静岡銀行
株式会社静岡銀行(しずおかぎんこう、英: The Shizuoka Bank, Ltd.)は、静岡県静岡市葵区に本店を置く、しずおかフィナンシャルグループ傘下の地方銀行。
しずぎん本部タワー | |
本店 手前の本館は1931年竣工(登録有形文化財) | |
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査役会設置会社[1] |
市場情報 | |
略称 | しずぎん、静岡銀 |
本店所在地 |
日本 〒420-8761 静岡県静岡市葵区呉服町一丁目10番地 |
設立 | 1943年3月1日 |
業種 | 銀行業 |
法人番号 | 5080001002669 |
金融機関コード | 0149 |
SWIFTコード | SHIZJPJT |
代表者 |
八木稔(代表取締役頭取) 福島豊(代表取締役専務執行役員) |
資本金 |
908億4500万円 (2022年3月31日現在)[2] |
発行済株式総数 |
5億9512万9069株 (2022年3月31日現在)[2] |
売上高 |
連結:2416億円 単独:1925億200万円 (2022年3月期)[2] |
経常利益 |
連結:542億1900万円 単独:452億8200万円 (2022年3月期)[2] |
純利益 |
連結:416億3500万円 単独:361億2000万円 (2022年3月期)[2] |
純資産 |
連結:1兆882億4700万円 単独:1兆51億1200万円 (2022年3月期)[2] |
総資産 |
連結:14兆9182億2700万円 単独:14兆8279億8500万円 (2022年3月期)[2] |
従業員数 |
連結:3,982人 単独:2,618人 (2022年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
主要株主 |
しずおかフィナンシャルグループ 100% (2022年10月3日現在) |
主要子会社 | #関係会社参照 |
外部リンク | https://www.shizuokabank.co.jp/ |
静岡銀行のデータ | |
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法人番号 | 5080001002669 |
店舗数 |
209店 (日本国内の本支店及び出張所204店、海外支店3・駐在員事務所2) |
貸出金残高 | 9兆3272億円[2] |
預金残高 | 11兆2248億円[2] |
特記事項: (2021年3月31日現在) |
日本国内の店舗展開エリアは静岡県全域のほか、東京都区部、神奈川県、愛知県、大阪市[3]。海外ではアメリカ合衆国にニューヨーク支店とシリコンバレー駐在員事務所、ヨーロッパに欧州静岡銀行、アジアに香港支店、シンガポール支店と上海駐在員事務所を持つ[4]。
概要
静岡市葵区の本店(本社)のほか、本部機構を清水区に置く。通称は静銀(しずぎん)。静岡県、静岡市、浜松市の指定金融機関である[注 1]。
邦銀トップレベルの盤石な財務体質から、トップレベルの信用格付けを取得している。自己資本比率は2012年(平成24年)3月末時点で17.49%と、三菱UFJフィナンシャル・グループ(14.91%)やみずほフィナンシャルグループ(15.50%)、三井住友フィナンシャルグループ(16.93%)を上回っている(いずれも数値は連結、国際基準による)。
バブル期に不動産・開発融資を自制したことや、経営のあらゆる局面において漫然とした取引を戒め、質素倹約を重んじる行風から、通称をもじって揶揄的に「シブ銀」とも評される。静岡県以外や日本国外にも店舗展開しており、ニューヨーク、ブリュッセル、香港などに拠点を有する。三菱UFJ銀行の親密地銀である。その中でも、三菱UFJから見て特に重要度の高い銀行の情報交換・親睦が行われる火曜会のメンバー行である。
2014年4月2日、マネックスグループの株式をオリックスから取得した上で持分法適用会社としたほか[5][6][7]、翌2015年10月21日には、コモンズ投信に3億円出資し、同様に持ち分法適用会社とした[8][9]。
なお、静岡銀行の基盤は、戦前の一県一行主義の下、県下の銀行の集約により、実現したものであるが、一旦合併で合意していた駿州銀行(現在の清水銀行)は合併直前に白紙撤回され、駿河銀行(現在のスルガ銀行)は、一貫して合併を拒否し続けたため、静岡県は、戦時下においても3行が鼎立し続けた稀な例となっている[10]。
沿革[11]
- 1877年(明治10年)12月 - 静岡第三十五国立銀行設立。
- 1878年(明治11年)5月 - 静岡第三十五国立銀行開業。
- 1897年(明治30年)7月 - 私立銀行に転換し、三十五銀行設立。
