王滬寧
王 滬寧(おう こねい、ワン フーニン、1955年10月6日 - )は、中華人民共和国の政治学者[1]、政治家。第18期・第19期・第20期中国共産党中央政治局委員、第19期・第20期中央政治局常務委員・中央書記処書記・中央精神文明建設指導委員会主任。党中央政策研究室主任。復旦大学教授。
王 滬寧 | |
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2022年 | |
生年月日 | 1955年10月6日(69歳) |
出生地 | 中華人民共和国 上海市 |
出身校 | 復旦大学 |
所属政党 | 中国共産党 |
在任期間 | 2023年3月10日 - 現職 |
最高指導者 | 習近平 |
中国共産党中央書記処常務書記 | |
在任期間 | 2017年10月25日 - 2022年10月23日 |
党総書記 | 習近平 |
在任期間 | 2017年10月25日 - |
党総書記 | 習近平 |
中央政策研究室主任 | |
在任期間 | 2002年10月 - 2020年10月 |
党総書記 |
胡錦濤 習近平 |
王 滬寧 | |
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職業: | 政治哲学者、政治家 |
各種表記 | |
簡体字: | 王 沪宁 |
拼音: | Wáng Hùníng |
和名表記: | おう こねい |
発音転記: | ワン フーニン |
経歴
編集1974年に上海師範大学西欧語科でフランス語を学ぶ傍ら、上海社会科学院で研究活動をする。1978年に復旦大学国際政治系の修士(碩士)課程に入学[5][6]、1981年に法学修士を取得した。
1984年4月に中国共産党に入党、1980年代は「半月談」(新華社発行)など時事雑誌の表紙を飾る青年学者として名をはせ、復旦大学国際政治系教師(講師)、副教授(准教授)、教授を歴任し、アメリカ合衆国のアイオワ大学とカリフォルニア大学バークレー校で客員研究員にもなった。1989年から復旦大学の国際政治系主任(研究科長)、1993年に「国際中国語大学ディベート大会」で復旦大学ディベートチームを率いて優勝し、1994年から法学院長(学部長)となり、さらに名声を高めた。中国の発展には「強人」による開発独裁的な権威主義体制が必要と主張する「新権威主義」[5][7][8][9]と呼ばれる一派の論客として活躍し、中国共産党上海市委員会宣伝部の注目を得て、第13回全国代表大会以降、党の重要理論の起草に関わることなる。
1995年、曽慶紅・呉邦国の強い推薦により、江沢民党総書記(当時)によって党中央政策室政治グループ長に任命され、1998年4月には研究室副主任となり、2002年から主任を務めた。「三つの代表」、胡錦濤時代の「科学的発展観」など重要理論の起草に直接関与し、2007年10月、第17期中央委員会第一全体会議で中央書記処書記に選出され、鄧力群以来の理論家による書記処書記就任となった[10]。
2012年11月には第18期中央委員会第一全体会議で中央政治局委員に選出され[11]、2017年10月には第19期中央委員会第一全体会議で最高指導部の7人にあたる中央政治局常務委員にメンバー入り。
習近平の掲げる「中国の夢」「中華民族の偉大なる復興(中国の夢の一部)」という国家スローガンや、「習近平思想」などの考案・起草に携わったとされ[12]、その内政から外交にまで及ぶ影響力から米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「カール・ローブとヘンリー・キッシンジャーを一体にした存在」と評した[13][14]。
2017年12月3日、GoogleやAppleのCEO[15]や「インターネットの父」の一人であるロバート・カーン[16]などIT業界関係者を集めて浙江省烏鎮で開幕した第4回世界インターネット大会で中国のネット検閲を正当化した上で、ネットビジネスの国際制度設計に中国が積極的に関与していく姿勢を示した。中国式のサイバー主権を世界に広めたい考えとみられる[17]。
主な著作
編集いずれも日本未刊のため、邦題は参考として掲げる。英題は英語版 (22:28, 20 November 2012 UTC) により、同様に参考として掲げる。
- 《比较政治分析》、比較政治分析、"Analysis of Comparative Politics"、1987
- 《当代西方政治学分析》、現代西洋政治学分析、"Analysis of Modern Western Politics"、1988 ISBN 7220002904
