東山彰良

台湾出身の日本の小説家

(ひがしやま あきら、本名:王 震緒[1]1968年9月11日 -)は、台湾出身の日本小説家福岡県小郡市在住[2]日本推理作家協会会員。

東山 彰良ひがしやま あきら
東山彰良(左)と中華民国総統蔡英文、2016年6月17日
誕生 王 震緒
(1968-09-11) 1968年9月11日(56歳)
中華民国の旗 台湾台北市
職業 小説家
推理作家
最終学歴 西南学院大学大学院経済学研究科
活動期間 2002年 -
ジャンル 推理小説ハードボイルド小説アクション小説
代表作 『流』(2015年)
『罪の終わり』(2016年)
『僕が殺した人と僕を殺した人』(2017年)
主な受賞歴 『このミステリーがすごい!』大賞銀賞及び読者賞(2002年)
大藪春彦賞(2009年)
直木三十五賞(2015年)
中央公論文芸賞(2016年)
織田作之助賞(2017年)
読売文学賞(2018年)
渡辺淳一文学賞(2018年)
デビュー作逃亡作法 - TURD ON THE RUN
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父親の王孝廉も、神話研究、散文、小説、詩などの分野で活躍し、台湾で知名な作家・文学者[3]

経歴・人物

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1968年外省人の両親のもと[4]台湾で生まれ、5歳まで台北市で過ごした後、広島大学院で修学していた両親に引き取られ広島市中区住吉町に移住[5]。9歳のとき台北の南門小学校に入学したが、日本に戻り福岡で育つ[6][7]。日本に帰化せず、中華民国の国籍を保持している[6][8]。祖父は中国山東省出身の抗日戦士[6]。父親の王孝廉は1949年に台湾に移り教師となり、1973年に日本に移り住み[6]西南学院大学で教鞭をとるようになる[9]

筆名の「東山」は祖父の出身地である中国山東省から、「彰良」は父親が暮らした地であり、母親の出身地でもある台湾の彰化に由来する[6][8]西南学院中学校・高等学校西南学院大学経済学部経済学科卒業[10]。1995年に西南学院大学大学院経済学研究科修士課程を修了し[10]吉林大学経済管理学院博士課程に進むが中退[11]

2002年、「タード・オン・ザ・ラン」で第1回『このミステリーがすごい!』大賞の銀賞および読者賞を受賞。同作は『逃亡作法 - TURD ON THE RUN』と改題して出版され、20万部突破のベストセラーとなった。2015年時点では非常勤講師として西南学院大学[7]など複数の大学で中国語を教えている[1][2]。また、福岡県警にて中国人容疑者の通訳を務めていた経験もある[2]

酒好きで特にテキーラを好み、テキーラ・マエストロの資格をもつ[7]