- 1920年(大正9年)
- 3月 -遠江銀行設立。
- 6月 - 遠州銀行が資産銀行と西遠銀行を吸収合併。
- 1937年(昭和12年)3月 - 三十五銀行と(旧)静岡銀行が合併し、静岡三十五銀行が設立。
- 1943年(昭和18年)
- 1944年(昭和19年)12月1日 - 浦川銀行を合併。
- 1945年(昭和20年)4月1日 - 浜松市信用組合を合併。
- 1961年(昭和36年)10月 - 東京証券取引所第一部に上場[12](証券コードは8355)。
- 1983年(昭和58年)4月 - ディーシーカードと共同で静銀ディーシーカード(現:静銀カード)を設立。
- 1985年(昭和60年)2月 - ロスアンゼルス支店開設[12]。
- 1989年(平成元年)6月 - ニューヨーク支店開設[12]。
- 1991年(平成3年)1月 - 香港支店開設[12]。
- 2000年(平成12年)9月 - 静岡県内JA、信用金庫とのCD・ATM利用手数料無料化で提携開始した。
- 2000年(平成12年)12月 - 東京三菱銀行グループ(当時)と共同で静銀ティーエム証券設立(TMは“Tokyo-Mitsubishi”)。
- 2001年(平成13年)9月11日 - ニューヨーク支店がアメリカ同時多発テロ事件に遭遇。
- 2002年(平成14年)5月 - ISO14001認証取得。
- 2004年(平成16年)2月23日 - 旧相模原支店(小田急相模原駅前だが住所表記は座間市)の支店名を相模大野支店と改称、旧スルガ銀行相模大野支店跡地に相模大野支店として移転。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)7月31日 - インターネットバンキング支店である静岡銀行インターネット支店を開設。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 12月13日 川崎支店(神奈川県川崎市川崎区)を開設。
- 2018年(平成30年)
- 3月20日 - みずほフィナンシャルグループとの間で個人向け業務などで提携すると発表[20]。
- 3月28日 - 綱島支店(横浜市港北区)を開設[21]。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 9月22日 - 秦野支店(神奈川県秦野市)を出店。
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)
- 4月1日 - この日より名古屋銀行とのATMの相互利用無料化提携を開始した[30]。
- 5月20日 - 白楽支店を港北区新横浜に移転の上、新横浜支店に改称。
- 6月3日 - JCBブランドの銀行本体発行型クレジットカード「joyca J(ジョイカ ジェイ)」を発行開始。
- 7月8日 - 新宿支店・新宿ローンセンターを新宿アイランドウイング内へ移転[注 5]。
関係会社
連結子会社
- 欧州静岡銀行(Shizuoka Bank (Europe) S.A.)
- 静銀総合サービス株式会社
- 静銀モーゲージサービス株式会社
- 静銀ビジネスクリエイト株式会社
- 静銀ITソリューション株式会社
- 静銀信用保証株式会社
- 静銀カード株式会社
- 静銀ティーエム証券株式会社
- しずぎんハートフル株式会社
- Shizuoka Liquidity Reserve Limited
持分法適用関連会社
- 静銀セゾンカード株式会社
- コモンズ投信株式会社
三菱UFJフィナンシャルグループとの関係
クレジットカード事業では静銀ディーシーカード、証券業では静銀ティーエム証券を子会社として共同設立している。また最近では、三菱UFJファクターと提携し、保証ファクタリングの仲介を取り扱いを開始した。
一時は縮小を決めた名古屋地区での営業を、中京圏の高い景況感から見直す姿勢に転換しており、静銀とともに旧三菱銀行の親密行である愛知銀行とATMの手数料無料提携や法人向けセミナーを共催するなど協調の体制がある。
アメリカ同時多発テロ事件
静岡銀行ニューヨーク支店は、アメリカ同時多発テロ事件で1機目の航空機が94階から98階に突入したニューヨーク世界貿易センタービルノースタワー(1WTC)の80階に入居していた。日本から派遣された行員6名と現地採用の行員4名全員、無事脱出に成功した。航空機の衝突による衝撃を大地震と認識した支店長が、国内で行っていた避難訓練にならい、いちはやく避難を指示したためと言われている。同支店は現在、マンハッタン島の別の場所に移転して営業を行っている。
情報処理システム
