スクリーモ
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スクリーモ (Screamo) とは、1990年代前半にエモ、ハードコアから発展したジャンルの音楽である。
スクリーモ Screamo | |
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様式的起源 |
ポスト・ハードコア エモ ハードコア・パンク グラインドコア クラストコア |
文化的起源 | 1990年代前半、アメリカ合衆国,サンディエゴ,ニューヨークエリアにて。 |
使用楽器 |
ドラム ベース ギター ヴォーカル |
歴史
編集起源
編集スクリーモと呼ばれるジャンルができたのは1990年代前半のことであり、カリフォルニア州はサンディエゴのインデペンデント・レーベルGravity Recordsがこのジャンルの演奏スタイルを定義付けた重要なレーベルである。定義付けにかかわった重要なエモ・バンドをいくつか挙げると、Gravity Recordsに所属していた伝説のバンドHeroin, Angel Hair, Antioch Arrow, Mohinderなどを挙げることができる。
そして、同時代的にカリフォルニア州のある西海岸とは反対側にある東海岸では、ニュージャージー州やニューヨーク州においてGern Blandsten RecordsとTroubleman Unlimited Recordsに所属していたNative Nod, Merel, Rorschachの他にMoss Iconなどのバンドたちが西海岸のバンドと同じようなサウンドを奏でていた。
カリフォルニア州やニュージャージー州、ニューヨーク州のアンダーグラウンドなシーンで政治的、社会的思想を掲げていた、ハードコアの元々の姿勢で活動していた、スクリーモ・バンドたちは1990年代中期になると多くのバンドが解散をしていくなかで、Yaphet Kotto,You and Iなどの後続のバンドたちによって受け継がれ、現在もAmpere, Off Minor, La Quieteなどのバンドたちに受け継がれている。
新しいスクリーモ
編集1990年代前半に誕生したスクリーモ(Screamo/Screemo)は、21世紀という新しい世紀に入ると、今までの混沌としたサウンドに終始絶叫ヴォーカルが絡んでくるスタイルがスクリーモであったのに対し、ポスト・ハードコア的なスタイルであるスクリーム・パートとクリーン・パートを併用するバンドたちに使われるようになってきた。このスクリーモという名前がポスト・ハードコア的なバンドに使われ始めるきっかけになったのは、2001年から2003年のこの時期に、現在のスクリーモ・バンドたちのプロトタイプとなるようなバンドたちが挙って作品をリリースし、メディアがスクリーモという造語を使ってこういったバンドたちを紹介したことである。今までアンダーグラウンドなエモ音楽として1990年代前半から使われていたスクリーモというジャンルは現在、スクリーム"Scream"(叫び)とエモーショナル"Emotional"(感情)を掛け合わせたスタイルの音楽に一般的に使われるようになっていった。しかしエモ音楽をアンダーグラウンドな音楽として見ている硬派なファンは、商業主義的な姿勢をとるバンドを嫌う傾向がある。特にファッションイメージが先行するようなものはエモ、スクリーモ好きからは避けられることもある。
新しいスクリーモのその後
編集近年ではスクリームを曲から外し、脱スクリーモ化を目指すバンドが増えているが、アレサナ(Alesana)、アンダーオース (Underoath) などの後続のバンドや、未だにThursday、Silverstein、A Static Lullabyなどのバンドはスクリーモに独自のアレンジを加えながらも活躍している。
アメリカでのスクリーモシーン
編集スクリーモの本場アメリカでは、新しいスクリーモは、「ポスト・ハードコア」や「メタルコア」に分類されることが多い。近年はUnderoathやSaosin、The Red Jumpsuit Apparatus等が人気を博しており、特にThe Red jumpsuit Apparatusのファーストアルバム「Don't You Fake It」は全米で100万枚以上を売り上げるヒット作となった。
特徴
編集スクリーモは年代とともに進化し多種多様化し一概にスクリーモと言ってもサウンドは年代(流行)によって大きく変わってきている。
