アストンマーティン・ヴァルキリー AMR-LMH

アストンマーティン・ヴァルキリー AMR-LMH (Aston Martin Valkyrie AMR-LMH) は、アストンマーティン・レーシングマルチマティックル・マン・ハイパーカー (LMH)規定に基づき、FIA 世界耐久選手権(WEC)、IMSA スポーツカー選手権(IMSA)への参戦用に開発中のプロトタイプレーシングカーアストンマーティン・ヴァルキリー AMR Proをベースにハイパーカー規定に沿って大幅に改造している。

アストンマーティン・ヴァルキリー AMR-LMH
カテゴリー LMH
コンストラクター イギリスの旗 アストンマーティン
カナダの旗 マルチマティック
先代 アストンマーティン・AMR-One
主要諸元
シャシー カーボンファイバーモノコック
エンジン アストンマーティン-コスワース RA 6.5 L V12 ミッドシップ, 縦置き
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム イギリスの旗 アストンマーティン・THOR・チーム
ドライバー イギリスの旗 ハリー・ティンクネル
イギリスの旗 トム・ギャンブル
スペインの旗 アレックス・リベラス
デンマークの旗 マルコ・ソレンセン
イギリスの旗 ロス・ガン
カナダの旗 ロマン・デ・アンジェリス
初戦 2025年のカタール1812kmレース
出走優勝表彰台ポールFラップ
10000
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概要

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ヴァルキリー AMR-LMHのベースとなった、ヴァルキリー AMR Pro

ヴァルキリープロジェクトが始動した2016年より、アストンマーティンはレッドブルF1チームのスポンサーとなり、2018年にはタイトルスポンサーに就任して「アストンマーティン・レッドブル・レーシング」の名でF1に参戦した。レッドブルは2019年よりホンダ製パワーユニットを搭載したが、アストンマーティンはタイトルスポンサーを継続した[1]

スポーツカーレースFIA 世界耐久選手権(WEC)において2020-2021シーズンより最高峰クラスにハイパーカー規定が導入されることを受け、アストンマーティンは2020年よりヴァルキリーでWECにワークス参戦することを表明した[2]。2021年は同社のル・マン24時間レース参戦100周年にあたる[3]。また、AMR Proのカスタマー供給も視野に入れている[4]

2020年、ローレンス・ストロール率いるコンソーシアムがアストンマーティンを買収したことで状況は変化した。ストロールは所有するレーシング・ポイントを改称し、2021年より「アストンマーティンF1」としてF1にワークス参戦することを決定。レッドブルとのスポンサー契約を2020年一杯で終了するとともに、WECのハイパーカープログラムを再検討し、参戦を保留すると発表した[5]

しかし日本時間2023年10月5日、突如として2025年より同車を用いてハイパーカークラスに参戦することが発表された[6]。エンジンは市販車同様のコスワース製6.5リッターV12エンジンを使用する一方で、ハイブリッド機構は搭載しない。またWEC以外にウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスへの参戦予定も明らかにしており、LMHとしてWEC / IMSA双方のシリーズに参戦する初のチームとなる。

2024年6月、アストンマーティンとパートナーシップを結ぶハート・オブ・レーシングチームは、2025年のWECに計2台の「アストンマーティン・ヴァルキリー AMR-LMH」を投入することを確認した[7]

レース活動

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2025年

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2024年11月、FIA 世界耐久選手権(WEC)に参戦する最初のドライバーとカーナンバーが発表され、007号車にハリー・ティンクネル、009号車にアレックス・リベラス英語版がそれぞれエントリーされた。IMSA スポーツカー選手権においてはデイトナ24時間レースをスキップし、テストと開発を継続する[8]。2025年2月、残るドライバーラインアップが発表された。WECでは007号車にトム・ギャンブル英語版が、009号車にマルコ・ソレンセン英語版が加入。また、ル・マン24時間レースを含む複数のレースではロス・ガン英語版が007号車に、ロマン・デ・アンジェリス英語版が009号車にそれぞれ合流し、3人目のドライバーとして参戦する。IMSAにおいては、アンジェリスとガンの2名が23号車をドライブする[9]

戦績

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FIA 世界耐久選手権

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チーム クラス No. ドライバー Rds. 1 2 3 4 5 6 7 8 Pts. Pos.
2025   アストンマーティン・THOR・チーム ハイパーカー 007   ハリー・ティンクネル All QAT
Ret
IMO
SPA
LMS
SÃO
COA
FUJ
BHR
0 8位
  トム・ギャンブル英語版 All
  ロス・ガン英語版 1
009   アレックス・リベラス英語版 All QAT
17
IMO
SPA
LMS
SÃO
COA
FUJ
BHR
  マルコ・ソレンセン英語版 All
  ロマン・デ・アンジェリス英語版 1

ウェザーテック・スポーツカー選手権

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チーム クラス No. ドライバー Rds. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Pts. Pos.
2025   アストンマーティン・THOR・チーム GTP 23   ロマン・デ・アンジェリス英語版 TBC DAY SEB LBH MON DET WGL ELK IMS PET
  ロス・ガン英語版 TBC
  TBA TBC

ル・マン24時間レース

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チーム クラス 車番 ドライバー 周回数 総合
順位
クラス
順位
2025
英語版
  アストンマーティン・THOR・チーム ハイパーカー 007   ハリー・ティンクネル
  トム・ギャンブル英語版
  ロス・ガン英語版
009   アレックス・リベラス英語版
  マルコ・ソレンセン英語版
  ロマン・デ・アンジェリス英語版

脚注

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  1. ^ レッドブル・ホンダの誕生にアストンマーチン「ブランドの競合はないから問題ない」と太鼓判 - motorsport.com日本語版・2018年6月22日
  2. ^ WEC:2020/21年、トヨタとアストンマーティン参戦でメーカー対決復活。サプライズは続くか - autosport web・2019年6月19日
  3. ^ 【ル・マン24時間】アストンマーティン“Valkyrieハイパーカー”で2021年の総合優勝狙う - TopNews・2019年6月15日
  4. ^ WEC:フォードもハイパーカー参入か? 7月にGT進化版を公開へ。アストンはプライベーター供給も視野に - autosport web・2019年6月28日
  5. ^ アストンマーチン、来季のLMHクラス不参加を正式発表「我々の立場を再評価する」 - motorsport.com日本語版・2020年2月21日
  6. ^ アストンマーティンのWECハイパーカー計画が再始動。2025年ル・マンに『ヴァルキリー』で挑む - autosport web・2023年10月5日
  7. ^ アストンマーティン、2025年WECハイパーカー参戦を確認。2台のヴァルキリーAMR-LMHが登場へ - autosport web・2024年6月14日
  8. ^ アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ - autosport web・2024年11月21日
  9. ^ 2025年レースデビュー『ヴァルキリーLMH』のドライバーラインアップが確定/WEC&IMSA - autosport web・2024年2月5日

関連項目

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