静岡銀の勘定系システムは、現在は自行による単独での運営とされているが、2014年1月、日立製作所が開発にあたっている次世代オープン勘定系パッケージを採用することを明らかにした[31][32][注 6]。また同時に、統合情報処理系システムは富士通が構築にあたっているものを採用するとしている。両システムとも2017年度中の稼働を予定するとしていたが[33]、2度にわたって延期され、2018年4月20日には2020年度中の稼働を目標とした[34]。
店舗
神奈川県の東海道線沿線の駅前には、横浜銀行と静岡銀行の支店が至近地に設置されているケースが散見される。一方で横浜銀行の店舗は、過去に熱海支店が出店されていたものの、現在は静岡県内には出店されていない。
- 東海道線沿線(神奈川)の静岡銀行の支店
- 東海道線沿線以外の静岡銀行の支店
- かつてあった支店
一方の愛知県には政令指定都市である名古屋市と豊橋市のみに支店やATMコーナーを設置しており、閉鎖した店舗も存在した。しかしながら、同県内での店舗やATMコーナーの数は静岡県に本店を置く銀行の中では最も多い。また、愛知県の金融機関との預金引出手数料無料提携は、前述の愛知銀行の他豊橋信用金庫とも結んでいる。
- 愛知県内の支店
- 名古屋支店
- 大曽根支店
- 豊橋支店
- かつてあった支店
- 大阪府内の支店
- 大阪支店
- あびこ支店(廃店)
- 東京都内の支店
- 東京営業部
- 新宿支店
- 大井町支店
- 銀座支店(廃店)
- 池袋支店(廃店)
- 日本橋支店(廃店)
東海地震警戒宣言発令時に業務を停止する支店など
東海地震の警戒宣言発令時に避難対象地域内の店舗など危険が予測される静岡県内の62ある有人支店・出張所の 全ての窓口業務及び指定地域内の店舗外ATMコーナーの営業を全て停止する事を銀行側で別途定めている[注 8]。業務停止する支店など 詳細についてはパソコン版のホームページに別掲扱で掲載されているので容易に確認する事が可能となっている。 また、銀行が支店の建替えや新規出店する場合に、銀行独自の基準で建物の強化基準を定めている[注 9]。これは地元である静岡県内全域が東海地震の警戒地区に入るため、現在適用されている建築基準法の基準より約1.5倍の強度を高め、万一強い地震が来た場合でも建物(支店)が倒壊しない様設計基準を設けている。また、ほぼ全ての支店・出張所の店頭へ頭部保護用ヘルメットを若干数ではあるもの用意されている[注 10]。
文化財
静岡銀行の前身である静岡三十五銀行と遠州銀行の本店は、浜松出身の建築家・中村與資平によって設計され、現存している。
関連項目
脚注
注
- ^ 静岡市は清水銀行と隔年で指定金融機関を交替するため、西暦の奇数年度のみ。
- ^ 静岡銀行本体も証券仲介業務として取り次ぐことでグループ内で完結する販売体制が整った。
- ^ 神奈川県横浜市瀬谷区の旧瀬谷支店と海老名市の旧さがみ野支店を統合・廃止し大和支店を開店。
- ^ 窓口は22階、ATMは22階と地下2階に設置されている。
- ^ 窓口は9階、ATMは9階と1階に設置されている。
- ^ 2018年に、このシステムを基盤とする新システムの稼働を京葉銀行も予定している。
- ^ 上社支店があった場所は、現在ヴィレッヂヴァンガードの本社となっている。
- ^ 平成24年9月24日時点、静岡県内の指定している有人支店・出張所は62か店ある。
- ^ ただし一部テナントビル等に入居する支店は除く。
- ^ この措置は、東日本大震災の影響もあり、改めて店頭へ配備した物と思われる。
出典
- ^ コーポレートガバナンス体制 - 株式会社静岡銀行
- ^ a b c d e f g h i “有価証券報告書 ‐ 第116期(令和3年4月1日 ‐ 令和4年3月31日)”. 株式会社静岡銀行 (2022年6月20日). 2022年10月8日閲覧。
- ^ 店舗・ATMのご案内 静岡銀行(2020年9月27日閲覧)
- ^ 海外ネットワーク 静岡銀行(2020年9月27日閲覧)
- ^ “静岡銀が資本業務提携 ネット証券のマネックスと”. 共同通信. (2014年4月2日). オリジナルの2015年5月28日時点におけるアーカイブ。 2014年4月4日閲覧。
- ^ “UPDATE 1-静岡銀がマネックスの筆頭株主に、オリックスは全株売却”. ロイターニュース. (2014年4月2日) 2014年4月4日閲覧。
- ^ “株式会社静岡銀行とマネックスグループ株式会社の資本業務提携に関するお知らせ” (PDF). 株式会社静岡銀行 マネックスグループ株式会社 (2014年4月2日). 2014年4月4日閲覧。
- ^ “静岡銀、コモンズ投信に3億円出資20%超の株主に”. 『日本経済新聞』 (2015年10月1日). 2015年10月14日閲覧。
