第70回国家映画賞(だい70かいこっかえいがしょう、70th National Film Awards)は、インドの映画賞。インド国立映画開発公社が主催し、2022年のインド映画を対象としている[1]。授賞式は2023年5月3日に開催される予定だったが、COVID-19パンデミックの影響を受けて2024年10月まで延期されていた[2]。2024年8月に情報・放送省英語版から受賞者が発表され、10月8日にニューデリーヴィギャン・バワン英語版で授賞式が執り行われた[2][3]

第70回国家映画賞
第70回国家映画賞授賞式でインド大統領ドラウパディ・ムルムからダーダーサーヘブ・パールケー賞を受け取るミトゥン・チャクラボルティー
受賞対象2022年のインド映画
開催日2024年10月8日
会場ニューデリーヴィギャン・バワン英語版
インドの旗 インド
主催インド国立映画開発公社

選考過程

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2024年1月30日までインド国立映画開発公社がオンライン上でエントリー募集を行った[4][5]。映画部門のエントリー対象は2022年1月1日から12月31日までの期間に中央映画認証委員会から認証を受けた長編映画と短編映画であり[6]、書籍部門のエントリー対象は同期間中に発行された新聞・雑誌・ジャーナルに掲載された映画記事・評論、及び刊行された書籍となっている[7]。また、映画部門では吹替版・改訂版・複製版、書籍部門では翻訳版・抄訳版・編集版・注釈・再版本は対象外となっている[8]

長編映画部門と非長編映画部門では16ミリフィルム35ミリフィルム及びそれよりもフィルム幅の広いフィルムゲージまたはデジタル・フォーマットで撮影された作品、劇場または家庭で観賞できるOTTサービスで公開されたインドの言語で製作された作品が選考対象となっている。また、エントリー作品は中央映画認証委員会によって長編映画・ドキュメンタリー映画・ニュース映画・ノンフィクション映画として認証を受ける必要がある[9]

賞の統廃合

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受賞結果

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ダーダーサーヘブ・パールケー賞

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最高賞であるダーダーサーヘブ・パールケー賞は、インド映画界の著名人5名で構成される選考委員会によって選出される[11]

選考委員
 • ラーフル・ラーワイル英語版
 • スブラジット・ミトラ英語版
 • アシャ・パレク
 • クシュブー・スンダル英語版
 • ヴィプル・アムルトラール・シャー英語版
画像 受賞者 職業 賞金
ダーダーサーヘブ・パールケー賞
 
ミトゥン・チャクラボルティー英語版 俳優 150万ルピー

長編映画部門

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金蓮賞(長編映画部門)

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作品 言語 受賞者 賞金
長編映画賞英語版 Aattam マラヤーラム語 製作:ジョイ・ムービー・プロダクション
監督:アーナンド・イーカルシ英語版
各30万ルピー
監督賞 Uunchai ヒンディー語 スーラジ・バルジャーティヤ 30万ルピー
健全な娯楽を提供する大衆映画賞 Kantara カンナダ語 製作:ホンバーレ・フィルムズ英語版
監督:リシャブ・シェッティ
各30万ルピー
AVGC映画賞(アニメ映画部門) ブラフマーストラ ヒンディー語 製作:ダルマ・プロダクション英語版プライム・フォーカス、スターライト・ピクチャーズ
監督:アヤーン・ムカルジー
各30万ルピー
新人監督作品賞英語版 Fouja ハリヤーンウィー語 監督:プラモード・クマール 30万ルピー

銀蓮賞(長編映画部門)

