サキシマハブ

クサリヘビ科ハブ属のヘビ

サキシマハブ学名Protobothrops elegans、先島波布または先島飯匙倩)は、クサリヘビ科ハブ属に分類される、有毒のヘビ毒蛇)。日本先島諸島を中心に棲息する。

サキシマハブ
サキシマハブ
サキシマハブ Protobothrops elegans
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: クサリヘビ科 Viperidae
亜科 : マムシ亜科 Crotalinae
: ハブ属 Protobothrops
: サキシマハブ P. elegans
学名
Protobothrops elegans
Gray, 1849
和名
サキシマハブ
英名
elegant pitviper
Sakishima habu
elegant tree viper

分布

編集

先島諸島のうち、八重山列島与那国島および波照間島を除く)の固有種[2][3]沖縄本島の南部に、薬用などの目的で持ち込まれた個体が逸出し分布している[3]

また、本来生息しない、八重山列島の東に位置する宮古島においても、2013年4月に平良港近くで1個体が捕獲され[4][5]、2024年にも死骸が平良港のコンテナと地面の間で見つかった[6]。貨物に紛れ込んできたと推測されているが、沖縄県庁は定着を警戒して港周辺にハブ捕獲器を設置するほか、沖縄県立宮古病院抗毒素を導入する[6]

形態

編集

全長60-120センチメートル、頭胴長は50-100センチメートルで、雌雄差はない[2][3]。体色は褐色から灰褐色[2][3]。暗褐色の鎖状の斑紋が入るが、個体変異も大きく斑紋が不明瞭な個体もいる[2]種小名elegansは「優雅な」の意。毒性はハブよりも弱いとされているが、噛まれた場合には重症に陥ることもある[3]体鱗数は23-25列[3]

生態

編集

平地から山地にかけて生息する[2]。地表棲だが樹上に登ることもある[2]夜行性[2]

食性は動物食で、死体を含め哺乳類トカゲカエルなどを食べる[2][3]

繁殖形態は卵生。繁殖期は7月頃で、1回に3-13個の卵を産む[2][3]。移入された沖縄本島では、ハブとサキシマハブの交雑個体も確認されている[3]

脚注

編集
  1. ^ Ota, H. & Kidera, N. (2018). Protobothrops elegans. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T96265465A96265478. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T96265465A96265478.en Downloaded on 19 March 2019.
  2. ^ a b c d e f g h i 千石正一監修 長坂拓也編著『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』(ピーシーズ、2002年)328頁
  3. ^ a b c d e f g h i 富田京一、松橋利光『日本のカメ・トカゲ・ヘビ、』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2007年7月、228-231頁。ISBN 978-4-635-07010-2 
  4. ^ 宮古でハブ初捕獲 県、注意呼び掛け[リンク切れ]琉球新報』2013年4月24日
  5. ^ 宮古島でハブ初捕獲/平良港近くの公園内」『宮古毎日新聞』2013年4月24日(2024年4月16日閲覧)
  6. ^ a b 宮古島 ハブいないはずが/埠頭に死骸 県が注意呼びかけ」『朝日新聞』夕刊2024年4月12日(社会・総合面)2024年4月16日閲覧

関連項目

編集