文学賞等受賞・候補歴

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太字が受賞したもの

著書

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小説

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  • 逃亡作法 TURD ON THE RUN(2003年4月 宝島社 / 2004年3月 宝島社文庫 / 2009年9月 宝島社文庫【新装版 上・下】 / 2019年11月 光文社文庫
  • ワイルド・サイドを歩け(2004年3月 宝島社 / 2006年6月 宝島社文庫 / 2009年11月 宝島社文庫【新装版 上・下】 / 2017年9月 光文社文庫)
  • ラム&コーク(2004年10月 宝島社 / 2007年8月 宝島社文庫 / 2017年11月 光文社文庫)
  • さようなら、ギャングランド(2005年8月 宝島社 / 2008年10月 宝島社文庫 / 2018年1月 光文社文庫)
  • 愛が噛みつく悪い星(2006年5月 カッパ・ノベルス
    • 【改題】さすらい(2009年5月 光文社文庫)
  • イッツ・オンリー・ロックンロール(2007年7月 光文社 / 2010年2月 光文社文庫)
  • 路傍(2008年2月 集英社 / 2010年5月 集英社文庫
  • ジョニー・ザ・ラビット(2008年12月 双葉社 / 2011年6月 双葉文庫
  • ライフ・ゴーズ・オン(2009年12月 双葉社 / 2013年3月 双葉文庫)
  • さよなら的レボリューション 再見阿良(2010年7月 徳間書店 / 2016年3月 徳間文庫
    • 【改題】恋々(2020年9月 徳間文庫)
  • ファミリー・レストラン(2011年8月 実業之日本社 / 2014年12月 実業之日本社文庫
  • ミスター・グッド・ドクターをさがして(2012年1月 幻冬舎 / 2014年10月 幻冬舎文庫
  • ブラックライダー(2013年9月 新潮社 / 2015年11月 新潮文庫【上・下】)
  • ラブコメの法則(2014年8月 集英社 / 2016年1月 集英社文庫)
  • キッド・ザ・ラビット ナイト・オブ・ザ・ホッピング・デッド(2014年10月 双葉社 / 2017年2月 双葉文庫
  • 流(2015年5月 講談社 / 2017年7月 講談社文庫
  • 罪の終わり(2016年5月 新潮社 / 2018年12月 新潮文庫)
  • 僕が殺した人と僕を殺した人(2017年5月 文藝春秋 / 2020年5月 文春文庫
  • 女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。(2017年11月 講談社 / 2020年11月 講談社文庫)
  • 夜汐(2018年11月 KADOKAWA / 2021年10月 角川文庫
  • DEVIL'S DOOR(2019年6月 JUMP j BOOKS / 2021年6月 集英社文庫)
  • 小さな場所(2019年11月 文藝春秋 / 2023年1月 文春文庫)
  • どの口が愛を語るんだ(2021年3月 講談社)
  • 怪物(2022年1月 新潮社)
  • わたしはわたしで(2023年12月 書肆侃侃房
  • 邪行のビビウ(2024年7月 中央公論新社

エッセイ

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  • ありきたりの痛み(2016年1月 文藝春秋 / 2019年3月 文春文庫)
  • 越境(ユエジン)(2019年7月 ホーム社 / 2023年10月 集英社文庫)
  • Turn! Turn! Turn!(2022年10月 書肆侃侃房)

ノベライズ

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アンソロジー

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「」内が東山彰良の作品

  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2010(2010年6月 徳間文庫)「マイ・ジェネレーション」
  • 君と過ごす季節 秋から冬へ、12の暦物語(2012年11月 ポプラ文庫)「小雪」
  • 激動東京五輪1964(2015年9月 講談社)「陽のあたる場所」
  • 短篇ベストコレクション 現代の小説2017(2017年6月 徳間文庫)「温厚と激情」
  • ベスト・エッセイ2017(2017年6月 光村図書出版)※エッセイアンソロジー「選挙に行こう」
  • 宮辻薬東宮(2017年6月 講談社 / 2019年11月 講談社文庫)「スマホが・ほ・し・い」
  • おしゃべりな銀座(2017年6月 扶桑社 / 2024年4月 文春文庫)※エッセイアンソロジー「銀座は習うより慣れよ」
  • 猫が見ていた(2017年7月 文春文庫)「黒い白猫」
  • 十歳までに読んだ本(2017年7月 ポプラ社)※エッセイアンソロジー「西遊記」
  • 走る?(2017年8月 文春文庫)「或る帰省」
  • 推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ(2017年8月 角川文庫)※エッセイアンソロジー「ホンキー・トンクな我が十年」
  • 喧騒の夜想曲(2019年12月 光文社)「追われる男」
    • 【分冊・改題】喧騒の夜想曲 白眉編 Vol.2(2022年6月 光文社文庫)
  • 夜更けのおつまみ(2020年3月 ポプラ文庫)※エッセイアンソロジー「俺の生ハム」
  • ベスト・エッセイ2020(2020年8月 光村図書出版)※エッセイアンソロジー「九十九の憂鬱」
  • 25の短編小説(2020年9月 朝日文庫)「イッツ・プリティ・ニューヨーク」
  • Day to Day(2021年3月 講談社 / 2021年3月 講談社【愛蔵版】)「7/6 父のように」
  • 真藤順丈リクエスト! 絶滅のアンソロジー(2021年8月 光文社 / 2022年9月 光文社文庫)「絶滅の誕生」
  • 短編ホテル(2021年9月 集英社文庫)「ドン・ロドリゴと首なしお化け」
  • 時代小説 ザ・ベスト2022(2022年6月 集英社文庫)「絶滅の誕生」

