Rojam Entertainment(ロジャム エンタテインメント)は、小室哲哉が創業したアジアを中心に活動するインディーズレーベルである。また芸能プロダクション、プロデュース・製作集団という側面も持っている。

寰亞傳媒集團有限公司
Media Asia Group Holdings Limited.
種類 株式会社
市場情報
SEHK 08075
2001年5月31日 - 2023年3月21日
設立 1998年1月
業種 情報・通信業
事業内容 エンターテインメント事業
代表者 林建岳
決算期 3月31日
主要株主 eSun Holdings Limited 67.56%
関係する人物 小室哲哉
(創業者、元会長兼取締役)
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概要

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  • 社名の由来は「MAJOR」の逆さ読み。小室の「どんなメジャーレーベルも最初はアマチュア」という意向で名づけられた[1]
  • プロデューサーチームとしての活動は、楽曲制作・ボーカルディレクションは小室が集めた約50人もの所属プロデューサーの中で行われ、小室は自ら所属するユニット以外のアーティストに直接関わる事は極力避け、アジアの200人に上るDJから届いたボーカルトラック・リミックス音源の選定に関わるのを中心とし、飽くまでもアジア各国への歌手・DJ・リミキサーのプロモーションのオーガナイザーとして一歩引いた活動をしていた[2][3][4]
  • 「ROJAM.COM Compilation Vol.1」を2000年10月に発売する予定があった。収録楽曲の一部が「日落時突然想見你(BiBi)」「Busy...Bom-Ba-Ya?(BiBi)」「Cloce Your Eyes(Sharon Chan)」「一息間的放縱(Sharon Chan)」と判明している[2]
  • 小室にとってはレコード会社・プロダクションではなく、音源・ソフトコンテンツをメーカーに供給する制作会社であり、ネット配信がメインのインターネットサービスプロバイダと解釈していた[5]

来歴

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  • 1998年
  • 2000年
    • 7月12日、オーディション&エージェントサイト「ROJAM.COM」グランドオープン。契約・プロモーション・オーディション・人気投票をインターネット上で行う[7][8]
  • 2001年5月31日香港証券取引所GEM市場に上場[9]
  • 2002年10月、R and Cの株を80%取得し、主要株主になる。
  • 2004年
    • 5月、小室とKEIKOがROJAMの株式を全て売却する。また、小室は同月20日付で会長兼取締役を辞任、経営から撤退した[10]。このころの株式評価損は約70億円にのぼっていた[11]。しかしその後も2008年まで専属ではないもののプロデューサー契約としては残っており、レコーディングスタジオとして利用していた。
    • 9月、R and Cの資本の残り20%を取得し完全子会社化。
    • 12月、吉本興業、ファンダンゴ(現・よしもとファンダンゴ)、フェイスの子会社となる。
  • 2007年3月、ファンダンゴが当社からR and Cの全株式を取得。フェイスが吉本興業から当社株式の29%を取得。
  • 2008年1月、「ROJAM DISCO」が営業停止。
  • 2009年9月、吉本興業とフェイスが当社の保有株式を5%残して、中国系投資会社のマーベル・ボーナス・ホールディングスに売却[12]
  • 2011年
    • 4月、香港のeSunホールディングス、アリババグループ創業者の馬雲が設立した投資ファンド「雲鋒基金」、新浪の3社共同でROJAMを4億9千万香港ドルで買収し[13]、6月にeSunの子会社となる。
    • 8月、社名を「寰亞傳媒集團有限公司」(メディアアジアグループホールディングス、Media Asia Group Holdings Limited)に変更[14]。eSun傘下のエンターテイメント企業集団であるメディアアジアグループの持株会社として再編された。
  • 2023年3月、eSunの完全子会社となる。これに伴い3月21日をもって上場廃止となった[15]

