谷川佳樹
谷川 佳樹（たにがわ よしき、1957年〈昭和32年〉 - ）は、日本の宗教家。宗教法人・創価学会壮年部長・主任副会長[1]。学校法人創価学園理事長。
谷川佳樹 | |
|---|---|
| 肩書き | 創価学会壮年部長 |
| 個人情報 | |
| 生誕 |
1957年 |
| 宗教 | 創価学会 |
| 出身校 | 東京大学経済学部卒業 |
| 地位 | |
| 任期 | 2018年1月 - |
来歴
編集生い立ち
編集1957年（昭和32年）生まれ。東京都出身。創価中学校・高等学校卒業、東京大学経済学部[2]卒業。1979年（昭和54年）4月に三菱商事に入社[2]。
宗教家として
編集三菱商事を退職後、創価学会に採用され、創価学会本部の職員として勤務した。創価学会では、学生部長、男子部長、青年部長など要職を歴任した。その後、創価学会の事務総長に就任し、国際部門の拡充を推進するなど創価学会の世界宗教化を図った[3]。また、コンサルティング会社に依頼して学会本部職員のリストラ計画を策定するなど、創価学会本部のリストラを積極的に推し進めた[4]。2012年（平成24年）に中国の上海市で「池田大作写真展」が催された際には、団長として創価学会訪中団を率いて開幕式に出席した[5]。それに合わせて、中華人民共和国の元国家主席の李先念の娘であり、中国人民対外友好協会会長を務める李小林と会談するとともに[5]、中華人民共和国外交部の関係者とも接触するなど[5]、活発な民間外交活動を展開した。2015年（平成27年）には、創価学会の主任副会長に就任した[4][6][7]。創価学会の主任副会長は同年に新設されたポストであり[4]、一般の副会長のさらに上位の役職であり、会長、理事長に次ぐ立場とされている[8]。 2018年（平成30年）には創価学会の壮年部長に就任した。
人物
編集創価学会ウォッチャーとして知られるジャーナリストの乙骨正生からは「組織運営に長け、自民党寄りで知られるホープ」[9]と評されている。また、同じく創価学会役員であった正木正明との対比では「官僚的な谷川氏に比べ正木氏は人当たりがいいとされる」[10]という。
ノンフィクション作家の森功の取材によれば、第2次安倍内閣発足時より内閣官房長官を務める菅義偉などにも影響力を行使しているとされ[11][12]、安倍政権と創価学会とのパイプ役となっている。2012年（平成24年）に中国人民対外友好協会会長の李小林と会談した際、李から「池田名誉会長の力で、両国間で協議の場を持てるような環境整備ができないだろうか」[5]と打診されるなど、外交分野においても影響力を有している。
騒動
編集公明党委員長などを歴任した後に反創価学会に転じた矢野絢也との間で、訴訟合戦を繰り広げていた。矢野は、政治評論活動を創価学会によって妨害されたのは人権侵害だと主張し、谷川らを提訴した[14]。それに対して谷川は、『週刊新潮』の創価学会に関する記事によって名誉を棄損されたと主張し、矢野らを提訴した[14]。ところが、『週刊新潮』に関する裁判にて、谷川が「息子がどうなってもいいのか」[14]などと矢野を脅迫していたことが明るみとなり、東京地方裁判所での第一審判決でも谷川による脅迫が事実であると認定された[14]。双方が控訴したが、2012年（平成24年）2月に東京高等裁判所からの勧告を受け入れ、双方が提訴を取り下げることになった[14][15]。なお、それに先立ち、公明党の元議員らが矢野の手帳を強奪したと報じた『週刊現代』の記事に関する裁判では、最高裁判所にて公明党の元議員らの敗訴が確定している[16]。
略歴
編集著作
編集- 谷川佳樹編『わが栄光の青春』9巻、第三文明社、1994年。ISBN 4476060889
脚注
編集- ^ “会長・理事長・各部長の紹介 - 創価学会の公式サイト”
- ^ a b 島田裕巳 2004, pp. 139.