1990年代前半のスクリーモ・タイプ(リアル・スクリーモ)
編集1990年代前半にエモ、ハードコア・パンクから発展したスクリーモは、終始ヴォーカルが絶叫し、サウンドも日本で言うところのカオティック・ハードコアバンドのような混沌としたサウンドを奏でる。
スクリーモの本場アメリカでは、1990年代前半のスクリーモを本物のスクリーモということで、リアル・スクリーモ (Real Screamo) とインターネット上を中心にいわれるようになってきた。
2000年代“前半”のスクリーモ・タイプ(ポストハードコア)
編集エモに特徴づけられる疾走感やハイトーンで中性的な声で歌われたポップなメロディラインに、絶叫するように歌うボーカルをさらに加えたものである。一つの曲の中に美しいメロディを歌うパートと絶叫するパートが混在していたり、曲ごとに分けるものとがある。いわゆる、ポスト・ハードコアと呼ばれるサウンドを奏でるバンドのことを言う。
2000年代“中期”のスクリーモ・タイプ
編集丁度この2つの時代に挟まれる形になるのが“中期”である。前期、後期、両方の特徴を持っており昨今のスロー&ヘヴィなブレイクダウンが流行する前の時期でスピードが遅くなりすぎないブレイクダウンが特徴である。ロック、パンク、メタル、といった激しい音楽の中で、どのジャンルにも分けづらいが、逆にどのファン層にも訴えかけるものがあったのが中期の人気の秘密だろう。また、中期のバンドの殆どがファッショナブルであり、当時その斬新さ故にファッションを真似する"Emo kids "という副産物を生み出し、Drop Dead Clothingなどを筆頭としたいくつかの人気ファッションブランドも産まれ、流行に敏感な若者の間では、パンクファッションと同様の知名度を獲る事になる。
2000年代“後半”のスクリーモ・タイプ(ポストハードコア/メタルコア)
編集2000年代前半のスクリーモがキャッチーで軽快なもの(ポップ・パンク、メロコア、90sポストハードコア、エモ等に影響を受けたもの)が多いのに比べ、ハードコアメタル、ニュー・メタル等に影響を受けた2000年後半のバンドはメタルコア、デスコア、メロディックデスメタル等に似て、非常にヘヴィである。“2000年前半”バンドには可能だったポップチャート入りはなくなった。
“叫び”という点で共通する他ジャンルとの区別が難しく、一回イントロを聞いただけでの判断は非常に難しい。前期と違う後期の特徴は、クリーンパートや軽いギターサウンドの激減、ギターはメタリックなものが主流となり、それまでのバンドには無かったブレイクダウンパートと呼ばれるヘヴィなパートを多用するようになったことである。2011年時点でのバンドの多くは(ポストハードコア/メタルコア)と表記される事が多い。
また、俗に(エレクトロ/ポストハードコア)と呼ばれる、生演奏のキーボード単体では無く、打ち込みやシンセ、エレクトロサウンド、同期、オートチューン、ボコーダー等を取り入れたバンドが増えたのも後期の特徴である。
バンド一覧
編集- アイズ・セット・トゥ・キル
- アウトライン・イン・カラー
- ア・スカイリット・ドライヴ
- アスキング・アレクサンドリア
- アトレイユ
- アレサナ
- アンダーオース
- ヴェイン
- エスケイプ・ザ・フェイト
- エマロサ
- オースブレイカー
- オブ・マイス・アンド・メン
- クローズ・トゥ・ホーム
- ケイジナイン
- ゲット・スケアード
- コンフォート・フォー・チェンジ
- サーズデイ
- シルヴァースタイン
- スィ・ラ・リュンヌ
- スケアリー・キッズ・スケアリング・キッズ
- ストーリー・オブ・ザ・イヤー
- スリーピング・ウィズ・サイレンス
- セイオシン
- センシズ・フェイル
- テイクン
- ディス・デイ・フォワード
- ファミリー・フォース・ファイブ
- フォーリング・イン・リヴァース
- フューネラル・フォー・ア・フレンド
- ブラック・ベイル・ブライズ
- ザ・ブラックアウト
- ブリーズ・キャロライナ
- ブレスザフォール
- ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
- ブロードウェイ
- フロム・ファースト・トゥ・ラスト
- ホーソーン・ハイツ
- ホープス・ダイ・ラスト
- ホープスフォール
- マイ・ケミカル・ロマンス
- メンフィス・メイ・ファイヤー
- ザ・ユーズド
- ラ・クイエテ
- ザ・レッド・ジャンプスーツ・アパラタス