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作品 言語 受賞者 賞金
民族的・社会的・環境的価値を促進する長編映画賞 Kutch Express グジャラート語 製作:ソウル・ストラ
監督:ヴィラール・B・シャー英語版
各20万ルピー
AVGC映画賞(特殊効果部門) ブラフマーストラ ヒンディー語 VFXスーパーバイザー:ジャイカル・アルドラ、ヴィラル・タッカル、ニーレシュ・ゴア 20万ルピー
主演男優賞 Kantara カンナダ語 リシャブ・シェッティ 20万ルピー
主演女優賞英語版 Thiruchitrambalam タミル語 ニティヤ・メーノーン英語版 20万ルピー
Kutch Express グジャラート語 マナシ・パレク英語版
助演男優賞 Fouja ハリヤーンウィー語 パワン・マルホートラ 20万ルピー
助演女優賞英語版 Uunchai ヒンディー語 ニーナ・グプタ英語版 20万ルピー
子役賞英語版 Malikappuram マラヤーラム語 シュリーパト 20万ルピー
男性プレイバックシンガー賞英語版 ブラフマーストラ
ケサリヤ
ヒンディー語 アリジット・シン英語版 20万ルピー
女性プレイバックシンガー賞英語版 Saudi Vellakka
Chaayum Veyil
マラヤーラム語 ボンベイ・ジャヤシュリ英語版 20万ルピー
撮影賞英語版 PS1 黄金の河 タミル語 ラヴィ・ヴァルマン英語版 20万ルピー
脚本賞英語版(オリジナル脚本) Aattam マラヤーラム語 アーナンド・イーカルシ 20万ルピー
脚本賞(台詞) Gulmohar ヒンディー語 アルピタ・ムカルジー
ラーフル・V・チテラ
20万ルピー
音響デザイン賞英語版 PS1 黄金の河 タミル語 アーナンド・クリシュナムールティ英語版 20万ルピー
編集賞英語版 Aattam マラヤーラム語 マヘーシュ・ブヴァンド 20万ルピー
美術賞英語版 Aparajito ベンガル語 アーナンダ・アディヤ 20万ルピー
衣装デザイン賞英語版 Kutch Express グジャラート語 ニキ・ジョーシー 20万ルピー
メイクアップ賞英語版 Aparajito ベンガル語 ソームナート・クンドゥ 20万ルピー
音楽監督賞英語版(歌曲) ブラフマーストラ ヒンディー語 プリータム英語版 20万ルピー
音楽監督賞(背景音楽) PS1 黄金の河 タミル語 A・R・ラフマーン 20万ルピー
作詞賞英語版 Fouja
Salaami
ハリヤーンウィー語 ノウシャード・サーダル・カーン 20万ルピー
振付賞英語版 Thiruchitrambalam
Megham Karukkatha
タミル語 ジャニ・マスタル英語版
サティーシュ・クリシュナン英語版
20万ルピー
アクション監督賞 K.G.F: CHAPTER 2 カンナダ語 アンバリヴ英語版 20万ルピー
特別賞英語版 Gulmohar ヒンディー語 マノージュ・バージペーイー 賞状のみ
Kadhikan マラヤーラム語 サンジョイ・チョーダリー英語版

地域賞

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インド憲法第8附則でインドの公用語とされている言語で製作された地域映画
作品 受賞者 賞金
製作 監督
アッサム語長編映画賞英語版 Emuthi Puthi メタノーマル・モーション・ピクチャーズ クラナンディニ・マハーンタ 各20万ルピー
ベンガル語長編映画賞英語版 Kaberi Antardhan スリンダル・フィルムズ英語版 カウシク・ガングリー英語版 各20万ルピー
ヒンディー語長編映画賞英語版 Gulmohar スター・インディア ラーフル・V・チッテラ 各20万ルピー
カンナダ語長編映画賞英語版 K.G.F: CHAPTER 2 ホンバーレ・フィルムズ英語版 プラシャーント・ニール 各20万ルピー
マラヤーラム語長編映画賞英語版 Saudi Vellakka ウルヴァシー・シアターズ タルン・ムールティ英語版 各20万ルピー
マラーティー語長編映画賞英語版 Vaalvi マヤサーバ・カラマヌク・マンダリ
ジー・エンターテインメント・エンタープライゼス英語版
パレーシュ・モーカーシー英語版 各20万ルピー
オリヤー語長編映画賞英語版 Daman J・P・モーション・ピクチャーズ ヴィシャール・マウリヤ
デービ・プラサード・レンカ
各20万ルピー
パンジャーブ語長編映画賞英語版 Baghi Di Dhee G-ネクスト・メディア ムケーシュ・ガウタム英語版 各20万ルピー
タミル語長編映画賞英語版 PS1 黄金の河 マドラス・トーキーズ英語版 マニラトナム 各20万ルピー
テルグ語長編映画賞英語版 Karthikeya 2 アビシェーク・アグルワール・アーツ
ピープル・メディア・ファクトリー
チャンドゥー・モンデティ英語版 各20万ルピー
インド憲法第8附則でインドの公用語とされていない言語で製作された地域映画
作品 受賞者 賞金
製作 監督
ティワ語長編映画賞 Sikaisal イメージング・メディア ボビー・サルマ・バルア英語版 各20万ルピー

非長編映画部門

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金蓮賞(非長編映画部門)

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作品 言語 受賞者 賞金
非長編映画賞英語版 Ayena ヒンディー語
ウルドゥー語
製作:ティー・フィルムズ
監督:シッダーント・サリン
各30万ルピー
非長編映画監督賞英語版 From the Shadows 英語
ベンガル語
ヒンディー語
ミリアム・チャンディ・メーナチェリー英語版 30万ルピー
非長編映画新人監督作品賞英語版 Madhyantara カンナダ語 バスティ・ディネーシュ・シェノイ 30万ルピー

