USオープン (ダーツ)
USオープン (US Open) は、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション (PDC) が開催するダーツのトーナメントである。
US Open | |
---|---|
概要 | |
開催国 | アメリカ合衆国 |
開催地 | ネヴァダ州, ラスベガス (2010) |
会場 | Tropicana Las Vegas |
初開催 | 2007年 |
主催団体 | PDC |
大会種別 |
PDC ProTour (2009 - ) Premier (2007 - 2008) |
テレビ | (2007 - 2008) |
使用ボード | unicorn ECLIPSE PRO |
形式 |
Legs (2009 - ), Sets (2007 - 2008) Open |
賞金総額 | £ 33,200 (2010) (実総額) |
開催月 | 6月 |
最終開催 |
2008年 (Premierとしての開催) |
ナイン・ダート・フィニッシュ | |
無-TV放送 | コリン・ロイド (2010) |
現在のチャンピオン | |
フィル・テイラー (2010) | |
最終チャンピオン | |
フィル・テイラー (2008: Premierとしての開催) |
ここでは、USオープンの名を用いて開催されたイヴェント (プレミア・イヴェントとして開催されていた2008年までのトーナメントと、PDC ProTourのプレイヤーズ・チャンピオンシップスの1つとして開催されるようになった2009年以降のトーナメント) を、まとめて解説する。
トーナメントの変遷
編集前年のワールド・シリーズ・オヴ・ダーツに代わり、USオープンが、2007年と2008年のプレミア・イヴェントとして導入された。
その後、2009年は、前日のアトランタ・プレイヤーズ・チャンピオンシップと共に、週末のダブル・ヘッダーとなり、USオープンもプレイヤーズ・チャンピオンシップスの1つとなったが、プレイヤーズ・チャンピオンシップという名前を、前面に出しておらず、賞金から見ても、特殊であった[1]。
しかし、2010年は、ラスベガス・デザート・クラシックに取って代わったニュー・トロピカーナ・ワールド・シリーズ・オヴ・ダーツ・フェスティヴァルを構成するトーナメントの1つとして組み込まれ、USオープンという名前は残ったものの名前にも"PDC US Open Players Championship (PC 19)"[2][3]とはっきりと明示され、賞金から見ても数あるプレイヤーズ・チャンピオンシップスの1つとなっている[4]。
ニュー・トロピカーナ・ワールド・シリーズ・オヴ・ダーツ・フェスティヴァル
編集ニュー・トロピカーナ・ワールド・シリーズ・オヴ・ダーツ・フェスティヴァルは、以下のトーナメントから構成されている[2]。
- ワールド・クリケット・チャンピオンシップ
- PDC USオープン・プレイヤーズ・チャンピオンシップ (PC19)
- ラスベガス・プレイヤーズ・チャンピオンシップ 1 (PC20)
- ラスベガス・プレイヤーズ・チャンピオンシップ 2 (PC21)
- ノース・アメリカン・ダーツ・チャンピオンシップ
PDC オーダー・オヴ・メリットと賞金
編集このトーナメントは、獲得した賞金額に基づくPDCのワールド・ランキング・システムであるPDC オーダー・オヴ・メリット (PDC OOM) に反映される。 2008年までは、Sky Sports以外のプレミア・イヴェント[5]であり、2009年以降は、PDC ProTourのプレイヤーズ・チャンピオンシップスとなっている。
2010年の賞金総額は、イギリスやヨーロッパで行われた他のPDC ProTourに属するトーナメントと同じである。 プレミア・イヴェントであった2008年の賞金増額は、PDCのダーツ・イヴェント中、9番目であるが、プレミア・リーグ・ダーツとグランド・スラム・オヴ・ダーツ、そしてチャンピオンシップ・リーグ・ダーツは、PDC OOMに反映されないため、PDC OOMへの寄与は、6番目に大きかった。
このトーナメントの賞金は、以下の通りとなっている[6][7]。
年 | 優勝 | 準優勝 | 準決勝 | 準々決勝 | ラスト 16 |
ラスト 32 |
ラスト 64 |
左記 未満 |
ハイエスト・ チェクアウト |
9ダーター | 実総額[8] | 公称総額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2007 | £12,500 | £7,500 | £5,000 | £4,000 | £3,000 | £1,500 | £1,000 | £0 | 不明 | - | £126,000 | [9]£126,000 $250,000 |
2008 | £12,500 | £7,500 | £5,000 | £4,000 | £3,000 | £1,500 | £1,000 | £0 | 不明 | - | £126,000 | [10]£126.000 $250,000 |
2009 | $12,000 | $6,000 | $3,200 | $1,600 | $800 | $400 | $200 | $0 | 不明 | - | $50,000 | [1]$50,000 |
2010 | £6,000 | £3,000 | £1,500 | £1,000 | £500 | £300 | £200 | £0 | 不明 | £2,000 | £33,200 | [2]£31,600 |
なお、この賞金額は、WDF/BDOの賞金額が最も多いイヴェントであるBDO ワールド・プロフェッショナル・ダーツ・チャンピオンシップス (レイクサイド) の賞金額には及ばないが、2番目のワールド・マスターズを超えている。
