犯罪 (小説)
『犯罪』(はんざい、Verbrechen )は、ドイツの作家フェルディナント・フォン・シーラッハによる小説の短編集。1編20ページ前後の短編が11編収録されている。
犯罪 Verbrechen | ||
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著者 | フェルディナント・フォン・シーラッハ | |
訳者 | 酒寄進一 | |
発行日 |
2009年 2011年6月25日 | |
発行元 |
Piper Verlag 東京創元社 | |
ジャンル | 奇妙な味 | |
国 | ドイツ | |
言語 | ドイツ語 | |
形態 | 四六判上製 | |
ページ数 | 220 | |
コード |
ISBN 978-3-492-05362-4 ISBN 978-4-488-01336-3 | |
ウィキポータル 文学 | ||
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刑事事件専門の弁護士である著者が、実際に自身の事務所で取り扱った事件をモデルに書き上げた作品で、彼の処女作である。翌2010年には第2作『罪悪』を上梓した。ドイツでの発行部数は45万部を越え、世界32カ国で翻訳されており、ウォール・ストリート・ジャーナル(アメリカ)、インデペンデント(イギリス)、フィガロ(フランス)、ラ・レプッブリカ(イタリア)等、各国の主要紙が称賛の書評を寄せた[1]。
ドイツ本国ではクライスト賞を受賞。日本では翻訳ミステリー大賞にノミネートされたほか、本屋大賞で新設された翻訳部門で1位、「ミステリが読みたい!」(早川書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)、「このミステリーがすごい!」(宝島社)で2位にランクインした。また、2012年に27年ぶりに選出された東西ミステリーベスト100にランクインした最も新しい作品となった。
ZDF(ドイツ第2国営テレビ)により収録作のうち6話がテレビドラマ化されているほか、他2作のテレビドラマ化や、第5話「幸運」のドーリス・デリエ監督・脚本による映画化も決定している。日本では、俳優の橋爪功が2013年12月に第2作と合わせて「犯罪 / 罪悪」の朗読劇の自主公演を行った[2]。
原著はドイツでの映画化に合わせて刊行されたペーパーバック版で大幅に改訂されているが、東京創元社から刊行されている日本語訳版は改定前のハードカバー版を底本としているため、内容の一部が異なっている[3]。
収録作品
編集- フェーナー氏 Fähner
- タナタ氏の茶盌 Tanatas Teeschale
- チェロ Das Cello
- ハリネズミ Der Igel
- 幸運 Glück
- サマータイム Summertime
- 正当防衛 Notwehr
- 緑 Grün
- 棘 Der Dorn
- 愛情 Liebe
- エチオピアの男 Der Äthiopier
テレビドラマ
編集ZDF(ドイツ第2国営テレビ)で「フェーナー氏」「タナタ氏の茶盌」「緑」「ハリネズミ」「サマータイム」「正当防衛」の全6話がテレビドラマ化された。監督は各話ごとに異なる競作形式である[4]。日本では、「犯罪〜ドイツの奇妙な事件〜」のタイトルでAXNミステリーにて2014年4月12日に全6話が一挙に放送された[5]。
トリビア
編集すべての話で共通しているのが、リンゴが必ず登場するということ。物語の鍵になっていることもある。
出典
編集- ^ “クライスト賞ほか文学賞三冠! 欧米読書界を驚嘆せしめた傑作 フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』” (2011年6月6日). 2014年3月29日閲覧。
- ^ “「犯罪〜ドイツの奇妙な事件〜」に魅せられた2人 俳優・橋爪功×翻訳家・酒寄進一 対談インタビュー”. 2014年3月29日閲覧。
- ^ フェルディナント・フォン・シーラッハ著『犯罪』誤訳・文章の欠落のご指摘につきまして
- ^ マライ・メントライン「祝・フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』、ドラマ日本初放送!」『ハヤカワ・ミステリマガジン』2014年5月号、早川書房、5頁、2014年3月29日閲覧。
- ^ “フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』完全映像化!AXNミステリーで放映決定!” (2014年3月3日). 2014年3月29日閲覧。