1998年の千葉ロッテマリーンズ

1998年の千葉ロッテマリーンズでは、1998年の千葉ロッテマリーンズにおける動向をまとめる。

1998年の千葉ロッテマリーンズ
成績
パシフィック・リーグ6位
61勝71敗3分 勝率.462[1]
本拠地
都市 千葉県千葉市美浜区
球場 千葉マリンスタジアム
球団組織
オーナー 重光武雄
(代行:重光昭夫
経営母体 ロッテ
球団社長 金親良吉
監督 近藤昭仁
« 1997
1999 »

テンプレートを表示

この年の千葉ロッテマリーンズは、近藤昭仁監督の2年目のシーズンであり、最後のシーズンである。また、プロ野球史上最長の18連敗を喫したシーズンとして知られている。

概要

編集
月日 スコア 開催球場 勝敗 責任投手
6月12日 ロッテ 2-1 オリックス 千葉マリン 黒木知宏
6月13日 ロッテ 4-6 オリックス 千葉マリン 小宮山悟
6月16日 ロッテ 8-12 近鉄 藤井寺 竹清剛治
6月17日 ロッテ 6-9 近鉄 藤井寺 近藤芳久
6月18日 ロッテ 5-7x 近鉄
(延長11回)
藤井寺 竹清剛治
6月19日 ロッテ 0-7 日本ハム 東京ドーム 小宮山悟
6月20日 ロッテ 2-3 日本ハム 東京ドーム 黒木知宏
6月21日 ロッテ 10-11x 日本ハム 東京ドーム 黒木知宏
6月23日 ロッテ 0-4 西武 富山市民 薮田安彦
6月24日 ロッテ 5-6x 西武
(延長11回)
富山市民 竹清剛治
6月26日 ロッテ 1-3 近鉄
(延長11回)
千葉マリン 藤田宗一
6月27日 ロッテ 1-3 近鉄 千葉マリン 武藤潤一郎
6月28日 ロッテ 2-6 近鉄 千葉マリン クロフォード
6月30日 ロッテ 5-5 西武
(延長12回)
福井 -
7月1日 ロッテ 4-7 西武 石川県立 礒恒之
7月3日 ロッテ 3-4 ダイエー 千葉マリン 小宮山悟
7月4日 ロッテ 7-10 ダイエー
(延長11回)
千葉マリン 礒恒之
7月5日 ロッテ 3-10 ダイエー 千葉マリン クロフォード
7月7日 ロッテ 3-7x オリックス
(延長12回)
GS神戸 藤田宗一
7月8日 ロッテ 4-6 オリックス GS神戸 薮田安彦
7月9日 ロッテ 9-6 オリックス GS神戸 小宮山悟





























4月は小宮山悟が4勝・黒木知宏が3勝を挙げ、11勝5敗と貯金を6つ作る上々のスタートを切った。しかし、前年から離脱している成本年秀に加えて、ストッパー・河本育之が4月下旬に怪我で離脱、前年セットアッパーとして活躍した吉田篤史も河本の代役として抑えを担当したが調子が上がらず不振の為一軍戦線から離脱してしまい、新加入のスコット・デービソンも故障が発覚し解雇されるなど中継ぎ投手陣が手薄となると、5月を大きく負け越した。河本離脱後、ストッパーを固定できない日々が続き、6月13日のオリックス戦、小宮山が5回途中5失点の大乱調でこの試合を落とすと、ここからチームは長いトンネルに突入して行く。5連敗で迎えた20日日本ハム戦では、前日19日の近鉄戦に先発、6回2失点で敗戦投手となっていた黒木をストッパーに転向させたが、このカードで登板した2試合全てで救援に失敗[2]

さらに2試合後の西武戦でも決勝点を与え、連敗がチーム20年ぶりに10まで伸びたところで近藤監督はストッパー・黒木に見切りをつけ、ようやく緊急補強としてブライアン・ウォーレンの加入が決まった。30日の西武戦は延長戦の末引き分けには持ち込んだが連敗は止まらず、14連敗で迎えた7月4日のダイエー戦の前には千葉神社の宮司によってお祓いが執り行われたが、5時間9分の熱闘の末に敗戦[3]。5日の同カードにも敗れ、当時のプロ野球タイ記録(1970年のヤクルトが記録、2016年現在もセ・リーグ記録。パ・リーグ記録は1955年の大映ユニオンズ、1969年の南海ホークス、1978年のロッテの15連敗)に並ぶ16連敗となったが、それでも試合後には200人のファンが選手出入り口に集い1時間チームのために声援を送り、それを聞いた近藤監督は一人涙した[4]