- 《美国反对美国》、アメリカ対アメリカ、"America against America"、1991 ISBN 7532107108
- 《狮城舌战》(編)、シンガポールディベートコンテスト、"Debate Contest in Lion City"、1993 ISBN 730901247X
- 《政治的逻辑——马克思主义政治学原理》、政治のロジック--マルクス主義政治学原理、"Logic of Politics - the Principal of Marxism Politics"、1994 ISBN 7208018413
- 《政治的人生》、政治的人生(上海人民出版社)、"Political Life"、1995 ISBN 7208019401, 9787208019409
- 《新政治学概要》(共編)、新政治学概要、"General Introduction to New Politics"、1998 ISBN 7309020731
逸話
編集1994年に出版された王滬寧の日記式回顧録(『政治的人生』)によると、神戸大学に訪問学者として訪日する計画もあったが、中学校や高校の具体的な卒業の日付を求められるなど、提出書類が細かすぎるため、馬鹿らしくなって取りやめたという逸話もある[18]。
脚注
編集- ^ 「国际关系与公共事务学院博导介绍」、復旦大学研究生院、2012年6月12日(2012年11月27日閲覧)
- ^ “罕見:年近六旬“三朝帝師”王滬寧又傳婚訊”. 新浪. (2014年5月2日) 2017年10月31日閲覧。
- ^ “22年間、中国の統治理念を設計した「三朝帝師」、王滬寧氏”. 東亜日報. (2017年10月31日) 2017年10月31日閲覧。
- ^ “十九大入常“三朝帝師”王滬寧走向前台_中國”. 多維新聞網. (2017年10月24日) 2017年10月31日閲覧。
- ^ a b “觀點:王滬寧是「強人政治的解藥」”. BBC. (2017年11月7日) 2017年11月13日閲覧。
- ^ “新一届中央书记处增4人共6人_新闻中心_新浪网”. news.sina.com.cn. 2023年4月6日閲覧。
- ^ “王滬寧提新權威主義或為習總統制鋪路”. 大紀元. (2016年6月12日) 2017年11月13日閲覧。
- ^ 「「習近平思想」支える男、舞台に 常務委員・王滬寧氏」『日本経済新聞』(日本経済新聞)2017年11月8日。オリジナルの2017-11-27時点におけるアーカイブ。2017年11月8日閲覧。
- ^ “【一筆多論】はびこる中国の権威主義 習近平氏は民主主義の衰退を狙っている 宇都宮尚志”. 産経ニュース. (2017年11月25日) 2019年9月6日閲覧。
- ^ 「书记处新书记/王沪宁 红墙内的理论权威」、中国評論、2007年10月24日(2012年11月27日閲覧)
- ^ 「中国共产党第十八届中央委员会第一次全体会议公报」、中国共産党新聞、2012年11月15日(2012年11月27日閲覧)
- ^ 遠藤誉『習近平vsトランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)P.80
- ^ “中国国家主席の隣に常に寄り添う王滬寧氏とは何者か”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2013年6月5日) 2019年10月8日閲覧。
- ^ “チャイナ・ブリーフ:(1)習近平の知恵袋の日本観”. 毎日新聞. (2014年4月14日) 2019年10月8日閲覧。
- ^ “Apple, Google at China internet fest shows lure of market”. ワシントン・ポスト (2017年12月4日). 2017年12月23日閲覧。
- ^ “世界インターネット大会、中国の開放的な姿勢を示す”. 中国網 (2017年12月4日). 2017年12月23日閲覧。
- ^ 『チャイナ・ウオッチ』2017年12月4日
- ^ “『China Report』Vol.24中国新指導部の“プロファイリング” ③:王滬寧 三代帝師”. www.jiia.or.jp. 2023年4月6日閲覧。
外部リンク
編集「王沪宁同志简历」、中国共産党新聞、2012年11月15日(2012年11月27日閲覧)
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