2012年マレーシアグランプリ

2012年マレーシアグランプリは、2012年F1世界選手権第2戦として、2012年3月25日セパン・インターナショナル・サーキットで開催された。正式名称は2012 FORMULA 1 Petronas Malaysia Grand Prix[1]

マレーシアの旗 2012年マレーシアグランプリ
レース詳細
日程 2012年シーズン第2戦
決勝開催日 3月25日
開催地 セパン・インターナショナル・サーキット
マレーシア クアラルンプール
コース長 5.543km
レース距離 56周 (310.408km)
決勝日天候
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:36.219
ファステストラップ
ドライバー フィンランドの旗 キミ・ライコネン
タイム 1:40.722(Lap 53)
決勝順位
優勝
2位
3位

予選

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マクラーレンルイス・ハミルトンが前戦オーストラリアグランプリに続きポールポジションを獲得した。チームメイトのジェンソン・バトンが続き、2戦連続マクラーレンのフロントロー独占となった。3位にはメルセデスミハエル・シューマッハが入り、2010年の復帰以来最高位を獲得した。

結果

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順位 No. ドライバー チーム Q1 Q2 Q3 グリッド
1 4   ルイス・ハミルトン マクラーレンメルセデス 1:37.813 1:37.106 1:36.219 1
2 3   ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 1:37.575 1:36.928 1:36.368 2
3 7   ミハエル・シューマッハ メルセデス 1:37.517 1:37.017 1:36.391 3
4 2   マーク・ウェバー レッドブルルノー 1:37.172 1:37.375 1:36.461 4
5 1   セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 1:38.102 1:37.419 1:36.634 5
6 10   ロマン・グロージャン ロータスルノー 1:38.058 1:37.338 1:36.658 6
7 8   ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:37.696 1:36.996 1:36.664 7
8 5   フェルナンド・アロンソ フェラーリ 1:38.151 1:37.379 1:37.566 8
9 15   セルジオ・ペレス ザウバーフェラーリ 1:37.933 1:37.477 1:37.698 9
10 9   キミ・ライコネン ロータスルノー 1:37.961 1:36.715 1:36.461 101
11 18   パストール・マルドナド ウィリアムズルノー 1:37.789 1:37.589 11
12 6   フェリペ・マッサ フェラーリ 1:38.381 1:37.731 12
13 19   ブルーノ・セナ ウィリアムズルノー 1:38.437 1:37.841 13
14 11   ポール・ディ・レスタ フォースインディアメルセデス 1:38.325 1:37.877 14
15 16   ダニエル・リチャルド トロ・ロッソフェラーリ 1:38.419 1:37.883 15
16 12   ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 1:38.303 1:37.890 16
17 14   小林可夢偉 ザウバーフェラーリ 1:38.372 1:38.069 17
18 17   ジャン=エリック・ベルニュ トロ・ロッソフェラーリ 1:39.077 18
19 21   ヴィタリー・ペトロフ ケータハムルノー 1:39.567 19
20 24   ティモ・グロック マルシャコスワース 1:40.903 20
21 25   シャルル・ピック マルシャコスワース 1:41.250 21
22 22   ペドロ・デ・ラ・ロサ HRTコスワース 1:42.914 22
23 23   ナレイン・カーティケヤン HRTコスワース 1:43.655 23
24 20   ヘイキ・コバライネン ケータハムルノー 1:39.306 242
予選通過タイム: 1:43.974 (107%ルール)
追記
^1 — キミ・ライコネンは2回目のフリー走行の後にギアボックス交換をした為、5グリッド降格のペナルティ[2]
^2 — ヘイキ・コバライネンは前戦オーストラリアGPでセーフティカーライン1を通過する前に2台を追い抜いたとして5グリッド降格のペナルティ[3]

決勝

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展開

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赤旗中断中のグリッド

現地時間16時にスタートが切られる決勝レースは、開始15分前から降り始めた雨の影響で、HRTの2台がウェット、その他の22台がインターミディエイトタイヤを履いてのスタートとなった。

フロントローからスタートしたマクラーレンの2台が順調なスタートを見せ、オープニングラップを終えた順位はハミルトンバトンウェバーの順であった。3番グリッドからスタートしたシューマッハは、4コーナーでロータスグロージャンと接触し後退した。後方から好スタートを切ったのは小林可夢偉で、17番グリッドから9番手へのジャンプアップを果たした。

スタート後に雨が急激に強まり、6周目にはセーフティーカーが導入、8周目終了時点に赤旗中断となり、中断は51分にも及んだ。ここまでただひとりピットインせずにインターミディエイトで走り続けたベルニュは7番手で再スタートを切ることとなった。