- ^ 『株式会社静岡銀行との資本業務提携について』(プレスリリース)コモンズ投信株式会社、2015年10月1日 。2015年10月14日閲覧。
- ^ “5.銀行合同と日本銀行” (PDF). 日本銀行. 2022年7月16日閲覧。
- ^ “会社概要・沿革”. 静岡銀行. 2024年11月3日閲覧。
- ^ a b c d e 「沿革」『株式会社静岡銀行 S1004YUZ:有価証券報告書 ‐ 第109期』
- ^ “進まぬ再編の後押しなるか 大手地銀9行連合の波紋”. ダイヤモンドオンライン (2014年2月17日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ “地銀9行が地域再生で連携 福岡銀など、域外融資も”. 『日本経済新聞』 (2014年1月28日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ “静銀本部タワーが完成 ITで業務改革追求”. 『静岡新聞』 (2015年1月16日). 2015年11月1日閲覧。
- ^ “危機管理を強化/席固定せず効率化 しずぎん本部タワー”. 『静岡新聞』 (2015年2月18日). 2015年10月14日閲覧。
- ^ 「金融・IT融合 地銀から 静岡銀など、ネット会計VB出資」『日本経済新聞』2015年8月23日(2020年9月27日閲覧)
- ^ 『マネーフォワード、住信SBIネット銀行および静岡銀行との業務提携契約を締結。あわせてSBIホールディングス、静岡銀行およびジャフコから10億円の資金調達を実施予定』(プレスリリース)株式会社マネーフォワード、2015年8月25日 。2015年10月14日閲覧。
- ^ “リノベる、リノベーションに特化した金融商品の開発を目指して静岡銀行と8月29日に業務提携を締結”. リノベる株式会社のプレスリリース. 2020年7月28日閲覧。
- ^ “みずほFGが静銀と提携 AI研究・新商品開発…系列の垣根越え”. Sankei Biz (2018年3月21日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “静銀、神奈川・綱島に支店 ほけんの窓口と共同店舗”. 『日本経済新聞』 (2018年3月29日). 2018年3月31日閲覧。
- ^ “静岡銀、横浜支店が移転開業 横浜駅直結 証券も4月に”. 日本経済新聞. (2020年2月25日) 2022年5月5日閲覧。
- ^ “静岡県内信用金庫とのATM利用手数料無料化提携終了のお知らせ”. 静岡銀行. 2024年11月3日閲覧。
- ^ 静岡銀行とキャスターが人材領域における連携協定を締結 〜オンラインで地域企業の人材支援やDX戦略の課題解決を支援〜キャスター(2020年9月11日)2020年9月27日閲覧
- ^ “静岡銀行と山梨中央銀行、業務提携 提携効果100億円”. 朝日新聞 (2020年10月29日). 2020年10月29日閲覧。
- ^ “株式会社名古屋銀行との包括的業務提携(静岡・名古屋アライアンス)について”. 静岡銀行. 2024年11月3日閲覧。
- ^ “静岡銀と名古屋銀が包括提携 取引先支援、株式も相互取得”. 時事通信 (2022年4月27日). 2022年4月28日閲覧。
- ^ “「株式会社しずおかフィナンシャルグループ」の設立およびグループ内組織再編のお知らせ”. しずおかフィナンシャルグループ. 2022年10月3日閲覧。
- ^ “静岡銀行、セブン銀行、ローソン銀行、イーネットのATM手数料の改定について”. 静岡銀行. 2024年11月3日閲覧。
- ^ “ATM 相互利用料の無料化を開始”. 静岡銀行. 2024年11月3日閲覧。
- ^ “静岡銀行と次世代基幹系システムの構築を基本合意”. 株式会社日立製作所 (2014年1月23日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ “オープン勘定系”. 日経コンピュータ. (2014年5月23日) 2014年6月18日閲覧。
- ^ “「次世代システム」の構築に向けベンダーと基本合意” (PDF). 株式会社静岡銀行 (2014年1月23日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ 「次世代システム」の開発状況について静岡銀行2018年4月20日
- ^ 白楽支店を改称し、2024年5月20日に新横浜に移転
- ^ https://www.shizuokabank.co.jp/pdf.php?id=6316
- ^ https://www.shizuokabank.co.jp/pdf.php?id=6316
- ^ 文化遺産オンライン