青二プロダクション

日本の東京都港区にある声優事務所
青二プロから転送)

株式会社青二プロダクション(あおにプロダクション、: Aoni Production Co.Ltd.)は、日本声優事務所。略称は「青二プロ」「青二」。日本声優事業社協議会会員、日本音声製作者連盟正会員。

株式会社青二プロダクション
Aoni Production Co.Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 青二プロ
青二
本社所在地 日本の旗 日本
107-8572
東京都港区北青山3丁目1番2号
青山セント・シオンビル5階
設立 1969年昭和44年4月1日
業種 サービス業
法人番号 5010401000790 ウィキデータを編集
事業内容 声優のマネージメント 他
代表者 代表取締役社長 竹内健次郎
資本金 2,600万円
純利益 2億8198万1000円(2018年08月31日時点)[1]
総資産 42億3327万7000円(2018年08月31日時点)[1]
従業員数 65名(所属声優を除く)
主要子会社 株式会社青二音楽出版
青二塾
関係する人物 久保進(創業者・元会長
外部リンク https://www.aoni.co.jp
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概要

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東京俳優生活協同組合(俳協)のマネージャー(組合員)だった久保進[2]愛媛県出身、日本大学芸術学部演劇学科卒業[3])が1969年昭和44年)4月1日[4]、日本で初の声優専門の芸能事務所として設立[5]。1976年9月に有限会社から株式会社に改組[6]

名称の「青二」には以下の2つの意味が込められている。

  • 1つは当初の本社所在地が東京都港区の「2丁目」に在ったこと。
    • 現に事務所の所在地は何度か移転したことが在るが、2019年に現在の所在地に移転するまでは創業以来、一貫して南青山2丁目圏内に所在していた[注 1]
    • その後、2019年3月に初めて南青山二丁目から出て北青山3丁目に移転している[7]。会社のロゴデザインは設立当時からのメンバーである声優の石原良が手がけた[8]
  • もう1つは「青二才」から採ったこと[8]
    • 「青二才」という言葉には「未熟者」という意味が在り「常に初心を忘れずに未熟者のつもりで日々精進する」といった想いが込められているとされる。

基本理念は「優れた声優は優れた俳優でもある[9]

日本芸能マネージメント事業者協会(設立時のメンバー)、日本商品化権協会などに加盟。

声優部門を維持し、ナレーションなどの他分野にも拡大・進出により、近年[いつ?]ではナレーターアナウンサーDJも所属。

マイナーでもいいじゃない。マイナーの中のトップになろう。
30年前、舞台役者の副業的な地位でしかなく、満足な収入も得られず、萎縮していた声優(当時は声優という言葉もまだ無い)16人に発破を掛け、青山二丁目に設立したのが青二プロです。(中略)
素晴らしい語り部達が紡ぎ出す作品は、必ず文化に貢献します。僕たちマネージャーは語り部達を守り、より良い環境を作り、支え続けて行きたいですね。 — 代表取締役社長 久保進[10]

創業の経緯は、久保進が東映動画(現:東映アニメーション)の仕事を中心にしていたため、その仕事中心の会社を設立したかったというもので[11]、設立当初の1970年代より東映動画との関係が深く、1990年代半ばまで東映動画のアニメ作品に声をあてた声優の大半が青二プロダクション所属声優で占められていた。東映動画作品の声の出演者のクレジットタイトルには「協力:青二プロダクション」が必ずと言っていいほど表示されており、キャスティング業務を行っていた[12]。しかし、1996年平成8年)頃より東映の関連プロダクションである東映マネージメント(2011年3月までは東映アカデミー)も東映アニメのキャスティングを行うようになったために、それ以降は青二プロの独占ではなくなった。なお東映アニメ以外でも葦プロダクションアニメーション・スタッフルーム、オフィス・アカデミー、ウエスト・ケープ・コーポレーション国際映画社日本サンライズスタジオぎゃろっぷスタジオコメット制作アニメのキャスティングを行っていたこともある。ゲームではコーエーテクモゲームス日本ファルコム任天堂フライト・プラン製作のゲームに青二プロ所属声優が数多く声をあてている。

1979年夏に16名のメンバーが離反して、青二プロは分裂。富田耕生を中心とした脱退組はぷろだくしょんバオバブを設立した[13][14]。以降、青二プロがキャスティングする番組には長くバオバブ所属声優が出演することはなかった[15]