銀蓮賞(非長編映画部門)

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作品 言語 受賞者 賞金
伝記・歴史的復元・編纂映画賞 Aankhi Ek Mohenjo Daro マラーティー語 製作:デ・ゴーン・スタジオ、アショーク・レーン・プロダクション
監督:アショーク・レーン英語版
各20万ルピー
文化・芸術映画賞英語版 Ranga Vibhoga カンナダ語 製作/監督:スニール・ナラシンハチャル・プラニク 20万ルピー
Varsa マラーティー語 製作/監督:ソーヒル・ヴァイディヤ
ドキュメンタリー映画賞 Murmurs of the Jungle マラーティー語 製作/監督:ソーヒル・ヴァイディヤ 20万ルピー
社会的・環境的問題を促進する非長編映画賞 On the Brink – Season 2 – Gharial 英語 製作:ガイア・ピープル
監督:アーカンクシャ・スード・シン
各20万ルピー
アニメ映画賞英語版 A Coconut Tree 英語 製作:J・B・プロダクション
監督/アニメーター:ジョーシー・ベネディクト
各20万ルピー
短編映画賞英語版 Xunyota アッサム語 製作:H・M・プロダクション
監督:ナバパン・ディーカ
各20万ルピー
撮影賞英語版 Mono No Aware ヒンディー語
英語
シッダールト・ディワーン 20万ルピー
音響デザイン賞英語版 Yaan ヒンディー語
マールヴィー語
マナス・チョーダリー 20万ルピー
編集賞英語版 Madhyantara カンナダ語 スレーシュ・ウルス英語版 20万ルピー
音楽監督賞英語版 Fursat ヒンディー語 ヴィシャール・バルドワージ英語版 20万ルピー
ナレーション/ボイスオーバー賞英語版 Murmurs of the Jungle マラーティー語 クラダ・クマール・バッタチャルジー 20万ルピー
脚本賞 Mono No Aware ヒンディー語
英語
カウシク・サルカール 20万ルピー
特別賞英語版 Birubala: Witch to Padmashri アッサム語 製作:エイミー・バルア・プロダクション
監督:エイミー・バルア英語版
賞状のみ
Hargila – The Greater Adjutant Stork アッサム語 製作:P・I・エンターテインメント
パルタ・サーラティ・マハーンタ

映画批評部門

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金蓮賞(映画批評部門)

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書籍 言語 受賞者 賞金
映画書籍賞英語版 Kishore Kumar: The Ultimate Biography 英語 出版社:ハーパー・コリンズ・パブリッシャーズ・インディア
著者:アニルダ・バッタチャルジー英語版、パルティヴ・ダール
各10万ルピー
映画批評賞英語版 ヒンディー語 ディーパク・ドゥア 10万ルピー

出典

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  1. ^ Arora, Sumit (16 February 2024). “National Film Awards: Indira Gandhi and Nargis Dutt Names Removed from Categories”. adda247. 2024年7月22日閲覧。
  2. ^ a b 70th National Film Awards, 2022”. nfaindia.org. 2024年7月22日閲覧。
  3. ^ 70th National Film Awards: Heavy criticism from industry for ignoring contributions to sound recording and mixing”. Hindustan Times (25 February 2024). 2024年7月22日閲覧。
  4. ^ Entries invited for National Film Awards”. Imphal Free Press. 2024年7月22日閲覧。
  5. ^ Instagram”. www.instagram.com. 2024年7月22日閲覧。
  6. ^ Applications invited for 70th National Film Awards, 2022 - Telugu News”. IndiaGlitz.com (14 January 2024). 2024年7月22日閲覧。
  7. ^ Call for Entries 70th National Film Awards 2022”. e-pao.net. 2024年7月22日閲覧。
  8. ^ Indira Gandhi, Nargis Dutt's names dropped from National Film Awards categories”. India Today (13 February 2024). 2024年7月22日閲覧。
  9. ^ 69th National Films Awards 2021”. NFDC. 2024年7月22日閲覧。
  10. ^ a b Bharat, E. T. V. (2024年2月13日). “National Film Awards Undergo Changes, Nargis Dutt, Indira Gandhi Categories Renamed” (英語). ETV Bharat News. 2024年8月30日閲覧。
  11. ^ Mithun Chakraborty to Receive India’s Highest Film Honor”. Variety (2024年9月30日). 2024年10月7日閲覧。

外部リンク

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