2008年における他のトーナメントとの賞金額の比較は、次の通りである[11][12][13][14]。
年 | 団体 | 大会 | 公称総額 | 実総額[15] | 優勝 | 準優勝 | 準決勝 | 準々決勝 | ラスト 16 |
ラスト 32 (*24) |
ラスト 64 (*40) |
ハイエスト・ チェクアウト |
9ダーター |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2008 | PDC | USオープン | £126,000 | £126,000 | £12,500 | £7,500 | £5,000 | £4,000 | £3,000 | £1,500 | £1,000 | 不明 | - |
2008 | PDC | ラスベガス・デザート・クラシック | £120,000 | £120,000 | £20,000 | £10,000 | £7,000 | £5,000 | £3,000 | £2,000 | - | 不明 | - |
2008 | WDF (BDO) |
レイクサイド (メンズ) | £310,000 | £246,000 | £85,000 | £30,000 | £11,000 | £6,000 | £4,250 | £3,000 | - | £3,000 | - |
レイクサイド (ウィメンズ) | £12,000 | £6,000 | £2,000 | £1,000 | £500 | - | - | - | |||||
2008 | WDF (BDO) |
ワールド・マスターズ (メンズ) | £61,000 | £50,000 | £25,000 | £10,000 | £3,000 | £1,250 | £500 | *£0 | *£0 | £1,000 | - |
ワールド・マスターズ (ウィメンズ) | £10,500 | £5,000 | £1,500 | £750 | £500 | £0 | - | - | - |
本戦の日程・会場・放送など
編集日程、会場、タイトル・スポンサー、テレビ放送などの情報は、以下の通りである[6][7]。
年 | 開始日 | 終了日 | 開催日数 | 開催地 | 会場 | スポンサー | 使用ボード | テレビ放送 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2007 | 5/18 (金) | 5/20 (日) | 3 | コネチカット州 | Mohegan Sun Casino Resort | - | unicorn ECLIPSE PRO | Challenge |
2008 | 5/16 (金) | 5/18 (日) | 3 | コネチカット州 | Mohegan Sun Casino Resort | PartyPoker.net | unicorn ECLIPSE PRO | Nuts TV Versus |
2009 | 8/23 (日) | 1 | アトランタ | Holiday Inn Select-Atlanta Capitol Conference Center |
- | unicorn ECLIPSE PRO | - | |
2010 | 6/27 (日) | 1 | ラスベガス | Tropicana Las Vegas | - | unicorn ECLIPSE PRO | - |
形式
編集USオープンは、オープン形式のシングル・エリミネイション・トーナメントである。 参加人数によって、ラウンド数が増減するが、他のトーナメントよりも、試合数が多い。
参加資格
編集オープン・イヴェントなので、プロフェッショナル・ダーツ・プレイヤーズ・アソシエイション (PDPA) のメンバーでなくとも、参加できる。
PDPAに加入していないプレイヤーの参加資格は、以下の通りである[9][16][1][2]。
年 | 参加資格 |
---|---|
2007 | 北アメリカの住人 |
2008 | 北アメリカの住人 |
2009 | 特に無し |
2010 | イギリス人以外 |
本戦の参加人数とラウンド数
編集本戦の参加人数とラウンド数は、以下の通りである[6]。 なお、フィル・テイラーやレイモンド・ファン・バルネフェルトといったトップ・プレイヤーも、第1ラウンドからの参戦となっている。 第0ラウンド (Preliminary Round) がない2007年は、第2ラウンドから参戦枠を作ることで、数を調整した。
年 | プレイヤー数 | ラウンド数 |
---|---|---|
2007 | 237 | 8 |
2008 | 258 | Prelim + 8 |
2009 | 75 | Prelim + 6 |
2010 | 153 | Prelim + 7 |
セット・レッグ数
編集各年の各ラウンドにおけるセット数及びレッグ数は、以下の通りである[17][10][1][2]。 前に*の付いたものの形式は、セット、無印のものは、レッグである。
年 | 準決勝まで (best of) |
決勝 (best of) |
legs/set (best of) | |
---|---|---|---|---|
2007 | *5 | *7 | 3 | |
2008 | *5 | *5 | 3 | |
2009 | 11 | 11 | - | |
2010 | 11 | 11 | - |
結果
編集決勝戦
編集プレミア・イヴェント時は、フィル・テイラーが、2期ともチャンピオンであった。 2009年は、あえて参加していないが、2010年には再び参加し、チャンピオンの座に輝いた。
年 | チャンピオン | スコア | 準優勝 |
---|---|---|---|
2007 | フィル・テイラー(103.10) | 4-1 | レイモンド・ファン・バルネフェルト(99.06) |
