γ-ヒドロキシ酪酸(ガンマヒドロキシらくさん、: Gamma-Hydroxybutyric Acid、略称: GHB)はヒドロキシ酸の一種。中枢神経系の抑制効果を持つ。ワイン、牛肉、小さな柑橘類などの食品に存在する事が知られる[1]。多くの国で違法ドラッグとして規制されているが[2]、ナルコレプシーや不眠症、うつ病の治療効果を持ち、アメリカやカナダ、ニュージランド、オーストラリア、多くの欧州諸国では治療目的で認可を受けている[3]

γ-ヒドロキシ酪酸
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • B
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能25% (経口)
代謝95%、主に代謝
半減期30 - 60 分
排泄5%、排泄
データベースID
CAS番号
591-81-1
ATCコード N01AX11 (WHO)
PubChem CID: 3037032
DrugBank ?
KEGG C00989
化学的データ
化学式C4H8O3
分子量104.11 g/mol (GHB)
126.09 g/mol (ナトリウム塩)
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概要

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2002年に、ナルコレプシーの治療薬としてFDAに認可された。2012年現在、ナルコレプシーアルコール依存症の治療薬として使用されている[4]。この場合はプロドラッグとしてナトリウムオキシベートの形で販売される(商品名: Xyrem)。近年になって[いつ?]睡眠薬や脱法ドラッグとして使われるようになったことから、2001年平成13年11月25日以降、麻薬指定され「麻薬及び向精神薬取締法」により、無資格者による輸入、輸出、製造、製剤、小分け、譲り受け、譲り渡し、所持、施用が禁止された。睡眠作用・性欲増強作用を持つために、性犯罪への悪用が目立つとされ、日本における規制のきっかけとなった[5]。海外製の媚薬に含有されることもあり[5]、過量投与で痙攣や意識障害が起きる[5]2017年9月21日には、自宅で製造したとして逮捕者が出た[要出典]

特記事項

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  • 法律に基づく名称では「四―ヒドロキシ酪酸」と記述する。麻薬指定された当初、官報に「三―ヒドロキシ酪酸(別名GHB)及びその塩類」と記載、公布されたがこれは完全な誤りである。その後、第153回国会(平成13年)で間違いが指摘され「四―ヒドロキシ酪酸」に訂正された。[6]

出典

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  1. ^ Weil, Andrew; Winifred Rosen (1993). “Depressants”. From Chocolate to Morphine (2nd ed.). Boston/New York: Houghton Mifflin Company. p. 77. ISBN 0-395-66079-3 
  2. ^ Erowid GHB Vault : Legal Status.
  3. ^ Sodium Oxybate: MedlinePlus Drug Information”. Nlm.nih.gov (28 July 2010). 2010年8月1日閲覧。
  4. ^ GHB history, GHB discovery, early GHB use till now”. 2012年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月11日閲覧。
  5. ^ a b c 市販用「媚薬」から麻薬成分=密輸容疑、販売業者ら逮捕―厚生局 時事通信 2015年11月10日(火)19時52分配信
  6. ^ 衆議院会議録情報 第153回国会 厚生労働委員会 第13号”. kokkai.ndl.go.jp. 2019年7月15日閲覧。