コラム

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  • 熱風映劇(シネマ・サンタナ):西日本新聞毎週日曜日連載

訳書

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脚本

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レギュラー出演

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舞台

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脚注

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  1. ^ a b “台湾出身の作家、東山彰良さんが『第11回大藪春彦賞』を受賞”. 台北経済文化代表処. (2009年3月10日). オリジナルの2009年3月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090311172147/http://www.taiwanembassy.org/JP/ct.asp?xItem=83222&ctNode=3522&mp=202 2017年12月21日閲覧。 
  2. ^ a b c “『路傍』で大藪賞、東山彰良さん 冷ややかに真理突く”. 朝日新聞. (2009年2月24日). オリジナルの2009年2月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090226232038/http://book.asahi.com/clip/TKY200902240202.html 2017年12月21日閲覧。 
  3. ^ 野嶋剛『タイワニーズ』(小学館)P.093
  4. ^ 野嶋剛『タイワニーズ』(小学館)P.95
  5. ^ “(作家の口福)あの日、あの時の秋刀魚 東山彰良”. be (朝日新聞). (2016年9月17日). オリジナルの2016年9月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160917184019/https://www.asahi.com/articles/DA3S12560129.html 2017年12月21日閲覧。 “直木賞の東山彰良さん 初めて暮らした日本、広島を再訪”. 朝日新聞デジタル. (2019年11月19日). オリジナルの2019年11月20日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2019-1120-0115-20/https://www.asahi.com:443/articles/ASMCC62XMMCCTIPE027.html 2019年11月29日閲覧。 作家の読書道 第164回:東山彰良さん - WEB本の雑誌
  6. ^ a b c d e 寫國共內戰三代漂流 王震緒勇奪直木賞聯合報、2015-07-16
  7. ^ a b c “直木賞受賞東山氏 テキーラマエストロ”. DAILY SPORTS ONLINE. (2015年8月6日). https://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/08/06/0008279584.shtml 2015年8月7日閲覧。 
  8. ^ a b “台湾出身の東山彰良さんの直木賞受賞、現地でも速報”. 産経ニュース. (2015年7月16日). https://www.sankei.com/article/20150716-FGPA3YKUMRMXHAMI4CLE62O5CY/ 2015年8月7日閲覧。 
  9. ^ 野嶋剛『タイワニーズ』(小学館)P.104
  10. ^ a b 2回目『パーティが終わるとき』東山彰良さん」西南学院大学広報誌『SEINAN SPIRIT』2010年7月9日発行号、p17、2011年12月13日閲覧。
  11. ^ 会員名簿 東山彰良|日本推理作家協会
  12. ^ 直木賞:東山彰良さんの「流」に決定 芥川賞は又吉直樹さんと羽田圭介さん”. 毎日新聞社 (2015年7月16日). 2015年7月16日閲覧。
  13. ^ “織田作之助賞に古谷田奈月さん、東山彰良さん”. 産経WEST. (2017年12月19日). https://www.sankei.com/article/20171219-XEIE7IUG3JNBVG7LS2RZP5AVDQ/ 2017年12月21日閲覧。 
  14. ^ “第69回読売文学賞(2017年度)の受賞作と選評”. 読売新聞. https://info.yomiuri.co.jp/contest/clspgl/detail/3584.html 2018年4月22日閲覧。 
  15. ^ “渡辺淳一文学賞 東山さんに”. 毎日新聞. (2018年3月31日). https://mainichi.jp/articles/20180331/ddm/012/040/075000c 2018年4月22日閲覧。 
  16. ^ 第26回福岡県文化賞贈呈式&記念イベントを開催しました”. 福岡県庁ホームページ. 福岡県 (2019年3月6日). 2019年4月18日閲覧。
  17. ^ 作家16名が学生服に身を包む、なにげに文士劇「放課後」ビジュアル&配役発表”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年8月2日). 2024年8月4日閲覧。

関連項目

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