Kiss Destination
日本の音楽ユニット (1998-2001)
(TRUE KiSS DESTiNATiONから転送)
Kiss Destination(キス ディスティネーション)は、2人組音楽ユニット。当初はTRUE KiSS DESTiNATiON(トゥルー キス ディスティネーション)であったが、5枚目のシングルから改名した。
Kiss Destination | |
---|---|
出身地 | 日本 |
ジャンル |
J-POP R&B ヒップホップ |
活動期間 |
TRUE KiSS DESTiNATiON (1998年 - 1999年) Kiss Destination (1999年 - 2001年) |
レーベル |
TRUE KiSS DiSC (1999年 - 2000年) Rojam Entertainment (2000年) フライトマスター(ポニーキャニオン) (2001年) |
共同作業者 |
DJ DRAGON (DJ・マニピュレーター) |
メンバー |
吉田麻美 (ボーカル・ダンサー) 小室哲哉 (シンセサイザー・ラップ・ボーカル) |
メンバー
編集概要
編集- 「今までのいきなりデビューから多額の宣伝費をかけるやり方ではなく、吉田が経てきたヒップホップのアンダーグラウンドなステージでもちゃんと理解して共感してもらえて、着々と広まっていくのを目指すインディーズのノウハウを駆使した実験室」[1]「リサーチやマーケティングから生まれたメガヒット系のサウンドに飽き足らない客層に、マーケットの法則に縛られない新しいサウンドを届けて、ティーンの反応を確かめるプロジェクト」[2]「小室ファミリーとしてのブランドで買われる事を拒絶し、純粋に音だけで評価される作り方」[3]「積極的にカバーを発表する」[4]を活動の際のコンセプトにしていた。
- ユニットのレコーディングに入ったのは、「RENDEZ-VOUS '98 ELECTRONIC NIGHT」を終えた直後だった。ローリン・ヒル・ティンバランド・R・ケリーの仕事に深く惹かれて、創作意欲をかきたてられてロサンゼルスで音色作りを始めたが、「本場はここではない。発信している場所で相当どっぷり浸って作らないと店で違う棚に置かれて、出す意味もなくなる」という理由からすぐに制作拠点をニューヨークに移し、内輪の関係者にも企画の内容を全て知らせないままレコーディングに没頭した。アイディアが止めどなく溢れ、作った音色がすぐに古くなってしまうので作り直しの連続だった。その中で構築された音色作りのテーマはヒップホップの流れを汲むものだが、「昔の音ネタをループ等サンプリングの素材に使う」といった手法をとらず、サウンドの軸はベース・キック・スネア・歌とした。これまでの厚く重ねるようなサウンドメイクはせず[5]、「ドライで骨組みの見えるスカスカさ」を個性とし、その上で日本語のボーカル・コーラス・声質が気持ちよく浮遊するように演出した。そのために「バックビートを感じられて、メロディアスさのある声質」と語る吉田麻美を起用した[6][3][7]。
- インディーズ時代より、小室が手がけたバックトラックが「海外でも通じる本場のR&B・ヒップホップにも遜色ないサウンド作り」と認められるために、ニューヨークで活動する様々なアーティストに小室の手がけたバックトラックを聴かせて音だけで判断してもらい、お世辞無しに認めてもらった上でリミックス・歌・ラップ等でコラボレーションを行っていた[8]。
来歴
編集- 1998年12月、ポカリスエット協賛によるライブツアー「TRUE KiSS DESTiNATiON NITE」を開催する。振り付けはマイケル・ジャクソンやウィル・スミスとのコラボレーションで有名なファティマ・ロビンソンが担当した[9]。
- 1999年1月、ニューヨークに設立したTRUE KiSS DiSC(後にSME傘下となる)より、クラブDJ向けのLPをインディーズ流通・日本ではCISCO RECORDS限定、小室・吉田の名は出さずに覆面ユニットとしてリリース[3]。
- 1999年4月、「AFRiCA」にてメジャーデビュー。
- 1999年11月、同じ略称の所属レーベルと混同されないため・予定調和的なリズムを否定し、新しいリズム遊びを行う事をテーマにグループ名をKiss Destinationに改名[10][11]。
- 2001年にフライトマスター(ポニーキャニオン)に移籍した。
- 2001年に2人は結婚し、吉田の妊娠・出産により活動休止。翌2002年に離婚したことにより、自然消滅。
ディスコグラフィー
編集インディーズ アナログシングル
編集発売日 | タイトル | 規格品番 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
TRUE KiSS DESTiNATiON名義 | ||||
1st | 1999年1月19日 | PRECiOUS MOMENTS -WHEN WILL I SEE YOU AGAIN- | TRUEKA-101 | ザ・スリー・ディグリーズ 「When will I see you again」のカヴァー |
2nd | 1999年1月26日 | PRECiOUS MOMENTS REMiX | TRUEKA-102 | |
3rd | 1999年2月9日 | ViCTiM | TRUEKA-103 | |
4th | 1999年2月16日 | ViCTiM REMiX | TRUEKA-104 | |
5th | 1999年3月2日 | HOW DO YOU THINK? | TRUEKA-105 |
シングル
編集発売日 | タイトル | 規格品番 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
TRUE KiSS DESTiNATiON名義 | ||||
1st | 1999年4月7日 | AFRiCA | AICT-1049 (MAXI) / TRUEKA-106 (12") | フォードCMソング、 TOTOの同名の曲のカヴァー |
2nd | 1999年5月12日 | Girls, be ambitious! | AIDT-5045 (8cm) / AICT-1077 (MAXI) / AIJT-5025 (12") |
