveがアルバム『Autoclave』で『ペーパーボーイ』を、Mr. Bungleがアルバム『Mr. Bungle』で『スーパーマリオブラザーズ』を[9]それぞれカバーしている。
ニンテンドーコアという言葉はHorse the Bandが造った新語で、元々はジョークとして使い始めた[10]。
もうひとつ、ニンテンドーコアの先駆者として挙げられるのはアドバンテージで[11]、『ニューヨーク・タイムズ』誌は、メインストリームにゲームミュージックを持ち込んだグループの一つと賞賛している[2]。
代表的グループ
編集脚注
編集- ^ Moses, Jeff (2015年6月16日). “Minibosses Celebrate 15 Years of Gaming-Centric Music”. Phoenix New Times 2017年6月17日閲覧。
- ^ a b c Weingarten, Marc (29 April 2004). “Resurrecting the Riffs, A Nintendo Rock Band”. The New York Times 21 March 2011閲覧。
- ^ a b c Yun, Elizabeth (4 January 2011). “Math the Band Strive to 'Take Fun Seriously' Exclusive Video”. Spinner.com. AOL. 17 November 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。30 March 2011閲覧。
- ^ Sutherland, Sam (December 2006). “Horse the Band - Pizza EP”. Exclaim!. 10 July 2011閲覧。
- ^ Turull, Alisha (6 October 2009). “New Releases: Lita Ford, the Fall of Troy, Horse the band, Immortal, Inhale Exhale”. Noisecreep. AOL. 30 March 2011閲覧。
- ^ a b c d e f “Horse The Band, Super 8 Bit Brothers, Endless Hallway ,and Oceana”. The A.V. Club. The Onion (8 November 2010). 15 March 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。January 2, 2015閲覧。
- ^ Trivett, Ben (21 October 2010). “Math the Band Play Blistering Set at CMJ -- Exclusive Photos”. Spinner.com. AOL. 1 January 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。30 March 2011閲覧。
- ^ Synyard, Dave (September 2007). “Horse the Band - A Natural Death”. Exclaim!. 10 July 2011閲覧。
- ^ “Mr. Bungle Frequently Asked Questions”. www.bunglefever.com. 2016年3月27日閲覧。
- ^ a b Willschick, Aaron (2007年6月3日). “Interview with HORSE The Band bassist Dash Arkenstone”. PureGrainAudio. ProtogenLabs. 2011年3月14日閲覧。
- ^ a b c Hughes, Josiah (August 2008). “Hella guitarist Spencer Seim releases solo album as sBACH”. Exclaim!. 10 July 2011閲覧。
- ^ Moerder, Adam (14 July 2006). “Album Review: An Albatross - Blessphemy (of the Peace-Beast Feastgiver and the Bear-Warp Kumite)”. Pitchfork Media. 10 July 2011閲覧。
- ^ “Crystal Castles”. SPIN Magazine (SPIN Media) 23 (12): 26. (December 2007). ISSN 0886-3032 .
- ^ Moerder, Adam (23 March 2005). “Album Reviews: Hella - Church Gone Wild/Chripin' Hard”. Pitchfork Media. 10 July 2011閲覧。
- ^ Pertola, Petteri (28 May 2009). “Karate High School - Invaders”. Rockfreaks.net. 2 January 2015閲覧。
- ^ Moerder, Adam (25 October 2007). “Album Reviews: The Octopus Project - Hello, Avalanche”. Pitchfork Media. 10 July 2011閲覧。
- ^ Sean Reid (19 May 2010). “Alter The Press!:Album Review:Rolo Tomassi - Cosmology”. Alter The Press!. 15 June 2011閲覧。
- ^ Synyard, Dave (March 2008). “Sky Eats Airplane Everything Perfect On The Wrong Day”. Exclaim!. 10 July 2011閲覧。