THライナー

東武鉄道および東京地下鉄が運行する座席指定制列車
TH LINERから転送)

THライナー(ティーエイチライナー)は、東武鉄道東京地下鉄(東京メトロ)が伊勢崎線日比谷線で運転している座席指定列車の列車種別名および愛称である[1]

THライナー
THライナーとして運用されている70090型 (2023年4月2日 春日部駅 - 一ノ割駅間)
THライナーとして運用されている70090型
(2023年4月2日 春日部駅 - 一ノ割駅間)
概要
日本の旗 日本
種類 ライナー
現況 運行中
地域 東京都埼玉県
運行開始 2020年6月6日[1]
運営者 東武鉄道
東京地下鉄
路線
起点 恵比寿駅霞ケ関駅
停車地点数 15駅(恵比寿方面)
10駅(久喜方面)
終点 久喜駅
営業距離 59.9 km
運行間隔 2本(恵比寿方面)
5本(久喜方面)
列車番号 #列車番号の節を参照
使用路線 東京地下鉄:日比谷線
東武鉄道:伊勢崎線
車内サービス
身障者対応 全車両に車椅子スペースあり
座席 全車指定席
技術
車両 70090型電車(東武鉄道所属)[1]
軌間 1067 mm
電化 直流1,500 V
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概要

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2019年3月26日、東武鉄道と東京地下鉄が、東武伊勢崎線と東京メトロ日比谷線で相互直通運転する列車に有料着席サービスを導入することを発表し[2]、同年12月19日には列車名を「THライナー」とすること、運行開始日・運行区間・運行本数・停車駅を発表した[1]

東京メトロ日比谷線に直通する列車として初の定期有料列車であり、東京メトロ日比谷線内で通過運転を行う定期列車としては初[注 1]の列車である。また、東京メトロの座席指定制定期列車としては、2008年運行開始の千代田線特急ロマンスカー」、2017年運行開始の有楽町線副都心線S-TRAIN」に次ぐものである。一方、東武鉄道の座席指定制列車としては、東上線で2008年から運行を開始しているTJライナーに次ぐもの(座席指定料金体系もTJライナーに準じている)であり、地下鉄乗り入れを行う有料列車は同社において初である。また、伊勢崎線の東武動物公園駅 - 久喜駅間に日比谷線直通列車が乗り入れるのも定期列車としては初となる。

列車愛称の「TH」は、「東武線<TOBU>と日比谷線<HIBIYA>を結ぶライナー」「東京(都心)<TOKYO>とホーム(自宅)<HOME>をダイレクトに結ぶ通勤ライナー」を由来としている。ロゴマークでは、70090型電車の塗装に用いられている赤色・黒色に日比谷線のラインカラーである灰色を融合した文字の中心を白線で貫くことで、2路線を乗り換えなしで利用出来る利便性を表している[1]

なお、駅案内上では種別を特に示されず[注 2]、単に「THライナー」として案内される。ただし、東京メトロ公式サイトの各駅時刻表では、久喜行きは「THライナー」を列車種別として使用しており、恵比寿行きは自由乗降区間において「普通」扱いとなっている[4][5]

歴史

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  • 2019年平成31年・令和元年)
    • 3月26日:東武伊勢崎線・東京メトロ日比谷線を直通する座席指定制列車の運行計画を発表[2]
    • 12月19日:列車名・運行開始日・運行区間・運行本数・停車駅を発表[1]
  • 2020年(令和2年)6月6日:運行開始[1][6][7]
  • 2021年(令和3年)4月12日 - 6月11日:この期間、久喜行きのみ草加駅に臨時停車を実施(降車専用)[8]。座席指定料金は新越谷駅・せんげん台駅と同料金扱い。
  • 2022年(令和4年)3月12日:同日のダイヤ改正により、平日ダイヤの霞ケ関発久喜行きの発車時刻を1時間繰り上げ(本数は変更なし)[9]
  • 2023年(令和5年)4月29日 - 6月30日:THライナー3周年チケレス割引キャンペーンを実施。この期間の乗車分について、「THライナーチケットレスサービス」での購入に限り、平日料金が500円(小児250円)均一、休日料金が310円(小児210円)均一となる[10]

運行形態

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平日・土休日共に朝時間帯に久喜発恵比寿行きが2本、夕方 - 夜時間帯に霞ケ関発久喜行きが5本運行される。土休日は恵比寿行きの運行時間が日中寄りとなる[1][6]

停車駅

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会社名 東武鉄道 東京地下鉄
路線名 伊勢崎線 日比谷線
方向 運行本数

駅名
久喜駅 東武動物公園駅 春日部駅 せんげん台駅 新越谷駅 上野駅 秋葉原駅 茅場町駅 銀座駅 霞ケ関駅 虎ノ門ヒルズ駅 神谷町駅 六本木駅 広尾駅 恵比寿駅
上り 2本
下り 5本

凡例

  • ●:停車(乗降共に可能)
  • ◎:停車(乗車のみ可能)
  • 〇:停車(降車のみ可能)

備考

  • 北千住駅では客扱いはしないが、乗務員交代のため運転停車する[6]
  • 複々線区間の北越谷駅 - 北千住駅間では、北越谷駅 - 西新井駅間は急行線、梅島駅 - 北千住駅間は緩行線の線路を使用する。この運転のために、西新井駅 - 梅島駅間で急行線と緩行線への片渡り線を新設した[11]