フジテレビ系ドラマ『ナオミ』主題歌 |
3rd | 1999年6月30日 | OVER & OVER | AICT-1084 (MAXI) / AIJT-5034 (12") | マイクロソフトCMソング |
4th | 1999年8月25日 | Everybody's Jealous | AICT-1133 | |
Kiss Destination名義 | ||||
5th | 1999年11月3日 | FUTURE OF THE DAY | AICT-1136 | インテルCMソング |
6th | 1999年12月1日 | DEDICATED TO YOU | AICT-1175 | |
7th | 2000年5月17日 | MA・BA・TA・KI | AICT-1233 | J-PHONE東海CMソング(小室哲哉出演) |
8th | 2000年10月25日 | 口笛に咲く花 | 568-10057 | Rojam Entertainmentよりインターネット販売限定 |
9th | 2000年11月27日 | Sweet Memories | 568-10087 | Rojam Entertainmentよりインターネット販売限定 |
10th | 2001年3月7日 | WAVE OF LOVE | PCCA-01508 | フライトマスター(ポニーキャニオン)に移籍 |
11th | 2001年6月20日 | DEAR MY CLOSE FRIEND | PCCA-01546 |
アルバム
編集発売日 | タイトル | 規格品番 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
TRUE KiSS DESTiNATiON名義 | ||||
インディーズ | 1999年2月17日 | TRUE KiSS DESTiNATiON | TUREKC101 / AICT-51 | |
Kiss Destination名義 | ||||
1st | 1999年11月17日 | GRAVITY | AICT-1085 | 2013年9月11日 Blu-Spec CD2でSony Music Directより再発 MHCL-30158 |
2nd | 2001年4月25日 | AMARETTO | PCCA-01519 |
その他
編集- Dancing Stage featuring TRUE KiSS DESTiNATiON
同ユニットをフィーチャーしたアーケードゲーム/PlayStationゲーム。
ラジオ
編集- TOKYO FM系列 『MIX IN KD presented by TK』 (2001年)
ライブ
編集POCARI SWEAT presents TRUE KiSS DESTiNATiON NITE organized by TETSUYA KOMURO[12]
公演日程 | 会場 | 都市 |
---|---|---|
1998年12月25日 | ROJAM DISCO | 上海 |
1999年2月15日 | ROJAM DISCO | 上海 |
1999年2月16日 | ROJAM DISCO | 上海 |
1999年2月17日 | ROJAM DISCO | 上海 |
1999年3月18日 | Bar,isn't it? | 仙台 |
1999年3月19日 | Bar,isn't it? | 仙台 |
1999年3月24日 | OZON | 名古屋 |
1999年4月1日 | OZON | 名古屋 |
1999年4月3日 | OZON | 名古屋 |
1999年4月21日 | CLUB DAWN | 大阪 |
1999年4月22日 | CLUB DAWN | 大阪 |
1999年4月25日 | I to I | 大阪 |
1999年5月3日 | Cafe JAMAICA | 広島 |
1999年5月7日 | O/D | 福岡 |
1999年5月8日 | O/D | 福岡 |
1999年5月24日 | club asia | 東京 |
出典
編集- ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』1999年4月号180P-181Pより。
- ^ 「ぴあ」2001年5月7日号「Interview Kiss Destination 小室哲哉激白!! 『次の10年へ向けた出発点なんだ』」130Pより。
- ^ a b c ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1999年3月号「Special Feature TRUE KiSS DESTiNATiON」85Pより。
- ^ 「TRUE kiss destination『Girls, be ambitious!』」プロモーション盤のライナーノーツより。
- ^ ただし、リズムはそれまで通りスウィングするようにした。
- ^ 角川書店刊「CDでーた」1999年2月5日号「小室哲哉が新ユニット結成! TRUE KiSS DESTiNATiON」40Pより。
- ^ 文藝春秋刊 『考えるヒット2』 近田春夫著 355P-357Pより。
- ^ ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1999年10月号「Worldwide Music Press SPECIAL BLAQUE IVORY with TK」187Pより。
- ^ ソニー・マガジンズ刊『ギターブック』1999年7月号「TRUE KiSS DESTiNATiON Girls, be ambitious!」164Pより。
- ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』1999年11月号39Pより。
- ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』2000年2月号より。
- ^ “TRUE KiSS DiSC OFFICIAL SITE”. ソニーミュージック. 2023年5月5日閲覧。