1982年9月から付属養成所として青二塾をオープン[6]

2007年、古市利雄が社長に就任[16]

2018年2月6日、創立から会長を務めていた久保が死去(82歳没)[17]

2019年3月18日、創立50周年。新スローガンとして「生涯俳優宣言」を掲げる。本社所在地を東京都港区北青山の青山セント・シオンビルに移転した[18]

2020年4月1日、体制変更。竹内健次郎が社長に就任。前社長の古市利雄は相談役として残る[19]

2023年4月1日、創立55年目に向けての、一般公募による声優・ナレーター発掘オーディションを開催する事を発表[20]。声優の竹本英史徳山靖彦が共作で考案したオリジナルキャラクターが一般公募で募集すると発表され「あおっきー」に決定した。

全日本美声女コンテスト

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2013年オスカープロモーション・青二プロダクション・博報堂の3社が共同で立ち上げた「ブルーオスカープロジェクト」の一環で開催した声優発掘オーディション。2014年1月26日に受賞者を発表した[21]。このオーディションで選ばれた数名は、オスカープロと青二プロの同時所属で活動している。このコンテストは1回目以降開催されていない。

太字は受賞者

名前 備考 -
辻美優 グランプリ アイドルelfin' No12
花房里枝 準グランプリ アイドル(elfin') No11
高橋美衣 準グランプリ アイドル(elfin')※2017年9月30日脱退
2021年4月1日付で「希水しお」に改名しBLACK SHIP所属
No5
入江麻衣子 ブルーオスカーニコニコ賞 声優ピアニスト No8
吉村那奈美 マルチメディア賞 声優 No6
金魚わかな ファイナリスト 声優
2019年8月1日付で「美波わかな」に改名し所属
No9
奥谷楓 ファイナリスト 声優 No10
大槻瞳 ファイナリスト アナウンサー長野朝日放送 No4
山本杏奈 ファイナリスト アイドル(=LOVE No7
佐藤実季 ファイナリスト 声優 No3

所属声優

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男性

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女性

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ジュニア所属

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かつて所属していた声優

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在籍中に死去した人物については公式サイトで「In Memoriam」枠で掲載されている。

男性

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女性

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青二ミュージアム"Voisphere"

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創立30周年を記念して1998年8月から2003年3月まで新宿区細工町牛込神楽坂駅付近にあった、神楽坂分室の1階を利用して設置された資料館。名前は「ヴォイスフィア」で、「声の殿堂」を意味するVoiceとSphereの造語。

所属声優の関連グッズショップとイベント会場を兼ねており、朗読会や所属声優のファンクラブのイベントが開催されたほか、2000年に放送されたラジオ番組「ここは大江戸神楽坂」(パーソナリティ:松野太紀有島モユ、放送はラジオ関西)の収録はここで行われていた。青二塾を卒業したばかりのジュニアメンバーが日替わりで来店してトークショーを行っていたこともあった。

さまざまなグッズが企画・販売されたが、中でも人気声優の声を録音した目覚まし時計(製造はリズム時計工業)は目玉商品の一つだった。ミュージアムのイベントが開催される度に声優と台詞のバリエーションが増え、ミュージアムへ時計を持ち込んで別の声優の声と台詞を録音してもらって楽しむことができた。テレビ東京系「出没!アド街ック天国」の神楽坂の回でこの時計が紹介されていた。

入口に鎮座していた黒いマスコットキャラクター「アミュー」は来館者やファンから名称を公募、娯楽を意味する「アミューズ」(Amuse)と「おにミュージアム」を掛け合わせて命名された。ミュージアム末期にはインターネットテレビ「マミタケじゃナイト」(パーソナリティ:草尾毅金月真美)にも登場し、非公式ながら女性バージョンの「アミュ子」も設定されていた。

関連会社

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  • 青二塾(附属養成所)
  • 青二企画[6]
  • 青二音楽出版[6]
  • 青二エンターテインメント[6] ※ 2019年8月31日付で青二プロダクションが吸収合併して解散[23]

東映アニメーション キャスティング協力作品

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国際映画社 キャスティング協力作品

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その他のアニメーションのキャスティング協力作品

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ゲームのキャスティング協力作品

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音響制作作品

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ほか

青二企画名義

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ほか

プロデュース公演

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  • 青二プロダクション30周年記念Voice to Festival2000
  • Voice Fair2004
  • Voice Fair2006
  • Voice Fair2007
  • Voice Fair2008

