Wikipedia:百科事典向け写真撮影のガイド/手ブレと被写体ブレ
ブレ写真がいけない理由
編集写真をとる上でしばしば起きる失敗に「ブレ」があります。
「ブレ」には2種類あります。ひとつは「手ブレ」で、もうひとつは「被写体ブレ」です。いずれも、周囲が暗くてシャッタースピードが遅い場合に起こることが多いものです。
ブレている写真でも、サムネイルなど小さく表示する場合には、あまり気にならない場合があります。しかし、画像をクリックして大きく表示した場合には、問題がはっきりわかってしまいます。資料写真としては、ブレている写真は、望ましくありません。Wikipedia用に限って言えば、もっとも大きく表示したときに細部を見てブレがわかる写真は、失敗作と考えるべきでしょう(事件写真など、撮り直しがきかないものについては、この限りではない)。
では、どういうものが「手ブレ」「被写体ブレ」なのか、どうすればブレを避けることができるのかを、実例を沿えて、簡単に説明しましょう。
手ブレ
編集手ブレとは、シャッターを切る瞬間にカメラを持つ手が動いてしまうことによって起こります。
被写体ブレ
編集被写体ブレは、手ブレとは異なり、シャッターが開いている間に被写体が動いてしまうことによって生じるブレです。暗くてシャッタスピードが遅いときはもちろんのこと、明るい時でも動く被写体を撮影すると、しばしば起きてしまいます。とりあえず実例をごらんください。
サンプル - 被写体ブレ | |
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日陰を疾走する電車です。この列車のスピードは新幹線ほど速くはありませんが、被写体ブレが生じています。一部を取り出してみると、ブレ具合がよくわかります。 |
被写体ブレには、手ブレのような対策がありません。ISO感度を上げて「シャッタースピードを速くする」、「流し撮りをする」など、方法がないわけではありませんが、「画像が荒れる」(ノイズが増える)、「失敗する可能性が高い」など、ビギナー向けの方法とはいえません。感度を上げずにシャッタスピードを速くした場合は露出不足となります。
被写体ブレが生じてしまうような状況下で動きの速い被写体を撮影した写真は、ある程度以上写真撮影に慣れて自信が持てるものが撮れるようになるまで、Wikipediaにはアップロードしない方がいいでしょう。ただ、全然撮らないと上達もしませんから、失敗覚悟でたくさん撮影し、撮った写真をよく見て自分なりの工夫をいろいろとしてみることをお勧めします。
複合的な要因
編集なお、「手ブレ」も「被写体ブレ」も、暗いところで起こることが多いものです。「手ブレと被写体ブレのダブルパンチ写真」というのも、しばしば見かけます。特に、地下鉄の車輌を駅撮りした写真などに多いようです。そういう悪条件で撮影した写真は、アップロードする前に特によくチェックしましょう。
だからといって、鉄道撮影にフラッシュ(ストロボ)を使うことはやめましょう。たとえ強い光でなくても、多くの人命をあずかり、定時運行をしなければいけない乗務員や駅員の安全確認を邪魔してしまうことがあるからです。もともとカメラ内蔵のものは光が弱いですし、別に取り付けるタイプのフラッシュでも、最も近くて最も面積の大きなものから反射した光を受け取った瞬間に発光を止める仕組みになっていますので、どちらにしても、車両や列車が全部収まるような距離では奥まで光が届きません。