そして、のちに「七夕の悲劇」として語り継がれることとなる7日のオリックス戦を迎える。この試合はパ・リーグの当時5位と6位の対戦であったが、フジテレビ系列で生中継されるほどの注目を集めた[5]。黒木が先発に復帰し力投したが、当日の神戸市の高温多湿の天候から試合中に脱水症状に見舞われる。しかし前述の通り苦しいロッテの台所事情もあり、黒木は症状を明かさないまま投げ続けた。2点リードを保ったまま9回裏2死一塁の勝利目前まで漕ぎつけたが、ハービー・プリアムに左翼ポール際に同点2ランホームランを打たれて追いつかれる。黒木はマウンドにしゃがみ込み、ナインが集まっても立ち上がることはできなかった[6][7]。その後延長12回裏、3番手・近藤芳久広永益隆にサヨナラ満塁本塁打を打たれ、プロ野球記録を更新する17連敗目を喫した[8]

結局この連敗が止まったのはその2試合後の9日に行われた同カード(この試合もTBS系列で生中継され、中継後には連敗を脱出した旨テロップが報じられた)で、小宮山が被安打14・6失点しながらも完投し、9-6で勝利を収めた。連敗は18で止まり、皮肉にも小宮山から始まり小宮山が止めた[3]。その後河本らが1軍に復帰するとチーム状態は好転した。18連敗後には貯金を10個積み重ね後半戦だけだとリーグ勝率は2位を記録したが、連敗が重くのしかかり最下位のままでシーズンを終えた。チーム成績の責任を取り、近藤監督はこのシーズンをもって退任した。連敗中苦しんだ黒木は自身初のオールスターゲーム出場、最多勝、最高勝率、防御率リーグ2位と気を吐いた。

 またこの頃から応援スタイルが川崎時代から現在のスタイルに大きく変わる要因にもなった[要出典]

チーム成績

編集

レギュラーシーズン

編集
開幕オーダー
1 小坂誠
2 平井光親
3 福浦和也
4 フランコ
5 キャリオン
6 堀幸一
7 初芝清
8 立川隆史
9 吉鶴憲治
投手 小宮山悟
1998年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 ロッテ -- 日本ハム -- 日本ハム -- 日本ハム -- 日本ハム -- 西武 --
2位 近鉄 1.5 ダイエー 近鉄 3.0 近鉄 7.5 近鉄 3.0 日本ハム 3.5
3位 日本ハム 2.0 近鉄 2.5 西武 5.5 西武 9.0 西武 3.5 オリックス 4.5
4位 ダイエー 3.5 西武 3.0 ダイエー 8.0 ダイエー 10.0 ダイエー 4.0 ダイエー
5位 西武 ロッテ 3.0 オリックス 14.0 オリックス 15.5 オリックス 10.5 近鉄 5.0
6位 オリックス 7.5 オリックス 6.5 ロッテ 14.5 ロッテ 18.0 ロッテ 15.0 ロッテ 9.5
期間
成績
11勝5敗
勝率.688
9勝16敗
勝率.360
3勝16敗1分
勝率.158
10勝12敗
勝率.455
9勝11敗
勝率.450
19勝11敗2分
勝率.633
1998年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 70 61 4 .534 優勝
2位 日本ハムファイターズ 67 65 3 .508 3.5
3位 オリックス・ブルーウェーブ 66 66 3 .500 4.5
3位 福岡ダイエーホークス 67 67 1 .500 4.5
5位 近鉄バファローズ 66 67 2 .496 5.0
6位 千葉ロッテマリーンズ 61 71 3 .462 9.5

個人成績

編集

投手成績

編集
  • 色付きは規定投球回数(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/小宮山悟 27 27 10 2 3 11 12 0 836 201.2 224 20 27 5 126 2 1 101 80 3.57 1.25
/黒木知宏 31 28 8 2 3 13 9 0 831 197.0 185 14 89 1 124 12 0 78 72 3.29 1.39
/武藤潤一郎 26 21 2 2 0 8 7 0 611 141.1 131 18 55 5 102 2 0 69 59 3.76 1.32
/藪田安彦 17 16 2 0 0 2 9 0 448 100.1 123 15 40 1 45 8 6 61 54 4.84 1.63
/園川一美 39 10 2 1 0 5 4 0 368 83.1 95 7 28 4 53 1 0 38 36 3.89 1.48
/クロフォード 15 15 2 0 0 4 6 0 358 77.1 85 6 51 2 37 2 3 48 41 4.77 1.76
/藤田宗一 56 0 0 0 0 6 4 7 270 66.1 62 3 19 1 54 4 1 18 16 2.17 1.22
/後藤利幸 10 8 2 1 0 4 2 0 246 62.2 50 3 19 2 28 0 1 19 16 2.30 1.10
/礒恒之 16 10 1 0 0 3 4 0 252 55.2 58 10 30 2 37 7 0 36 35 5.66 1.58
/竹清剛治 20 0 0 0 0 1 3 0 153 35.0 32 4 16 2 23 0 0 15 14 3.60 1.37
/干場崇永 18 0 0 0 0 1 0 0 146 34.0 38 3 11 2 14 1 0 14 14 3.71 1.44
/近藤芳久 26 0 0 0 0 0 2 0 141 31.0 36 4 12 0 27 2 0 20 18 5.23 1.55
/ウォーレン 24 0 0 0 0 2 1 3 109 29.0 18 0 8 2 9 2 0 3 3 0.93 0.90
/川俣浩明 16 0 0 0 0 0 0 0 102 26.2 18 4 7 0 21 1 0 10 9 3.04 0.94
/河本育之 25 0 0 0 0 0 4 9 115 26.1 24 2 15 0 22 1 0 10 10 3.42 1.48
/吉田篤史 17 0 0 0 0 0 3 3 87 17.2 26 4 9 0 13 0 1 15 15 7.64 1.98
/小島弘務 17 0 0 0 0 1 0 0 44 10.1 7 0 4 3 7 1 1 5 4 3.48 1.07
/デービソン 5 0 0 0 0 0 1 0 35 7.2 8 0 5 0 8 0 0 2 2 2.35 1.70
/小林宏之 2 0 0 0 0 0 0 0 11 2.1 3 0 1 0 0 0 0 0 0 0.00 1.71
/小野晋吾 1 0 0 0 0 0 0 0 5 1.0 0 0 2 0 0 1 0 0 0 0.00 2.00
/羽根川竜 2 0 0 0 0 0 0 0 3 0.1 2 1 0 0 0 0 0 1 1 27.00 6.00