青二プロダクションから独立した声優事務所

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脚注

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注釈

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  1. ^ 野沢雅子著「ボクは声優」に事務所名選定のエピソード。また所在地の変遷は青二ミュージアムで頒布されていた所属声優一覧の年表から。
  2. ^ アタック!真理ちゃん』(1974年)は除く
  3. ^ 2019年10月開始の第8期からは、他社所属やフリーの声優にも門戸を広げている(従来は、番組ナビゲーターの竹下景子が朗読を担当する作品以外は青二勢が独占していた)。2020年10月開始の第9期は、竹下朗読作を含めた8作中、青二勢は中井和哉(第1期より唯一皆勤)と石川英郎(第5期初出演の、同時点で青二勢最後の新規起用者)のみだった。

出典

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  1. ^ a b 株式会社青二プロダクション 第42期決算公告
  2. ^ ゲゲゲ・999・ドラゴンボール。野沢雅子を語る上で外せない三役(#5)著:大野裕之”. 本がすき。 (2018年8月24日). 2019年11月30日閲覧。
  3. ^ 久保進氏死去 声優中心の青二プロダクションを創業”. 日刊スポーツ (2018年2月8日). 2019年11月30日閲覧。
  4. ^ 青二プロダクションの紹介”. 俳優・声優・ナレーターの養成所 青二塾. 2023年2月20日閲覧。
  5. ^ 【明田川進の「音物語」】第1回 予算にあわせたオーディションのやり方と、声のバランスの大切さ”. アニメハック (2018年3月28日). 2019年11月30日閲覧。
  6. ^ a b c d e 青二プロダクション沿革 青二塾公式サイト 内 2020年6月19日閲覧
  7. ^ 立野香菜子 (2019年3月18日). “事務所移転のお知らせ”. もぎたてのkanako. 2019年3月18日閲覧。
  8. ^ a b 事務所探訪 016 株式会社青二プロダクション 一般社団法人映像実演権利者合同機構公式サイト 内 2020年6月19日閲覧
  9. ^ 養成理念”. 青二塾大阪校 俳優養成所. 2023年2月20日閲覧。
  10. ^ 会報「マネ協」vol.03 1999年4月 マネージャーが行く No.3 喜怒哀楽 久保進さん”. 2022年2月12日閲覧。
  11. ^ 野沢雅子「第2章 声優『野沢雅子』誕生!! 蒼二プロダクション誕生」『ボクは、声優。』オプトコミュニケーションズ、1995年11月19日、ISBN 4-07-217886-1、64頁。
  12. ^ 東映動画と日本アニメの問題 アーカイブ 2011年1月17日 - ウェイバックマシン日本俳優連合公式サイト。
  13. ^ 清水マリ『鉄腕アトムと共に生きて 声優が語るアニメの世界』さきたま出版会、2015年、p.188
  14. ^ 勝田久『昭和声優列伝 テレビ草創期を声でささえた名優たち』駒草出版、2017年、p.179
  15. ^ 古谷徹『ヒーローの声 飛雄馬とアムロと僕の声優人生』角川書店、2009年、p.84
  16. ^ ytv アニメーションON THE WEB スワッチのアニメ日記 『アニ民217人目』 青二プロダクション社長の古市利雄さん”. 読売テレビ. 2019年1月30日閲覧。
  17. ^ 訃報御通知”. 青二プロダクション. 2018年2月17日閲覧。
  18. ^ 事務所移転のお知らせ(Wayback Machineによる2019年3月22日時点のアーカイブ)”. 青二プロダクション (2019年3月18日). 2019年11月30日閲覧。
  19. ^ 事務所探訪 / 第16回 株式会社青二プロダクション”. [PRE]一般社団法人 映像実演権利者合同機構. 2023年2月20日閲覧。
  20. ^ 青二プロダクション、創業初の声優・ナレーター発掘オーディション開催”. ORICON NEWS (2023年4月14日). 2023年4月16日閲覧。
  21. ^ 受賞者一覧 - 全日本美声女コンテスト
  22. ^ 声グラWeb ②やりたいと思った時点で、夢は50%は叶っている
  23. ^ 株式会社青二エンターテインメントの情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2023年2月19日閲覧。

外部リンク

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