エルグランセニョール
エルグランセニョール (El Gran Senor) とはアイルランドの競走馬および種牡馬である。1983年ヨーロッパ最優秀2歳馬、1984年ヨーロッパ年度代表馬、および最優秀3歳馬、最優秀マイラー。血統も、全兄にデュハーストステークスを勝ち、種牡馬としてブリーダーズカップ・マイル優勝馬ラストタイクーンを出したトライマイベストがいる良血馬である。日本関連では姪のフサイチパンドラが2006年のエリザベス女王杯に優勝した。
エルグランセニョール | |
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ロバート・サングスターの勝負服 | |
欧字表記 | El Gran Senor |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1981年 |
死没 | 2006年10月18日 |
父 | Northern Dancer |
母 | Sex Appeal |
生国 | アメリカ合衆国 |
生産者 | E. P. Taylor(カナダ) |
馬主 | Robert E Sangster |
調教師 | Vincent O'Brien(アイルランド) |
競走成績 | |
生涯成績 | 8戦7勝 |
獲得賞金 |
502,969ドル (アメリカドル換算) |
距離を問わない活躍をし、生涯の連対率は100パーセントを誇った。脚部不安のために引退は早かったが、破った相手がその後ことごとく活躍しており、1980年代の競走馬の中ではトップクラスの評価を得ている。
また、近年のヨーロッパの大種牡馬サドラーズウェルズとは同期で同厩舎のライバルであったが、現役時代の成績は本馬の方が優秀であった。
生涯
編集2歳時
編集その良血ぶり、調教師、当時の大馬主が所有していることもあって、デビュー前から注目されていた馬でアイルランドのデビュー戦を勝利で飾り、レイルウェイステークス (G3) 、ナショナルステークス(当時はG2)を楽勝する。
そして英2歳チャンピオン決定戦のデュハーストステークスで後の凱旋門賞馬、レインボウクエストを破って無敗で初G1制覇をする。この年、欧州最優秀2歳馬に選ばれた。
3歳時
編集年明け最初の出走となったグラッドネスステークスでも、同厩舎で後にアイリッシュ2000ギニーやエクリプスステークスを制することになるサドラーズウェルズに2馬身差をつけ優勝した。そして、イギリスに渡りイギリス2000ギニーに出走することとなった。この年はかつてブリガディアジェラード、ミルリーフ、マイスワローが激突した1971年と同じぐらいハイレベルなメンバーとされていた、後にサセックスステークス、ジュライカップを勝つことになるチーフシンガーを2馬身半差離して快勝した。
無敗のまま挑んだダービーステークスでもこれまでの実績から圧倒的な1番人気に支持された。しかしレースでは直線で逃げ込みを図るところを、後方から追い込んできた5番人気のセクレトに短頭差で差し切られ2着に惜敗した。セクレトは当馬を管理するヴィンセント・オブライエンの息子、デイヴィッド・オブライエンの管理馬であった。
このまま12ハロン(約2400メートル)という距離を不安視されることを嫌った陣営は同じ芝12ハロンのアイリッシュダービーを次走に決めた。ここには前回負かされたセクレトやジョッケクルブ賞(フランスダービー)の勝ち馬であるダルシャーンも出走を表明しており、ハイレベルなメンバーが集まっていた。しかしアイリッシュダービー直前に、セクレトのオーナーが変わり、新たなオーナーがキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスから凱旋門賞への路線変更を決断してここを回避、さらにダルシャーンも硬い馬場を嫌い回避となった。
こうして、メンバーが薄くなったアイリッシュダービーでは、逃げるレインボウクエストを差し切って快勝。その後、セクレトとの再戦としてキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスから凱旋門賞というプランが立てられたが、脚部不安を発症したため引退となった。
種牡馬としてのエルグランセニョール
編集多くの有力馬を破ってきたエルグランセニョールだったが、種牡馬入り初年度から受精率が悪く、産駒も多く恵まれなかった。しかしその中でも、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスの勝ち馬であるベルメッツやイギリス2000ギニー、アイリッシュ2000ギニーの勝ち馬であるロドリゴデトリアーノらを輩出した。
その後、年を重ねる毎に受精率の低下が見られ、2000年の夏に種牡馬を引退した。
ブルードメアサイアーとしてのエルグランセニョール
編集種牡馬としては結果を残せなかったエルグランセニョールだったが、ブルードメアサイアーとしては逆に多くの名馬を輩出した。特に産駒のToussaudの繁殖成績が優秀(詳細は同馬の項)であった。他にもグランドスラムを出したBright Candlesや日本でも阪神牝馬特別で2着に入線したアドマイヤサンデー(産駒にフサイチホウオー・トールポピー・アヴェンチュラ)、日経賞の優勝馬アルナスラインなどを輩出し、母系に入ってその血を後世に伝えている。
競走成績
編集- 1983年(4戦4勝)
- デュハーストステークス (G1) 、ナショナルステークス (G2) 、レイルウェイステークス (G3)
- 1984年(4戦3勝)
- イギリス2000ギニー (G1) 、アイリッシュダービー (G1)
代表産駒
編集- ベルメッツ
- キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス (G1)
- ロドリゴデトリアーノ
- ミドルパークステークス (G1) 、イギリス2000ギニー (G1) 、アイリッシュ2000ギニー (G1) 、インターナショナルステークス (G1) 、チャンピオンステークス (G1)
- Lit de Justice
- ブリーダーズカップ・スプリント (G1)
血統表
編集エルグランセニョールの血統(ノーザンダンサー系 / War Admiral4×5=9.38%、Hyperion4×5=9.38%、Discovery5×5=6.25%) | (血統表の出典) | |||
父 Northern Dancer 1961 鹿毛 |
父の父 Nearctic1954 黒鹿毛 |
Nearco | Pharos | |
Nogara | ||||
Lady Angela | Hyperion | |||
Sister Sarah | ||||
父の母 Natalma1957 鹿毛 |
Native Dancer | Polynesian | ||
Geisha | ||||
Almahmoud | Mahmoud | |||
Arbirator | ||||
母 Sex Appeal 1970 栗毛 |
Buckpasser 1963 鹿毛 |
Tom Fool | Menow | |
Gaga | ||||
Busanda | War Admiral | |||
Businesslike | ||||
母の母 Best in Show1965 栗毛 |
Traffic Judge | Alibhai | ||
Traffic Court | ||||
Stolen Hour | Mr.Busher | |||
Late Date F-No.8-f |