座席指定料金

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座席指定券 券売機

座席指定料金は、下記に示した東武線・東京メトロ線それぞれの料金を合算している。小児半額で端数切上。東武線内のみ、東京メトロ線内のみの座席指定券の発売は行わない。なお、霞ケ関 → 恵比寿間は乗車券のみで乗車できる。

これにより、事前購入の場合の販売額は以下の通りとなる。

座席指定料金(2020年2月26日現在[13]
東武線のキロ程 東武 メトロ 合計 車内(小児)
25km以上(春日部以北) 470円 210円 680円 880円(550円)
25km以内(せんげん台以南) 370円 210円 580円 780円(500円)

なお車内購入の場合、大人・小児共に200円を加算して販売する。この場合、車内で座席の指定は行わない[注 4]

使用車両

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マルチシート搭載車両の70090型電車を使用する[1]

列車番号

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平日と土休日で運行時間帯が異なるため、列車番号が異なる。

平日

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  • 上り
    • A4643T(2号)
    • A4845T(4号)
  • 下り
    • B4743T(1号)
    • B4847T(3号)
    • B4945T(5号)
    • B4041T(7号)
    • B4143T(9号)

土休日

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  • 上り
    • A4845T(2号)
    • A4947T(4号)
  • 下り
    • B4645T(1号)
    • B4743T(3号)
    • B4841T(5号)
    • B4947T(7号)
    • B4045T(9号)

脚注

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注釈

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  1. ^ 過去の臨時列車としては、2003年12月運行の「東京ミレナリオ号」、ならびに東急東横線及びみなとみらい線直通の「横浜みらい号」「みなとみらい号」が、日比谷線内において通過運転を行った実績がある。
  2. ^ 東京メトロでの旅客営業規程[3]上はS-TRAINと共に「座席指定列車」として独自の取り扱いを受ける(旅客営業規程第3条(4)・第40条・第41条)。
  3. ^ 東京地下鉄旅客営業規程[3]第70条の2第1項。
  4. ^ 東武鉄道旅客営業規則第57条の3および第125条第2項、東京地下鉄旅客営業規程第40条の2第4項および第70条の2第2項。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i 2020年6月6日(土)東武鉄道・東京メトロダイヤ改正 東武線・日比谷線相互直通列車に初の座席指定制列車「THライナー」が誕生!』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道/東京地下鉄、2019年12月19日。オリジナルの2022年3月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20220320044117/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20191219_g56.pdf2020年1月25日閲覧 
  2. ^ a b 東武線・東京メトロ日比谷線相互直通列車に有料着席サービスを新たに導入します! 〜東武鉄道70000系をベースとした新造車両「70090型」を導入予定〜』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道/東京地下鉄、2019年3月26日。オリジナルの2019年3月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190330073813/http://www.tobu.co.jp/file/pdf/b45e7ea444db6f7c2a3fa9bbed58dfb1/190326.pdf?date=201903261427422020年5月30日閲覧 
  3. ^ a b 東京地下鉄旅客営業規程(最終改正2021年6月22日) (PDF)
  4. ^ 東京メトロ公式サイト 日比谷線霞ケ関駅北千住駅方面時刻表
  5. ^ 東京メトロ公式サイト 日比谷線霞ケ関駅中目黒駅方面時刻表
  6. ^ a b c 2020年6月6日(土)日比谷線のダイヤを改正します 「THライナー」の運行開始及び平日の霞ケ関駅行列車を中目黒駅行に変更します』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2020年5月11日。オリジナルの2020年5月28日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200528084829/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews200511_39.pdf2020年6月6日閲覧 
  7. ^ “指定席でゆったり通勤 日比谷線直通の東武「THライナー」運行開始”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2020年6月7日). オリジナルの2020年6月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200607163528/https://mainichi.jp/articles/20200607/k00/00m/040/057000c 2020年6月9日閲覧。 
  8. ^ 「THライナー草加駅停車キャンペーン」を実施!』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2021年4月6日https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20210406095501zM3a0-OuQaDeupBVZiM_tg.pdf2021年4月8日閲覧 
  9. ^ 東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線等にて 2022年3月12日(土)ダイヤ改正を実施します(PDF:1.72MB)』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2021年12月10日https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20211210120436z2ZpUL2macF_-vcgP5S43w.pdf2021年12月17日閲覧 
  10. ^ THライナー3周年チケレス割引キャンペーン実施について』(プレスリリース)東武鉄道、2023年3月23日https://www.tobu.co.jp/news/3294/2023年3月23日閲覧 
  11. ^ 日比谷線THライナー登場、指定席の需要あるか”. 東洋経済オンライン (2020年6月6日). 2020年8月20日閲覧。
  12. ^ 東武鉄道旅客営業規則(第3章 旅客運賃・料金) (PDF) 第125条第1項第6号。
  13. ^ 2020年6月6日(土)ダイヤ改正を実施! 東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線・東武アーバンパークライン【特急列車・THライナー・SL大樹概要が決定】』(PDF)(プレスリリース)東武鉄道、2020年2月25日。オリジナルの2020年5月10日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200510221056/https://www.tobu.co.jp/file/pdf/1748d4629b95c74a8661b243af941bda/200225_3%20.pdf?date=202003031808212020年5月30日閲覧 

関連項目

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外部リンク

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