- ^ 週刊ダイヤモンド編集部 (2016年6月20日). “創価学会、国内低迷・海外躍進で「世界宗教化」に野心｜今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ｜ダイヤモンド・オンライン” (HTML) (日本語). 創価学会、国内低迷・海外躍進で「世界宗教化」に野心. ダイヤモンド社. 2016年6月20日閲覧。
- ^ a b c 高橋篤史 (2015年12月21日). “ついに決着！ 連立政権のカギを握る創価学会「ポスト池田」新体制の戦略 - FRIDAYデジタル” (HTML) (日本語). ついに決着! 連立政権のカギを握る創価学会「ポスト池田」新体制の戦略. 講談社. 2015年12月21日閲覧。
- ^ a b c d “習近平氏 池田大作・創価学会名誉会長を通じ日中協議要請か│NEWSポストセブン” (HTML) (日本語). 習近平氏――池田大作・創価学会名誉会長を通じ日中協議要請か. 小学館 (2012年11月24日). 2012年11月24日閲覧。
- ^ “軽減税率で大幅譲歩 菅長官と創価学会に「W選密約」説” (HTML) (日本語). 軽減税率で大幅譲歩 菅長官と創価学会に「W選密約」説. 日刊現代 (2015年12月15日). 2015年12月15日閲覧。
- ^ “会長・理事長・主任副会長紹介”. 創価学会. 2016年10月13日閲覧。
- ^ “機構図｜創価学会公式サイト” (HTML) (日本語). 機構・組織. 創価学会. 2016年12月10日閲覧。
- ^ “創価学会 会員の安保反対デモ止めた背景に後継者を巡る動揺│NEWSポストセブン” (HTML) (日本語). 創価学会――会員の安保反対デモ止めた背景に後継者を巡る動揺. 小学館 (2015年10月7日). 2015年10月7日閲覧。
- ^ “池田氏不在の創価学会、11月にも会長交代か” (HTML) (日本語). 池田氏不在の創価学会、11月にも会長交代か. プレジデント社 (2013年10月21日). 2013年10月21日閲覧。
- ^ “創価学会 菅氏を通じ橋下徹氏・松井一郎氏衆院選不出馬要求│NEWSポストセブン” (HTML) (日本語). 創価学会――菅氏を通じ橋下徹氏・松井一郎氏衆院選不出馬要求. 小学館 (2015年6月8日). 2015年6月8日閲覧。
- ^ “維新・橋下徹氏と松井一郎氏の衆院選出馬断念の影に創価学会│NEWSポストセブン” (HTML) (日本語). 維新・橋下徹氏と松井一郎氏の衆院選出馬断念の影に創価学会. 小学館 (2015年6月11日). 2015年6月11日閲覧。
- ^ 谷川佳樹（編）、1994年、『わが栄光の青春』9巻、第三文明社 ISBN 4476060889
- ^ a b c d e “創価学会次期会長に谷川事務総長が確定：FACTA ONLINE” (HTML) (日本語). 創価学会次期会長に谷川事務総長が確定. ファクタ出版 (2012年4月). 2012年6月1日閲覧。
- ^ “創価学会側と矢野元公明委員長が「手打ち」 双方が提訴4件すべて取り下げ : J-CASTニュース” (HTML) (日本語). 創価学会側と矢野元公明委員長が「手打ち」――双方が提訴4件すべて取り下げ. ジェイ・キャスト (2012年2月20日). 2012年2月20日閲覧。
- ^ “(2/2) 創価学会側と矢野元公明委員長が「手打ち」 双方が提訴4件すべて取り下げ : J-CASTニュース” (HTML) (日本語). 創価学会側と矢野元公明委員長が「手打ち」――双方が提訴4件すべて取り下げ. ジェイ・キャスト (2012年2月20日). 2012年2月20日閲覧。
関連項目
編集参考文献
編集- 中野潤『創価学会・公明党の研究――自公連立政権の内在論理』岩波書店、2016年。ISBN 9784000237345
- 島田裕巳『創価学会』新潮社、2004年6月20日。ISBN 4-10-610072-X。
外部リンク
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