インダストリアル・メタル
インダストリアル・メタル(Industrial metal)は、1980年代後半に生まれた音楽ジャンル。インダストリアル・ダンス・ミュージック、スラッシュメタル、ハードコア・パンクの音楽的側面を持ち、ギター・リフ、シンセサイザー、打ち込み、サンプリング、ディストーションをかけたボーカル等が使用されている。
インダストリアル・メタル Industrial metal | |
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様式的起源 |
スラッシュメタル ハードコア・パンク |
文化的起源 | 1980年代後半 |
使用楽器 |
ヴォーカル エレクトリックギター ベースギター ドラムス シンセサイザー |
概要
編集1980年代後半、スロッビング・グリッスルのようなインダストリアル・ミュージックとヘヴィメタルが接近した。ゴッドフレッシュが『Godflesh(EP)』で、ミニストリーが『The Land of Rape and Honey』でそれぞれ結実させ、1988年にリリースした。1992年、ナイン・インチ・ネイルズが『Broken』、ミニストリーが『Psalm 69』をリリースし、アメリカでビッグ・セールスを記録した。[1]ビッグ・ブラックもアルバムをリリースし、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーはマリリン・マンソンをプロデュースし、世界の一部の国で好セールスを記録。インダストリアル・メタル・シーンはヘビメタ・ファンを中心に脚光を浴びた。
1990年代後半、ビルボード200チャートでマリリン・マンソンの『 Antichrist Superstar 』が3位、ロブ・ゾンビの『Hellbilly Deluxe』が5位、ナイン・インチ・ネイルズの『The Fragile』が1位になった。また、ビルボードHeatseekersチャートではFilterの『Short Bus』、スタッビング・ウェストワードの『Wither Blister Burn + Peel』、ラムシュタインの『 Sehnsucht 』、Orgyの『Candyass』、スタティック-Xの『Wisconsin Death Trip』が上位にランクインした。
歴史
編集インダストリアル・ミュージックにエレクトリック・ギターはたびたび使用されてきたが、スロッビング・グリッスルをはじめとする多くのインダスリアル・グループは“アンチ・ロック”の姿勢を強く打ち出していた。そこにキリング・ジョークがインダストリアルとロックを融合し、その音楽性はミニストリー、ゴッドフレッシュ、ナイン・インチ・ネイルズなど数多くのミュージシャンに影響を与えた。その一方、スティーヴ・アルビニによるビッグ・ブラックもドラム・マシーンを使用し、インパクトを与えた。
かつてナパーム・デスのギタリストでありゴッドフレッシュを結成したジャスティン・ブロードリックが影響を受けた音楽は、パワーエレクトロニクス・バンドのWhitehouse、ノイズ・ロックのSwans、ブライアン・イーノ、ブラック・サバス、ザ・キュアーの「Pornography」など多岐にわたり、それらを吸収することによってインダストリアル・メタルが生み出された。また、ミニストリーのアル・ジュールゲンセンはスラッシュメタル好きでセパルトゥラのファンであったというところからインダストリアル・メタルに至り、KMFDMのサシャ・コニエツコはヘヴィメタルのギターリフをサンプリングすることからインダストリアル・メタルに至ったという。
インダストリアル・メタルに分類されるバンド
編集インダストリアル・メタルに分類されるバンド形式のミュージシャン
編集脚注
編集- ^ last=Bennett, J. Killing Joke |magazine=Decibel Magazine |issue=33 |archive-アーカイヴ
関連項目
編集外部サイト
編集- Industrial/EBMって何? CDレビューサイト「FAITH STREET」より