2008 | フィル・テイラー(96.86) | 3-0 | コリン・ロイド(91.48) |
2009 | デニス・プリーストリー | 6-3 | アンディ・ハミルトン |
2010 | フィル・テイラー | 6-1 | デニス・オーブンズ |
ナイン・ダート・フィニッシュ
編集このトーナメントでは、ナイン・ダート・フィニッシュが、1回達成されている (ただし、テレビ放送されたものではない) [18][19]。
年 | 日付 | プレイヤー | ラウンド | レッグ | 対戦相手 | 方法 | 賞金 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2010 | 6/27 (日) | コリン・ロイド | 2 | 不明 | デイヴ・スウィツァー | 不明 | £2,000 |
ハイ・フィニッシュ
編集2007年の準々決勝以降と2008年のラスト16以降においての、ハイエスト・チェクアウトは以下の通りである。
年 | プレイヤー | 数字 | 賞金 |
---|---|---|---|
2007 | ジョン・パート | 170 | 不明 |
2008 | クリス・メイソン | 158 | 不明 |
記録
編集このトーナメントにおける記録は、以下の通りである[6][7]。
最多優勝
編集このトーナメントは、フィル・テイラーに支配されているが、彼がチャンピオンになっていない2009年大会には、彼は、参戦していない。
- 3 フィル・テイラー (2007 - 2008, 2010)
- 1 デニス・プリーストリー (2009)
ナイン・ダート・フィニッシュ
編集このトーナメントにおいて達成されたナイン・ダート・フィニッシュは、テレビ放送されていないものである。
- 1 コリン・ロイド
100以上の平均値
編集2007年の準々決勝以降と2008年のラスト16以降において、100以上の平均値となったのは、以下の通りである。
記録 | プレイヤー | 年 | ラウンド | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|
106.98 | フィル・テイラー | 2007 | 準々決勝 | マーヴィン・キング |
109.89 | レイモンド・ファン・バルネフェルト | 2007 | 準々決勝 | ローランド・ショルテン |
100.09 | レイモンド・ファン・バルネフェルト | 2007 | 準決勝 | アンディ・ハミルトン |
103.10 | フィル・テイラー | 2007 | 決勝 | レイモンド・ファン・バルネフェルト |
107.09 | フィル・テイラー | 2008 | ラスト16 | コリン・オズボーン |
101.07 | コリン・ロイド | 2008 | 準々決勝 | ロニー・バクスター |
100.45 | フィル・テイラー | 2008 | 準々決勝 | レイ・カーバー |
111.35 | フィル・テイラー | 2008 | 準決勝 | デニス・プリーストリー |
103.00 | デニス・プリーストリー | 2008 | 準決勝 | フィル・テイラー |
両者共
編集2007年の準々決勝以降と2008年のラスト16以降において、1回達成されている。
- 2008年準決勝 (111.35) フィル・テイラー 3 vs 0 デニス・プリーストリー (103.00)
脚注・参照
編集- ^ a b c d PDC US Open (2009) PDC
- ^ a b c d e New Tropicana World Series of Darts Festival PDC
- ^ (PC 19) は、その年に行われる19番目のプレイヤーズ・チャンピオンシップという意味。
- ^ 他にも、オーストラリアン・オープン・プレイヤーズ・チャンピオンシップや、カナディアン・マスターズ・プレイヤーズ・チャンピオンシップなど、特別な名前のついたプレイヤーズ・チャンピオンシップは、存在する。
- ^ Order of Merit (2008) PDC
- ^ a b c d e US Open Darts Database
- ^ a b c d US Open Mastercaller
- ^ 実際に支払われた賞金の合計。ただし、不明の項目を£0としている。
- ^ a b PDC US Open - Tournament Information (2007) PDC
- ^ a b 2008 PDC US Open Confirmed PDC
- ^ Lakeside World Professional Darts Championships (Men's) Darts Database
- ^ Lakeside World Professional Darts Championships (Women's) Darts Database
- ^ Winmau World Masters (Men's) Darts Database
- ^ Winmau World Masters (Women's) Darts Database
- ^ PDCが2008年に開催するトーナメントにおけるハイエスト・チェクアウトの賞金額は不明なため、それ以外の実際に支払われた額の合計。
- ^ PDC US Open Entry (2008) PDC
- ^ Taylor Wins PDC US Open (2007)
- ^ PDPA - 9DART CLUB PDPA
- ^ Taylor Defies The Heat In Vegas! (2010) PDC
外部リンク
編集- World Series of Darts - 2008 US Open PDC (2009年以降は個別) (英語)
- US Open Darts Database (英語)
- US Open Mastercaller (英語 / オランダ語)