2019年大阪府知事選挙

2019年の大阪府知事選挙

2019年大阪府知事選挙(2019ねんおおさかふちじせんきょ)は、2019年(平成31年)4月7日第19回統一地方選挙において投開票が行われた、大阪府知事(公選20期)を選出する選挙である。

2019年大阪府知事選挙
大阪府
2015年 ←
2019年4月7日 (2019-04-07)
→ 2023年

投票率 49.49%
 
候補者 吉村洋文 小西禎一
政党 大阪維新の会 無所属
同盟 -
出身地域 大阪府 兵庫県
得票数 2,266,103 1,254,200
得票率 64.37% 35.63%

自治体別得票結果
吉村

選挙前知事

松井一郎
大阪維新の会

選出知事

吉村洋文
大阪維新の会

概要

編集

公選第18 - 19代知事を務めた松井一郎が、大阪市長選挙へ鞍替え出馬することに伴って執行される大阪府知事選挙である。

大阪維新の会からは公選第20代大阪市長を務めていた吉村洋文が出馬し、その対抗馬として自由民主党橋下徹と松井一郎の下で副知事を務めていた小西禎一を擁立し、推薦を決定した[1]。また公明党大阪府本部、立憲民主党大阪府連合、日本共産党大阪府委員会、部落解放同盟が小西を支援することを決定、『大阪維新府政』の継続か否かを巡る戦いとなった[2][3]。大阪府知事選挙が統一地方選挙に内包される形で執行されるのは、1999年(平成11年)の第14回統一地方選挙以来20年ぶりとなる[注 1]

2019年3月3日に、松井は「出直しクロス選挙」に臨む考えを示した。出直し選の場合、当選しても任期満了時に再び首長選が実施されることから、松井は「知事のまま出直したら、もう一度11月に選挙をしなければならない。税金を預かる僕としては、これほど効率の悪いことはない」と「出直しクロス選挙」に出る理由を説明した[5]。朝日新聞は、「4つの選挙を同日にすることによって機運を盛り上げ、議会選で単独過半数を目指す戦術にほかならない」と論評し[6]、毎日新聞は「地方自治制度に対する二重の背信」と批判した[7]

財界は、2025年大阪・関西万博の誘致活動で醸成された官民の「蜜月」関係を、万博の準備に向けた正念場だけに、継続したい考えを示している[8]

選挙データ

編集

投票日

編集
  • 2019年4月7日

立候補者

編集
候補者名(読み方) 年齢 党派 現・新 肩書
小西禎一
(こにし ただかず)
64 無所属[注 2] 大阪府社会福祉協議会会長
元大阪府副知事
吉村洋文
(よしむら ひろふみ)
43 大阪維新の会 大阪市長
衆議院議員
弁護士