制作参加作品

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系列会社

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  • Rojam USA
小室が関与する原盤の制作会社[16]
  • ROJAM INTERNATIONAL
  • ROJAM Pictures,inc.(映像製作会社、ロサンゼルス・日本に設立)
  • ROJAM DISCO(上海市蘇州市に設立)
  • ROJAM Studios
小室の個人スタジオ。
ROJAM StudiosROJAM TECHNOLOGY JAPAN Studiosと表記されることもあった)」「ROJAM TECH FIVE STUDIO」の2スタジオが東京に設立されていた[17]。現在は2つのスタジオともクローズし存在していない。
ROJAM TECH FIVE STUDIOは小室の当時の自宅をリフォームして作られ、大まかなメロディと音色作りに使用された。
ROJAM Studiosは、東京都品川区勝島倉庫を改造して作られ、400坪という広大な敷地の中に2つのメインスタジオに定まらず、いくつものブースの中にあらゆる種類のシーケンサーと7000万円以上したというコンソール類が設置されていた。久保こーじ・木根尚登・岩佐俊秀・村上彰久・DJ DRAGON・松本零士専用のスタジオ・シャワールーム・エレベーターがあった[18]。最終的なミキシング作業はここで行われた[19]
小室の趣味で内装は「メタルギアソリッド」をイメージした近未来的な空間と、「ちょっと勘違いした」日本文化を折衷させた[18]。且つ全スペースにビデオカメラを設置して映像を確認することにより、より的確なコミュニケーションと防犯に役立てた[19]
2004年以降は制作クレジット上では「ROJAM Studios」以外表示されなくなっていた。
小室の経営撤退後は小室の個人スタジオと兼ねて、R and C運営の通常営業の録音・リハーサルスタジオとしても営業し、2010年頃に完全クローズ・原状復帰された。
  • 香港商龍傑多媒體股份有限公司台湾分公司

かつて所属していたアーティスト

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脚注

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  1. ^ 「コムック」2003年第3号より。
  2. ^ a b ぴあ」2000年8月28日号「小室哲哉発 アジア戦略発表 キーワードは“ネット”!!」4-5Pより。
  3. ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』2000年7月号より。
  4. ^ メディアファクトリー刊「ザッピィ」2000年9月号17Pより。
  5. ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』2000年10月号「小室哲哉通信 第33回『TM NETWORK再始動 TKが踏み出した一歩とは?』」132P-133Pより。
  6. ^ 角川書店刊「CDでーた」1998年5月5日号「小室哲哉の新レーベル“ROJAM”設立 期待の第1弾アーティストは弱冠13歳 台湾出身のRing!」p.43より。
  7. ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』2000年5月号「小室哲哉通信 第28回『あみ人気の向こうに見えたアジアとネットの新しい関係』」p.144より。
  8. ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』2000年8月号「小室哲哉通信 第31回『沖縄サミット開催迫るイメージソングの舞台裏』pp.176-177より。
  9. ^ 小室哲哉氏のロジャム、月末にGEM上場へ 2001/5/18 NNA ASIA
  10. ^ 株式会社フェイス及びACP Seed Fundがロジャムの主要株主に」より。
  11. ^ 小室哲哉天国から地獄、最近は金策に走る - 芸能ニュース”. nikkansports.com. 2021年10月18日閲覧。
  12. ^ 吉本興業 香港企業株を売却 小室氏が創業、業績低迷”. 産経関西. 2009年9月5日閲覧。
  13. ^ 马云私募丰德丽斥资4.9亿港元入主香港寰亚传媒”. www.yicai.com. 2025年2月8日閲覧。
  14. ^ 里程碑”. 寰亞傳媒集團有限公司. 2013年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年2月8日閲覧。
  15. ^ 内藤証券 2023/3/17
  16. ^ 日経BP刊『日経エンタテインメント!』1999年3月号81Pより。
  17. ^ http://www.wgrec.com/syu_wan/2010/5-17.html[リンク切れ]
  18. ^ a b ROJAM STUDIO MAGAZINEより
  19. ^ a b リットーミュージック刊 『キーボード・マガジン』 2001年10・11月合併号「特集 小室哲哉 前編 TKが語るグローバル・トランス構想&プライベートスタジオついに公開!」31Pより。

外部リンク

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