1,5-ペンタンジオール (1,5-Pentanediol) は、化学式 HOCH2CH2CH2CH2CH2OH で表される有機化合物である。他のジオールと同じように粘稠な無色の液体で可塑剤として使用され、また乳化剤、樹脂中間体に用いられるポリエステルを生成する[1]

1,5-ペンタンジオール
識別情報
CAS登録番号 111-29-5
PubChem 8105
ChemSpider 13839441
特性
化学式 C5H12O2
モル質量 104.15 g mol−1
密度 0.994 g/mL at 25 °C
融点

-18 °C

沸点

242°C

への溶解度 混和する
危険性
NFPA 704
1
2
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1,5-ペンタンジオールは、グルタル酸とその誘導体の水素化によって製造される[2]テトラヒドロフルフリルアルコールの水素化分解によっても製造される[3]

ビンディーズの汚染

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ビンディーズ英語版(北米のAqua Dots社製)と呼ばれる玩具は、1,5-ペンタンジオールが 1,4-ブタンジオールに無許可で置き換えられたため、2007年11月に販売業者によってリコールされた。その玩具は、水を振りかけると互いにくっつく小さなビーズで構成されている。摂取するとγ-ヒドロキシ酪酸に代謝される 1,4-ブタンジオールGC-MS で検出された[4][5]。ChemNet Chinaは、1,4-ブタンジオールの価格を約 US$ 1,350 - 2,800/トンと記載しているが、1,5-ペンタンジオールの価格は約 US$ 9,700/トンである[6]

脚注

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 7073.
  2. ^ Werle, P.; Morawietz, M. (2005), "Alcohols, Polyhydric", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Weinheim: Wiley-VCH, doi:10.1002/14356007.a01_305
  3. ^ Nakagawa, Yoshinao; Tomishige, Keiichi (2012). “Production of 1,5-Pentanediol from Biomass via Furfural and Tetrahydrofurfuryl Alcohol”. Catalysis Today 195: 136–143. doi:10.1016/j.cattod.2012.04.048. 
  4. ^ Wang, L. (2007年11月9日). “Industrial Chemical Sullies Popular Children's Toy”. Chemical & Engineering News. https://pubs.acs.org/cen/news/85/i46/8546news11.html 
  5. ^ Griffiths, J. (2008). “Government and Society: Scientific sleuthing: how GC/MS uncovered toy danger”. Analytical Chemistry 80 (1): 6. doi:10.1021/ac085987i. 
  6. ^ “Mom: Chemical-laced toy made son 'drunk'”. USA Today. Associated Press. (2007年11月9日). https://usatoday30.usatoday.com/news/health/2007-11-09-toy-recall-chemicals_N.htm