現地時間17時15分にセーフティーカー先導で全車ウェットタイヤでレース再開、13周目にセーフティーカーが退いた。路面は水が引き始めており、リスタートと同時にバトンら8台がピットインしてインターミディエイトへ交換、1周後にはハミルトンアロンソなどが続き、2周後にベッテルペレスらがタイヤ交換を行い、全車インターミディエイトでの走行となった。

マクラーレンのピットミスの影響もあり、全車タイヤ交換を済ませた段階での順位は、アロンソペレスハミルトンとなった。ミックスウェザーを得意とするバトンは他車と接触して後退した。

 
アロンソとペレスのトップ争い

ここから、逃げるアロンソをペレスがじわじわと追い上げる展開となった。ドライタイヤへ交換するタイミングで再び差が開いたが、ミディアムタイヤを履いたアロンソよりもハードタイヤを選んだペレスの方がラップタイムが速く、残り6周で完全にテール・トゥ・ノーズの状態まで近づいた。しかし、ペレスは52周目のターン14で痛恨のコースオフを喫し、再び差が5秒まで開き、アロンソはチェッカーまで逃げ切った。

複雑なコンディションや、接触による後退などもあり、マシンの戦闘力に劣るアロンソ、ペレスが表彰台を獲得した。望外の優勝を手にしたアロンソは、チームの完璧なピットワークに感謝を述べた[4]ザウバーは悲願の初優勝を逃したが、チームオーナーのペーター・ザウバーは若きペレスの活躍を見て涙をぬぐった。ハミルトンは2戦連続でポールポジションからスタートしたものの、またしても3位に留まった。

ベッテルは4位走行中に周回遅れのナレイン・カーティケヤンとの接触してポイント圏外に脱落し、中指を立てて怒りを表現した。レース後にはカーティケヤンのことを「ガーキン(gherkin、酢漬けのキュウリ)」と罵り顰蹙を買った[5]

結果

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順位 No. ドライバー チーム 周回数 タイム / リタイア グリッド ポイント
1 5   フェルナンド・アロンソ フェラーリ 56 2:44:51.812 8 25
2 15   セルジオ・ペレス ザウバーフェラーリ 56 +2.263 9 18
3 4   ルイス・ハミルトン マクラーレンメルセデス 56 +14.591 1 15
4 2   マーク・ウェバー レッドブルルノー 56 +17.688 4 12
5 9   キミ・ライコネン ロータスルノー 56 +29.456 10 10
6 19   ブルーノ・セナ ウィリアムズルノー 56 +37.667 13 8
7 11   ポール・ディ・レスタ フォースインディアメルセデス 56 +44.412 14 6
8 17   ジャン=エリック・ベルニュ トロ・ロッソフェラーリ 56 +46.985 18 4
9 12   ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 56 +47.892 16 2
10 7   ミハエル・シューマッハ メルセデス 56 +49.996 3 1
11 1   セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 56 +1:15.527 5
12 16   ダニエル・リチャルド トロ・ロッソフェラーリ 56 +1:16.828 15
13 8   ニコ・ロズベルグ メルセデス 56 +1:18.593 7
14 3   ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 56 +1:19.719 2
15 6   フェリペ・マッサ フェラーリ 56 +1:37.319 12
16 21   ヴィタリー・ペトロフ ケータハムルノー 55 1周遅れ 19
17 24   ティモ・グロック マルシャコスワース 55 1周遅れ 20
18 20   ヘイキ・コバライネン ケータハムルノー 55 1周遅れ 24
19 18   パストール・マルドナド ウィリアムズルノー 54 エンジン 11
20 25   シャルル・ピック マルシャコスワース 54 2周遅れ 21
21 22   ペドロ・デ・ラ・ロサ HRTコスワース 54 2周遅れ 22
221 23   ナレイン・カーティケヤン HRTコスワース 54 2周遅れ 23
Ret 14   小林可夢偉 ザウバーフェラーリ 46 ブレーキ 17
Ret 10   ロマン・グロージャン ロータスルノー 3 スピン 6
脚注[6]
追記
  1. ^1 – カーティケヤンはベッテルとの接触を引き起こしたとしてレース後20秒加算ペナルティが下された。[6]

第2戦終了時点でのランキング

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  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

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外部リンク

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前戦
2012年オーストラリアグランプリ
FIA F1世界選手権
2012年シーズン
次戦
2012年中国グランプリ
前回開催
2011年マレーシアグランプリ
  マレーシアグランプリ 次回開催
2013年マレーシアグランプリ