打撃成績

編集
  • 色付きは規定打席(418打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/フランコ 131 562 487 78 141 27 2 18 226 77 7 5 0 3 68 8 4 107 16 .290 .379 .464 .843
/初芝清 134 538 473 68 140 38 3 25 259 86 0 1 0 3 56 1 5 79 18 .296 .374 .548 .922
/小坂誠 124 527 430 51 100 12 8 3 137 33 43 11 48 6 40 2 3 48 3 .233 .299 .319 .617
/福浦和也 129 526 465 61 132 32 3 3 179 57 1 2 0 6 51 3 4 78 10 .284 .356 .385 .740
/堀幸一 127 493 444 51 107 24 4 10 169 44 12 5 4 4 39 4 2 85 8 .241 .303 .381 .683
/平井光親 116 448 387 59 124 21 0 8 169 35 3 0 13 2 45 3 1 42 4 .320 .391 .437 .827
/大村巌 95 296 283 20 81 10 0 6 109 38 2 1 0 1 11 1 1 45 13 .286 .314 .385 .699
/佐藤幸彦 104 266 231 32 74 18 0 8 116 41 0 2 2 3 27 3 3 44 5 .320 .394 .502 .896
/キャリオン 60 251 227 22 68 12 0 8 104 37 0 0 0 2 22 0 0 20 8 .300 .359 .458 .817
/諸積兼司 103 217 190 30 53 6 4 0 67 18 4 5 4 3 19 0 1 22 1 .279 .343 .353 .695
/酒井忠晴 98 217 183 18 45 18 0 1 66 18 1 1 15 2 17 0 0 35 2 .246 .307 .361 .668
/吉鶴憲治 86 190 162 23 38 3 1 4 55 25 0 0 8 1 18 0 1 29 1 .235 .313 .340 .653
/立川隆史 81 182 153 19 33 6 3 2 51 6 3 1 3 1 24 3 1 44 5 .216 .324 .333 .657
/松本尚樹 85 181 165 19 46 6 4 2 66 13 1 0 6 0 8 0 2 16 3 .279 .320 .400 .720
/清水将海 57 146 131 12 24 3 0 2 33 13 2 0 6 0 8 0 1 33 3 .183 .236 .252 .488
/椎木匠 53 73 61 6 10 0 0 1 13 3 0 0 5 0 7 0 0 11 0 .164 .250 .213 .463
/山本保司 32 50 45 6 15 5 3 0 26 8 0 0 0 0 4 0 1 9 2 .333 .400 .578 .978
/福澤洋一 36 38 30 5 6 0 0 1 9 4 0 0 1 2 5 0 0 9 0 .200 .297 .300 .597
/山下徳人 10 10 10 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0 .100 .100 .100 .200
/樋口一紀 11 8 6 1 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 2 0 .167 .286 .167 .452
/高橋眞裕 4 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 .000 .000 .000 .000
/大塚明 5 2 2 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 .500 .500 .500 1.000
/澤井良輔 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/サブロー 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1998

編集
選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 小宮山悟 5
黒木知宏
二塁手 フランコ 2
内野手 初芝清 4
外野手 平井光親
  • 太字はファン投票による選出。

できごと

編集

選手・スタッフ

編集

[10]

表彰選手

編集
リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
小坂誠 盗塁王 43個 初受賞
黒木知宏 最多勝利 13勝 初受賞
最高勝率 .591 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
フランコ 二塁手 初受賞[注 1]
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

編集
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 小林雅英 投手 東京ガス 入団
2位 里崎智也 捕手 帝京大学 入団
3位 川井貴志 投手 城西大学 入団
4位 寺本四郎 投手 明徳義塾高 入団
5位 小島大作 内野手 新日本製鐵八幡 入団

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 1995年に一塁手部門で受賞しており、通算2度目。

出典

編集