ჳ
正書法改革前のグルジア文字の22番目の文字
ჳ(グルジア語: ვიეまたはჳე[1]、/vɪɛ/)は、グルジア文字の22番目の文字であったが、19世紀のイリア・チャヴチャヴァゼなどによる正書法改革により廃止された[2][3]。
使用
編集古ジョージア語では二重母音の[uɪ]を表す[4]。記数法では「უ」と同じく数値400を表す[5]。
ジョージア語では廃止となっているが、ジョージア国内のスヴァン語では有声両唇軟口蓋接近音[w]を表す。アブハズ語(1937年から1954年まで)[6]およびオセット語(1938年から1954年まで) [7]のグルジア文字表記法でも使用されていたが、現在はキリル文字が主に使われ、アブハズ語で「Ҩ」と(有声両唇硬口蓋接近音[ɥ]を表す)、オセット語で「У」と記される。
廃止された以降、この文字は「ვი」と書き換えられた(სხჳსი → სხვისიなど)。
なお、古ジョージア語の時代に円唇後舌め広めの狭母音[ʊ]を表す単独の文字は存在せず、同じ発音はギリシア語の「ου」に倣い「ႭჃ」の2文字で表したが、中ジョージア語時代にようやく合字が形成され、現在は「უ」となっている[9]。
字形
編集アソムタヴルリ | ヌスフリ | ムヘドルリ | ムタヴルリ |
---|---|---|---|
筆順
編集符号位置
編集文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|
Ⴣ | U+10C3 |
- |
Ⴣ Ⴣ |
アソムタヴルリ |
ⴣ | U+2D23 |
- |
ⴣ ⴣ |
ヌスフリ |
Ჳ | U+1CB3 |
- |
Ჳ Ჳ |
ムタヴルリ |
ჳ | U+10F3 |
- |
ჳ ჳ |
ムヘドルリ |
出典
編集- ^ ა. შანიძე. 1973/1980. „ქართული ენის გრამატიკის საფუძვლები“. თბილისი: თსუ გამომცემლობა. გვ. 18.
- ^ Machavariani, p. 136
- ^ Daniels, Peter T. (1996). The World's Writing Systems. Oxford University Press. p. 367. ISBN 978-0-19-507993-7
- ^ Aronson, Howard Isaac (1990). Georgian: A Reading Grammar. Columbus, OH: Slavica Publishers. p. 18, 20. ISBN 978-0-89357-207-5
- ^ Mchedlidze, II, p. 100
- ^ Из истории письменности в Абхазии.
- ^ История осетинского письма.
- ^ Transliteration of Non-Roman Scripts. Transliteration of Georgian
- ^ Schanidse, Akaki (1982). Grammatik der algeorgischen Sprache. Schriften des Lehrstuhls für altgeorgische Sprache, vol. 24. Transl. Heinz Fähnrich. Tbilissi: Staatsuniversität
- ^ Mchedlidze, I, p. 105
- ^ Mchedlidze, I, p. 107