立候補が取り沙汰された人物

編集

選挙の主な争点

編集

選挙結果

編集

※当日有権者数:7,213,730人 最終投票率:49.49%(前回比:+4.02pts)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
吉村洋文43大阪維新の会2,266,103票64.37%
小西禎一64無所属1,254,200票35.63%(推薦)自民府連公明府本部
(支持)国民府連
(自主支援)立民府連共産府委員会
自治体別開票結果
市区町村 吉村洋文 小西禎一
得票 % 得票 %
合計 2,266,103 64.37% 1,254,200 35.63%
大阪市北区 37,245 70.08% 15,902 29.92%
大阪市都島区 30,795 64.66% 16,831 35.34%
大阪市福島区 20,717 66.92% 10,242 33.08%
大阪市此花区 17,645 60.02% 11,752 39.98%
大阪市中央区 24,368 66.35% 12,356 33.65%
大阪市西区 26,062 70.03% 11,152 29.97%
大阪市港区 21,542 60.31% 14,178 39.69%
大阪市大正区 17,633 58.29% 12,615 41.71%
大阪市天王寺区 19,985 61.98% 12,261 38.02%
大阪市浪速区 12,505 64.99% 6,737 35.01%
大阪市西淀川区 25,010 59.02% 17,369 40.98%
大阪市淀川区 46,976 65.69% 24,537 34.31%
大阪市東淀川区 41,755 62.22% 25,355 37.78%
大阪市東成区 21,483 62.87% 12,688 37.13%
大阪市生野区 25,777 58.62% 18,198 41.38%
大阪市旭区 24,551 58.34% 17,530 41.66%
大阪市城東区 48,390 63.34% 28,005 36.66%
大阪市鶴見区 29,361 62.40% 17,691 37.60%
大阪市阿倍野区 31,081 60.04% 20,686 39.96%
大阪市住之江区 33,555 59.49% 22,854 40.51%
大阪市住吉区 39,088 57.89% 28,433 42.11%
大阪市東住吉区 34,642 59.66% 23,423 40.34%
大阪市平野区 48,270 56.40% 37,313 43.60%
大阪市西成区 24,893 57.92% 18,087 42.08%
堺市堺区 34,372 59.34% 23,551 40.66%
堺市中区 26,985 59.54% 18,336 40.46%
堺市東区 22,793 61.30% 14,388 38.70%
堺市西区 33,421 61.65% 20,787 38.35%
堺市南区 38,711 61.49% 24,248 38.51%
堺市北区 38,333 59.16% 26,461 40.84%
堺市美原区 9,005 62.16% 5,481 37.84%
岸和田市 44,838 63.83% 25,409 36.17%
豊中市 105,866 65.84% 54,936 34.16%
池田市 27,006 63.76% 15,351 36.24%
吹田市 100,764 65.42% 53,272 34.58%
泉大津市 17,703 70.35% 7,461 29.65%
高槻市 98,902 65.10% 53,010 34.90%
貝塚市 20,966 70.35% 8,837 29.65%
守口市 36,618 67.14% 17,923 32.86%
枚方市 110,460 66.09% 56,674 33.91%
茨木市 71,524 66.30% 36,348 33.70%
八尾市 71,909 67.77% 34,200 32.23%
泉佐野市 23,381 70.86% 9,615 29.14%
富田林市 29,055 65.51% 15,299 34.49%
寝屋川市 62,023 65.52% 32,636 34.48%
河内長野市 29,292 68.97% 13,180 31.03%
松原市 28,267 65.00% 15,220 35.00%
大東市 28,392 67.07% 13,940 32.93%
和泉市 41,922 66.86% 20,780 33.14%
箕面市 35,913 69.04% 16,108 30.96%
柏原市 18,232 69.30% 8,076 30.70%
羽曳野市 28,480 65.78% 14,819 34.22%
門真市 28,176 66.88% 13,955 33.12%
摂津市 20,457 67.66% 9,778 32.34%
高石市 16,001 70.10% 6,826 29.90%
藤井寺市 16,958 67.50% 8,165 32.50%
東大阪市 118,000 66.59% 59,213 33.41%
泉南市 13,548 68.60% 6,200 31.40%
四條畷市 13,594 67.65% 6,501 32.35%
交野市 21,229 64.74% 11,563 35.26%
大阪狭山市 15,356 67.00% 7,562 33.00%
阪南市 14,384 69.27% 6,381 30.73%
島本町 9,123 63.91% 5,152 36.09%
豊能町 6,591 67.30% 3,203 32.70%
能勢町 2,351 56.81% 1,787 43.19%
忠岡町 4,179 69.15% 1,864 30.85%
熊取町 11,248 67.63% 5,383 32.37%
田尻町 2,109 66.01% 1,086 33.99%
岬町 4,896 68.12% 2,291 31.88%
太子町 3,581 67.06% 1,759 32.94%
河南町 4,151 66.46% 2,095 33.54%
千早赤阪村 1,709 65.63% 895 34.37%

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ この時は公選第48-49代知事を務めた横山ノック(山田勇)が2度目の当選を果たした選挙であったが、横山は1999年12月に強制わいせつ事件で辞職し、以後2015年まで大阪府知事選挙は統一地方選挙の日程から外れていた[4]
  2. ^ 自由民主党公明党大阪府本部推薦、国民民主党大阪府総支部連合会支持、立憲民主党大阪府連合・日本共産党大阪府委員会自主支援

出典

編集
  1. ^ “大阪ダブル選 元副知事の小西氏が出馬表明「都構想、終わらせる」”. 産経ニュースWEST. 産業経済新聞社. (2019年3月11日). https://www.sankei.com/article/20190311-A2I7WYIZ6RJMBEPWR6BXWTDRE4/ 2019年3月24日閲覧。 
  2. ^ “大阪府知事選告示 都構想の是非問い一騎打ち”. 大阪日日新聞. 新日本海新聞社. (2019年3月22日). https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/190322/20190322031.html 2019年3月24日閲覧。 
  3. ^ コラム”. 部落解放同盟_大阪府連合会. 2019年4月3日閲覧。
  4. ^ 昭和22年~平成23年執行大阪府知事選挙結果一覧” (PDF). 大阪府選挙管理委員会事務局. 大阪府. 2019年3月24日閲覧。
  5. ^ “大阪知事、出直しクロス選の意向表明 公明と決裂なら”. 朝日新聞. (2019年3月4日). https://www.asahi.com/articles/ASM3375DCM33PTIL005.html 
  6. ^ “大阪ダブル選 住民不在の党利党略だ”. 朝日新聞. (2019年3月9日). https://www.asahi.com/articles/DA3S13925385.html 
  7. ^ “大阪知事・市長の策略 地方自治への二重の背信”. 毎日新聞. (2019年3月5日). https://mainichi.jp/articles/20190305/ddm/005/070/110000c 
  8. ^ “大阪ダブル選、万博控え関西財界も注視”. 産経新聞. (2019年3月21日). https://www.sankei.com/article/20190321-QL73XJ6BTROCJKM63JCABYNXRM/ 2019年3月21日閲覧。 
  9. ^ “辰巳琢郎は出馬断る 大阪府知事選に自民党要請”. 日刊スポーツ. (2019年3月10日). https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201903100001343.html 2022年10月9日閲覧。 
  10. ^ a b c d “大阪ダブル選 都構想の「対案」も争点に 市長選24日告示”. 毎日新聞. (2019年3月23日). https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190323/k00/00m/010/319000c 2019年3月23日閲覧。 

関連項目

編集